こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「ロングスリーパーと発達障害の関係」についてです。
発達障害がある方で、長時間睡眠が必要だったり、日中の眠気に悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
睡眠の悩みを抱えていると、日常生活に支障をきたすこともあると思います。
発達障害がある人は、年齢に関係なく睡眠に問題を抱えやすいと言われています。
ストレスを感じやすい特性や、脳の作りなどの様々な原因から、睡眠に問題が生じるようです。
この記事では、発達障害とロングスリーパーの関係や眠気対策などを紹介していきます。
目次
発達障害の人はロングスリーパーが多い!
ADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム症)の人の約75%に睡眠障害があると言われています。
現代の日本人は、5人に1人が睡眠に問題を抱えています。
- 寝つきの悪さ
- 夜中に何度も目が覚める
- 忙しくて、寝る時間が足りない
なぜ発達障害の人が睡眠障害を抱えてしまいやすいのでしょうか。
参考動画:発達障害と睡眠障害
発達障害の人が睡眠障害になる原因
発達障害の人がロングスリーパーになりやすい原因ははっきりと分かっていません。
考えられる要因としては以下のようなことがあります。
- 脳機能や神経伝達物質やホルモンの分泌機能などが未発達
- 睡眠を促すメラトニンの分泌が遅い
- 就寝前の体の変化が起こる時間が通常よりも1.5倍遅い
特にメラトニンの分泌や、就寝前の体の変化の遅さについては発達障害の方に多く見られる傾向があります。そのため、「夜遅くまで起きていて昼間に寝ている」といった昼夜のサイクルが乱れることも。
昼夜サイクルの乱れは睡眠だけでなく、行動パターンや不注意など、問題行動にも繋がっているのでは、とも考えられています。
睡眠の悩みで病院を受診される方の中で、発達障害を抱えている方は、長時間の睡眠を必要とするロングスリーパーに分類されることが多いと分かっています。
明確な定義はありませんが、日常的に9時間以上の睡眠を取る人のことを言います。
NPO法人 日本過眠症患者協会より
△睡眠専門医が、眠気と発達障害の関係について教えてくれる動画です!
発達障害の睡眠の特徴
日本人の平均睡眠時間は7時間と言われていますが、人それぞれ適した睡眠時間は異なります。
「ちょっと眠れない日が続いているだけで、睡眠に問題を抱えていると言えるのだろうか、、、」
こんな風に悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
人と比べて睡眠時間が長い、短いなどは関係ありません。
自分が睡眠に関して辛い、もっと眠りたい、など改善の必要を感じたら、睡眠障害かもしれません。
ひとつの目安として、発達障害の多くの人が睡眠に関してどんな悩みを抱えているのかみていきましょう。
多くの人が抱える睡眠の特徴
他の発達障害の人が、どんな悩みを抱えているのか気になるところだと思います。
代表的な睡眠の悩みについて紹介するので、自分に当てはまるか確認してみてください。
・過眠症
・不眠症
・悪夢障害
・概日リズム障害
過眠症
睡眠を十分に取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じて起きていることが困難な状態です。
過眠症は3種類のタイプがあります。
- ナルコレプシー
- 特発性過眠症
- 反復性過眠症
特にナルコレプシーは時間や場所問わずにかなり強い眠気に襲われ、強い脱力感や呂律が回らなくなるといった症状を伴うことも。授業や仕事に影響が出るだけでなく、交通事故の可能性もあるため危険視されています。
不眠症
眠れないことが原因で、心身に影響が出てくる睡眠障害のひとつです。
- 寝つきが悪い
- 夜中に頻繁に目が覚める
- 朝早く起きてしまう
- 睡眠が浅く眠った感じがしない
など様々な症状があります。これにより、日中に眠気を感じたり、疲れが取れない状態が続くなどを感じます。
悪夢障害
悪夢を繰り返し見ることで、睡眠に支障をきたしたり、疲れが取れない状態のことです。
大抵の場合、私たちは夢を見て目が覚めた後その内容をうっすらとしか思い出せなかったりすることが多いですが、悪夢障害では夢の内容をはっきり思い出せます。その内容を思い出すことで心身に悪影響が出てくるのです。
概日リズム障害
昼夜のサイクルと睡眠ホルモンのリズムが合わないことで、望ましい時間帯に眠ること、起きることが困難な状態です。つまり、体内時計が実際の時間とずれている状態を指します。
時間のずれを修正できないために、眠気や食欲不振などが身体症状として出現します。
こういった睡眠の悩みを抱えることで、日常的に長時間の睡眠を必要とする状態が続いてしまいます。
△天才と言われる人も睡眠に悩まされていたんですね。
▼こちらの記事でも発達障害の睡眠について解説していますので、あわせて読んでみてください!
