今日のトピックは「発達障害児を育てる親の気持ち」についてです。
子どもが発達障害と診断されましたが、どう接していけばいいのでしょうか?
子どもの困っていることがわかりません。
どう接していけばいいか、わからないと不安ですよね。
発達障害を抱えた子供の育児方法がわからず、困惑している保護者は多くいます。「投げ出してしまいたい…」と悩む人もいるでしょう。
この記事では、子どもの困っていることはどういうことか?また、保護者はどう考えていけば良いのか。その着目点についてご紹介します!
今は発達障害児の子育ての相談先もたくさんありますので、ぜひ活用してみてください!
目次
親の気持ち
「自分の子供が発達障害を抱えている」
- どうして自分の子供が…
- 発達障害と診断されても受け入れられない
- そもそも発達障害って何?
- 周囲に相談できない…どこか相談できる所は?
- 泣きながら帰ってくる日がある…
- 子どもに「なんで生まれてきたの?」と責められる
- 他の親はどう対応しているの?
- 自分自身がおかしくなりそう…
発達障害を抱えた児童の保護者にかかる精神的負担は計り知れません。
勿論、障害を抱えた子供にかかる負担やストレスは大きく、保護者へ救いを求め、また責めてきます。しかし、保護者自身も人間です。日々のストレスから声を荒げてしまう事もあるでしょう。
さらには、障害を抱えた児童の育児が影響し、夫婦仲が険悪となってしまう可能性もあります。
障害を抱えた児童の育児に困惑し、相談する場所も無く、育児そのものに疲れてしまう保護者は少なくありません。
抱える悩み・不安
障害を抱えている子供と同様に、保護者としての悩みや不安は多くあります。
発達障害を抱えた子供の保護者に関するツイートを下記に紹介しますのでご覧下さい。
近年ではメディアにも取り上げられ「発達障害」という言葉が世間に周知されてきました。しかしながら、その特徴や症状まで詳しく把握している人は少なくありません。
よく分からない、障害という言葉から、少なからず偏見を持たれているのが現状です。
「子供の性格や躾が悪いのは親の責任」と決めつけられ、悩み苦しむ保護者は多くいます。
発達障害の影響により、健全児童に比べ、言う事を聞かない・覚えないことが少なくありません。
単なる「ワガママ」なのか。それとも「障害の影響」なのか。区別が難しい特徴があります。
これには見えている物、聞こえてくる音の情報処理が苦手な為です。
聞こえていないことはありません。言っている内容が理解できていない場合があるんです。発達障害の難しいところは、外見からでは「障害」と判断することが難しく、周囲からは「なまけている」という印象を持たれてしまうことです。
仮に発達障害と伝えても、症状や特徴まで詳しく知らない人が多い為、遠ざけられ孤立してしまう場合も考えられます。
前に進む為に、今できること
発達障害の影響で、育児が上手くいかなくて悩む保護者は多くいます。
ですが、その対応法や相談場所、発達障害という障害を知ることで生活の改善が見込める場合があります。下記ツイートのように、情報や意見を共有できる環境があるだけでも、精神的負担からの改善が見込めるでしょう。
ここからは発達障害の特徴や、相談場所、対策について解説していきます。
発達障害って?
そもそも発達障害とは、いったいどのような障害なのでしょうか。
この障害は、生まれつき脳の一部の機能に障害があるのが原因と言われています。この機能障害により、子供の成長に「できること」「できないこと」の差が極端に表れてしまい、生活に支障が出てしまうほどの障害の総称です。
1歳を過ぎた頃から症状が現れることが多く、個人差は大きいですが、以下の3つの特徴があります。
ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
主にコミュニケーションに関する障害で
- 会話が合わない・空気を読まない発言や態度
- 相手の目を見て話すことが苦手
- 相手の表情を読み解くことが苦手
などが挙げられます。コミュニケーションが苦手なので、仲間外れになることもあり、1人で遊んでいることも多くあります。
ADHD:注意欠陥・多動性障害
注意散漫や、団体行動などが苦手な特徴があります
- 気になったものを見つけると我慢ができない
- ジッと同じ場所にいることが苦手
- 忘れ物、物を無くすことが多い
などが挙げられます。好きなことや気になったものに対して、我慢することが苦手なので、団体行動中でも勝手に行動してしまうことがあり得ます。この為、迷子にもなりやすく、自分自身も何故別行動したのかに気づいていません。
また、手に持っていた物を、どこに置いたのか覚えていないことが多くあります。
LD:学習障害
文字の読み書き、簡単な計算などが苦手な特徴があります。
- 文字が読めない・見えづらいので朗読に時間がかかる
- 文字が見えづらいので、文字が正しく書けない
- 簡単な計算・暗算が苦手
などが挙げられます。漢字の読み書きが苦手という場合は誰にでもありますが、そもそも文字が正しく見えていないのです。
症状は人それぞれ
発達障害の症状は、抱えている人によって様々です。ASDを抱えている人がいれば、ADHDとLDを併存している人もいます。
下記に発達障害の症状について参考になる動画を用意しました。よかったら併せてご覧下さい。
近年では、10人に1人は発達障害を持っているとの調査結果がでており、子どもだけじゃなく大人の発達障害もメディアで取り上げられることが多くなってきました。
発達障害を引き起こす原因はほとんどが原因不明ですが、親の愛情不足や育て方が原因になることはありません
発達障害の子どもは苦手なことも多くありますが、好きなことには信じられないほどの集中力があったり、興味がある・得意なことには人並み以上にできることもあります。
ぜひ、お子さんの得意なところ、興味のある所を見つけてください!
