こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害空気が読めない」についてです。

あなたは空気を読むのが得意な方ですか?
大人でも空気を読むのが苦手な人はいますよね。子供が空気が読めないというのは当然のことかもしれません。

しかし、あまりにも空気を読まない言動や行動が目立つと「どうしてこんなに空気を読まないの?」と心配になる事もあるでしょう。

発達障害の子供は空気が読めないと言われますが、どういった根拠でそう言われているのか気になりますよね。

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京本
今回はそんな「空気が読めない」について解説していきます!

発達障害は空気が読めないと言われる理由は?

発達障害の子供はよく【空気が読めない】と言われます。どうしてそのように言われるのでしょうか。
確かに発達障害の子供は、空気を読むのが苦手なのは事実です。どうして苦手なのか、また空気を読むとはどういうことなのかを説明していきます。

空気を読むとはどういうこと?

よく耳にする「空気が読めない」という言葉ですが、発達障害ではない人も空気が読めない人っていませんか?

あなたの周りにも「あの人は空気が読めないよね」と言われている同僚や友達が1人位はいると思います。最近では【KY】という言葉が生まれるくらい、私たちにとって身近なことではないでしょうか。
つまり、発達障害がある=空気が読めないということではありません。

では【空気を読む】とはどういう意味なのでしょうか。

空気を読むとは

・その場の雰囲気から状況を把握すること
・自分が何をすべきなのか、何をしてはいけないのかをその場の雰囲気から読み取ること
・相手が何を望んでいるのかを読み取ること

発達障害があるとなぜ空気が読めないのか

発達障害をもつ子供と、空気を読めないことの関係性が気になりますよね。
それでは、発達障害だと空気を読めない理由を解説します。

◆自閉症スペクトラム症の場合

参考サイト:株式会社ライデック 発達障害とは

自閉症スペクトラム症のある子供は、強いこだわりがありマイペースな性格の場合が多いです。周りに合わせることが苦手で、自分のペースで物事を進めたい気持ちが強く現れます。そして、自分の興味のあることや好きなことをやり続けるので、周りからは【自己中心的】とか【空気を読まない】と思われてしまうのです。

人とコミュニケーションをとることも苦手なため、相手に合わせたり相手の立場を理解して行動するということが難しいのです。

◆注意欠如・多動性障害

参考サイト:LITALICO 発達ナビ

注意欠如・多動性障害のある子供は、対人関係やコミュニケーション能力に問題は無いことが多いです。しかし、落ち着きがなく、じっとしていられないという多動性がみられます。

そのため、じっとしていないといけない場面でも、ウロウロと動き回ってしまい【空気が読めない】と思われてしまいます。おしゃべり好きな子も多く、一方的に一人で話し続けてしまうこともあるので、人の話を聞かないと思われてしまうことも。

空気が読めないために困ることは?

対人関係では協調性が重要ですが、空気が読めないと一体どんな問題が起こるのでしょうか。
細かく説明していきますね。

周りから自己中心的・ワガママだと思われる

発達障害の場合は、性格の問題やワガママで空気が読めないということではありません。発達障害のそれぞれの特性によるものです。

こだわりが強いことや自分のルールを曲げられないという特性がありますが、発達障害に理解がない人はそのような知識はないですよね。

空気を読まないのは、自己中心的な性格や、ワガママだからという目でみられます。より風当たりが強くなってしまい、本人もストレスを感じてしまいます。

余計なひと言で周りの雰囲気を壊してしまう

普通は相手の立場になって物事を考えたり、今この言葉を言ってもいいのかな?と考えたりしますよね。しかし相手の立場を考えられない子供や真面目な子供は、思ったことをそのまま口に出してしまいます。

発達障害の子供は正義感が強くて嘘をつくのが苦手な場合が多く、正直さゆえに思ったことを言ってしまい、空気を凍らせてしまうのです。

https://twitter.com/mugidana/status/1213940368372191232

適切な距離感が分からず無神経だと思われる

人との距離感も、普通は空気を読みながら探りますよね。初対面の人や、そんなに仲良くない人に対しては、空気を読みながら距離を縮めていくと思います。

それは子供も同じです。大人よりはすぐに仲良くなれますが、やはり最初はお互いに距離を探っているものです。
しかし発達障害がある子供は、その空気を読まずにいきなりズカズカと距離を縮めてしまいます。プライベートな内容にも踏み込んでしまい、無神経と思われてしまいます。

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京本
子供のやり取りを見ていた友達のお母さんに「無神経な子」と思われることも多いらしいよ。

言葉の裏を理解できずにそのままの意味で捉えてしまう

普段私たちは会話の中で、あえて遠回しに言ったり、冗談の話をしたりすることもあるでしょう。しかし発達障害の子供は、例え冗談であっても真面目にそのままの意味で言葉を捉えてしまうのです。そのため、相手の本当の気持ちを理解できない・相手が自分に本当は何を求めているのかが分からないということが生じます。

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薄波
冗談が通じない子って思われて浮いてしまう子もいるみたいね。

ルールが守れずに遅刻や提出物の未提出が目立つ

就学すると、ルールを守る必要があります。周りの子供と同じように空気を読んで、行動することが求められます。

しかし発達障害の特性の「うっかりや忘れ物が多い」「ルールを守れない」ということが、宿題や提出物を持ってこなかったり、時間にルーズということへ繋がったりします。

空気を読めるようになるにはどうすればいいの?

