こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「子育て楽しめない」についてです。

子育ては、楽しい事ばかりではないと頭で分かっていても、日常的に子どもに振り回され、家事や予定が進まず、楽しめないどころかイライラさえと感じる時が。

令和4年の内閣府の満足度・生活の質に関する調査報告書2022によると、生活に満足していると答えた人はどの年代も3割程度にとどまっています。理由は年代により様々ですが、現代は、楽しみにくい時代なのかもしれません。では、なぜ“楽しめないのか?”について考えました。

また、発達障害の特性により楽しくない事をするのがとても苦手な人がいます。やる気アップの技法、トークンシステムについても調べてまとめました。ご覧ください。

【楽しめない時】幸せホルモン不足かも⁉

実は、人間が幸せや楽しいという気持ちになるのには、脳内の神経伝達物資が関係しています。その中でも、“幸せホルモン”と呼ばれている、3つの神経伝達物質が関係し、不足すると“楽しくない”という気持ちになりやすいようです。

しかも、この3つは順番が大切。セロトニン→オキシトシン→ドーパミンの順番で満たしていく事が理想的です。それでは、その順番で解説していきます。

【心の安定】セロトニン

セロトニンは、精神を安定させ、心のバランスを取る作用があると言われています。脳や腸で分泌され、脳で分泌されると体内時計の乱れをリセットし、生活リズムを整え、夜になると自然な眠気を誘ってくれるメラトニンというホルモンの材料になります。

生成のためには、朝日を浴びる、体内で合成されない必須アミノ酸を食事により体内に取り込め、トリプトファンやビタミンB6を多く含む食材が良いと言われています。

特に、ビタミンB6の多くは腸内細菌によりの合成されるので、腸内環境が悪くなると合成されにくくなります。

アジア人は元々セロトニンが不足しやすく、多くの日本人が少ない体質のようです。不足すると、不眠、不安や焦り、攻撃的になったり、イライラ、集中力の低下、うつ病の発生リスクも高めます。

極端に少ない人は薬物療法も検討されますが、過剰摂取になると、下痢や便秘、めまいやふらつきなどの副作用もあります。

セロトニンを多く含む食材

バナナ、赤身の魚(カツオ、マグロなど)、乳製品、大豆製品、ナッツ類等に多く含まれています。

【関連動画】

こちらの動画でも、食材や飲み物も紹介されています。

セロトニンを増やすには

  • 朝日を浴びる(起床後30分程度)
  • 良質な睡眠をとる
  • 適度な運動(リズミカルな運動や噛む事)
  • 腸内環境を整える(整っていないとセロトニンが腸内へ過剰に分泌、脳内は不足状態に)
  • バランスのとれた食事(大豆、乳製品、バナナ、ナッツ類なども取り入れて)

太陽を浴びる事により、脳内でセロトニンを活発に作り、14時間から16時間後、夜が来た事を体に伝えるメラトニンとなります。日中たくさん作ると良質な睡眠を促し、翌日スッキリ目覚められたり、熟睡できます。

ウォーキングや、階段の上り下り、スクワットなどリズミカルな運動も効果的と言われています。腸内環境を整えるのにも適度な運動が効果的です。

腸内環境はストレスや、自律神経にも左右され、睡眠不足など様々な要因が重なって乱れやすくなっています。様々な栄養素を含んだバランス良い食事を心掛けよく噛んで食べるとさらに効果的です。

また、セロトニンが分泌されることによってドーパミンの過剰分泌を抑制できます。

【ストレスに強い】オキシトシン

オキシトシンは、愛情ホルモンとも呼ばれ、半世紀以上前から陣痛促進剤としても使われ、母子にとって重要なホルモンです。

出産時に出産後広がった子宮を収縮させ、乳腺を収縮させることにより、母乳の分泌を促し、母性行動増やしたり、愛情行動を増やすという効果については以前より知られてきました。

研究の進歩により、ストレスの調節に対しても大きくかかわっていることが分かりました。

オキシトシンは赤ちゃんの早い時期に作られるホルモンで、その頃にたくさん作られていると、将来オキトキシンが出やすい脳になると言われています。分泌量が増えると、幸せや、楽しさを感じ、脳内のストレスを軽減。ストレスに強くなると言われています。

また、他人への信頼関係を築きやすく社交的に、学習面も記憶力アップ効果もあるようです。

オキトキシンが分泌されるには、出産時以外にも、好きな人や家族、ペットに触れている状態、つまりは、スキンシップしている時にたくさん分泌されています。そして、触られている側より、触っている側の分泌が増えます。

“相手を思う気持ち”が分泌を促すので、親切にしたり、『○○さんのお誕生日だから、これをあげたら喜ぶかな?』と相手にプレゼントを用意するなどの行動でも分泌されます。小さな親切や感謝の気持ちで、負担なく増やしてみませんか?

