こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害と奇声」についてです。
誰もが振り向いてしまうほどの突然の奇声。
発達障害の子どもは、何の前触れもなく「あーっ!」「きゃーっ!」と大きな声で叫んでしまうケースもあります。
場所や時間にかかわらずに奇声を上げてしまうことで、周囲の人が恐怖を感じて遠ざかってしまったり、本人やお母さん・お父さんが叱られてしまったりと、日常生活で困ることも少なくありません。
なぜ奇声を上げてしまうのか?奇声を上げてしまったら、どう対処すればいいのか?
今回は発達障害と奇声をテーマに、奇声を上げてしまう理由・対処法・困った時の相談先についてお伝えしていきます。
目次
発達障害と奇声:なぜ奇声を上げてしまうの?
突然に前触れもなく奇声が上がると、周囲は驚いてしまいますよね。
なぜ奇声を上げてしまうのでしょうか?
実は発達障害と奇声の間に奇声を発してしまいやすいケースと、奇声の理由があります。
生まれつきの脳の構造が原因で、できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称。
特性に応じて「ADHD」「ASD」「LD」と更に細かく分類されています。
奇声を発してしまいやすいケース
奇声に繋がってしまいやすいのは、下記の2つのケースです。
【奇声を発してしまいやすいケース①】
- 自閉症スペクトラム障害の特性を持っている
- 知的な発達の遅れを持っている
【奇声を発してしまいやすいケース②】
- トゥレット症候群の症状がある
発達障害の特性・症状には個人差がありますので、上記に挙げた特性・症状を持っていても奇声に繋がらないこともあります。
トゥレット症候群はチックの一種で、運動や音・声などを繰り返してしまう病気です。
奇声を上げてしまう理由
特性を持った子どもが奇声を上げる時は、下記のような理由が問題の根っこにあると考えられます。
- 伝えたいことが上手く伝えられない
- パニック
- 周囲の音をかき消したい
- 自分の声・周囲の反応が楽しい、嬉しい
まず理由があり、そこから「奇声」という結果が表に出てくるのですね。
理由① 伝えたいことが上手く伝えられない
ASDの特性や知的な発達の遅れによって、会話が上手くいかないことがあります。
伝えたいことが伝わらないもどかしさの感情が、「奇声」となって出てくるのかもしれません。
上手くいかないと悔しいですし、時にはイライラもしますよね。
あるいは本人が発した言葉が相手にとっては聞き取りにくく、奇声のように聞こえてしまうこともあるようです。
ASDとは発達障害のうちの一つ。人とのコミュニケーションが苦手だったり、自分の意見や気持ちを伝えることや相手の気持ちを理解することが困難であったりなどの特性を持ちます。
特定の物事に強いこだわりを持ち、感覚の過敏さを併せ持つ場合があります。
ASDに関する記事が別途ございますので、興味のある方は是非ご覧ください。
理由② パニック
予想外の出来事が起きた時・思い通りに行かなかった時に、パニックに陥ってしまうこともあります。
ASDでは「想像しにくい」「強いこだわりがある」などの特性からスケジュール変更が苦手な子もいます。
パニックになると、混乱して奇声を上げてしまったり、暴れてしまったりといった状態に繋がってしまいやすくなるのです。
理由③ 周囲の音をかき消したい
発達障害の特性の1つで、特定の音が苦手・苦痛になる「聴覚過敏」を併せ持っている場合は、嫌な音があるのかもしれません。
自分の声で嫌な音をかき消そうと、大きな声を出してしまうことがあります。
理由④ 自分の声・周囲の反応が楽しい、嬉しい
純粋に、自分の声や、声を聴いた周囲の人の反応を楽しんでいるパターンです。
嬉しいという感情の現れであることもあるでしょう。
ASDの特性によっては、場面に応じた振る舞いが理解しにくいこともあります。
「今は静かにするべき」という判断や、「周囲の人が困っている」ということがわからず、思いのまま声を上げてしまっているのかもしれません。
本人・養育環境のせいではありません
子どもが奇声を発してしまうと、状況によっては周囲の人に叱られたり、「しつけができていないからだ!」と保護者の方が責められてしまったりすることもあるでしょう。
悲しくてつらいですよね。
発達障害の特性からの奇声には、生まれつきの特性と、その時々の理由があります。
ある程度は工夫を取り入れることも必要でしょう。ですが、周囲の理解もまた欠かせず必要なのです。
「奇声=発達障害」だけではない
発達障害の有無にかかわらず、幼い子どもは多かれ少なかれ奇声を上げてしまうことがあります。
奇声は自然な成長の過程でもあるのです。
- 遊びに夢中になって、興奮して声を上げる
- 声のコントロールが未熟
- 声を上げるのが楽しいなど
特に子どものうちは声のトーンが高く、ちょっとした笑い声やおしゃべりでも「キーキー」と聴こえてしまうこともあるでしょう。
奇声を上げているからといって、発達障害が原因であるとは限らないのです。
奇声を上げてしまった時の支援策とは
発達障害を持つ子どもが奇声を上げてしまった時、なんとか静かにさせようと焦ってしまいませんか?
