こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「子どもの歯磨き習慣」についてです。
子どもが歯磨きを嫌がり困っていませんか?
特に自閉スペクトラム症の子は歯磨きを嫌がる場合が多いといいます。
この記事では歯磨き習慣の身に付け方や子どもが歯磨きを嫌がる原因や対策を紹介していきます。
目次
歯磨き習慣は子どものうちから!成長に合わせた歯のケア
身内の話ですごく恥ずかしいのですが、この記事を書いている私の夫は最近まで朝歯を磨く習慣がありませんでした。
ある朝のこと。起きてから数分のうちに出掛けようとする夫に「身支度早すぎない?もう歯を磨いたの?」と聞いたら衝撃の一言が返ってきました。
「歯?え?歯なら昨日の夜、寝る前に磨いたけど?」
何を言っているんだと頭の中が混乱しました。話を聞けば、夫は朝歯磨きをする習慣がなかったそうです。
膝の力が抜けて座り込む程の衝撃でしたが、冷静に理由を聞いてみると「子どもの頃、親に教えてもらっていない」とのこと。
そんな馬鹿な、と頭を抱えましたが、これが3歳の息子の「歯磨き習慣」を考える良いきっかけになりました。(ポジティブに考えることにします)
子どもの年齢と歯の状態に合わせたケアをしていきましょう。
歯磨きや食生活の改善で虫歯を予防し、健康な歯を守っていくことです。
はじめての歯磨き
1本目の乳歯が生えたら歯磨きデビューです。
この時期は無理に歯ブラシで磨く必要はありません。
綿棒や親が指にガーゼを巻き付けて歯の表面を拭うだけでも大丈夫です。
もし赤ちゃんが嫌がるようでしたら無理せず切り上げましょう。
部分的にしか磨けなかったとしても、一部だけでもしっかり磨きましょう。
一日トータルで見て磨けていれば心配ありません。
歯ブラシ・歯磨き粉デビュー
歯ブラシを使い始めるのは、歯が3~4本生えて来た頃が目安です。
初めは毛が柔らかいものや、シリコン製のものを使うと良いでしょう。
子どもの機嫌がいいときに、あまり時間をかけずに磨くのがポイントです。
強くこすらず、優しくブラッシングしましょう。
歯磨き剤を使い始める時期は専門家によって見識が分かれますが、歯ブラシデビューとともに歯磨き粉も使い始めると良いという意見が多いです。
歯磨き粉はフッ素入りのものが推奨されています。
フッ素には虫歯に負けない強い歯を作る働きがあります。
1歳児前半
1歳半頃までに左右上下の奥歯が4本生えて来ます。
抱っこの姿勢だと奥歯がよく見えないのでお父さんお母さんの膝に頭を乗せて仰向けの姿勢で磨く方が良いでしょう。
嫌がる子も多いのであまり時間をかけず、スピーディーに磨いていきます。
また、子どもが自分でスプーンを持って口に運べるようになった頃から、少しずつ自分で歯磨きする練習も始めていけるといいでしょう。
1歳児後半
2歳頃までに前歯と乳犬歯(前歯から3番目の歯)が生えて来ます。
この時期の子どもの「自分でやりたい!」という気持ちを尊重して歯磨きの練習を進めていきます。
子どもが仕上げ磨きを嫌がったときは、まず親が仰向けになり子どもに歯を磨かせ、「今度は○○ちゃんの番ね」と仰向け姿勢に誘導するのがおすすめです。
2歳~3歳
乳歯がほぼ生え揃う頃です。
子どもが自分自身で歯磨きできるように練習していきます。
この時期の子どもはまだ細かい手の動きが苦手なため、歯ブラシの動きが大きく細かい部分の汚れが取り切れません。
歯磨きに慣れて来たら、歯ブラシを横にして左右に少しずつずらして磨くやり方も指導していきましょう。
親による仕上げ磨きも毎回必要です。
6歳頃~
仕上げ磨きが再び重要になる時期です。
早い子は5歳頃から乳歯から永久歯に生え変わり始めます。
口の一番奥の何もない部分から「6歳臼歯」と呼ばれる、新しい永久歯が生え始めます。
この「6歳臼歯」はとても大切で、噛み合わせの要となります。
食べ物を噛むのにも重要な歯であるため、虫歯にしないように親による仕上げ磨きが重要です。
歯磨きも子ども自身に任せている、という方が多いようですね。
でも仕上げ磨きは小学3年生まで必要だと言われているんです。
生え変わったばかりの永久歯は虫歯になりやすいと言われています。
一生の付き合いになる永久歯を守るためにも仕上げ磨きを継続していきましょう。
自閉スペクトラム症の子が歯磨きを嫌がるのはなぜ?
