こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
本日は「発達障害とくるくる回る行動」についてです。
発達障害では、「くるくる回ってしまう」という行動を取るお子さんがいます。
「どうして、くるくる回ってるの?」「そんなに回り続けて、目は回らないの?」と、周囲の人がびっくりすることも。
この記事では、発達障害と「くるくる回ってしまう」行動をテーマに、どうして回ってしまうのか、周囲はどう対応すればいいのかについてお伝えしていきます。
目次
発達障害と「くるくる回る」行動
発達障害の兆候の1つとして、同じ場所で何度もくるくると回る行動(常同行動)があります。
くるくる回る以外にも「自分の体をつねる」「体を前後にゆする」などは常同行動です。
できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称。特性に応じて「ADHD」「ASD」「LD」と更に細かく分類があります。
生まれつき脳の構造に特徴があることが原因といわれています。
また、発達障害の特性のうち「自閉症スペクトラム障害(ASD)」で「くるくる回る」ことを好む・「くるくる回す行為・回っているものを好む」場合もあります。
【発達障害と「くるくる回る」の関係:3パターン】
- くるくる回っても目が回らない
- くるくる回ることを好む
- くるくる回すこと・回るものを好む
では、それぞれの理由を詳しく解説していきましょう!
1.くるくる回っても目が回らない
小さなお子さんで、目が回りにくい体質を持っていることがあります。
たとえば、くるくると何度も体を回転させても、直後にそのまま真っ直ぐ歩くことができるのです。
これは、「前庭感覚」が未発達で鈍感な子どもによく起こる症状です。
発達障害の兆候としてチェックされることも
「くるくる(ぐるぐる)回っても、目が回らない」は、発達障害の兆候としてもチェックされます。
小学校に就学前くらいの年齢で「回っても平気」な様子が見られるなら、発達障害が原因かもしれません。
ただし、お子さんが「目が回りにくい」体質であっても、それだけでは発達障害だとは断定できません。
発達障害は専門の医師によって、日頃の他の様子や発達の具合など、複数の検査によって診断されるからです。
② くるくる回ることを好む
ASDの特性を持つお子さん本人が玩具の「コマ」のようにくるくると横回転し続ける場合、下記のような理由が考えられます。
- 回ることに強い興味やこだわりがある
- 「回り続ければ気持ち悪さが無くなる」と思い込んでいる
- 回ると安心する
強い興味やこだわり
興味の偏りやこだわりから、同じ遊びを延々と繰り返してしまっているパターンです。
お子さんは「回る」という行動に強く引き付けられているのではないでしょうか。
本来は「気持ち悪い」と不快に感じる体への作用を、「おもしろい」と刺激的に捉えて、クセになっている可能性もあるでしょう。
思い込み
またASDの特性から、思い込みが強いことも考えられます。
誰かに言われたことや、自身の勘違いから、「回り続けたらいいことがある」「回り続けたら気持ち悪くなくなる」と信じ込んでしまっている可能性です。
回り続けた結果よけいに気持ち悪くなってしまっても、「まだ回り足りなかったのかな?」など1度思い込んだ情報の方を信じてしまうのです。
回ると安心する
同じ行動を繰り返してしまう「常同行動」の一環として回っている可能性もあります。
体になじんだ行動を取ることによって、安心したいのではないでしょうか。
③ くるくる回すこと・回るものを好む
風ぐるまや風見鶏など、回して遊ぶ玩具や、くるくる回るものを見るのは楽しいですよね。
お子さんも興味の対象として「回すこと・回るもの」が好きなのではないでしょうか。
ASDでは、強い「興味の偏り」や「こだわり」の特性を持つことも。これらの特性から集中力を発揮し、ご飯を食べることも忘れて熱中してしまうのです。
延々と回して遊んでいたり、回るものを見続けていたりする場合は、特性からの集中力が発揮されている可能性があります。
くるくる回る子には、どう対応する?
お子さんの思うまま行動させてあげたくても、時間や場所・状況が許さないこともありますよね。
かといって、無理やり止めさせようとすると、かえってお子さんが反発したり、パニックになってしまうことも考えられます。
くるくる回ってしまう行動が見られる場合は、下記の4つの対応も試してみて下さい。
- 回っても危険のない環境をつくる
- やめるタイミングを具体的に伝える
- 違う遊びで褒める
- 危険がない場合はそっとしておく
① 回っても危険のない環境をつくる
周囲のお友達にぶつかって、ケガをしたり、ケガをさせてしまったりしては大変です。
夢中になっていると、車や段差に気付かないおそれもあるでしょう。
安全に回れる場所を用意しましょう。
② やめるタイミングを具体的に伝える
お子さんに回る行為をやめて欲しい時は、「あと○回だけ回ったら、おしまいにしよう」など、具体的に伝えてみてはどうでしょうか。
お子さん自身も納得の上であれば、踏ん切りがつきやすいと思います。
笛やイラストカードをあらかじめ用意しておいて、「ピーッて鳴ったらおしまい」「このカードが出たらおしまい」のように、耳や目でわかるように工夫してみるのも良さそうですね。
③ 違う遊びで褒める
回る以外の遊びをしている時に、一緒に楽しく遊んだり、遊びによって得られたことを褒めてあげたりするのも効果が期待できそうです。
回る遊び以外のことに興味を持ってくれるのではないでしょうか。
④危険がない場合はそっとしておく
①~③までの方法で論してもくるくる回ることをやめない場合は、まずお子さんが危険かどうかを確認してください。
そして、他人にぶつかるなど影響がない場合はそっとしておくのも一つの手です。
発達障害かどうか心配な時の相談先
お子さんに「くるくる回っても目が回らない」様子があり、発達障害の兆候に当てはまるかどうか心配になる保護者の方はいらっしゃいませんか?
しかしながら、いきなり専門医を受診するのもためらってしまいますよね。
発達障害かどうか不安があれば、住んでいる地域の保健センターなどにも相談してみて下さい。
下記のような健診のタイミングでも保健士に相談できます。
なお、健診のタイミングは地域によって異なる場合があるので、詳しくはお住まいの地域の保健センター・子育て相談窓口などにお問い合わせ下さい。
- 1歳6ヵ月の乳幼児健診
- 3歳の幼児健診 など
その他の発達障害の代表的な特徴もこちらの記事で紹介していますので、併せて参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、発達障害と「くるくる回る行動」についてお伝えしました。
- 発達障害の兆候の1つとして「くるくる回っても目が回らない」がある
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性から、回る・回す遊び、回るものの観察などに集中し過ぎてしまうこともある
- 回るのを止めさせたい時は、対応を工夫する
- 回っても危険のない環境をつくる
- やめるタイミングを具体的に伝える
- 違う遊びで褒める
- 発達障害かどうか心配があれば専門機関に相談する
- 住んでいる地域の保健センターなど
発達障害の特性から、お子さんに「くるくる回ってしまうクセ」がついてしまっていることも考えられます。
ですが回る遊び・回す遊びに夢中になることは、成長の過程でも自然なことです。
危険などには注意しながら、ある程度はお子さんの自由に遊ばせてあげましょう。
お子さんにとって楽しい時間が過ごせるといいですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。