こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害を持つ子やその親がもらえる手当」についてです。
うちの場合、程度は軽い方で療育手帳も持ってないんです。
そういう場合でも申請していいの?
そんなお悩みはありませんか?
まず発達障害の子やその保護者が申請できる手当はどんなものがあるか見てみましょう。
目次
発達障害が受給の対象に含まれている手当の種類は?
障害を持つ方を経済面で支援するために社会保障の一環として様々な「手当」が存在します。
しかしどんな人がその手当の対象になるのか、詳しく知っている人は少ないかもしれません。
発達障害を含む、精神障害を持った人が対象に入る手当の種類を見て行きましょう。
参照:厚生労働省
特別児童扶養手当
《給付の対象》
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等。
《給付の目安》
障害の程度によって1級・2級に分けられ支給されます。
申請の通りやすさは地域によって差があるのが現状ですが、医師の診断書や療育手帳、身体障害者手帳の等級が重視されることが多いと考えられます。
▼療育手帳の場合で見た等級の目安
【1級】
療育手帳A・身体障害者手帳1、2級
【2級】
療育手帳B・身体障害者手帳3級または4級
なお厚生労働省が発表している発達障害の等級の基準は以下の通りです。
1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
引用:厚生労働省
《手当の月額》
(支給対象児童1人あたり)
・1級=月額52,400円
・2級=月額34,900円
※2022年5月時点
《所得制限》
以下のように所得制限が設けられています。
ご注意ください。
※2022年5月時点
引用:厚生労働省
・発達障害者も給付の対象になる。
・療育手帳を持っていなくても給付できる。
(地域によって基準が異なるため、市区町村に確認が必要です)
障害児福祉手当
《給付の対象》
20歳未満で、精神又は身体に重度の障害があるため、日常生活において常に介護を必要とする状態にある在宅の者。
《給付の目安》
・おおむね身体障害者手帳1級・2級程度。
・おおむね療育手帳のA程度。
上記が障害児福祉手当の受給目安と言われていますが、該当していても必ず受給対象になるわけではありません。
障害児福祉手当の認定基準を詳しく見て行きましょう。
静岡市のホームページが分かりやすかったので引用します。
(なお便宜上、静岡市のホームページを引用しますが、全国共通の制度であるため認定基準も全国共通です。)
支給対象(1~3のいずれかに該当するもの)
1. 重度の障害(おおむね身体障害者手帳1・2級、知的障害でIQがおおむね20以下程度、または重度の精神障害)を1つ以上有するもの
2. 身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が上記と同程度以上のもの
3. 知的障害(IQがおおむね35以下程度)と身体障害(おおむね身体障害者手帳2級)の合併障害のもの
引用:静岡市
支給には医師の診断が必要で、診断時の障害の程度によって受給の合否が左右される場合があります。
なお、障害児福祉手当と特別児童扶養手当は併給することが出来ます。
《手当の月額》
14,850円
※2022年5月時点
《所得制限》
以下のように所得制限が設けられています。
※2022年5月時点
引用:厚生労働省
・障害児福祉手当は特別児童扶養手当より審査が厳しい。
・障害児福祉手当と特別児童扶養手当は併給できる。
特別障害者手当
《給付の対象》
20歳以上で、精神又は身体に著しく重度の障害があるため、日常生活において常に特別な介護を必要とする状態にある在宅の者。
《給付の目安》
静岡市のホームページがわかりやすいため引用します。
(なお便宜上、静岡市のホームページを引用しますが、全国共通の制度であるため認定基準も全国共通です。)
支給対象(1~3のいずれかに該当するもの)
1. 重度の障害(おおむね身体障害者手帳1・2級、知的障害者でIQがおおむね20以下程度、または重度の精神障害者)を2つ以上有するもの
2. 重度の障害を1つ有し、さらに他の障害(おおむね身体障害手帳3級、知的障害者でIQ35以下、または精神障害者)を2つ以上有するもの
3.重度の障害を1つ有し、それが特に重度のため日常生活(動作)能力が極めて低いもの
引用:静岡市
《手当の月額》
27300円
※2022年5月時点
《所得制限》
以下のように所得制限が設けられています。
※2022年5月時点
引用:厚生労働省
・20歳以上の人が対象になる制度。
・3カ月以上医療機関に入院している場合は対象外。
・施設に入所している場合は対象外(グループホームは対象になる)
◆対象は障害者だけではない
障害者だけではなく、介護保険の要介護4・5の、特別な介護を必要とする人も受給の対象です。
◆障害年金との併給が可能
障害年金と特別障害者手当は別々の制度です。この2つ同時に受け取れます。
各地域独自の手当
前述した3つの手当制度
・特別児童扶養手当
・障害児福祉手当
・特別障害者手当
は国が運営する、全国共通の制度です。
この他に各地域によって独自の手当制度が存在する場合があります。
東京都を例に挙げますと、国の手当制度の他に以下のものが地域独自の制度として存在します。
▼東京都の場合
◆重度心身障害者手当
身体・精神に重度の障害があり、常時特別な介護を必要とする人に対する手当。
◆児童育成手当
20歳未満の心身障害を持った子を養育する人に対して支給される手当。
特別児童扶養手当の実態。申請の重要ポイント
先に説明した、発達障害者が対象に含まれる3つの国の制度、
・特別児童扶養手当
・障害児福祉手当
・特別障害者手当
その中でも発達障害を持つ子、その養育者に一番縁の深い「特別児童扶養手当」について詳しく見て行きましょう。
特別児童扶養手当は障害者手帳、療育手帳がなくても申請できる
誤解されやすいこの手当制度のポイントですが、特別児童扶養手当は障害者手帳や療育手帳がない場合でも支給の対象になります。
手帳を取得していることが受給要件の一つの目安になりますが、手帳制度と手当制度はそもそも別物で障害の定義や基準が異なります。そのため手帳の有無は原則手当を受給できるかどうかには関係がないと言われています。
逆を言えば、手帳を取得しているからと言って必ずしも受給できるとは限らないということになります。
受給できない場合もある?できないのはどんなケース?
発達障害の子を育てる親にとって心強い制度である「特別児童扶養手当」ですが、落ちてしまったという話もよく聞きます。
なかでも、「同じくらいの年齢、同じくらいの障害程度なのに、片方の子は申請が通り、片方の子は落ちてしまった」というケースはよく聞きます。
現状、この制度の問題点として以下の事が挙げられます。
・認定されるか否かは医師の診断に左右される。
・国の制度なのに地域によって認定されやすさに差がある。
認定には医師の診断書がとても重要になります。
そのため受診した病院や診察した医師によって認定されやすさに差が出てしまうのです。
神奈川県のホームページで発表している特別児童扶養手当の認定基準がわかりやすいので引用します。
▼特別児童扶養手当の認定基準「発達障害」の場合
一級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動が見られるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
二級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動が見られるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
引用:神奈川県
そこが審査の基準として一番重要と言えそうです。
・社会的コミュニケーション能力の著しい欠如。
・日常生活における著しい制限。
上記に強く当てはまっていると判断されない場合、審査に落ちてしまう場合があると言えます。
受給を左右する申請の重要ポイント
特別児童扶養手当を申請する上で重要なのは医師の診断書です。
前述したとおり、現状、「特別児童扶養手当」という制度には以下のような問題点があります。
・認定されるか否かは医師の診断に左右される。
・国の制度なのに地域によって認定されやすさに差がある。
診断は医師が子どもと対面して行うため、初めて会った医師では子どもの困り感が全て伝わらない場合があります。ほんのわずかな時間で子どもの困り感を理解してもらうためにも、初めて行く病院より主治医に診断書を書いてもらうのがおすすめです。
まとめ
・発達障害も対象になる国の障害手当制度は3つある。(特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当)
・特別児童扶養手当を受給できるかどうかは医師の診断書の内容が重要。
発達障害を持っている人がよりよく生活できるよう、手当制度があります。
この記事が少しでもお役に立ちますように。