こんにちは!こんばんは!今日も発達障害について役立つ情報を提供させて頂きます!

子どもの習い事には様々なものがありますが、その子に合った習い事に出会えたらその子にとって、その体験は一生の宝物になりますよね。学校や家庭以外にも子どもが楽しく活動出来る場所ができるのはいいことですよね。

でもその場の空気を読むのが難しかったり、指示を理解するのが難しい特性を持ったお子さんはすぐに習い事に順応していくのが難しいことがあるかもしれません。周りの子は真面目に取り組んでいるのに、うちの子だけふざけてる…そんな風に悩んでいませんか?

お子さんが習い事ふざけてしまうのにはどんな理由があるのでしょうか?

発達障害の特性との関連性を探る事が、習い事での取り組み姿勢をより良くするヒントになるかもしれません。

発達障害を持つ子どもが習い事でふざけてしまうのはなぜ?

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京本
せっかく始めた習い事、真剣に取り組んで欲しいですよね。
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薄波
ふざけてしまうのは発達障害とどんな関係があるのでしょうか?
発達障害の特性との関連性から考えて行きましょう。

発達障害の特性との関係

発達障害の子どもがふざけてしまうのは、その特性の影響かもしれません。

それぞれの特性によってふざけてしまう理由は異なります。

自閉症スペクトラム(ASD)の場合

傾向

・ 他人とのコミュニケーションの取り方に困難がある。
・ 状況を把握したり空気を読み取ったりすることが苦手。
・ 特定のものごとややり方に強いこだわりを持つ。
・ 状況に応じて臨機応変に行動する事が苦手。

自閉症スペクトラム症の子どもは人に対する関心が薄く、他人とのコミュニケーションの取り方に困難が見られるという特性があります。自分の置かれている状況を把握したり空気を読み取ったりすることが苦手です。

また特定のものごとややり方に強いこだわりを示し、好き嫌いがはっきりしている傾向があります。自分のやり方にこだわりを持っていて、状況に応じて臨機応変に行動する事が苦手です。

周りの子ども達は状況によって空気を読んで行動したり、毎回やっていることならば何となく自分のすべきことが理解できているのですが、自閉症スペクトラムの症状を持っている子は今何をすればいいのかわからなくて、とりあえずヘラヘラふざけてしまう。

自分の好きなことだけずっとやってしまうなどの行動から悪ふざけしているように見えてしまうなどが考えられます。

▽発達障害の子どもが特定のものごとに強いこだわりを持つ理由はこちらで詳しく説明しています。

注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合

傾向

・ 注意欠陥多動性障害の主な特性は「不注意」と「衝動性」
・ じっとしている事が苦手で、落ち着きがなくそわそわしてしまう。
・ 思い付くと優先順位を無視してその場で行動してしまいがち。

注意欠陥多動性障害の主な特性は「不注意」と「衝動性」です。

じっとしている事が苦手で、落ち着きがなくそわそわしていたり、思い付くと優先順位を無視してその場で行動してしまうといった傾向があります。

習い事においては、指導者の話をじっと聞いている事が困難で、そわそわと体を動かしたり、立ち上がったり、歩き回ったりしてしまう行動から「ふざけている」という風に思われがちなのかもしれません。

また「だいたいこれくらい」や、「いつもの通り〇〇して」など曖昧な言葉を察することに困難が見られる傾向があるため、指導者の言っていることが理解することが出来ない。わからないから取り組みからコースアウトしてしまうといった傾向もあるでしょう。

学習障害の場合(LD)の場合

傾向

・ 知的な発達に遅れはないものの、「読む」「聞く」「話す」「書く」「計算する」など、特定の能力に困難が見られる。

学習障害は知的な発達に遅れはないものの、「読む」「聞く」「話す」「書く」「計算する」など、特定の能力に困難が見られるといった症状が特徴です。

習い事においては単純に理解出来ない事が原因で「ふざける」といった行動に出てしまうのかもしれません。

周囲は当たり前に理解できることなのに自分だけ理解が出来ない。劣等感や不安から自暴自棄になり取り組みから外れてしまい、「ふざけている」と思われてしまうこともあります。

発達障害の子どもの習い事での取り組み姿勢改善の方法は?

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京本
発達障害を持つ子どもの「ふざける」といった行動はどうすれば改善できるでしょうか?
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薄波
考え方や対応方法など見ていきましょう。

「ふざけている」のではなく、「困っている」のかも?

