こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害を改善するレシピ」についてです。

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薄波
発達障害を改善するレシピはあるの?

発達障害 レシピ」で検索すると、いろんな食事療法の紹介が出てきます。

しかし本当に食事で発達障害を改善できるのでしょうか?ちょっと疑問ですよね。

この記事では食事療法のレシピの紹介だけでなく、発達障害の食事の問題を解決するレシピの紹介もしていきます。

この記事を読んでわかること見出し

・発達障害の食事療法の概要
・発達障害の食事に関する問題とは
・偏食の対策

発達障害の原因はたんぱく質と鉄分の不足だった⁉︎

発達障害の医学的な治療法は未だ見つかっておりません。そんな中、みなさんは発達障害が食事で良くなると言われたらどう思いますか?

「発達障害が食事で良くなるわけがない」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

「食事でよくなる!子供の発達障害」

こんな気になる本が出版されています。

概要「隠れ貧血」が発達障害の原因だった!
ADHDの息子を食事で改善させた料理家がそのすべてを初公開。
価格¥1,430
ページ数152頁
著者ともだかずこ

著書の口コミ

いろいろな意見が多くありました。

高評価

発達障害と言われたときメンタルクリニックに行く前にぜひこの本を読んで実践するとことを勧めます。専門医はほとんど「発達障害と栄養は関係がない。脳のもともとの障害である」とおっしゃります。そういう方が居られることは否定しませんが、潜在性鉄欠乏と蛋白摂取不足を改善することにより発達障害の症状が改善する子がいるのも事実です。

引用元:Amazon

我が家も子どもの発達障害改善のためにこの栄養両方を取り入れて、家族で健康問題に改善が見られている。読みもせずに本書を批判する方は、まだ「藁にもすがる思い」にまで至っていないか、発達障害の子を抱える自分が周囲から労ってもらうことで癒しを得ている代理ミュンヒハウゼン症候群なのではないかとさえ感じてしまう。

引用元:Amazon

低評価

料理研究家が医師の監修を受けて出している本であり、様々な料理が紹介されている点は良いと思う。しかし、発達障害と隠れ貧血などというものを結びつけて、障害の症状が改善するように書いているところには根拠はあるのかという疑問が残る。そもそも発達障害は”障害”であるのだから、食事でよくなるというのはおかしいのではないだろうか。

引用元:Amazon

発達障害は生まれつきの脳神経機能障害とされています。表紙に「隠れ貧血が発達障害の原因だった!」と書かれていますが医学的な証拠はあるのでしょうか?たんぱく質と鉄分を摂取すれば子供の発達障害が改善されるのは本当でしょうか?この本に関わった医師、料理研究家は責任とれますか?発達障害のお子さんを持つご家族の方はほんとに苦しい思いをされているのです。発達障害という言葉が独り歩きして誤解や偏見が生まれている事実もあります。「嘘」とは言いませんが無責任なことはやめて下さい。発達障害者とご家族に日本人としての良心を忘れないで下さい。

引用元:Amazon

「食事でよくなる!子供の発達障害(実践編)」

概要子供の発達障害の原因は、たんぱく質と鉄分不足だった!
シリーズ第二弾はレシピ集!
ADHD、自閉症、学習障害が改善する料理を大公開
高たんぱく・低糖質+鉄分の摂取が発達障害を治す秘訣だった!
価格¥1,430
ページ数128頁
著者ともだかずこ

著書の口コミ

いろいろな意見が多くありました。レシピに対しての口コミが多い内容でした。

高評価

大変に参考になりました。子供が幼少の頃より、発達障害気味でしたがこの本を読んで、家族で実践しています。心なしか、子供の状態が落ち着いたように感じます。医者にかかるより、まず家庭で可能な限り食事療法が大事ですね!