どう発達障害児と接すればいいの?
発達障害児の子育ては、一生懸命子どもにしてあげたいと思う反面、癇癪やパニックになってしまったり、いつまでも言うことを聞いてくれず、神経がピリピリしてしまうことも少なくありませんよね。
発達障害を持つ子どもと接するときには、子どもに寄り添って理解することがポイントです。
では、具体的にはどう寄り添えばいいか、着目点を3つをご紹介します!
“子どもの困っていること”に着目してみましょう!
発達障害を持つ子供は、子ども自身思い通りにいかなかったり、どうすればいいかわからずパニックになってしまうため、以下のような視点で子どもがどんなことに困っているかに着目してみてください。
- ルールを理解できず、どうやるのかわからなくて不安
- 何をするのか、どうするべきかわからなくて不安
- どこに来たのかわからなくて不安
- 話の内容が理解できなくてイライラする
- 言いたいことが言えなくてイライラする
子どもは、理解できない、できないことを不安に思い、癇癪やパニックをおこしてしまうことが多いです。
そのため、例えばゆっくり話してみたり、内容を短くまとめたり、お子さんが理解しやすい伝え方を工夫してみてください。
理解できることが増えると、子どもの不安も少なくなりますよ!
“環境”に着目してみましょう!
例えば、お子さんの落ち着きがない時や、パニックになってしまうとき、どんな状況でしたか?
新しい場所に行った時やテレビがついている時など、環境によって子どもが混乱しているのが原因かもしれません。
発達障害を持つ子どもは、周りの情報を多く受け取ってしまうことが多いため、以下のような視点で環境に着目してみてください。
- 空間の広さ
- 音の多さ
- 見えているものの多さ
- 部屋の明るさ
- 一緒に過ごした人、過ごしている人(人数が多くないか?など)
“ハードル”に着目してみましょう!
子ども自身思った通りにいかないことも多く不機嫌になったり、癇癪を起してしまうことが多いのが発達障害の一つの特徴です。
お子さんは今日何ができたでしょうか?
例えば、
「癇癪を起さなかった」
「友達と仲良くできた」
「幼稚園に行けた」
やって当たり前のことと思っていても、発達障害を持つ子どもには難しいことも少なからずあります。
まずは、子どもにとって”できて当たり前のハードル”が高くないか、もっと低いハードルで見てあげると、たくさん今できていることもありますよ!
また、ハードルを下げて発達障害を子どもの個性と受け止めることで、子どもも自己肯定感を失わず、少しずつできることも増えてくると思います。
できたことを褒めよう
障害を抱えることによって、「褒められる」より「注意・叱られる」ことの方が多くなりがちです。子ども、保護者共に精神的に良い状態ではありません。
どんな小さなことで構いません。
- 昨日できなかったことができた
- 言うことを素直にきいてくれた
- 返事をしてくれた
など、要求に対して正しく行動ができたら褒めてあげましょう。
この積み重ねが、子どもの成長にも繋がります。
どこに相談したらいいの?
発達障害の子供を持つ親は「孤独」になりやすく、子どもの育てにくさから、子どもと離れる時間を持ちづらく「苦しい」「つらい」といった気持ちから、抑うつ状態になりやすいです。
発達障害の子育てで困っていることがあれば、家族だけで抱え込まずに、ぜひ専門の機関に相談してください。
面談可能な相談先
電話で相談のうえ、必要に応じて面談可能な相談先は、以下のような相談先があります。
- 発達障害者支援センター(全国)
- 子ども・家庭支援相談(横浜市)
- 地域療育センター(横浜市)
- 公立保育園での子育て支援事業(横浜市都筑区)
- 児童相談所(横浜市)
発達障害者支援センターは全国に展開している支援機関ですが、各機関によって支援内容が異なる場合があります。なので、相談の前に支援機関まで確認を取ることをおすすめします。
24時間電話での相談が可能な相談先
施設やコールセンターの営業時間内に相談できない場合などは、24時間対応してくれる以下の相談先に相談してみてください。
- 子どものSOSの相談窓口(全国)
- いのちの電話(全国)
SNSを利用
今ではTwitterやInstagramなど、SNSが普及しています。世界では、自身の悩みや不安、発達障害に関する有益な情報を発信する人は数多くいます。
近所では相談しづらい…という場合でも、SNSを通じて意見や情報を共有する場所があり、これによって「精神的に救われた」と感じる人は多く、おすすめです。
まとめ
発達障害を抱える子どもの育児は、精神的にも計り知れません。周囲に相談できないなどの環境から、1人苦しむ保護者は多くいます。
なぜ私が、私の子どもが…
と考えてしまう時もあるでしょう。
発達障害児の子育てで大切なのは、発達障害を理解し、子どもに寄り添って理解することです。また、これには世間の正しい情報の周知も必要となります。
トライ&エラーの繰り返しですが、今はたくさんの相談先があるため、一人で抱え込まず専門の機関も活用し、子どもの不安も自分の不安も少しずつ解消してあげましょう!