こんにちは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害と耳栓」についてです。
発達障害の特性の1つ「聴覚過敏(ちょうかくかびん)」は、特定の音が苦手だったり、聞くだけで苦痛だったりと、非常にストレスを感じる症状です。
この聴覚過敏のストレスは耳栓を使うことで軽減させられることがあります。耳栓の種類によって症状の軽減度合いはさまざまですが、快適に過ごしやすくなるのであれば、試してみたいですよね!
この記事では、
- どんな耳栓がいいの?
- 実際のメリットやデメリットは?
- 周囲にできることはある?
といった疑問についてお伝えしていきます。耳栓を使って発達障害のストレスを軽減させる方法について、一緒に勉強していきましょう!
目次
発達障害と耳栓【どんな耳栓がいいの?】
発達障害の人には、音に対して非常に敏感な人がいます。普通の人が気にならないような雑音や、話声が気になり過ぎてしまう症状で、「聴覚過敏」と呼ばれています。本人にとっては非常につらい症状で、対策として、耳栓を使う人も少なくありません。
しかし、発達障害専用の耳栓はなく、市販の耳栓で代用することになります。商品毎に効果は異なるので、目的やシーンに合わせて適切な耳栓を選ぶ必要があります。
聴覚過敏は、特定の音などが苦手・苦痛に感じてしまう発達障害の症状の1つです。苦手な音の種類や過敏の程度にも個人差があり、原因の特定が難しい症状です。また、必ずしも聴覚過敏が発達障害の方に起こる症状ではなく、一般の人にも起こりえる症状です。
おすすめの耳栓 5選
まずは、聴覚過敏の症状を軽減させるおすすめの耳栓を紹介します。どんな種類があるのか参考にして下さいね!
▼ 紹介するのはこちらの5つです。
- KING JIM デジタル耳栓
- MOLDEX ウレタン製おためし5種セット
- Macks Pillow シリコン 6ペア入り
- スリーエムヘルスケア クラシック ひも付き
- イヤーグミ 形状記憶タイプの耳栓
耳のサイズや素材など、個人によって使いやすい耳栓は異なります。実際に使う時は、本人に合ったものを選んでください。
おすすめ1・KING JIM デジタル耳栓
まずは、KING JIMのデジタル耳栓の紹介です。多少値が張りますが、デジタル化された耳栓が最もおすすめです。なぜなら、デジタル耳栓には、「ノイズキャンセリング」機能が付いているからです。
「必要な音まで聴こえなくなるのが心配……」と耳栓をちゅうちょしているのであれば、ぜひデジタル耳栓を検討してみて下さい。ノイズキャンセリング機能が、必要な音だけを拾って不要な雑音をカットしてくれます。
参考商品価格:9,980円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格)
・質量:約17g
・ノイズキャンセルレベル:20dB程度
・充電時間:約1.5時間
・連続使用時間:約40時間
・付属品:充電ケーブル、充電ケース
【使用者のレビュー】
・つけっぱなしで慣れているとあまり実感は湧きませんが、オンオフして比べてみると、車の音や街のざわめきを減らしてくれていると分かります。
・タッチノイズが気になる時があるのと、付属のイヤーピースがイマイチなので-☆1です。
引用:楽天市場 みんなのレビュー
おすすめ2:MOLDEX 耳栓 お試し 5種 5ペア 耳せん
こちらは使い捨てタイプの耳栓です。個人によって耳の穴の大きさは異なるので、どの形状が合うのか分からないと、なかなか購入しにくいですよね。
「MOLDEX 耳栓 お試し 5種 5ペア 耳せん」は、5種類の耳栓がセットになっている、使い捨てのお試しタイプの耳栓です。
いろいろ使ってみて、「この形いいな」と思ったものを覚えておきましょう!