引用元:Amazon

低評価

家の子供はADHD、自閉症スペクトラムですが、それ以前に内分泌ホルモン異常性低血糖症です。こんなに糖質抑えたら、また発症します。残念ですが、役にたちませんでした。

引用元:Amazon

自閉症の原因がわからないのになぜ食事で自閉症が改善するというのか、バカにしてる。詐欺

引用元:Amazon

この著書は医者や薬に頼らない健康法を推奨している医学博士の藤川徳美先生の監修のもと書かれています。

藤川徳美先生のTwitterはコチラ↓

この著書の要点

この著書では、

  • 発達障害と言われる人にはフェリチン値(鉄の貯蔵および血清鉄濃度を維持する蛋白)が低い
  • 「高たんぱく・低糖質+鉄」の食事療法を実践すると身体的にも精神的にも改善する

という内容をもとに、以下の6つの基本の食事療法を紹介されています。

基本の食事療法

・動物性たんぱく質を積極的にとる
・鉄分をじゅうぶんにとる
・良質な資質をとる
・糖質を控える
・牛乳を飲みすぎない
・インスタント食品や食品添加物を控える

さらに、著者の実体験や食事療法体験者の手記を紹介されています。

第2版の「実践レシピ」では、

  • 食事栄養療法の紹介
  • レシピ52種類を掲載
レシピ52種類

・みんな大好き! 大きなおかず (23種類)
・食卓に彩りを加える サラダ&スープ (11種類)
・昼食にも便利! 主食 (8種類)
・糖質は少ないけど、甘〜い おやつ (12種類)

という内容で、レシピ本になっています。

普通に美味しそうなレシピで、読んでいるとヨダレが出ちゃいそうでした。

1人分の「糖質」「たんぱく質」「脂質」が明記されてあったり、アレンジ方法も書かれてあったりしていて、「おやつを食べすぎたから糖質を減らしたい」、「組み合わせると脂質が多くなるから高たんぱくのレシピを足したい」など目的に沿って使いやすいと思います。

ただ、調味料や調理器具の指定があり、完全にマネするのはややハードルが高いかもしれません。

それでも、主婦目線の優しいレシピ本になっていました。

本当によくなるの?

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京本
じゃあ、早速実践しよう!

ちょっと待ってください‼︎

上記の著書は「食事でよくなる」と謳っていますが、本当でしょうか?

この著書は、栄養学でいえば「貧血」がよくなる考え方やレシピを推奨しています。しかし、貧血と発達障害が結びつきは医学的には立証されていません。

また、フェリチン値(ferritin)は、鉄の貯蔵および血清鉄濃度を維持する蛋白です。一般的な検査では貧血の指標はヘモグロビン値(hemoglobin)なので、フェリチンを調べようとすると保険適用外の費用がかかってしまいます

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薄波
実践は良いと思われますが、一つの情報に囚われない考え方が必要かもしれませんね。

発達障害の食事の困りごとはなんですか?

みなさんが食事でお困りのことはなんでしょうか?

自閉症スペクトラム障害と診断されたお子さん338名(3〜9歳)の食事の問題を調査した報告があります。

食事時の問題行動として「立ち歩く」「ガタガタさせる」、食べ方では「1 品食べ」「詰め込み」「丸飲み」が多くみられた。食事時の問題行動は発達レベルとの関連がみられ、年齢に応じて問題が自然に軽減・消失することが困難であると推察された。

引用元:髙橋 摩理, 内海 明美, 大岡 貴史, 向井 美惠, 自閉症スペクトラム障害児の食事に関する問題の検討, 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌, 2011, 15 巻, 3 号, p. 284-291, 公開日 2020/06/25, Online ISSN 2434-2254, Print ISSN 1343-8441, https://doi.org/10.32136/jsdr.15.3_284, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdr/15/3/15_284/_article/-char/ja

また、同じ報告で

絶対食べない食材数と発達レベルとの関連が推察されたが、年齢との関連は明らかではなかった。食べない食材は「イカ・タコ」など食べにくい食材や野菜が多く、「食感」「見た目」が挙げられた。食材を加工し提供することは「触覚」「視覚」への配慮となり、有効な対応法と思われた。

引用元:髙橋 摩理, 内海 明美, 大岡 貴史, 向井 美惠, 自閉症スペクトラム障害児の食事に関する問題の検討, 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌, 2012, 16 巻, 2 号, p. 175-181, 公開日 2020/06/07, Online ISSN 2434-2254, Print ISSN 1343-8441, https://doi.org/10.32136/jsdr.16.2_175, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdr/16/2/16_175/_article/-char/ja

つまり、動いたり詰め込んだりする子は年齢に応じて落ち着くが、偏食は変わらない。

ということでした。

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京本
偏食でお困りの親御さんはいらっしゃいますか?