一見ふざけているようにしか見えない状態でも、本人は「困っている」という事があり得ます。

前述したように、発達障害の子ども達は、状況を把握したり、指導者の指示の意図を汲み取ったり、自分のすべきことを推察したりすることに困難がある場合があります。

「習い事に来たらまずは〇〇をする」など、自然と取り組みを始めている周囲の子ども達の中で、自分だけが何をしたらいいかわからない。わからないから別の事を始めてしまったり、自分が面白いと思うことを繰り返しやってしまったり…。

表情もニコニコと笑っている場合があるので周囲から「困っている」と気付いて貰いづらいケースもあります。

表情が緩んでしまうのはリトミックやダンスなどの習い事の場合は音楽に気持ちが行ってしまい、単純に楽しくてニコニコしている場合もあるのですが、必ずしも表情と感情は一致しない、と認識した方がいい子どももいます。笑った表情をしているからといって、本人はふざけているつもりはないのです。

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京本
困っているのに、なぜか口元は微笑んでしまった…そんな経験僕もあるかも…。
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薄波
大人でもあるよね!
上手く出来ないからとりあえず笑ってしまったり…。
その子の本当の気持ちを見付けてあげたいですね。

「またふざけてる!」という見方から、「何に困っているのかな?」という見方に変えていくことで、親もイライラした感情から少し解放されるでしょう。

「今、何をすればいいのか」具体的に指示をする

発達障害を持つ子ども達の特性の傾向として、「曖昧な指示が理解しづらい」という事が挙げられます。

「だいたい〇〇して」などの抽象的な言葉ではなく、「何を、いくつ、どこに、どのように」すればいいのか具体的な言葉で簡潔に伝える事が大切です。

例えば、「しっかり元あった場所に戻して」ではなく「クレヨンは二番目の引き出しに戻します」といったようにです。

他にも、学習障害の特性がある場合は、話し言葉での理解に困難があるときは絵などを使って視覚的に伝える事も有効です。

出来ることは自分でさせていき、しっかりと褒める

こだわりが強い特性を持っている子どもの場合は特に、日常生活に於いて子どもを指導する親は大変です。

しかし「この子が言い出したら聞かないから」と、諦めて教えるのをやめてしまうと、親という甘えれられる存在を前にさらに自制が困難になり、「ふざける」という、悪いとわかっている行動でも抑える事が難しくなってしまいます。

日常生活から出来ることは自分でさせていき、「自分」という意識を育てて行くことが大切です。まず自分の事を自分でさせていき、取り組めたときには思い切り褒める事が自意識を育てる事に繋がっていくと考えられます。

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京本
小さな成功体験を積み重ねていくことが自信に繋がるんですね。

習い事との相性が悪ければ無理に続けなくていい

「継続は力なり」という言葉があるように、日本では特に、続けられる事が良しとされる傾向があります。

しかし必ずしもそうではありません。習い事は人と人が関わって行くもの。その子どもの特性によって合う合わないは当然あります。

一般的に発達障害の子どもが続けやすいと言われている習い事でも、そのスクールの環境によっては合わないという事はありますし、逆に一般的に難しいと考えられている習い事でも、指導者がその子に合っていたという場合などは長く続けられる事もあります。

子どもも親も無理せず続けられる習い事に出会うために、どうしても相性が悪ければ無理しないというのも一つの手かもしれません。

発達障害の子どもの習い事を選ぶときのチェックポイント

習い事を始めたくても、発達障害のわが子がふざけて周囲に迷惑を掛けないだろうか…。しっかり取り組めるのだろうか…。

習い事探しを始めるも、心配は尽きませんよね。

習い事を探すとき、どんな事に注意したら良いのか、チェックポイントをまとめました。

チェック

・子どもが興味を持っているかどうか
・指導者が特性を知ろうとしてくれている姿勢が見えるどうか
・指導者と保護者が話せる機会を持てそうかどうか
・教室の規模や生徒の人数がその子に合っているかどうか

子どもが興味を持っているかどうか

習い事選びで一番重要なのは、やはり子どもがその習い事に興味があるかどうかです。

そのためにはお試し体験レッスンをどんどん活用して行くと良いでしょう。

好き嫌いがはっきりしているといった特性を持つ子どもは、嫌い、興味がない教室だと尚更習い事に取り組むハードルが高くなる場合がありますが、逆に興味がマッチした教室に出会えれば粘り強く続けて行ける可能性も高くなります。

同じ習い事でも教室が違えば指導者や生徒、教室の雰囲気も異なりますので、気になった習い事の体験教室へは可能な限り参加すると良いでしょう。

指導者が特性を知ろうとしてくれている姿勢が見えるどうか

習い事の先生であっても、発達障害がどのようなものなのか、正しく理解している先生は少ないのかもしれません。

しかし現状、発達障害の知識や発達障害を持つ子どもの指導経験が浅かったとしても、何よりその子を「知ろうとする」という姿勢を見て感じ取れたらそれが子どもにとっても親にとっても一番嬉しい事ですよね。

最初から「発達障害で…」と相談するのはなかなか勇気が必要かもしれません。

もし受け入れて貰えなかったら…と思うと不安ですよね。最初は「うちの子はすごくやんちゃで…。大丈夫でしょうか?」という具合に、ご自分の話しやすいレベルから相談しても良いと思います。

指導者の反応を見ながら徐々に困り事や、その子の苦手な事お願いしたい対応など伝えて行くのも一つの方法です。

指導者と保護者が話せる機会を持てそうかどうか

幼児クラスでは親が見学できるクラスも多く、習い事を終えたタイミングで先生と一対一で話すことが出来る機会も多いと思いますが、学年が上がる程子どもが主体となり、指導者と保護者の関係が希薄になる傾向があるでしょう。