【関連動画】

こちらの動画では、オキシトシンの与える効果について解説しています。

オキシトシンを増やすには

  • スキンシップ(パートナーや家族、ペットなど)
  • マッサージ(セルフでもOK)
  • 五感を刺激する(美しい景色を見る、おいしいものを好きな人と食べるなど)
  • グルーミング(サークル活動、ランチに行くなど)

皮膚の接触がある方がより多く分泌されるようですが、肌以外にも、柔らかいものに触れたり、かわいいと感じる映像を見る事でも分泌されます。“推し活”もひとつですね。

また、何を食べるかより、誰と食べるかの方が重要と言われています。前述しましたが、オキシトシンの分泌量が増える事により、セロトニンの分泌量も増えます。

【やる気スイッチ】ドーパミン

ドーパミンとは、人間の人格形成に深い関わりがあり、多幸(たこう)感や成功や報酬、意欲、学習や運動、感情に喜びや快楽を得た時に作用します。脳内には1兆個以上の神経細胞があり、その中には、ドーパミンのみに反応する神経細胞があり、快楽を得た時に分泌されます。

食事によっても増やす事ができます。また、誰かに褒められる、認められた利する事でも分泌されます。新しい事に挑戦できたり、この先に良い未来が待っていると感じた時にも分泌される事も分かってきました。

不足すると、やる気の低下、無感動、うつなどの原因に。加齢などの理由により、脳内のドーパミンに反応する神経細胞が障害され脱落、分泌が少なくなると、パーキンソン病の原因にもなります。

しかし、過剰になると、満足感が麻痺し始め、分泌させているのに欠乏状態と勘違いし、やがて依存症を招く可能性があると言われています。そんな出過ぎてしまった時、抑制する役割を持っているのがセロトニンと言われています。

ドーパミンを増やすには

  • 達成しやすい短期目標を決める
  • 音楽を聴く
  • 必要な栄養を摂る

目標設定して何かを達成した時、ドーパミンが分泌されます。まず、目標を決めている最中、決めた目標を達成し、達成後の報酬を感じた時にも分泌され、やる気やモチベーションの源になります。

まずは、達成しやすい目標を立て、達成した時の“報酬”を具体的にするとさらに良いと言われています。

好きな音楽を聴いている時に、好きな歌詞や、フレーズを思い浮かべ、感情が高ぶったり、感情的になっている時に、脳内ではドーパミンが生成されているようです。

食事で増やすのは乳製品(特にチーズ)、大豆製品、卵や小麦、牛肉や豚肉が良いと言われていて、逆に、バターやラード、血糖値を上げる大量の砂糖がドーパミンを現象させる研究結果があります。

【関連動画】

こちらの動画でも詳しく解説されています。

【幸せホルモン】順番が大事!

ここまでをまとめてみます。

体調や心の安定にかかわるセロトニンを分泌されるために、家族やパートナーとスキンシップ、好きな人との食事や推し活でオキシトシンを分泌、セロトニン量も増やし、ストレスに強い体を作り、ほどよいドーパミン量に調節、意欲的に新しいことに挑戦したり、ポジティブ思考になる事が幸せホルモンがほど良く分泌されている状況と言えるのかもしれません。

しかし、口で言うのは簡単です。新しい事に挑戦‼なんてことはなかなか出来ません。

しかし、“楽しむために”考えたり、調べたりしているつまり、この状況がすでに脳内はドーパミンが出ているのではないのでしょうか?簡単と感じた事から始め、少しずつ整えてみてください。

【楽しめない時】距離感の違い

人には、近すぎると不快と感じる距離があり、それをパーソナルスペースと言います。当然ですが、人それぞれの距離感の違いがあり、だいたい、子どもは12歳頃から意識され始めると言われています。

パーソナルスペース(英: personal-space)とは、他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア、個体距離、対人距離とも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。

引用元Wikipedia

前述にもあるように、年齢、性別、性格、国籍、文化などにも多少の差はありますが、例えば、女性のパーソナルスペースは丸く、男性は前からくる人に警戒心を持つ傾向があり、前に出ている楕円形と言われています。

また、外向的な性格の人の方がパーソナルスペース狭い傾向にあります。

対人距離の分類

アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールは、対人距離を4つのゾーンに分けています。さらに細かく分類し、8種類に分類されています。

密接距離一番近い親しい間柄の距離0cmから15cm
15cmから45cm
個体距離表情を読み取れる距離45cmから75cm
75cmから1.2m
社会距離手は届かないが、会話ができる1.2mから2m
2mから3.5m
公衆距離講演する人と聴く人の距離3.5mから7m

距離には密接距離と言い、0cmから15cmで親子や恋人関係など体が触れてもいい距離、ごく親しい友人などが入ってきても不快にならない身体が触れる事がないけれども、ごく近くの距離で45cm以下と言われています。

例えば、たまたま居合わせた人とエレベーターや満員電車で親密距離に侵入され、密接になると、人は不快感を感じます。

次の距離感は45cmから75cm相手の表情を読み取り、手を伸ばせば相手に手を差し出す事のできる距離、もう少し遠くなった75cmから120cmはお互いに手を伸ばす事により触れられる距離です。

