こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の子どものSNS依存とその対策」についてです。
現代の代表的な社会問題ともなっている「SNS依存」、発達障害の子どもたちは特にリスクが高いことが知られています。とはいえ、子どもたちにとっても生活や学習に役立つツールであることは否定できませんよね。
最後まで読んでいただければ、SNSとの付き合い方、そしてSNSを利用していくうえで何が大事なことなのか理解していただけるかと思います。
目次
SNSとは?
SNSというのはソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、これにより人々はインターネット上でユーザー同士つながりを持つことができるようになりました。情報の発信、共有とオンライン上での交流などができ、また企業などがマーケティングに活用するなど、現代の生活に欠かせないツールとなっております。
代表的なものに「twitter」、「LINE」、「Facebook」、「Instagram」、動画配信サービスとして知られる「Youtube」などがあります。
文章だけでなく画像や写真を添えたり、共通の話題を持ったグループをによるコミュニティ形成や情報の拡散、ライブ配信など機能も多様化しており、その進化は留まるところを知りません。
調査によると世界のSNS利用人口は46億2600万人とされており、その比率は58%。なんと世界の過半数の人がSNSを利用しているのです。日本国内においてもネットユーザーの8割以上が利用しているそうです。もはやSNSは社会インフラの一つと言っても過言ではないといえるでしょう。
情報の伝達、発信と共有に大きな利便性をもたらしたSNSですが、それと同時にSNS依存など、社会問題ともいえる弊害があるのも事実です。
SNSが発達障害の人にもたらす影響
SNSが人にもたらす負の側面と言えば「個人情報の流出」や「いじめや晒し」など、いろいろな弊害がありますが、とりわけ発達障害の子どもをお持ちのあなたが気を付けたいのは「SNS依存」ではないでしょうか。
そもそもSNS依存は、寂しがり屋で孤独感を感じやすい人やコミュニケーションが苦手な人が陥りやすいのです。
発達障害の子どもたちとSNS依存
発達障害は大きく分けて3分類「ADHD(注意欠陥多動性障害)」、「ASD(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群)」、「LD(学習障害)」に大別されます。ここからはそれぞれの特性別にどのように依存へ傾いていくのかを解説していきます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)とSNS依存
ADHDの人の特性は、落ち着いていることが難しく、衝動的に行動しがちな反面、興味の惹かれることには過度に集中してしまうこと。
SNSは更新が目まぐるしく速いためADHDの人は心地よく感じやすく、興味のある情報やユーザーがいると更新情報やユーザーのリプライが気になってしまい、SNSをチェックせずにはいられないといった心境になりやすいのです。
またSNSは幸福感や集中力をつかさどるホルモン「ドーパミン」を放出する脳の報酬系を刺激することが知られており、「ドーパミン」が不足しやすいADHDの人の依存を加速させる一因となっています。
ASD(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群)とSNS依存
ASDの人の特性は、いわゆる空気を読むことが苦手で、対人不安が強く直接的なコミュニケーションをとることが苦手な傾向にあります。
相手の話の理解や心理的な距離感をつかむことが難しく、ADHD同様興味のあることに没頭しやすいことがあげられます。SNSなどネット上におけるコミュニケーションでは対面での会話がないため、不安なく交流することができますし、文章でのやり取りが主なので時間をかけて何度も読んだりなど話の理解の困難さをカバーできるのです。
また興味のあることに集中しすぎる特性から、膨大な時間をSNSに費やしてしまうこともあります。
LD(学習障害)とSNS依存
学習障害は上記二つの発達障害と違い、依存につながる特性は見受けられませんが、学校の勉強について行くことに困難があることが多く、ストレスをため込む原因になります。
そこには人から認められず自己承認ができなくなってしまい、SNSを通して他人からの承認を求めようとする心理が発生します。そのため、SNS依存になってしまうリスクは高いといえます。
SNS依存対策
多くの人に依存をもたらすリスクのあるSNS、発達障害の特性のある人ならさらに高まる傾向にあることがわかりましたね。では、SNS依存にならないための予防と対策は何でしょうか。「うちの子が心配…」という方も安心してください。お子さんとSNSやスマホとの付き合い方や外的環境を変えることでしっかりと予防が可能です。
SNSを利用する時間やタイミングの管理
まずはじめにSNSを利用する時間を決めて管理するという方法です。お子さんと約束して実行できるならばこれが一番ストレスなくできる予防策でしょう。具体的には以下の方法が考えられます。また夜、就寝前に利用しないことで寝つきが良くなり、睡眠の質を向上させることができます。
- 通知を切り、通知に反応しての利用を避ける
- あらかじめ時間を決める
- 勉強や手伝いの完了後のご褒美としてSNSを見ることを許可する
- SNSデトックス(SNSを利用しない日を設ける)
- ペアレンタルコントロール(親が子供のスマホ利用を管理する機能)
以下はペアレンタルコントロールの設定のしかたを説明した動画です。お子さんのスマホ利用の制限が必要な方は参考にしてみてください。
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ファミリーリンク(Android及びiphone13歳以上のお子様が対象)
