こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「ワーキングメモリ」についてです。
短期的な記憶力に関係し、発達障害の話となると切ってもきれない『ワーキングメモリ』のこと、どのくらい知ってますか?
ADHDの約81%にワーキングメモリの不全が見られるとも言われ、発達障害の様々な生活における問題に深く関わっています。
この記事では、ワーキングメモリが生活に与える影響、そして鍛えるトレーニング方法をご紹介します。
目次
日常のこんな所で使われる!ワーキングメモリ
学習で、仕事で、行動で、対人関係で、ワーキングメモリはさまざまな領域に影響をもたらします。
複数の作業を同時進行する
以前見たテレビ番組(発達障害の方の生活を取材したもの)で、その方が料理中、洗濯物が目に入り、洗濯物をたたみ始めて、そのまま料理を焦がしてしまうシーンがあり、とても印象に残りました。
これはワーキングメモリが同時並行的に作業をするのに使われていることが分かるエピソードです。
特に家事は、鍋を火にかけたままお皿を洗ったり、炊飯器をセットしたり結構マルチタスク的な要素が多いですよね。
経験と比較して何かを判断する
日常生活は小さな取捨選択の連続です。 過去にこんなことがあったからこうしよう、ああしようと経験をベースに行動の選択を繰り返しています。
ベースである選択の基盤が上手くいかないと、同じ失敗を何度も繰り返してしまったり、考えれば分かるようなミスをしてしまったりします。
円滑なコミュニケーション、会話のキャッチボール
直前の相手の会話内容を覚えて、対応する返事をするという会話のキャッチボールにもワーキングメモリは使われます。
メモリが少ないと、会話が噛みあわなくなったり、相手から話を聞いていないように思われたりという状況が発生します。
ワーキングメモリを増やす『鍛える』、うまく生かす『解放』
ワーキングメモリは、作業用の机やパソコンのメモリに例えられることが多いです。
机が狭い(=ワーキングメモリが小さい)と、モノでいっぱいになって作業が滞ってしまったり、机から落ちてしまう(=忘れる)ので、なかなか処理できません。 逆に机が広ければ、同時進行で複数の作業をすることも可能です。
頭の中の作業机と上手く付き合う方法は、大きく分けて『トレーニング』と、『情報の解放』の2つです。
鍛えて頭の中の机の面積を増やす『トレーニング』
ワーキングメモリの機能は、脳の中でも主に前頭前野が担っていると言われています。 脳を刺激することでワーキングメモリの容積を増やしましょう。
適度な運動
様々な研究からワーキングメモリは運動によって向上するという結果が得られています。
学習や仕事の前、疲れすぎない程度に運動を取り入れてみましょう。 運動と脳機能の関係について分かりやすい動画をみつけたので見てみてください。
楽しい生活をする
脳の中でも、ワーキングメモリの働きが優れた脳で顕著に活動していたと報告された領域と、幸福度が高い人ほど面積が広かったという領域は同じだったという研究があるそうです。
また脳はストレスの影響をとても感じやいため、強いストレスにさらされる状況では良いパフォーマンスをできないことが多いです。
楽しい気持ちで楽しいことを考えてハッピーに過ごすことが、結果的にワーキングメモリの機能を高めるということですね。
すなわち、楽しいことを思い出したり想像したりすることで、脳の特定の領域が大きくなり、活性化する可能性があるということ。
参照:STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
情報を別の机に移動させる『解放』
頭の机の中で山積みになった情報は、他の場所に移しちゃいましょう! 具体的な方法は『メモに起こす』です。昔から書きながら頭の中を整理する、という方結構いますよね。
アウトプットすることで、ワーキングメモリの容量が空き、効率良く作業をしたり新しい情報を入れることが出来るようになります。
また、そのメモをなるべく目につく場所に貼って置くことで、1つの作業に集中して他を忘れてしまいがちな発達障害の方の行動をサポートしてくれます。
ちなみに私も大変忘れっぽいため、職場でメモ魔と呼ばれていたほどの細かいことまでとりあえずメモを取るタイプです。
以前は手でメモすると内容を思い出しやすく感じて手書き派でしたが、最近はデジタルツールのメモを大活用しています。
エバノートなどのウェブのメモだと全体を検索したり、作業のリマインダーをかけやすいので、メモを取る量が多い方にはウェブでメモするのオススメですよ!
脳を休める『休養』も大事です
頭が疲れた、というのはよく聞く言い回しですが、実際に処理する情報でパンパンに詰まった状態が続くと脳に負荷がかかっています。
ゆっくり睡眠をとり脳を休ませることで、結果として全体の作業効率も高くなります。
まとめ
発達障害とセットで語られることの多いワーキングメモリの不全は、想像以上に様々なシチュエーションでの失敗経験へと直結します。
ミスが多い、忘れっぽい、会話が上手くいかない…本人の性格のせいにされがちな内容ですが、ワーキングメモリーの不足が原因の場合は、もちろん本人の意思や頑張りとは別の次元の問題です。
まずは本人が元々のワーキングメモリを鍛えて増やしたり、解放して、効率良く使えるよう日々の生活を工夫すること。
さらに、具体的な短い言葉で指示を出してもらったり、平行で処理をしなくて済むよう作業を区切ってもらう等、周りの人が理解を深め協力すると、お互いにストレスなく効率よく進められるのではないでしょうか。