こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「習い事」についてです。

発達障害を持つ子を育てていると、「本人の個性を伸ばせているのか?」「もっと苦手を克服できないか?」などの不安が頭をよぎることがありますよね。
実際に幼稚園や保育園で、「活発すぎる(多動ぎみ)だから、運動の習い事をしたほうがいい」といったアドバイスを受けて困ってしまったケースもあるようです。

今回は、発達障害を持つ子に向いている習い事や選び方、嫌がらずに続けられるコツについてお話します。

続けられる習い事を選ぶ時のポイント

習い事を検討する理由は、その子その家庭によって違います。
「よいところを伸ばしたい」「ほかの子ともっとうまく関わってほしい」「学校で勉強に苦労してほしくない」といったものから、「幼稚園・保育園で勧められた」「家でのしつけは限界…誰かの手を借りたい」といったものまでさまざまです。
ここでは、せっかく始めた習い事がうまく続けられないといった困りごとをなるべく避けるために、習い事を選ぶ時の前提となる大事なポイントをチェックしてみましょう。

興味があること

まず大前提として、本人にやってみたい」という気持ちがあることが大切です。そうはいっても、はじめから自分で「興味があるからやりたい!」と訴えてくる子はあまりいないでしょう。

気持ちを見極める

日ごろの本人の興味方向から、「こんなことやってみない?」と動画で見せてみたり、自宅で再現できるものであれば少し一緒にやってみたりと、その興味がどれくらいあるかをよく見極めることが大切です。
仮に本人が「やりたい」といっても、もしかしたら「そう言えばお母さんに喜んでもらえるかも」「一回だけなら」という気持ちがあるかもしれません。やりたいといったとはいえ、それが即うまくいく条件ではないことも覚えておいてくださいね。

親と方向性が違うとき

子供が、親のやってほしい習い事に興味を示さない場合ですが、これはがっかりしてしまいますね。幼稚園・保育園や学校で指導者から勧めらてたのに本人が嫌がると、親は今所属している教育機関で見てもらえなくなるかも、と不安に思われるかもしれません。
しかし、無理やり通わせるのはおすすめしません。お金も時間も労力も消費しますし、本人もこわい思い出としてインプットしてしまうからです。
習い事は楽しくするのが基本です。

特性に合っていること

発達障害があるといっても、その特性は人により本当に個性豊かです。ですが、分類におり目安となる大まかな特性があります。

それぞれの障害の特性
引用元:厚生労働省・発達障害の理解

上記以外にも、味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚の五感に敏感であることもあります。本人に興味があっても、プールに響く音でパニックになる、習字をしたら墨の香りで気分が悪くなるといった、予測しない反応があるかもしれません。
向き不向きの両側面の特性を考慮して習い事を選びましょう。

才能をとるか困りごとを取るか

親の思いとして、「体力があるから運動の才能が開花するかも」「文字を早く読み始めたから勉強に向いているかも」といった特性を伸ばす方向と、「協調性がないから集団のスポーツで養いたい」「不器用なところをピアノで改善したい」などの困りごと改善の方向があります。
本人が興味を示して、困りごと改善の方向の習い事に通えればよいですが、強すぎる誘導はおすすめしません一見目的とは離れた習い事でも、本人が楽しいと感じる経験を通してのほうが、苦手分野の成長の促しになるものです。

楽しく習い事を続けるために

習い事を始めるのは、新しいことに慣れるまで時間がかかりやすい発達障害の子にとって大きな負担です。興味とやる気があったとしても、心身の疲れをよく観察しましょう。予測できないトラブルを防止することにもつながります。
ここでは、習い事を楽しく続けるポイントをお伝えします。

親子で体験しよう

どの教室でも、体験会や見学会を催しています。親子で参加してみましょう。本人が楽しく参加できるか、ほかにどんな子たちが通っているのか、指導者が発達障害についてどの程度理解があるかなどを直接確かめることができます。
無料の体験会を終えてもまだ判断がつかない場合、3か月間などの期間を決めて通わせてみることもよいでしょう。初期投資が必要な習い事の場合、費用がかかるとこが難点ではあります。