発達障害児のロングスリーパーは気付かれにくい
大人は自分で睡眠の不足を自覚できますが、子供は睡眠不足に自分で気付けないこともあります。そのため、発達障害児の睡眠の悩みやロングスリーパー体質に気づきにくくなってしまいます。
特に子供は、大人に比べて長い睡眠時間を必要とするということも気づきにくい原因の1つです。
アメリカの研究では、年齢ごとに必要とする睡眠時間が発表されました。
▼年齢別の適切な睡眠時間の一覧です。
年齢 | 適切な睡眠時間 |
---|---|
新生児(0〜3ヶ月) | 14〜17時間 |
乳児(4〜11ヶ月) | 12〜15時間 |
幼児(1〜2歳) | 11〜14時間 |
未就学児(3〜5歳) | 10〜13時間 |
学齢児童(6〜13歳) | 9〜11時間 |
10代(14〜19歳) | 8〜10時間 |
若年成人および成人(20〜64歳) | 7〜9時間 |
高齢者(65歳以上) | 7〜8時間 |
これは平均時間ですが、日常からより多くの睡眠を必要としている場合は、ロングスリーパー体質と言えるかもしれません。
怠けている、甘えだ、などと思わず、本人の適切な睡眠時間を一緒に模索してあげましょう。
ロングスリーパー体質ということを理解していないと、睡眠時間を減らそうとすることもあるため注意が必要ですね。
発達障害の人の睡眠対策5選
ロングスリーパーだということが分かっていても、睡眠時間を確保できない日もありますよね。
また、なかなか寝付けないなどで睡眠不足が続いてパフォーマンスの質が落ちてしまうこともあるでしょう。
この段落では、良質な睡眠を確保するための睡眠対策を紹介します。
色々試して、自分に会う方法を見つけてみてください!
①自律神経を整える
人が入眠するには、日中に働いている交感神経を抑制して、副交感神経を優位にする必要があります。そうすると、体が寝る時間だと認識して眠りに入りやすくなります。
自律神経を整えるには、色々な方法があります。
・夕方以降、部屋の灯りを間接照明に切り替える
・お風呂の温度は40度ぐらいまで、寝る30分ぐらいまでに
・ストレスを溜めない
夕方以降、部屋の明かりを間接照明に切り替える
明るい光が目から入ってくることで、脳は日中と認識します。
明かりを間接照明ほどの明るさに変えることで、夜だと認識でき、眠くなります。
お風呂の温度は40度ぐらいまで、寝る30分前ぐらいまでに
熱いお湯に浸かると、交感神経が働いてしまいます。
ぬるめのお湯に10分程度入ると、副交感神経が刺激され、筋肉も緩まり、眠りにつきやすくなります。
ストレスを溜めない
嫌なことなどを寝る前に思い出すと、神経が興奮して眠りに入りづらくなります。
全く思い出さないようにするのは難しいと思いますが、好きな音楽を聴いたり、人と話したり、温かい飲み物でリラックスするといいでしょう。
②寝る前にカフェインを摂らない
これは有名だと思いますが、カフェインは脳を覚醒させるような作用があるので、寝る前に摂るのはお勧めできません。ノンカフェインの飲み物を選びましょう。
温めて飲むことで体が温まる麦茶やホットミルク、疲労回復効果のある梅昆布茶にはカフェインは含まれていませんのでおすすめです。
カフェインは摂取してから体に5〜8時間留まるので、寝る8時間前までに飲むようにすると、より眠りにつきやすくなります。
③スマホやパソコン、テレビを寝る直前に使わない
こちらもよくテレビなどで言われていることですが、寝る前にブルーライトを浴びることはお勧めできません。
ブルーライトを浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
ブルーライトは人の目に入ってくる光の中でも、エネルギーが強く、目が疲れる原因にもなっています。寝る1時間前には電子機器の使用をやめると、睡眠への影響を抑えることができます。