どうしてもスマホ、SNSが気になり、触らずにはいられない、そんなお子さんをお持ちの方はぜひこちらの商品もご覧ください。大人のデジタルデトックスにも効果的です。
フォローするアカウントの制限
スマホやSNSが手放せない場合は利用するコンテンツを決めて制限することも効果的です。SNSには様々な人が利用しています。
中には完璧さや輝かしい自分を演出したアカウントなど「羨み」や「妬み」を誘うアカウントがあり、精神的にもストレスになる傾向があります。お子さんに見せるなら、精神的にもよい影響のある投稿がいいですよね。
お子さんの価値観に沿った心から楽しめるアカウント、学習に役立つものや美しい自然やかわいい動物など、癒しをくれるものといったお子さんにポジティブな影響をもたらすアカウントを選んでフォローするとよいでしょう。このようにどんなアカウントをフォローするのかを決めておくのは一つの方法です。
アプリやアカウントの削除
どうしてもSNSが手放せないお子さんには少々荒療治ですが、利用するアプリやアカウントを削除してしまうことも手段の一つです。
効果的ではありますが、喧嘩になるなど親子関係に影響がでることも懸念されます。あらかじめ、ルールを設けて破られたらアプリやアカウントを削除するとお子さんに伝えておくといいでしょう。あくまで最後の手段として活用してもらえればと思います。
「いいね」やフォロワー数に価値観を置かない
SNSの自分の投稿に「いいね」やポジティブなコメントがついたり、フォロワーが増えたりすると、人は他人から「好かれている」、「承認されている」と感じ、脳から「エンドルフィン」というホルモンが分泌されます。
「エンドルフィン」は鎮痛作用や快感をもたらし、アヘンやモルヒネなど麻薬に似た作用があります。したがって依存を起こしやすくなってしまうのです。
お子さんが「いいね」やコメントにこだわらないように伝えたり、通知を切っておくなどの工夫をしておくことは依存対策としては非常に有効です。
日常生活や環境を変える
SNS依存の最大の原因に「ストレス」や「孤独感」があげられます。
スマホやSNS以外に打ち込める趣味を見つけたり、スマホを使わずにかかわれる友達を作るなど、SNSがなくても日常を楽しめる環境を作っておくと、SNSから離れる時間を作れるだけでなく、お子さんとしても楽しく豊かな生活ができるでしょう。
また、「ライズいどがや」ではお子さんが楽しめるプログラムが充実しており、たくさんの仲間たちが待っています。SNSがなくても安心して生活を楽しめる環境を「ライズいどがや」は提供しております。
専門家や医療機関を利用する
依存が進み、生活から改善が困難な場合は専門家によるカウンセリングを受けてみましょう。お子さんのSNS依存について専門家の観点からの意見、家族のかかわり方、生活習慣のアドバイスをもらうことができます。
また重度のスマホ・SNS依存によってお子さんがパニックを起こす場合は入院による治療を検討したほうが良いでしょう。カウンセリングや検査を受けられるだけでなく、24時間専門家がついて治療してくれるので依存を安心してムリなく依存を克服していけるようになります。
SNSのメリット
ここまでSNS依存について、SNSのマイナスな部分を見てきましたが、SNSにも大きな恩恵があることもまた事実です。多くの皆さんは「SNSを使ってよかった!」と思うところはどういったところなのでしょうか。総務省の調査によると以下のようになっております。ご覧ください。
主に人とのつながりを作り、深めることができた。情報を得られるといったことが主になっていることがわかります。
「人間は社会的動物」と古代ギリシアの哲学者のアリストテレスも言っていることですが、人とのつながりは人間にとって普遍的な価値観といえます。
また価値観の多様化や複雑化する現代社会において情報収集は欠かせませんし、学習にも大変有効なツールです。だからこそ現代の生活においてはSNSは有害として子どもたちから奪うことは、ネットリテラシーを身につけるといった意味でも得策とは言い切れないでしょう。
それに直接の対話によるコミュニケーションが苦手な発達障害の子どもたちにとって、SNSは自分を表現し、人とつながるための最良の手段にもなります。正しく使えれば人生を豊かにしてくれることは間違いありません。
自分と向き合って、自分の最高の価値観を知る
SNSとの付き合い方を考えるにあたり、筆者が大切だと感じることは「自分のこと、自分の価値観を知る」ことです。人には「自分とは何か、何のために生まれ、存在しているのか」というものを生まれながらにして持っているといわれています。
僕自身大人になった今、自分と改めて向き合ったときに、子どもの頃に好きだった、幸せを感じていたことが土台となって今の自分を生きていることに気付かされます。
まずは親御さん自らお子さんのことを理解することに努めましょう。「わが子の最高の価値観」つまり、「たいせつなこと、だいすきなことはなに?」とお子さんの心と向き合い、掘り出していくとよいと思います。その上でSNSの使い方を考えると有効かつ安全にりようしていけるのではないでしょうか。
まとめ
今回はSNSの最大の闇の部分、「SNS依存」とその対策と解決法について、発達障害の特性とともに解説してきました。SNSは弊害もあり、発達障害の子どもにとってはリスクも大きいことは事実です。
しかし対面でのコミュニケーションが苦手だからこそ、その短所を補える手段でもあります。適切に使えたなら、日々の生活も学習もよりよいものにしていけるでしょう。
できることなら、使用を制限するよりは子ども自らSNSとの良い付き合い方をしていったほうがいいですよね。そのためには「自分とはなんだろう。自分がだいじにしてることってなんだろう。」ということを知っておくことが大切です。
そしてそれは、お子さんだけでなく、僕ら大人にとっても必要なことだと思います。