発達障害がある子は歯磨きが苦手だという子が多いといいます。
なかでも自閉スペクトラム症を持つ子には歯磨き嫌いな子が多く、激しく抵抗したり泣き叫び、全く歯を磨けない状態の子もいるようです。
自閉スペクトラム症とは
自閉スペクトラム症は生まれ持った脳の機能に偏りがある状態のことで、主に社会性や人とのコミュニケーションなどの面で困難が見られる発達障害です。
また自分のやり方やルールに強いこだわりがあり、行動がパターン化しやすいなどの特性があります。
この発達障害特有の感覚過敏または感覚の鈍感さを併せ持つ場合があり、大きな音や香水の匂いを苦痛に感じたり、人に触られることを嫌うことなどがあります。
【社会性】
・他の人への関心が薄く、人と関わることが苦手。
・マルチタスクが苦手で、複数のことを並行して行う場面でパニックになりやすい。
・急な予定の変更などイレギュラーに対応することが苦手で混乱しやすい。
【コミュニケーション】
・その場の空気を読むのが苦手。
・相手の表情や声の抑揚から感情を読み取るのが困難で、その場にそぐわない行動をしてしまうことがある。
【こだわりの強さ】
・特定の物に対して強い執着を見せることがある。
・物の色や順番、大きさなどにこだわり、自分のルールややり方を押し通す傾向がある。
【反復性行動やクレーン現象】
・「反復性行動」と言われる繰り返し同じ行動を取る現象が見られやすい。(手をパチパチ打ち鳴らす、壁に頭を打ち付けるなど)
・言葉によるコミュニケーションに困難があるので、相手の手を取って物を取らせたり、要求する物がある場所まで連れて行く(クレーン現象)
【感覚過敏・感覚鈍麻】
・匂い、音、触覚などに敏感で、大きな音や匂いを嫌がったり、服の肌触りが気になり限られたものしか着られないなど、感覚に偏りが見られる場合がある。
・空腹の感覚が乏しい、集中すると周りの声が聞こえなくなる、など、感覚の鈍感さが見られる場合がある。
自閉スペクトラム症の子はなぜ歯磨きが苦手?
人より感覚が敏感だったり、こだわりが強いという特性を持っている自閉スペクトラム症の子どもにとって、歯磨きはストレスなのかもしれません。
感覚が過敏なため口に歯ブラシを入れる事が苦痛
自閉スペクトラム症の人は「感覚過敏」という特性を持っている場合が多いため、歯磨きによる口の中の刺激に強いストレスや痛みを感じている場合があります。
過敏すぎる感覚を持っていない人は「なぜこの程度のことを痛がるの?」と思ってしまいがちですが、自閉スペクトラム症は脳の痛みや感覚を受け取る機能が生まれつき他の人と違うため、少しの刺激でも物凄い苦痛に感じる場合があります。
歯磨き粉の味が苦手
自閉スペクトラム症の人は「感覚過敏」という特性があるため、味覚が敏感な場合があります。
そのため歯磨き粉の味が合わない可能性もあり、ストレスを感じているのかもしれません。
一般的に子どもが喜びそうなブドウ味やイチゴ味でも、自閉スペクトラム症の子にとっては「甘すぎる」「匂いが強すぎる」などの理由で強すぎる刺激になっている可能性があります。
この場合は子ども用のスースーしない歯磨き粉を試してみるのもいいかもしれません。
歯磨きがいつ終わるかわからないため不安に感じる
自閉スペクトラム症の子は歯磨きをしている最中、「あと何秒我慢すれば歯磨きが終わるのか」ということがわからないため不安になっている可能性があります。
自閉スペクトラム症には「急な予定の変更など、イレギュラーに対応するのが苦手」という特性があり、今後どのようになるか予測できないことに強い不安を感じる傾向があります。
歯磨きに感じるストレスを軽減するには?