知らない人や、あまり親しくない間柄、あえて距離感を取りたい時に人と話す距離です。

子育てが楽しめない人は子どもとの距離が適切でないかもしれません。

【ちょっと脱線】子育て四訓

アメリカインディアンの古くからの言い伝えです。

乳児期にしっかり愛情を注ぐ事で情緒が安定し、人間としての基盤が形成され、幼児期に社会への一歩を踏み出すために手が出せる距離で見守り、学童期では何かあれば声をかけられるように遠くで見て、完全に自立していく青年期では手を出さず、直接見えない時期には心の中にとなります。

こちらも距離感についてですが、常に親として子どもを思っているというのが短い言葉で表されていて素敵な言葉だと思います。

トークンエコノミーと発達障害

トークンエコノミーは療育の現場でも使われている技法ですが、他に私たちの社会でも広く採用されている、行動療法の事です。

発達障害があるなしにかかわらず、やる気を出すためのひとつの技法として、取り入れられています。トークンとは、その人にとって価値のあるものに交換できる代理物です。“代用貨幣”とも呼ばれています。

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薄波
行動療法ってなんですか?
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京本
支援者や大人が本人と共同して目標設定して、良い行動を増やし、問題解消につなげる心理療法です。

【関連記事】

障害の種類についてはこちらをご覧ください▼

トークンエコノミーとは

何かの行動をした時に、刺激による行動が良い結果だったか、悪い結果だったかによりその人の自主的な行動を学習する事をオペラント条件付けと言い、オペラント条件付けによる良い行動をした時に、あらかじめ約束していたトークンを与え、その行動の発生頻度を増やすことをトークンエコノミーと言います。

簡単に言うと、『○○できたら、○○もらえるよ。』システムです。分かりやすい例で言うと、ポイントやクーポン券、お店の来店スタンプです。

“〇円で1ポイント。スタンプが全部たまったら好きな商品と交換‼”なんてカードがあると、もう少しでポイントがたまるとなった時、そこの店で商品を買おうという気持ちになります。

実際、そんなカードを持っている人多いのではないでしょうか?もちろん、わたしもその一人です。

トークンエコノミーが有効とされる理由

発達障害のある子どもの療育などで用いられ、有効とされる理由です。

  • 目で見て分かる
  • 行動により身に着く
  • 達成を確認できる

発達障害のある人は、いつ、何をすれば良いのか見通しを立てる事が苦手ですが、目で見て分かると、伝わりやすいやすく、無理なく行動しやすくなります。

トークンエコノミーは行動したことによりもらえる“ポイント制”です。目標としたしなければならない行動を毎回行う事によって、増えていきます。つまりは、行動する事により自然に身につきやすくなります。

例えば、シールやスタンプカードを使い、決まった回数がたまると、望むトークン(お菓子、ゲーム、おこづかいなど)がもらえるようにします。ポイントをためる事によって、実績が見えて、達成を確認できます。カードがたくさんたまると、より良いよいトークンがもらえると、モチベーションを向上させます。

発達障害の子どもへの導入ポイント

発達障害の子どもにとってのポイントは、見える化です。

“できた!”目で見て分かるものにし、何をすれば良いかも具体的にする。期限を作り、守れた場合は達成。守れなかった場合はトークンがもらえない。たまると得をしたと感じるごほうび設定にすると有効と言われ、さらに大切なのは、本人の同意を得る事。

納得せずに押し付けてしまうと効果があまりありません。少し難しい、やりたくない事をごほうびがもらえる事(トークン)でモチベーションを維持し、達成につなげます。

まずは小さな目標を設定し、トークンとなるごほうびも本人好みのもでないとモチベーションも上がりません。

簡単になったら本人と話し合い、目標を設定し直したり、修正も時には必要です。大切なのは本人のやる気と主体性。自分で決めてた少し困難な目標をトークンというごほうびでやる気を維持し、最終的に困難が乗り越えられたら大きくなったら自信にもつながり、自己肯定感も高まりますね。

【関連動画】

こちらの動画でもトークンエコノミーについて解説しています。

メリットとデメリット

メリットは導入しやすく、手軽です。家庭でも可能です。

達成感や、やる気にもつながり、当たり前にみんなができている頑張っている事でも、認められます。その姿を見て、頑張っているね”と褒め言葉をかけやすくなり、自己肯定感アップにつながります。

デメリットとしては、目的が達成することから、トークンをもらう事になりやす事です。

マンネリ化し、自分で考えず、受け身になってしまう。などがあげられますが、主体性が大事で、大人が直してほしい事ではなく、本人が苦手な事や、面倒くさい事を頑張るためにトークンがあるという事が大切です。

まとめ

こちらの記事では子育てが楽しめないと時にどうするか?についてまとめました。

  • 楽しめない時は、幸せホルモンが不足しているのではないか?
  • セロトニンで心を安定させ、オキシトシンでストレスに耐える力をつけ、ドーパミンでやる気をアップさせる。この順番で分泌させるのが理想的
  • 子どもとの距離感も大切。パーソナルスペースも参考にして距離感を考えよう。
  • 行動療法のひとつにトークンエコノミーがあり、分かりやすい例で言うと、ポイントカード。
  • トークンエコノミーで大切なのは主体性。本人が苦手な事や、面倒くさい事を頑張るためにトークンがある。

この情報が少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。