こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の赤ちゃんは手がかからない?」についてです。
赤ちゃんは手がかかるもの…そう思っていたのにうちの子全然手がかからない…「もしかして発達障害!?」そんな不安を感じてはいませんか?
可愛い我が子があやしても笑わなかったり、愛おしくて見つめても目が合わなかったり…そんな状態だと親御さんとしては心配になってしまいますよね。発達障害だとどんな特徴があるんだろう?そんな疑問もお持ちだと思います。
そこで、今回は手がかからない赤ちゃんは発達障害なのか?の疑問にお答えします。
また、発達障害の赤ちゃんの特徴や診断が下りる時期、検査の時期や内容、また気軽に相談できる相談機関についても解説します。
お子さんの様子に不安を感じている方はぜひ最後まで読んでみてください。
・手がかからない赤ちゃんは発達障害なのか?
・発達障害が疑われる乳幼児期の特徴
・発達障害の診断が下りる時期
・検査が受けれる時期と内容
・相談できる機関
目次
手がかからない赤ちゃんは発達障害なのか?
結論から言うと、手がかからない赤ちゃんは発達障害の「可能性」があります。
ですが、赤ちゃんの時点では成長に個人差があったり、本人の気質も影響するため、まだ判断はできません。
あくまで「可能性がある」だけです。
例えば発達障害が疑われる兆候の一つとして「初語」の遅さがあります。
低体重で生まれた赤ちゃんや、赤ちゃん個人の気質として初語が遅いことはよくあります。
なので兆候があるからと言って、すぐに発達障害と結びつけるのは早計です。
では、どんな兆候があると発達障害が疑われるのか?いつから検査が受けれるのか?検査はどんなことをするのか?
順番に詳しく説明していきますね。
発達障害が疑われる乳幼児期の特徴
まず前提として発達障害について説明します。
発達障害とは
発達障害とは生まれつき発達に偏りがある障害で、主に以下の3つに分類されます。
- ASD(自閉症スペクトラム障害)
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- LD(学習障害)
このように知的な遅れを伴うこともあれば、複数の特性を併せ持つこともあります。
▼発達障害の詳しい特性について知りたい方はこちらをどうぞ!
発達障害のある赤ちゃんの特徴(0~4歳)
発達障害がある赤ちゃんは年齢ごとに以下のような特徴があらわれます。
【0~12ヶ月】
- 目が合わない
- 人見知りをしない
- 感覚が過敏または鈍い
- 抱っこを嫌がる
【1~2歳】
- 指差しをしない
- 偏食がひどい
- 初語が遅い
- クレーン現象がある(下記参照)
【2~3歳】
- こだわりが強くなる
- 興味の偏りが目立つようになる
- 言葉の遅れがある
【3~4歳】
- 集団行動になじめない
- ごっこ遊びをしない
- 1人で遊ぶ
お子さんにこのような兆候が見られたら、かかりつけの小児科や乳幼児健診で相談しましょう。
クレーン現象とは自分ではなく親や他の人の手をとって物を取らせようとしたり、指を刺そうとする行為のことです。
▼詳しい記事はこちらになります。
診断が下りる時期はいつ?
発達障害の診断が下りるのはいつからでしょうか?
その時期は障害の特性によって違いがあります。
早くて1歳6か月健診の時に「疑いあり」と指摘されることがあります。
その後3歳児健診以降に診断がつくことが多いようです。
ADHDは先天性の障害とはいえ、赤ちゃんの頃には症状はあらわれません。
3〜5歳頃に保育園や幼稚園に通うようになると兆候が見えはじめ、就学前後に診断がつくことが一般的です。
LDは学習におけるつまずきで障害が表面化するので、就学後に診断されることがほとんどです。
筆者の友人の子の話ですが、3歳児健診でASDの疑いがあるとされましたが、その後成長と共に兆候はおさまっていきました。その子個人の成長のスピードや個性もあるので、疑いがあっても、一時的という場合もあります。
診断が下りることのメリット・デメリット
医療機関で診断が下りることのメリットとデメリットには何があるのでしょうか?
診断が下りることのメリット
【早期療育を受けられる】
発達障害には現在治療法がないので、治すことはできません。しかし発達障害のあるお子さんに対し、その子の特性に合った支援を行うことで、将来的な自立をめざすことはできます。
▼二次障害について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
【環境設定ができる】
発達障害は脳の機能障害ですので、お子さんが抱える困り事は、お子さんの努力不足でもなければ、親のしつけの問題でもありません。誰も悪くないのです。
<例えば>
ASDの子は見通しが立たないことに不安を感じます。1日のスケジュール表を作ってその通りに予定が進むことがわかれば、見通しが立たない不安が解消されます。
ADHDの子は注意力散漫ですので、何か集中してやらせたかったらテレビを消す、目に入る場所におもちゃを置かないなど、余計な刺激を与えないようにします。
近年になって、発達障害という言葉がずいぶん浸透してきました。ですので、子供の時には診断がつかず大人になって自分が発達障害だったと分かるケースもよくあります。ずっと生きづらさを感じて苦しんできた「答え」がわかることで救われる人も多いようです。
早期に療育を受けたり環境が整うことで、生きづらさを抱え込み、自分を責めてしまう苦しみを少しでも減らせるかもしれません。
診断が下りることのデメリット
【誤診や過剰診断の場合もある】
現在の発達障害の診断は問診や行動観察,発達検査などから判断しますが、明確な検査方法というものはありません。診断を受けても誤診や過剰診断の可能性もあるのです。
また、兆候はあるのに診断が下りない「グレーゾーン」の場合もありますので、一度の診断で判断してしまうのは少し危険です。
【偏見を持つ人によく思われない】
発達障害という認識が浸透してきたとはいえ、偏見を持つ人も一部には存在します。
診断を受けても周囲に伝える必要はないですし、適切な療育が受けれないことの方が本人のストレスになりますので、診断は受けてもオープンにしないこともできます。
検査ができるのはいつから?
