今回のキーワードは「療育遊び」についてです。療育、ということばをご存じでしょうか?
発達障害を抱えるお子さんがいらっしゃる保護者さんは、健診などで勧められるなどしたことがあるかもしれません。
その療育の中には、療育遊びというものがあります。
一体、遊びが発達障害にどのような影響をもたらすのでしょうか。
今回は、療育と遊びについてまとめてみました。
お役に立てれば幸いです。
目次
療育と遊び
まず、療育とはどんなものなのでしょうか。
療育とは?
厚生労働省は、発達支援ということばを使って、以下のように定義しています。
児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。
引用:児童発達支援ガイドライン
発達支援ということばは、療育の概念を発展させたものです。
療育は、もともとは肢体が不自由な子どもに対する医療と教育を並行して進めることを指すことばでした。
それを、発達障害などの他の障害にも適応できるようにしたのです。
話を戻して、発達支援を簡単に言えば、障害を抱える子どもが日常生活でも社会生活でも自立できるようにするために行う医療と教育、ということになります。
遊びが医療で教育?
子どもの成長は、「遊び」を通して促されることから、周囲との関わりを深めたり、表現力を高めたりする「遊び」を通し、職員が適切に関わる中で、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにできるように、具体的な支援を行うこと。
引用:児童発達支援ガイドライン
医療といわれると、難しい学問をもとにした何かを受けたり、お薬を飲んだり、ということを想像してしまうかもしれません。
また、教育というと、お勉強や様々なルールを学ぶことを思い浮かべてしまうかもしれません。
ですが、「遊ぶこと」も立派な医療で、教育なのです。
遊びを通してしか治せないことも、学べないこともあるのです。
ゲームで遊ぶことで、ルールを守る大切さを学ぶこともあります。
一緒に遊ぶことで、友だちへの思いやりや気遣いを覚えることもあります。
思い切り楽しんでもらうことで、療育の遊びを通してお子さんの発達障害による困りごとを軽減していきましょう。
療育の遊びにはどんなものがあるの?
ここでは、療育遊びにはどのようなものがあるのか、例を挙げていきます。
感覚遊び
感覚遊びといって、その名の通り、視覚、触覚、聴覚などの感覚を働かせて楽しむ遊びがあります。
感覚遊びにはどんなものがあるの?
世界にはいろいろな感触が溢れています。
一番身近なのは、粘土遊びです。こねたり、ちぎったり、丸めたりして、感覚を刺激します。
他にも、砂遊びでさらさらした砂の感触を楽しんだり、水で固めて何かの形を作ったりすることも感覚遊びになります。
以下の動画では手の感覚の発達を促す遊びを五つ紹介しています。
普通の油粘土などが苦手なお子さんには、小麦粉粘土などがおすすめです。
商品名 | まなびっこあそびっこ こむぎんちょ こむぎねんど11色セット(1セット) |
価格 | 568円 |
メーカー | 銀鳥産業 |
十一色の小麦粉粘土にヘラが四つついたセットです。
混色もできるようなので、色彩感覚を豊かにすることもできそうです。
良い口コミとしては、
- 発色がきれいで手につきにくい
- とても柔らかくて小さい子どもでも使いやすい
- 形の違うヘラが四つついているため、穴を開けたり切ったりできる
- 口に入れても安全性が高い
などがありました。
悪い口コミとしては、
- カスがぽろぽろと出てくるので周りがカスだらけになってしまう
というものがありました。
全体的に評価は高かったため、おすすめです。
感覚遊びの効果
感覚遊びをすることで、以下の効果が期待できます。
まず、情緒の安定をはかることができます。
親子で一緒に遊ぶことやスキンシップによって、愛情を感じることができ、安心することができます。
次に、危険を察知して、身を守ることができるようになります。
尖って痛いものや、毛虫などもぞもぞしたものなど、不快な感覚を避けることで、危険から身を守ることができるようになります。
そして、触っただけで、ものを見なくても形を識別できるようになります。
鞄の中から携帯電話を取り出したり、家の鍵を取り出したりするときに、わざわざ鞄の中を見なくても、感触で識別して取り出す、などができるようになれば、日常生活で便利ですよね。
運動遊び
運動遊びといって、回転したり、上下左右に動いたりすることによって感覚を刺激する遊びもあります。
運動遊びにはどんなものがあるの?
その他にも、たくさんあります。
以下の動画では、シーソー遊びやじゃんけん遊びなど、さまざまな運動遊びを紹介しています。
いろいろなものになりきって運動をする遊びを紹介した動画もありました。
忍者の攻撃をよける遊びや、言われた数字の数だけ地面に体をつける遊び、タオルの引っ張りっこなどを紹介していてとても楽しそうです。
どれも、お家で一緒にできそうなものばかりです。
ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
運動遊びの効果
こちらも、親子で一緒に遊ぶことやスキンシップによって愛情を確認でき、情緒の安定をはかることができます。
また、自分自身の体について知ることができます。
どこが指で、どこが顔で、どこが肘で、どこが膝か。
手はどのくらいの大きさで、腕はどのくらいの長さで、身長と体重はどのくらいなのか。
そして、バランス感覚も養うことができます。
まっすぐに姿勢を保つことなどにもつながります。
療育遊びの際に気をつけたいこと
ここでは、療育遊びの際に気をつけたいことをまとめます。
アレルギーがないかを確認する
小さなお子さんは、アレルギーが心配ですよね。
そのため、小麦粉粘土などの場合は、小麦粉のアレルギーがないかを確かめる必要があります。
嫌がる場合は無理強いをしない
感覚遊びの場合に多いのですが、未知の感触に戸惑ってしまう子どももいます。
感覚過敏の子どもは特に顕著でしょう。
そういった場合は、無理強いはせず、他の子どもが遊んで楽しんでいる様子を眺めさせたり、素手や素足ではなく、お箸やスプーンなどの道具を使ったりすることで、できる範囲で楽しんでもらいましょう。
汚れてもいいように準備する
汚れてもいいようにする準備は、大人のためだけではなく、子どものためでもあります。
例えば、絵の具や粘土などで汚れるのを嫌がる子どももいます。
そういった場合には、すぐに手をきれいにできるように水を用意したり、ウェットティッシュを用意したりしてあげましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
簡単にまとめると、以下のようになります。
- 療育は、障害を抱える子どもが日常生活でも社会生活でも自立できるようするために行う医療と教育
- 遊びも立派な医療で教育
- 様々な感触に触れる感覚遊びや、体を動かして感覚を刺激する運動遊びなど、家でもできるものがある
遊びを通して、発達障害で困ることを、楽しく減らしていければとてもいいことですよね。
たくさんお子さんと遊んで、たくさん発達を促してあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。