参考商品価格:500円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格)
・素材:低反発ウレタン
・セット内容:
・メテオS…耳の穴が小さな人向け
・メテオR…レギュラータイプ
・カモプラグ…耳への出し入れが簡単な形状
・ピュラフィット…長めで取り扱いが易しいタイプ
・ゴーイングリーン…音の大きな場所向け
おすすめ3:Macks Pillow Soft シリコン耳栓 6ペア
こちらはソフトシリコン製の耳栓です。「ウレタン製やスポンジ製は感触が苦手……」という方は、シリコン製も試してみて下さい。
シリコン製の耳栓は使用時に耳が痛くなるケースもありますが、ソフトシリコンであれば比較的やさしいフィット感があるそうです。
参考商品価格:699円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格)
・使用回数の目安:5回程度
・素材:シリコン製
・付属品:携帯用ケース
おすすめ4:スリーエムヘルスケア クラシック ひも付き
耳栓の定番ともいえる形状ですね。こちらの商品はヒモがついています。発達障害の人は、物忘れや無くしてしまいがちな人もいるので、紛失対策にもおすすめです。
参考商品価格:96円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格)
・紐の長さ:630mm
・サイズ:フリーサイズ
・素材:ポリ塩化ビニール
おすすめ5・イヤーグミ 形状記憶タイプの耳栓
こちらは、耳に合わせて形を作るタイプの耳栓です。自分好みに形を変えられるので、「他の耳栓は合わなかった」という方でもフィット感があるでしょう。
一方で、形を作る工程が必要になりますので、サッと出してすぐに使いたいようなシーンには不向きかもしれません。
参考商品価格:1,008円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格)
・素材:シリコン
・付属品:専用保管ケース
耳栓を選ぶポイント
耳栓を選ぶ時は、下記のようなポイントに注目してみて下さい。
- 素材
- 形状
- サイズ
- 使い捨てかどうか
素材
耳栓の素材には、ポリ塩化ビニール、シリコンなどがあります。素材によって肌触りやフィット感も違ってきます。
発達障害の特性から「感覚過敏」で苦手な感触がある場合は、実際に使用する前に手触りも確認しておきたいところですね。
形状
耳栓の形は様々で、コルクのような円筒形から、錠剤のような細長い形、凹凸のある形など、豊富な種類があります。はじめのうちは迷ってしまうかもしれません。
どの形が耳に合うかは個人差がありますので、「これ!」と思う形に出会うまでは色々試してみるのが良いでしょう。
サイズ
大人向け、子ども向けなど、サイズにバリエーションのある商品もあります。間違えて購入してしまわないようにしっかりチェックしましょう。
使い捨てかどうか
使い捨てタイプの商品であったり、使用回数の目安があったりと、商品によって使用方法が異なる場合もあります。
価格が安くても使い捨てだと、何度も買い足して結果的に高くついてしまうかもしれません。使う目的やシーンに合わせて選ぶようにしてみて下さい。
耳栓以外の選択肢も
ここまで耳栓を紹介してきましたが、周囲の音を遮断するには耳栓以外の選択肢もあります。その1つが「イヤーマフ」です。
耳に直接装着する耳栓とは異なり、ヘッドホン型で耳全体を覆うのが特徴。耳が痛くなりにくく、着脱もしやすいといわれています。
「自分の耳に合う耳栓が無い」「耳栓は使いにくかった」という方は、イヤーマフも試してみて下さいね。
イヤーマフについては以前別の記事にまとめていますので併せてご覧ください。
▼ イヤーマフの商品例
参考商品価格:3,327円(※ 記事作成時の「楽天市場」価格です)
耳栓を使うことのメリット/デメリット・リスク
発達障害の特性の1つ「聴覚過敏」の困りごとを改善するのに、耳栓にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
デメリット・リスクと合わせてご紹介します。
耳栓を使用するメリット
聴覚過敏の困りごとを改善する際、耳栓には下記のようなメリットが考えられます。
- 不快な音が原因のストレスが減る