断られることも

体験会を終えたあと、教室側からお断りを受ける場合があります。とても残念ですし、自分の子が教室に見合わないと傷ついたり怒りを覚えたりするかもしれません。
教室側としても、人員体制を増やすことができず指導が万全にできない可能性があること、その中で思わぬ行動があった場合に安全確保が難しいことなど理由があるはずです。特に、1人で集団を指導している教室の場合、発達障害の子のために指導者を増員することは難しいことです。

医学の発達もあり、の子は10人にひとりともいわれいます。決して珍しくな障害であると理解が深まってきています。ひと昔前よりも、習い事の受け入れは確実に良くなっています。

無理のないスケジュールで

毎日保育園や学校から帰ると、疲れてパニックを起こしたり、すべきことができない状態になる子どももいるでしょう。その場合、習い事を平日の帰宅後にするのは本人の負担が大きいかもしれません。土日に習い事をする場合も、毎週ではない方が無理なく通えます。
体力があまりない、集団行動に慣れないなどの疲れる理由が少しでも改善してから習い事を始めてても遅くはありません

習い事先のスケジュールも把握

本人に興味があり、環境も整ったここぞという教室があっても、自宅から遠すぎるのは考え物です。本人が電車や車での移動が好きで苦にならなくても、長く続ける前提ですので、ほかの兄弟との兼ね合いや親の負担も考慮することをおすすめします。
また、イベントなどのイレギュラーのレッスンがどれくらいあるか、教室が都度変わったりしないかなども把握し、本人に適した方法で事前にわかりやすく伝えておくことが必要です。
休む場合も想定して、レッスンの振り替えが可能かの確認もしておきましょう。

指導者の理解

指導者によっては、障害児の指導経験がある場合もあります。ハンディクラスといって、苦手なことがある子に合わせてレッスンしてくれる教室もあります。その場合は本人が比較的なじみやすく、親も安心して通わせることができます。

習い事になにを望む?

体験を申し込む時点で、発達障害を持ち合わせていることを指導者に伝えましょう。障害があってもなくても、習い事になにを望むかはひとそれぞれです。事前に具体的に示すことで、指導者も対応がしやすくなります。
目的のために、教室側も本人の症状について確認したいことがあるでしょうし、どんな対応ができるかできないか、懸念事項などの確認がスムーズになります。
親同伴がいいか、慣れないうちから分離して習い事をするのかなども確認が必要です。

指導者の理解が得られない場合

発達障害に対してあまり理解がない場合もあります。コンクールや大会で上位を目指すような教室に多いかもしれません。
事前にその子の特性や心配事、想定される困った場面での対応策などをわかりやすく紙に書いて伝えるなどの工夫をしてみましょう。また、実際に通ってみて指導者が感じたことをタイムリーに聞き取り、一緒に対応を考えましょう。
アイデアとしては良くても、教室側の対応には実現不可能なこともあります。押し付けではなく、共に考える姿勢が大事かもしれません。

得には気分転換も

気分が乗らない、行きたがらないときもあるでしょう。その時は、思い切ってお休みしましょう。無理をしては続きません。たまに休むのはOKとしましょう。
その代わり、レッスンを休んで、毎回楽しいお出かけをするのはお勧めしません。休むと楽しいことがあると思うと、障害の有無関係なく休みたくなるものです。
「お休みしたから〇〇できないよ」というような、習い事を休んだ罰を連想する言動も、楽しい習い事という観点から離れすぎてしまいます。

効果を期待しすぎない

楽しいからやりたいという本人の希望以外にも、ある程度親の狙いがあって習い事をしているとはいえ、短期間での効果を期待しないようにしましょう。本人のストレスになるだけでなく、指導者との関係にも響きますし、自分自身も一喜一憂して疲れてしまいます
習い事は障害の有無にかかわらず、習い事の成果が目に見えてくるのはまだまだ先です。ゆったりとした気持ちで見守ってくださいね。

できれば個人レッスン

一口に習い事といっても、そのレッスンの形態はいくつかあります。
発達障害があり、個別に指示が必要な子の場合、できれば個人レッスン、もしくはグループレッスンで個人競技や個人技を磨くものほうが良いかもしれません。
もちろん、ほかのメンバーとのかかわりに臆さない子で、教室の理解があれば問題ありません。また、ハイレベルすぎる集団競技も、本人の負担が心配です。選ぶ際は、慎重に検討することをおすすめします。

どんな習い事がある?