口を抑えたり、叱りつけたりしてはかえって逆効果かもしれません。
それよりもこれからご紹介する支援対策を確認してみてくださいね。
支援対策
まずは下記の4つの支援対策を試してみて下さい。
- 原因を突き止めて対応する
- 声のボリュームを教える
- 安心感を持ってもらう
- 静かにする「時と場合」を教える
対策① 原因を突き止めて対応する
奇声を発する原因は、子どもの抱える状況によって異なります。
静かにさせようとつい焦ってしまうと思いますが、落ち着いて原因を考えてみましょう。
原因に合わせて対応を変えてみて下さい。
【対応例】
- 伝えたいことがある
→ 何を伝えたいのか、本人の状態や周囲を観察してみる など
- 嫌な音をかき消そうとしている
→ 静かな環境を整える・イヤーマフを使う など
気持ちを上手く伝えられない時は言葉の代わりに、絵の入ったカードで言いたいことを伝えてもらうのも良さそうです。
▽ 「絵カード」は購入することもできます。
対策② 声のボリュームを教える
子ども自身も、今どのくらいの声が出ているのかわからないのかもしれません。
「このくらいの声でおしゃべりしようね」とお手本の音量を聴かせて、大きい・小さいを具体的に指示してあげてみてはどうでしょうか。
大きい・小さいが目でわかるように、イラストを描いたカードを使ってみるのも良さそうですね。
対策③ 安心感を持ってもらう
パニックから奇声を発している場合は、子ども自身が不安感や恐怖感でいっぱいだと考えられます。
安心できるような工夫も取り入れてみましょう。
- クールダウン用の部屋へ行く
- 不安の原因を遠ざける
- 好きなぬいぐるみなどを抱きしめてみる
- 気持ちに寄り添って優しく声掛けするなど
過ごしやすく整えられた空間などで、気持ちをゆっくりと落ち着かせることです。
対策④ 静かにする「時と場合」を教える
我慢する時間と、我慢しなくても良い時間を教えてあげるのも良さそうです。
「バスの中では静かにしよう」「お庭だったらいいよ」など、我慢のタイミングを伝えてみましょう。
ずっと我慢していると子どもは疲れてしまいます。適度に発散できる時間と場所も作ってあげたいですね。
気持ちに寄り添って少しずつ改善
奇声を発している時、お子さんは悲しいもしくは怖いのかもしれません。子どもなりの感情・理由があるのだと思います。
伝えたいことが伝わらないのは、大人でももどかしいものです。
「悲しかったね」「もっと遊びたかったね」と気持ちに寄り添ってあげることで、安心できるのではないでしょうか。
子どもに無理のないペースで、少しずつ改善に挑戦していけるといいですね。
困った時の相談先
発達障害の特性・症状からの困りごとは、家庭内だけでは改善が難しいこともあります。専門機関への相談も検討してみて下さい。
相談先
下記のような相談先があります。
- 発達障害者支援センター
- 地域の放課後等デイサービス施設
- 市区町村の保健センター
- 市区町村の子育て相談窓口など
▽ 神奈川県横浜市の「ライズ児童デイサービス」では、発達障害を持つ子どもの療育プログラムなどをご用意しています。まずはご相談下さい。
お母さん・お父さんもリラックスできるように
間近でひんぱんに奇声を聴く方も、耳を塞ぎたくなることだってあるでしょう。
つい感情が高ぶって叱りつけてしまい、後悔してしまうお母さん・お父さんもおられます。
第三者に相談することで、心が落ち着くかもしれません。
相談窓口によっては氏名を明かさず相談することもできます。
保護者の方であっても無理をせず、つらい時は周囲を頼ってみて下さいね。
まとめ
この記事では、発達障害と奇声についてお伝えしました。
- 発達障害には、奇声を上げてしまいやすいケースがある
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)と知的な発達の遅れ
- トゥレット症候群
- 奇声を上げる理由がある
- 伝えたいことが上手く伝えられない
- パニック など
- 気持ちに寄り添って少しずつ改善していきましょう!
- 原因を突き止めて対応する
- 声のボリュームを教える など
- 困ったら専門機関への相談も検討してみて下さい
- 発達障害者支援センター
- 保健センター など
周囲が振り向いてしまうほどの奇声を上げてしまうと、静かにさせようとつい厳しくしてしまうこともあるでしょう。
奇声には発達障害の特性とその時々の理由があります。
子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ改善できるといいですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。