偏食の問題

  • 野菜や果物が食べられない
  • 同じものばかり食べている
  • 噛めない
  • 食べることに興味がない

発達障害を持つお子さんの大きな問題として「偏食」があります。好き嫌いをするのはワガママと言われてしまいがちですが、発達障害の特性によって引き起こされている可能性があります。

それは、

  1. 口腔機能の問題
  2. 感覚の問題
  3. 栄養の問題

です。ひとつずつみていきましょう。

口腔機能の問題

身体の発達が緩やかなことから口の発達が遅れたり口の動きが不器用であったりして、うまく食べられません。食べることへの偏ったこだわりが生まれ、安心できる同じ食材を好みます。

感覚の問題

感覚過敏という特性があることで、食感、匂い、味などに人一倍敏感です。嫌な印象を持った感覚をしっかり覚えていて食べることを避けます。視覚的に色や形が変わったり食材が混ざったりすることで、食材がどれかわかりにくいまたは記憶しにくいことがあります。

栄養の問題

活動量、筋肉量、低緊張の状態により一般的な同年齢のお子さんより必要エネルギー量よりも少ない場合もあるため、ため少食です。高カロリーなお菓子で十分なため栄養バランスが偏ります。

偏食は厄介

お菓子、ジュースなど糖質の高いものを偏食する傾向にあり、肥満や生活習慣病になってしまうケースや、ひどい場合はビタミン欠乏症などで入院することもあります。

食べたくないのではなく、食べられないので、その原因を解決しない限り偏食の改善は望めません。

Twitterの反応

偏食のお子さんを持つ大変さが分かります…

https://twitter.com/machidanatsuko/status/1542097490328969217?s=21&t=6QkrGOSsm89VhdBEqkMgzQ

偏食を改善するための具体的な対応

さまざまな文献を読んでも、個々の対策が必要で、なかなか「コレッ」という内容はありません。自然治癒は難しく、原因の把握と改善のための対応が必要なようです。

その対応方法とは…

偏食があるお子さんの親御さんは色々と試行錯誤されたことがあると思います。

ただ、お子さんの特性に適した対応にはみるポイントがあります。

ポイントが分からずに対応すると癇癪の原因になることも…

観察

まずは食事場面を観察し、お子さんの「好き」や「嫌い/苦手」及び「感覚の特性」を把握します。

視覚過敏

視覚が過敏であるために偏食している場合は、食材ごとに分けて盛り付けたり、形を変えたりしてあげましょう。

嗅覚過敏

嗅覚過敏であれば、好きな匂いに近い食材を使いながら慣れさせてあげましょう。

聴覚過敏

聴覚が過敏な場合は、食器をやわらかい素材の物に替え、自分以外の咀嚼音が気になるようなら食事する部屋を別々にしたりするのも手段のひとつです。

触覚過敏

触覚が問題で食べられない場合は、日々の生活や遊びのなかでいろいろな感触の物に触れさせて慣れさせるようにしましょう。

口腔内過敏

食感が気になるケースは、硬めに調理したり、ふやかしたりして、食べやすい食感に作り変えてあげる方法がベターです。

その他

その子の「好き」を生かした調理や味つけで、苦手な食材にチャレンジしていくとうまくいきやすいようです。

食べられるもので栄養バランスが摂れているか、また、必要カロリーが摂れているか、についても把握する安心ですね。

やってはイケナイ対応方法

常套手段として使われますがダメなんです。それは…

みじん切り

実は、野菜嫌いや偏食の克服にはつながりません。

なぜかというと、「苦手なものを食べられた!」という認識を生まないためです。

それでは違うメニューが出てきた時は食べてくれません。

もし、毎回みじん切りしたとしても、それがバレてしまったら、次は警戒して食べなくなってしまいます。

偏食のお子さんに合ったレシピ

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京本
じゃあ、具体的にどんなご飯を作ればいいの?