自閉スペクトラム症の子は特性の影響で歯磨きにストレスを感じている可能性があることがわかりました。
そんな風に思ってしまいがちですが、私たちが思う以上に、自閉スペクトラム症の子にとって歯磨きは苦痛なのかもしれませんね。
歯磨きがあと何秒で終わるのかわかるようにする
仕上げ磨きのとき、「あと何秒我慢すれば歯磨きが終わるのか」ということを子どもにわかるようにしてあげると不安を減らせるかもしれません。
見通しが立たないことに不安を感じやすい特性を持つ自閉スペクトラム症の子にとって、いつ終わるかわからない歯磨きタイムはストレスになる可能性があります。
・砂時計を持たせる。
・NHKの教育番組「おかあさんといっしょ」で親しまれている歯磨きソング、「はみがきじょうずかな」を歌いながら歯を磨く。(歌い終えたら歯磨き終了)
・親が言葉で伝える。
様々な角度から磨いて、痛くない磨き方を探す
仕上げ磨きのとき、親が体勢を変えて様々な方向や角度から磨くと、痛みや刺激が少ない磨き方を見つけやすいかもしれません。
歯磨きが嫌いな3歳の息子は、立って仕上げ磨きすることで歯磨き出来なかった状態を改善できました。
本当は親の膝に頭を乗せて寝るのが一番隅々まで磨ける「正しい仕上げ磨きの姿勢」なのですが、息子の場合はこの仰向けで口を開ける姿勢が怖かったようです。
一緒に歯ブラシや歯磨き粉を選ぶ
子供用品の専門店では様々な種類の歯ブラシや歯磨き粉を取り扱っています。
親が独断で選んだものより、子どもと一緒に選んだものだと愛着が沸き、歯磨きを楽しく始められるかもしれません。
歯磨き習慣が身に付く楽しいアプリ2選!
歯は食べ物を咀嚼したり、発音を助けたりする重要な役目を担っています。
毎日の歯磨きを習慣にして、自ら進んで歯磨きする子に育ってほしい。そう願う方も多いのではないでしょうか。
特に子どもの場合は楽しくなければ長続きしません。
そこで、楽しく歯磨きを習慣付けられるおすすめのアプリを紹介します。
ポケモンと一緒に楽しく歯磨き!
アプリ名:ポケモンスマイル
メーカー:ポケモン
価格:無料(ゲーム内課金なし)
対応機種:iOS/Android
「歯磨き嫌いな子が自分から歯磨きするようになった!」と評判の、まさに歯磨き習慣化を目指すのにぴったりなアプリです。
「ポケモンスマイル」はどんなアプリ?
「ポケモンスマイル」は子どもの毎日の歯磨きを楽しくする、歯磨きを習慣化するのを手助けしてくれるアプリです。
スマートフォンのカメラが歯磨きする様子を読み取り、正しく歯磨きできているかチェックします。
正しく歯磨きしてゲーム内の「むしばきん」を退治すると、新しいポケモンを捕まえられる仕組みです。
子どもが夢中になる楽しいアプリ
100匹以上登場するポケモンをゲットして「ポケモンずかん」を作ったり、「ポケモンキャップ」という可愛いポケモンのアクセサリーを集めて、カメラに映る自分の姿に被せたり、毎日歯磨きを続けたくなるコンテンツがたくさんあります。
「ポケモンキャップ」は歯磨き後貰えるものが多いですが、大人でもゲットするのが難しい「隠しキャップ」も多数あります。
15種類以上あるキャップ、全て集めたくなりますね。
親にとって嬉しい機能
「ポケモンスマイル」には子どもが歯磨きを楽しめるだけではなく、親にとっても嬉しい機能が付いています。
・歯磨きし忘れ防止のために1日3回までタイマーを設定できる。
・子どもの成長に合わせて、歯磨き時間を1分~3分の間で選べる。
・歯磨きが終わると日本歯科医師会協力の「ハミガキアドバイス」が表示される。
みんなのレビュー
・磨く位置が表示されて、歯全体を楽しく磨ける
・歯磨きを続けたくなる工夫が素晴らしい。
・歯磨きが嫌いだった子が自ら進んで歯磨きするようになった。
・デザインが可愛らしくて大人も癒される。
「ポケモンで子どもの歯磨き習慣化を目指したい」というアプリ製作者の意図の通り、「歯磨き嫌いだった子が自ら進んで歯磨きするようになりました!」という感謝の口コミでいっぱいです。
設定など親が使いやすいように工夫されている所も高評価に繋がっていると思われます。
・カメラの感度が悪い。歯磨きしても読み取られず同じ所を何度も強く磨いてしまう。
・制限時間があるため、難所に時間がかかると他の部分が磨き足りない状態で終わってしまう。
・目的のポケモンをゲットできないと子どもが機嫌を損ねて何回もやりたがる。
カメラの感度が悪く、改善を求める口コミもあります。歯ブラシを一生懸命に動かしても読み取られないことがあるため、1か所を強く磨く原因にもなるようです。
改善されるといいですね。
「歯磨き」でモンスターをやっつけよう!