発達障害をもつ子供が、空気を読むことが苦手な理由はさまざまです。
しかし、それが原因で周りの友達から孤立してしまうのは可哀想ですよね。

少しでも空気を読めるようになったら、周りとのコミュニケーションも円滑にいくのでは?と思いますよね。
この空気を読むという能力は、どのようにしたら改善されるのでしょうか。発達障害は治るのでしょうか。

発達障害を完治させることは難しい

発達障害は病気ではなく、その子の特性・個性と言われています。周りのサポートや療育によって、症状や生きづらさは軽減させることができます。ただ、発達障害を完全に治すというのは難しいことです。

みんなの理解・協力が必要

完治は難しいのですが、発達障害をもつ子供にとって何よりも大事なことは【周りのサポート】と【生活環境】です。

家族や学校の先生など、周囲の人にも発達障害を理解してもらい、みんなで支えてあげることが大事です。発達障害だからとマイナスに考えるのではなく、前向きに捉えて一緒に過ごしてください。

発達障害の子供の個性や強みを伸ばしてあげる子育てが、とっても大事です。
個性を伸ばす育て方について詳しくまとめた記事があるので、ぜひ一度読んでみてください。

空気を読めるように訓練をしよう

空気が読めない子供でも、訓練をしてあげることで変化がみられます。子供が生活しやすい環境をつくることも大事ですが、1人1人がもつ特性を受け入れて、前向きに捉えることが重要ですよ。

相手と目を合わせられるように練習する

発達障害の、特に自閉症スペクトラム症の場合、人と視線を合わせることが苦手です。また注意欠如・多動性障害の場合も、落ち着きがなく衝動的な面があるために、人と目を合わせない子供がいます。

目を見ないということは、その人の表情や状況が見えていないですよね。表情・状況が見えていないのに、何から空気を読めというのでしょうか。私たちでも難しいことです。

目を合わす練習

・顔を見て会話をするように習慣づける。
・視線が合わない時は、しっかりと声かけを行う。(名前を呼ぶ、または子供の視線に入るところに移動する)
・「目を見てお話ししてね」「今どんな顔をしてる?」「嬉しい顔?悲しい顔?」など、注意を向けてくれるように声でサポートする。
・強制をしたり、威圧的な態度は禁止。根気よく、続ける事が大事。

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薄波
私も相手の顔を見ないで、相手が何を考えているかなんて、全く分からないわ!
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京本
まず顔を見て、お互いの視線を合わせることが第一歩なんだね!

心の成長を促す

相手の立場を理解することと、心の成長には深い関係があります。大人になると、ある程度は「これを言ったらいけない」という分別がつきますよね。今までに怒られたり反省したり、色々な経験を積んで相手の立場で考えることを理解できるようになります。

しかし子供は心の成長がまだ伴っておらず、相手の立場になって考えることが未熟です。相手を思いやる心がないと、相手の気持ちを考えることができませんよね。

子供とたくさん向き合う時間をつくって、話しかけてください。愛情を注いであげると、子供の心は成長していきます。嬉しいこと・楽しいこと・悲しいことを一緒に共有すると、相手の気持ちも理解できるようになってきます。

空気は読めても正しい行動が分からないことも

私たちは、空気が読めないから困った行動をすると思い込んでいるところがあります。しかし発達障害の子供の中には、その場の雰囲気は読めていても、その次にどういう行動をするべきなのかが分からないことがあります。

空気を読んでも、気遣いをしたり配慮をしたりする仕方がわからないのです。

敏感に空気を読みすぎていることも

発達障害をもつ子供の中には、人よりも色んなことへ敏感に反応する【感覚過敏】という特性があります。

参考サイト:OGメディック 感覚過敏
感覚過敏

・「触覚」「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」の五感が人よりも過敏であり、過剰に反応してしまう。
・物音に敏感で、時計の針のような小さな音でも気になってしまう。
・衣服の肌触りが気になるため、特定の衣服しか着たがらない。
・食べ物を食べた時の食感にも敏感で、硬い食感のものは痛みのような強い刺激として感じることもある。


感性が鋭く周りの空気を敏感に読みすぎて、人よりも疲れてしまうことがあります。
この場合も、敏感に空気を読み取りすぎて、どうしたらいいのか分からずに身動きができずに行動に移せないのです。

実は空気を読めている場合や、空気を敏感に読みすぎていて動けない場合もあるということを、周囲の人が理解できるとサポートしてあげられますね。

生活環境を整えてあげることが、発達障害をもつ子供の支援に繋がります。

まとめ

今回は、発達障害をもつ子供の【空気が読めない理由】についてまとめました。
発達障害は完全に治すことは難しいですが、周囲の支えによっては社会生活での困難や障害を軽減することができます。

まずは愛情をもってお子さんに向き合ってあげてください。喜怒哀楽を一緒に感じたり、語りかけてあげることで、心の成長・安定に繋がります。

人の心や気持ちを理解できるように、お子さんの心を育ててあげてくださいね。