上記の対策をお伝えしても、どういうレシピがいいのか、いまいちピンとこないのではないでしょうか?

私もイメージができませんでした。

なので、皆様におすすめの著書をご紹介します。

「発達障害児の偏食改善マニュアル」

概要発達障害のある子どもたちの“偏食”へのかかわり方がわかる!
「毎日同じものしか食べてくれない」「無理やり食べさせることになってしまってつらい」
発達障害のある子どもの偏食は保護者の方をはじめとする子どもの食事にかかわる支援者に共通する課題となっています。
本書は子どもたちが食事を楽しんで食べられるよう、偏食を改善するために必要な対応をマニュアル化したものです。
価格¥3,300
ページ数137頁
著者藤井 葉子

著書の口コミ

口コミを見ると、専門職のレビューが多くみられました。

高評価

好き嫌いと偏食が一緒になっている保育者や保護者は多いのではないかと思います。偏食の原因と対応を細かく丁寧に書いてあります。なぜ食べられないのか、にとことん向き合う内容でした。偏食用のレシピやら声かけのアプローチはいくつか見ましたが、口腔機能や感覚についてきちんと明記されているものは少ないです。個人的に著者の先生方の取り組みを知っていたので大変興味深く、勉強になりました。保護者の方にもわかりやすい平易な言葉で書かれていると思います。支援者にとっても参考になるものばかりです。保育や教育の現場の人にも是非読んでいただきたい。

引用元:Amazon

専門的です。感覚過敏が原因で偏食があるお子さんへの対応など本当に細かく考えてあり驚くほどです。写真で見てわかりやすく、偏食のあるお子さんと関わる全ての方におすすめです。

引用元:Amazon

低評価

偏食の息子のために購入しました。本当に素晴らしい取り組みで、こんな療育施設が近くにあればという思いでいっぱいです。フルタイムで仕事をしていると、してあげたいけど、ここまで出来ないというのが正直な感想です( ノД`)

引用元:Amazon

ありきたりの内容です。

引用元:Amazon

この著書は広島市西部こども療育センターの管理栄養士である藤井葉子先生が実践する偏食改善方法です。

藤井葉子先生は発達障害の支援者の中で非常に有名な方のようです。

第1章の「偏食に関する基礎知識」では、偏食をしてしまう子供の生理的な原因やその対策、保育現場の実際の様子など、偏食への支援を始める支援者が知っておくべき基本的な内容について述べられています。

第2章から第4章は「偏食改善マニュアル」として、具体的な対応方法が整理されています。

まず第2章で子どもの普段の姿や身長・体重など生理的な情報をもとに偏食の原因を考え、一人ひとりの状態に応じた対応の仕方をイラストでわかりやすく紹介されています。

続く第3章では、偏食をしてしまう子供でも手が出やすい調理の方法について解説し、写真を交えて準備の仕方から丁寧に掲載されています。

第4章では、著者が実際に現場で経験した体験をもとに、具体的な対応方法を解説しています。

非常に写真やイラストが多く分かりやすいため、一気読みしてしまいました。

ちょっと内容を紹介すると、

  1. 感覚で選ぶ子にはカリカリに。
  2. 形で選ぶ子は好きな形に統一。
  3. 慣れたものを選ぶ子には形を崩さず素焼きなどをしてから提供。

偏食でお困りの親御さんはぜひご一読をおすすめします。

まとめ

いかがだったでしょうか?

まとめ

・鉄分+高たんぱくの食事療法の紹介(ひとつの情報に囚われすぎない!)
・偏食は発達特性による影響
・食事を観察しよう
・「発達障害児の偏食改善マニュアル」は食べられないが食べるに変わる

発達障害のお子さんに合う食事療法を探すことは良いと思いますが、食事療法の押し付けになってしまっては、お子さんが大変なだけになってしまいます。

ひとつの栄養にこだわらず、栄養バランスの良い食事ができると一番良いのではないかと思います。

そのためにも、お子さんの特性に目を向けて、偏食の改善に取り組んでみてはいかがですか?

栄養障害にならないように気をつけて、一緒に食事を楽しんでみましょう。