出来るだけ子どもの様子を知る機会が豊富で、先生とも報連相を行いやすい教室だと安心です。

習い事を始めてみたものの、子どもがふざけてしまう、周りの子に迷惑を掛けていないか心配…そんな悩みも気楽に相談出来る機会を持てたらいいですね。

教室の規模や生徒の人数がその子に合っているかどうか

一般的に、少人数でゆったりと習い事に取り組む教室の方が発達障害を持つ子どもたちに合っていると言われています。

しかしあまり人数が少ないと、人間関係が濃くなり、コミュニケーションに困難がある子どもは苦痛に感じる場合もあります。

苦痛に感じると取り組みから脱線したり、ふざけだしてしまう子どももいます。

指導者の人柄や、子どもの興味関心の有無はもちろん習い事を選ぶ上で重要なポイントですが、生徒の人数も視野に入れて置くと今後のために安心ですね。

特性のある子どもが楽しく取り組める、おすすめの習い事3選

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京本
発達障害がある子どもがのびのびと取り組める習い事にはどんなものがあるでしょうか。
おすすめの習い事を紹介します。

・スイミング

・ダンスやリトミック

・個別学習塾

スイミング

水泳は個人競技です。

野球やサッカーといったチームプレーは競技中、自分の置かれた状況や仲間、相手チームなどの動向を判断して行動しなくてはなりません。

物事を見通す事や、周囲の状況によって臨機応変に行動する事に困難がある子どもの場合、集団競技に苦痛を感じるかもしれません。

その点水泳は基本的に自分でペースを決めて競技を行う事が出来ます。

スイミングスクールで練習を行うプールもコースロープで仕切られていたり、ゴール付近に旗が設置されていたりするので、視覚的にも理解しやすいと言えます。

私自身、子どもの頃にスイミングスクールに通っていたのですが、難しいルールやチームワークがないのでのびのび取り組めました。

体育の授業で経験したバスケットボールやサッカーは、自分のプレーがチームの勝敗を左右する可能性が大きいため、常に周りの視線や声に怯えてビクビクしていました。

そのため本来のパフォーマンスを発揮出来ず、いつの間にか「スポーツが苦手」と思い込んでいたような気がします。

スイミングを始めてチームプレーがない分、自分の泳ぎだけに向かい合うようになり、「私はスポーツはダメ!」というマイナスの意識から解放されました。

スイミングは集団行動が苦手な子どもでも取り組みやすいスポーツだと思います。

ダンスやリトミック

音楽に合わせて体を動かす事が好きな子ならダンスやリトミックがおすすめです。

その教室の教育指針によりますが、技術を磨くよりまず音楽を楽しむことをモットーにしている教室に出会えれば楽しく取り組めそうです。

特に音楽に触れながら体を動かすリトミックはおすすめで、技術の習得よりその子どもの潜在的な能力を引き出す事が目的なので、特性の良い部分を生かして個性を伸ばしていくための教育を受けられると考えられます。

▽リトミックに関してはこちらの動画がわかりやすいです

個別学習塾

集団指導の塾は、クラスメイトと切磋琢磨することで競争心が生まれ、勉強のモチベーションを上げてくれる事が期待できます。

しかし、学習障害のように「読む」「聞く」「話す」「書く」「計算する」など、特定の能力に困難が見られるといった症状がある場合、みんなと一緒に授業を受ける事に大変なハンディキャップがあります。

また、物事に集中して取り組む事や抽象的な表現の理解に困難がある子どもの場合も「みんなと同時に」というのは苦痛に感じる場合があります。

単に「個別」というだけでなく、その子に合わせた学習方法や進め方で指導してくれる学習塾を見つけられると、ゆっくりなペースであっても、少しずつ勉強に取り組んで行けるのではないでしょうか。

まとめ

  • 習い事でふざけるのは発達障害の特性が関係している場合が多い。
  • 「ふざけている」のではなく「困っている」のかも。子どもの本当の気持ちに寄り添う。
  • 曖昧な指示は理解しづらい。具体的に伝える。
  • 習い事以外の場面においても、日頃から、出来る事は自分でさせる=自意識を育てる。
  • どうしてもその習い事との相性が悪ければ辞めていい。親も子どもも無理し過ぎない。

今回は「習い事でふざけてしまうのは発達障害の特性の影響が大きい」というお話をさせて頂きました。

「ふざけている」ように見えて、何をしていいかわからない、先生の指示が理解できないなど「困っている」のかも知れません。

「何に困っているのかな?」という意識で対応する方が取り組み姿勢を改善するためには良いのかもしれませんね。

取り組みから脱線してしまったり、楽しいと感じることだけ繰り返してしまったり、ふざけ出してしまったり…。

発達障害を持つ子ども達は自分をコントロールするのが苦手な場合があるため、親は様々な心配があり、習い事を始めることに不安があるかもしれません。

しかし困った行動にも理由があります。「なぜふざけてしまうのか?」その理由の中に解決していくためヒントがあるかもしれません。

お子さんがのびのびと活動できる習い事に出会えますように。この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。