どうしても人と連絡を取ったり、使用しなければならない場合、ブルーライトカットメガネや画面用シールを使うことでブルーライトが目に入る量を抑えることができます。
- 商品の特徴
iPhone12用のブルーライトカット保護シールです。 - 価格
¥2,640(税込)※2021年8月現在の楽天市場価格 - 口コミ
iPhoneを使い始めてから、ずっとこちらのメーカーのフィルムを使っています。
- 商品の特徴
MacBook Airのブルーライトカットを90%カットしてくれる保護フィルムです。画面に貼って使用します。 - 価格
¥6,600(税込)※2021年8月現在の楽天市場価格 - 口コミ
貼った直後は気泡が入っていましたが、2-3日すると気泡がいつの間にか消えてきれいになっていました!長時間使用していても目が疲れにくいような気がします。
色々な大きさでブルーライトカットシールは販売されています。
寝る前に使いそうな電子機器に貼ってみるのがお勧めです!
④セロトニンを増やす
セロトニンが不足していると、不安を感じやすくなったり、意欲が湧かない状態になりやすくなります。うつ病などの人の脳に見られる特徴です。
こういった状態は、眠りに入りにくくなり、睡眠不足も引き起こしやすくなります。そのため、セロトニンの材料となるトリプトファンを食事で補うことがお勧めです。
トリプトファンはアミノ酸の一種で、バナナやチョコレート、ナッツ類、乳製品などに多く含まれます。日常的に食べるように意識すると、不安な気持ちが和らぎやすくなり、睡眠にも入りやすくなります。
⑤適度な運動をする
日中に運動することで、脳の疲労を取り除いたり、ストレスの解消、筋肉の緊張をほぐすなどの作用から、睡眠が促されることも分かっています。
定期的に運動している人には、不眠が少ないとも言われています。
夕方から寝る3時間前までに運動すると、上がった体温が寝る頃に下がってくるので、眠りに入りやすくなるでしょう。
また、1日だけではなく、習慣的に運動することが重要なので、無理のない範囲で始めてみることがお勧めです。
△エクササイズで睡眠の質を上げてみては?
どこに相談すればいい?
上記のような、不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談しましょう。一人で抱え込まず、発達障害の専門機関に連絡してください。
ご本人でも、子育て中のお母さんでも、不安な気持ちに寄り添ってアドバイスをしてもらえます。場合によっては、医療機関を紹介してくれることもあります。
まずはお住まいの地域の「発達障害者支援センター」、「子供発達支援センター」に相談してみてください。
発達障害情報・支援センターから全国の施設を探すことができます。
まとめ
以上、発達障害とロングスリーパーの関係、睡眠対策について紹介しました。
- 発達障害の人はロングスリーパーになりやすいが、原因は詳しく解明されていない
- 発達障害の人の睡眠には過眠症、不眠症、悪夢障害、概日リズム障害などがある
- 発達障害の人の睡眠対策として自律神経を整える、寝る前にカフェインを摂らない、寝る前にブルーライトを浴びない、セロトニンを増やす、適度な運動をするなどの方法がある
人生の3分の1は睡眠と言われている通り、私たちはたくさんの睡眠を必要としています。
発達障害の方は特に睡眠に関して悩みを抱えやすいので、大変だと思います。
ロングスリーパーであるーパーであることへの理解や睡眠を取りやすくするなどの、周りの協力も必要になってくるでしょう。
この記事で紹介した対策を試したり、専門機関に相談しながら、自分の睡眠パターンを確立する助けになれば幸いです。