発達障害は生まれもっての脳の障害ですが、先ほどもお伝えしたようにその症状があらわれてくる時期には違いがあります。
検査が受けれる時期
検査ができる時期の目安として以下になります。
ASD(自閉症スペクトラム障害)3歳ころから
ADHD(注意欠陥・多動性障害)4歳ころから
LD(学習障害) 小学校就学後から
検査を受ける場所
検査は以下のような医療機関で行います。
- 小児科
- 小児神経科
- 児童精神科
- 大学病院
- 総合病院
発達障害の診断に応じている小児神経専門医の名簿が「一般社団法人 日本小児神経学会」のホームページに記載されています。お住いの地域で探すことが可能です。
発達障害診療医師名簿
この名簿は、小児神経専門医ご本人から発達障害の診療に応じるとご回答いただいたデータをまとめたものです。診察ならびに詳細は、各施設までお問い合わせ頂きますようお願いいたします。
引用元 一般社団法人 日本小児神経学会
発達障害診療項目の記載がありますので、どの発達障害に対応しているかわかるので参考にしてみてください。
発達障害の検査は予約が多く、予約待ちが長くなっているようです。また実際に検査結果が出るまでに半年ほどかかることもあるそうです。気になる症状があったら、早めに予約を取りましょう。
検査ってどんなことするの?
発達障害は現在はっきりとした原因が解明されてはいません。明確な治療法も確立していません。脳のMRI検査や遺伝子検査などで、ずばっと明らかな結果が出せるわけではないのです。
検査は医師や心理士によって以下の内容で行われます。
- 問診
- 行動観察
- 発達検査
- 知能検査
- 脳波検査
一度の検査では判断がつかず、経過を見たり、検査を繰り返すなど、診断が下りるまで数ヶ月要する場合もあります。内容を詳しく見ていきましょう。
問診
出生時の様子やこれまでの病歴、歩き始めた時期や言葉の出始めた時期など、これまでの成長に関することや困っていることを聞かれます。
行動観察
お子さんの遊ぶ様子などを観察し、呼びかけへの反応や視線の合わせ方、言葉の発達具合を確認します。
発達検査
発達検査は「新版K式発達検査」と「遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査」が多く使われています。
【新版K式発達検査】
この検査は、乳幼児や児童の発達の状態を、精神活動の諸側面にわたってとらえることができるように作成されています。発達の精密な観察を行い、精神発達の様々な側面について、全般的な進みや遅れ、バランスの崩れなど発達の全体像をとらえるための検査であって、発達スクリーニングを目的としたものではありません。
引用元 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所
▼新版K式発達検査についての解説動画です。
【遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査】
この検査は、乳幼児の発達を『運動』、『社会性』、『言語』の3つの分野から把握しようとするもので、『運動』を「移動運動」と「手の運動」、『社会性』を「基本的習慣」と「対人関係」、『言語』を「発語」と「言語理解」に分けて、6つの領域から構成されています。子どもの発達を6つの領域から分析的に観察し把握することで、子ども一人一人にみられる全体的な発達の様相の特徴を明らかにすることができます。
引用元 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所
▼実際に遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査を受けた方の動画です。
知能検査
知能検査は発達障害と知的障害の合併があるかどうかを調べるためにします。「WISC-IV」と「田中ビネー知能検査」が一般的です。
【WISC-IV】
WISC-IVとは70年以上の歴史をもつ、ウェクスラー式知能検査のひとつで世界各地で利用されています。
【田中ビネー知能検査】
日本で使われる代表的な知能検査の一つで、幅広い年齢層で使われています。
脳波検査
発達障害はてんかんとの合併が見られる場合があるため、必要であれば、脳波検査を行います。
▼検査についての詳しい記事はこちらになります。
検査までに準備するものと持ち物
いざ検査!となった時に慌てないように、前もって準備した方が良いものと持ち物を確認しましょう。
準備するもの
医師による問診では、出生時から現在に至るまでのお子さんの様子を聞かれます。困っていることと合わせて成長記録をメモにまとめておくと良いでしょう。
持ち物
1歳6ヶ月健診や3歳児健診の内容も聞かれますので、母子健康手帳を持参しましょう。
悩んだ時の相談窓口
お子さんの様子に気になることがある場合、医療機関にかかる前にまずは相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?
無料で相談できますし、必要であれば専門の医療機関へ繋げてくれますので、悩んだらまずは相談してみましょう。
<相談機関>
- 市町村の保健センター
- 発達障害者支援センター
- 子育て支援センター
子育て支援センターは厚生労働省が取り組んでいる地域子育て支援拠点事業の一つです。R2年の時点で全国に7,735ヶ所設置されています。子育てに関する相談や支援を行っています。
▼このように発達障害に特化した子育てセンターもあります!
まとめ
- 手がかからない赤ちゃんは発達障害の可能性はあるが、まだ判断ができない。
- 発達障害の特徴が見られたら、小児科や乳幼児健診で相談する。
- 診断がつくのはASDは3歳児健診が目安。ADHDは3〜5歳ころ、LDは就学後が多いとされている。
- 検査が受けられる時期も障害特性によって違いがある。
- 悩んだ時はまずは相談機関を利用する。
お子さんの変化に気づけるのは、いつもそばにいる親御さんです。
過剰な心配は無用ですが、何かおかしいな、と思ったらまずは相談機関を利用してみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでくださりありがとうございました。