こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「歯が生えるのが遅い発達障害」についてです。

誰にでも歯の発育速度には個人差がありますが、あまりにも歯が生えるのが遅いと「うちの子は発達が遅い?」と心配になってしまいませんか?この記事を見ていただいている方のなかには、お子さんの歯が生えるのが遅いことと発達障害は関係あるのか知りたいという方もいらっしゃるかと思います。

今回はそういったお悩みを持った親御さんに知っていただきたい内容をご用意いたしました。歯が生えるのが遅いときに歯医者に診せた方がいいのかこのまま様子を見てもいいのかについても記載していますので、ぜひご覧ください!

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京本
お子さんの歯がいつ生えてくるのか気になってはいませんか?一般的に、歯は生後6〜8ヶ月ごろから生えてきます。
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薄波
発達障害は歯の発育にも影響するんですか?
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京本
歯が生えるのが遅い理由は様々なので、発達障害が直接の原因とは言えません。
しかし、だからといって、歯が生えないと歯並びや食事、発語にも影響しますし、歯が生えない別の原因が潜んでいるかもしれません。
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薄波
歯が生えるのを待つデッドラインを知っておくといいですね!
それと、もし歯が生えなかった場合の対応を知ることも重要ですね!

この記事を読んで、お子さんの歯についてもっと気になることや詳細を知りたい場合は主治医や歯科医師などの専門機関に相談してみてください。

発達障害と歯が生えるのが遅いことは関係ある?

結論からお伝えすると直接的な関連を示す根拠はありません。しかし、噂として発達障害があると歯が生えるのが遅いと言われています。それはなぜなのでしょうか?

歯が生えてこない原因には

  • 低出生体重・早産など生まれた時の生育状況
  • 栄養状態
  • 先天性疾患の存在

があり、それらが発達障害と関連しているからです。発達障害は低出生体重や早産で発生リスクが高くなりやすく、発達障害は偏食傾向やアレルギー体質である場合に栄養が偏りがちであり、ダウン症などの先天性疾患を合併していることが多々あります。

そういったお子さんの場合、歯が生えるのが遅かったり、2本以上の歯がくっついて生えてきやすかったり、生える隙間がなくて埋まったままだったりします。(詳細は後述します。)

発達障害単独で、これらの状態がないのであれば、ただの個人差と考えられてデッドラインまで様子を見られても大丈夫ではないかと考えます。しかし、もし発達障害に加えて上述した状態があれば、どのような症状があるのか、理由や対策は何かについて知っておいて損はないでしょう。

そもそも、歯の生える時期・抜ける時期はいつ?

歯はお母さんのお腹の中にいる時から作られています。乳歯の芽になる歯胚は胎生7〜10週に形成されます。そして、生まれた後、乳歯は一般的に生後6〜8ヶ月で前歯から生え始めて、2歳半くらいで全歯が生え終わります。乳歯は全部で20本揃うと完了です。その後、6〜12歳にかけて乳歯が抜け、奥歯から次第に永久歯へと生え変わり28本揃います。人によっては20歳ごろになると親知らずが生える場合もあります。

日本歯科医師会から動画付きの分かりやすい解説がありました。こちらも参考にされると良いと思います。

参考:「歯とお口のことなら何でも分かる テーマパーク8020」

歯が生えるのが遅い症状は?

以下に、歯が生えるのが遅い症状についてひとつずつ解説していきたいと思いますが、乳歯と永久歯では生えるのが遅い原因や遅いことに対する捉え方、対策が微妙に異なっています。

なので、ここからは「乳歯」「永久歯」に分けてお話しいたします。

乳歯の場合

いきなり大きな永久歯は子供の口に収まりきらないので、小さな子供には小さな歯が出てきます。食べ物をしっかり噛んで栄養を摂るために必要なものです。

歯が生えてこない原因は?

上述のように、歯は生まれて数ヶ月経つと自然に生えてくるものです。しかし、1歳を超えても乳歯がなかなか生えてこない場合、原因として何が考えられるのでしょうか?

乳歯萌出遅延(にゅうしほうしゅつちえん)

乳歯が生えてこない頻度は非常に少ないと言われていますが、1歳を超えても生えてこない場合は乳歯萌出遅延の疑いがあります。なりやすい原因としては、栄養障害や先天性疾患(ダウン症、クレチン症、くる病、鎖骨頭蓋異常症、無汗型外胚葉異形成症など)があります。

多くの場合、個人差として歯が生えるタイミングが遅いだけで病気だとみなされず、経過観察になります。しかし、まれに治療が必要になる時もあります。それは、乳歯が歯茎の中にある骨を破れず、埋もれてしまったままの時です。この対しての治療は「開窓手術」といって骨に穴を開けたり引っ張ったりする手術になります。

癒合歯(ゆごうし)

本来1本ずつ生えてくる歯が2本くっついて生えてしまうものを指します。

癒合歯自体には問題ありませんが、この歯を持っているお子さんは最初の歯が生えてくる時期がかなり遅く、永久歯の歯が生えるのを遅らせます。永久歯の歯並びに影響を与えないために、歯を抜かなければならない場合があり、将来的に歯列矯正やインプラント治療に移行する可能性があります。

癒合歯の明確な原因はわかっていませんが、母親の全身状態の異常もしくは人類の進化の過程で顎が小さくなったことが有力とされています。ほとんどの場合、発達障害は関係ありません。

先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)

永久歯に比べて頻度は少なめですが、それでも0.2〜2.5%に出現すると報告されています(永久歯は3〜10%)。好発部位は乳歯では上下顎乳側切歯(前から2番目の歯)であり、

1歳半を過ぎても生えてこなかったら受診を

歯が生えてくるのは個人差がありますので少々遅くても問題ありません。1歳半健診の時点で上下の乳歯の数が7本以下のお子さんが、3歳半では20本揃っているお子さんが7割もいたことが調査されています。
つまり、1歳半健診で乳歯の本数が少なくてもあまり心配いらないということです。

しかし、後述する永久歯の場合は、萌出遅延や埋伏歯が考えられるにもかかわらず放置しすぎるもの良くありません。気になられる場合、歯科医院でレントゲンを撮られるといいでしょう。

もし歯が生えてこない場合はしっかりと対処すべき

お子さんの乳歯が生えてこない状態が長く続くと、隣接する歯や対合する歯の並びに問題を生じるだけでなく、舌突出癖(正常ではない舌の動かし方)や異常嚥下癖(正常ではない飲み込み方)など口腔習癖を招きます

そうなると、いくら歯列矯正しても癖を改善できない限り元通りに戻ってしまいます。

また、1歳半は言葉の数が増え、言語獲得にも重要な時期です。

そのため、歯のレントゲンなどで歯が生えてこない原因を早期に発見し、治療させることは重要です。

歯が生えなくても離乳食を進めていい

歯がないと噛めないために離乳食を与えてもいいか不安ですよね。基本的に、離乳食は口の状態に合わせたものではなく、月齢に応じた内臓の消化機能に合わせて固形食でも栄養が摂れるように練習させてあげるものです。なので、歯が生えていなくてもお子さんの月齢に合わせて離乳食を進めていきましょう。

永久歯の場合

永久歯は一生使うものなので乳歯よりも硬くて丈夫です。しかし、生えてすぐはまだ完成していないので、歯磨きは十分に行う必要があります。

歯が生えてこない原因は?

永久歯の萌出は6歳から12歳にかけて奥歯から始まります。小学校では歯科健診で指摘され、心配になって歯科に訪れる人も多いようです。

永久歯萌出遅延(えいきゅうしほうしゅつちえん)

永久歯は奥歯から生え変わりますが、萌出遅延のほとんどは上の前歯と犬歯です。

一部の歯が生えない原因としては、乳歯が早く抜けてしまって歯肉が繊維化してしまったことや外傷、歯の位置や方向の異常というものが考えられます。また、多数の歯の生えない原因としては、乳歯の萌出遅延と同じく栄養障害や発達障害(ダウン症、クレチン症、くる病、鎖骨頭蓋異常症、無汗型外胚葉異形成症など)といった全身的な要因があることによるものが多いと考えられます。

萌出遅延かどうかはレントゲンによって診断されます。歯の保存が可能であれば、開窓術や歯肉切除、歯の牽引などで強制的に萌出させられますが、周囲組織(顎骨)に影響を与える場合は抜歯となってしまいます。

埋伏歯(まいふくし)

発育したはずの歯が正常な期間を過ぎても萌出しないで、歯茎または顎骨に留まっている状態を歯の埋伏といいます。

よく言われるのは親知らずですが、埋伏歯は前歯や犬歯でも多くみられます。原因は様々で、歯や顎の異常、軟骨無形成などの骨系統疾患や遺伝性歯牙形成不全などの全身疾患などがあります。治療は歯列矯正もしくは抜歯です。

先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)

乳歯の下には永久歯の元になる歯胚がありますが、歯胚がなく永久歯が作られないものを指します。

それほど珍しい病気ではなく、2010年の日本小児歯科学会の調査によると10人に1人の子供に先天性欠如歯があるという結果が出されました。後発部位は永久歯では上下顎第三大臼歯(親知らず)と報告されており、乳歯の時に癒合歯があると永久歯が先天性欠如歯になりやすいことが報告されています。

歯がない状態が長期に続くため、「咀嚼障害」、「歯列、顔貌への影響」、「構音障害」、「顎関節異常」に影響する可能性があるため、5〜6歳になっても3本以上の永久歯が生えてこなければ、歯列矯正やインプラント治療が必要です。

原因については明確に分かっていませんが、母親の全身状態の異常が有力とされています。ほとんどの場合、発達障害は関係ありません

いつまで様子を見るの?

生え変わり時期は小学生ごろであるため、学校の歯科健診で指摘され、心配になって歯科に訪れる人も多いようです。

乳歯が抜けたのに永久歯が下から生えてこない場合、隣接する歯の位置や方向の異常を呈するため歯並びを悪くします。また、あまりにも放置しすぎると、歯と顎骨がくっついてしまい抜歯することになるでしょう。痛みが出ることは少なく気づかないまま進行しやすいので、親御さんは歯の発育に注意が必要かもしれません。

そのため、永久歯がなかなか生えてこない場合は早めに歯科受診してみてください。

矯正治療は保険適用される?

さて、ここまで歯が生えない原因をお話ししました。しかし、治療となると、矯正は自由診療となるため保険が適用されないので、治療費が気になる親御さんも多いのではないでしょうか?そんな方に向けて、矯正保険適用の範囲で、矯正治療が可能となる条件がありますのでご紹介します。

指定医療機関の歯医者さんが矯正治療が必要と判断した場合には適応できますので、気になる方はぜひ検索してみてください。

厚生労働省が定める基準に適合している指定医療機関

どんな歯科医院でも保険適用の矯正治療ができるとは限りません。指定医療機関の歯医者さんにお願いする必要があります。しかし、どこで受けられるのか分からない方のために調べる方法をご紹介します。

検索方法

地方厚生局ホームページにアクセスします。
地方ごとに分かれていますので、お住まいのエリアをタップします。
サイト内の検索バナーに「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力します。
届出受理医療機関のPDFから、お住まいの都道府県の「歯科」の枠を探します。(各支局で表示が異なります)
PDFから「矯診」もしくは「額診」の項目がある指定医療機関を探します。

厚生労働大臣が定める疾患

厚生労働省が定める疾患や病気の状態から以下の条件に適合されなければなりません。

  • 「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療  ※下記ご参照ください
  • 前歯3歯異常の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
  • 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
厚生労働大臣が定める疾患

唇顎口蓋裂
ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
鎖骨頭蓋骨異形成
トリーチャ・コリンズ症候群
ピエール・ロバン症候群
ダウン症候群
ラッセル・シルバー症候群
ターナー症候群
ベックウィズ・ウイーデマン症候群
顔面半側萎縮症
先天性ミオパチー
筋ジストロフィー
脊髄性筋委縮症
顔面半側肥大症
エリス・ヴァンクレベルド症候群
軟骨形成不全症
外胚葉異形成症
神経線維腫症
基底細胞母斑症候群
ヌーナン症候群
マルファン症候群
プラダー・ウィリー症候群
顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
大理石骨病
色素失調症
口腔・顔面・指趾症候群
メビウス症候群
歌舞伎症候群
クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
ウイリアムズ症候群
ビンダー症候群
スティックラー症候群
小舌症
頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
骨形成不全症
フリーマン・シェルドン症候群
ルビンスタイン・ティビ症候群
染色体欠失症候群
ラーセン症候群
濃化異骨症
6歯以上の先天性部分無歯症
CHARGE症候群
マーシャル症候群
成長ホルモン分泌不全性低身長症
ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
リング18症候群
リンパ管腫
全前脳胞症
クラインフェルター症候群
偽性低アルドステロン症
ソトス症候群
グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
線維性骨異形成症
スタージ・ウェーバ症候群
ケルビズム
偽性副甲状腺機能低下症
Ekman-Westborg-Julin症候群
常染色体重複症候群
その他顎・口腔の先天異常

参考:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは|公益社団法人 日本矯正歯科学会

まとめ

お探しの内容は見つけられたでしょうか?お子さんの歯がなかなか生えてこないと親御さんは心配になって当然です。しかし、身体や心と同じように歯の発育にも個人差があります。歯がしっかり生えていると歯磨きをしっかりしなければなりませんし、指を思いっきり噛まれることがありますので、むしろ、ゆっくり構えてもいいかもしれません。ただし、1歳半になっても生えてこないようであれば、一度歯科受診されてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。