具体的に、どんな習い事が選ばれているのでしょうか。
自己肯定感をはぐくむという共通の効果のほかに、期待する効果と気を付ける点と一緒に見てみましょう。

スポーツ系

活発なお子さんにおすすめ。体力もついてメンタルも強くなるスポーツ系習い事です。集団競技が多いので配慮が必要です。

個人競技

期待できる効果気を付けること
空手礼儀作法 落ちついた動作大声を怖がる
水泳体力向上 学校の授業で有利けがや事故 感覚過敏
体操体力向上 体のバランス補正けがや事故 感覚過敏
トランポリンなじみやすい 体力向上飛ぶのを怖がる

集団

ダンス、チエリーディング体力向上 リズム感 表現力 集団行動レベルについていけるか
クラシックバレエ落ちついた動作 礼儀作法個人技だけでない点
サッカー体力向上 コニュニケーション向上戦術理解

芸術系

音楽が好き、絵がうまい、いつも字を書いているなど、芸術の才能があるお子さんに向いている習い事がこちらです。

個人レッスン

ピアノ両手を別々に動かす 脳への刺激座っていること 自宅での練習
ギター両手を別々に動かす 脳への刺激 ピアノより手軽アコースティックギターのコードの抑えにくさ ウクレレやエレキギターにするのもよい
絵画 美的センス 技術向上座っていること こだわりの強さ

集団レッスン

リトミック歌やダンスが好きな子にぴったり。親も参加する教室は続けやすいテンションが上がりすぎるかも
習字 
   
字が好き、字に興味が強い子に向いてる 集団レッスンだが個人プレイ静かな環境で座っているられるか 墨で汚れるかも

頭脳系

小さいときから学んでおけば、小学生になった時に有利となるお勉強系の習い事。

個人レッスン

英語将来役に立つイベントが多く混乱するかも
プログラミング学校の授業にも導入された座っていられるか 難しすぎないか
学習塾、家庭教師学力向上 学校で有利シンプルなテキストを使うなどの工夫

集団レッスン

公文集団レッスンだが個人 プリント一枚の量が適量 学校で有利宿題 座っていられるか
囲碁将棋集団レッスンだが個人 最近流行っている 脳に刺激ルール理解 一局打てるか
そろばん集団レッスンだが個人 算数に有利 競争でやる気も宿題 座っていられるか

番外編

習い事ではないけれど、アクティビティを増やすものとして挙げてみました。

ボーイ・ガールスカウト集団行動 役割 責任感常に集団行動
自転車、登山、畑、釣りなど手軽 不定期にできる 達成感親が準備する

それでもすごく嫌がったら

まず、本人のよく話を聞きましょう。今回の習い事に限らず、本人なりの理由を把握しておきましょう。習い事をやめる前に、一定期間休会という制度をとっている教室もあります。
また、一度決めたことを辞めると教育に悪影響かと心配もあります。習い事を嫌がった時に考えるポイントを挙げてみます。

上達しない

せっかく続けてきた習い事ですが、いやいや通っても上達しません。ちがうことに貴重な時間を使うほうが有益の場合もあります。
習い事には適した成熟度合いがあります。やる気があって始めたのであれば、改めてやりたくなる時が来るかもしれません。その時期を待つのも手です。

トラウマになる

いやいや習い事を続けた結果、数年たってもその教室に通う道を通ることを嫌がる、という体験談を聞いたことがあります。自己肯定感、達成感とは逆の効果しかないのであれば、無理に続けることはないでしょう。

違う場面にも影響

よかれと始めた習い事が元で、生活に支障が出るほどの興奮や落ち込み、制御できない衝動が現れるかもしれません。社会生活の場で、本人らしさが損なわれるのは本末転倒です。無理して習い事をすることはありません。ここでやめても、すぐやめる癖がつくわけことととは違います。

まとめ

習い事は、あくまでも習い事です。3歳までに始めないと才能が開花しないとか、苦手の克服のために本人にそぐわない習い事を続けるのは、お金も時間もとてももったいないことです。

「自分はこんな習い事をことしていた!」と胸を張って言えるような、子供にぴったりの習い事に出会えるといいですね。