- 集中しやすくなる
- コンパクトで持ち運びしやすい
メリット① ストレスが減る
聴覚過敏からの精神的な苦痛は、苦手な音が耳に飛び込んでくるのを軽減することで改善が期待できます。
騒音などへの苦手から外出が嫌になってしまっていた人が、耳栓をつけることでストレスが軽減され、出かけやすくなったという例もあるようです。
▼ 生活を楽にしてくれる大切な相棒だ、という人も。
メリット② 集中しやすくなる
音の方が気になってしまって集中できないのは辛い体験でしょう。耳栓をすることで音の影響を減らし、集中を保つ効果が期待できます。
▼ 本人の本来の力を邪魔してしまうこともある「音」。聴覚過敏への配慮が必要だと考えさせられる日常の一幕です。
メリット③ 持ち運びしやすい
コンパクトに持ち運びしやすいところも、耳栓のメリットでしょう。
イヤーマフなどはどうしてもある程度かさばってしまいますが、耳栓であればケースに入れて服のポケットに収納することも簡単です。
耳栓を使用するデメリット・リスク
メリットがある一方で、耳栓にはデメリットやリスクもあります。
- 聴覚過敏が慢性化してしまうおそれ
- 周囲の危険に気付きにくくなる
- 幼い子ども・ペットによる誤飲のおそれ
- 「音楽を聴いている」と勘違いされてしまう
デメリット① 聴覚過敏が慢性化してしまうおそれ
耳栓を常用し続けることで、かえって聴覚過敏がひどくなってしまうともいわれているようです。
耳栓を装着するタイミングを選び、不要な状況下ではできるだけ外すようにした方が良いかもしれませんね。
デメリット② 周囲の危険に気付きにくくなる
騒音と一緒に、近づく車の音や、危険を教えてくれる周囲の声なども聞こえにくくなってしまうかもしれません。
心配な場合は、必要な音は聴こえるノイズキャンセリング機能のあるデジタル耳栓の使用も検討してみて下さい。
デメリット③ 幼い子ども・ペットによる誤飲のおそれ
耳栓の形状によっては、幼いお子さんやペットが飲み込んでしまいやすいものもあります。状況によっては命の危険も考えられますので、取り扱いや保管に気をつけましょう。
デメリット④ 周囲の誤解や不理解
耳栓のデザインによっては、スマホで音楽を聴いているように見えてしまうこともあるでしょう。
誤解した人に注意されたり、説明しても理解してもらえなかったりと、つらい・悔しい思いをしてしまうケースも残念ながら少なくありません。
▼ 症状の周知・周囲の理解が必要です。
周囲の不理解に悩まされる場合は、【聴覚過敏シンボルマーク】も活用してみて下さい。マークが無償公開されているサイトがあります(2021年2月28日現在)。
キーホルダーなどの形に加工して持ち歩く方もいらっしゃるようです。
▼ ダウンロードはこちらから。たくさんのデザインが用意されています。
石井マーク「聴覚過敏シンボルマークの無償公開データ」(外部リンク)
周囲の人ができることは?
聴覚過敏の症状をやわらげるために必要とされることも多い耳栓ですが、耳栓の使用にあたって周囲にできることは何でしょうか。
欠かせないのは、症状に対する「周囲の理解」です。視力の弱い人が眼鏡を掛けるように、聴覚過敏を持っている場合は、耳栓やイヤーマフが生活に必要な道具なのです。
理解が広まるように、本人も周囲も過ごしやすい環境を整えていきましょう。下記のようなことができます。
- 必要に応じて耳栓を自由に使える環境を整える
- 耳栓が許可できない特別な理由がある時は、状況に応じて別室などの用意
など
まとめ
この記事では、発達障害と耳栓についてお伝えしました。
- 最もおすすめの耳栓は「デジタル耳栓」タイプ
- 困りごとの改善に耳栓を使用する場合、メリットだけでなくデメリット・リスクもある
- 症状に対する周囲の理解も必要です
発達障害の症状の1つ「聴覚過敏」からの困りごとを改善するために、耳栓を使用することは効果が期待できます。一方で、周囲の誤解などのデメリットも残念ながらあります。
生活を送る上で耳栓が必要なこともあると、周囲の理解が求められているのです。周知のために【聴覚過敏シンボルマーク】なども活用していきましょう。
聴覚過敏を持つ人も、周囲の人も、みんなが過ごしやすい環境をつくっていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。