アプリ名:はみがき勇者
メーカー:LITALICO
価格:無料(ゲーム内課金あり)
対応機種:iOS/Android
歯磨きすることでモンスターに攻撃する、ゲーム感覚で歯磨きを楽しめるアプリの紹介です。
「はみがき勇者」はどんなアプリ?
勇者になって歯磨きでモンスターを退治し、コインを集めるアプリです。
コインの獲得数に応じてヒーローカードをゲット。勇者レベルがアップします。
30ステージごとにボスである「ドラゴン」が現れ、倒すと勇者の兜がゴージャスになっていきます。
ゲーム好きな子にピッタリ!
「歯を磨いてコインゲット」という至ってシンプルなコンテンツですが、子どもが夢中になるよう、攻撃シーンに工夫が施されているのがわかります。
軽快な音楽や効果音も楽しく、歯ブラシを動かすと口からモンスターに向かって光が発射し、本当に攻撃しているような気分になります。
制限時間が終わると退治したモンスターの数が一目でわかるように表示されるのでモチベーション向上も期待できそうです。
最初は4人の勇者で戦いが始まりますが、120円の課金で4人の勇者を追加して8人のパーティーにもできます。
無料でも十分楽しめるアプリですが、勇者が増えるとそれだけ獲得できるコインも増えるのでもっと夢中になれそうですね。
やりすぎないための工夫もしっかり考えられている
歯磨きのし過ぎも問題かと思うのですが…。
コインが欲しくて何度もゲームを欲しがる事態を防止するためにしっかり考えられているんです。
連続でプレイするとコインの獲得率が10%ずつ下がる仕組みになっています。
プレイするたびに獲得できるコインはどんどん減り、レベルアップもしにくくなるためゲームに対する執着が続きづらいと考えられます。
3時間プレイしなければコインの獲得率が元の状態に戻ります。
みんなのレビュー
・アイディアがすごい!子どもが自分から進んで歯磨きするようになった。
・単純なコンテンツだからこそ難しくなくて良い。
・同じ場所ばかり磨いていると攻撃が弱くなるため、歯全体を満遍なく磨ける。
子どもがゲーム感覚で楽しんで歯磨きするようになったという感動の口コミが多数あります。
獲得したコインに応じて勇者が成長していくところがこのアプリの魅力ですね。
・カメラが歯ブラシを認識しないことがある。
・突然画面が真っ暗になる。
・歯ブラシが認識されない間も制限時間は進んでいくので焦って強く磨いてしまいがち。
動作上の問題に改善を求める口コミが多数ありました。カメラに認識されず苛立って泣いてしまう子もいるようです。
機種やWi-Fi環境の問題も考えられます。みんなが使いやすいように改善されると嬉しいですね。
まとめ
・歯磨きの習慣づけは1本目の乳歯が生えたときから始まっている。
・親による仕上げ磨きは小学3年生頃まで必要。
・自閉スペクトラム症の子が歯磨きを嫌うのは特性が関係している可能性がある。
・どうしても歯磨きが嫌いな子には歯磨きが楽しくなるアプリがおすすめ。
歯磨きを「面倒くさい」「嫌い」と思う子は多いかもしれません。しかし永久歯に生え変わった歯は一度失ってしまうと二度と取り返せません。
歯の健康を保つために、子どものうちから歯磨き習慣を身に付けさせたいですね。