こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害とぬいぐるみ」についてです。
「お出かけする時もぬいぐるみを手離さない…」
「ぬいぐるみが見当たらないとパニックになって大泣きしてしまう…」
といった、子供のぬいぐるみ依存の強さから困惑するお母さんの声をよく聞きます。
なぜこれほどまでに、発達障害の子供はぬいぐるみに依存してしまうのでしょうか。今回はこの疑問を解決していくだけでなく、オススメのぬいぐるみ紹介やぬいぐるみと子供への関わり方なども徹底解説していきます!
目次
発達障害の子供はなぜぬいぐるみに依存するの?
発達障害の子供がぬいぐるみに依存してしまうのは、ぬいぐるみが子供にとって安心できる存在であるからです。
発達障害の子供が安心できるぬいぐるみの存在
発達障害を持つ子供の中には、人に対して興味関心がなく周りの人とのコミュニケーションに困難を持つ子供もいます。主に自閉症スペクトラム障害を持つ子供に多く見られる特徴です。
自閉症スペクトラム障害の子供は、日常の変化に臨機応変に対応することが苦手で、普段と違う状態になるとパニックになる場合があります。
しかし、ぬいぐるみは24時間、365日いつも同じ表情で私たちを迎え入れてくれますよね。人と違って表情や態度が変わらない、いつも同じ存在のぬいぐるみが、変化に対応することが苦手な子供にとっての「心のよりどころ」になります。
「誰かと一緒にいたい」を叶えるぬいぐるみの存在
友達との付き合いに苦痛を感じる子供も、ただ何も言わずにぬいぐるみは寄り添ってくれます。人付き合いに困難は感じても、「誰かと一緒にいたい」といった心を満たしてくれるのも「移行対象」としてぬいぐるみに依存してしまう理由のひとつなのでしょう。
▼自閉症スペクトラム障害について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね!
ぬいぐるみに愛着を持つ!発達障碍者の「移行対象」とは?
先ほどチラッと出てきた移行対象。一体どういったものなのでしょうか?
20世紀にイギリスの精神科医であるウィニコットD.Wが提唱した概念。
乳幼児がぬいぐるみや毛布、タオルなどに愛着を向ける事を言う。
参考サイト:心理学用語集サイコタム
移行対象を持つことで子供は自分なりに精神安定を図っています。
移行対象は発達障害があるなしにかかわらず、子供は誰もが通る道であり、多くの場合、1〜3歳ごろによく見られる現象です。
子供はみんなママに守られて安心する
赤ちゃんの頃はいつもママに守られていて、ママと一緒にいることが一番安心できることでした。しかし赤ちゃんも成長して、ハイハイや一人歩きが出来るようになると、大好きなママから離れて自立していきますよね。
この頃の子供の成長は嬉しいことなのですが、自分から離れていく子供をみて、寂しくもあり少し複雑な気持ちになると世のお母さんたちはよく言います。
では、子供の気持ちはどうでしょうか。
やはり大好きなママから離れることはやっぱり不安でいっぱいなのです。
成長と共に移行対象はぬいぐるみに
その分離不安を解消するのに必要なのがママに代わる安心材料です。子供にとってママはいつも自分を守ってくれる暖かくて柔らかい存在。そんなママの代わりに柔らく肌触りが良いぬいぐるみやタオルなどを安心材料に選ぶ子供が多いのです。
いつもママと一緒にいたいという願いを叶える為のものが移行対象なのです。
実は効果的なぬいぐるみによるセラピー!
近頃、ぬいぐるみが持つ癒しの効果で注目されている「ぬいぐるみセラピー」というものをご存知ですか?
実は、ぬいぐるみは子供だけでなく、大人にも癒し効果があります。うつ病やアダルトチルドレンの改善の効果が期待され、病院やクリニックでも進んで取り入れられている療法です。
▼ぬいぐるみに癒し効果があるのかについて、現役の精神科医師が解説している動画もありますので参考にしてみてください!
ぬいぐるみセラピーの内容とは?
ぬいぐるみセラピーでは何も難しいことをする必要はありません。
ぬいぐるみに触れたり、抱きしめたりとセラピーとは言うものの、至ってシンプルです。自分が好きなようにぬいぐるみと関わっていきます。スキンシップの他にも、声をかけることも効果的です。
例えば、今日を起きた出来事をぬいぐるみに向かって話したり、「おはよう」「おやすみ」といったちょっとした一言をかけたりするのも良いでしょう。
このように自宅にいても簡単に取り組めるのがぬいぐるみセラピーの魅力です。
ぬいぐるみセラピーの効果
ぬいぐるみセラピーでは以下のような効果が期待できます。
- 精神的に落ち着く
- 孤独感や寂しさの解消
- 溜め込んでいる感情を吐き出せる
- 睡眠にも効果的
精神的に落ち着く
ぬいぐるみに触れたり、抱きしめることによって精神的に落ち着きやすくなります。
人は他人や動物などと触れ合うことによって、幸せ物質であるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは恐怖心や不安感の払拭だけでなく、感染症予防などの健康面にも働いてくれる頼もしい物質です。
ぬいぐるみでも同じようにオキシトシンの分泌が促進され、精神的な落ち着きや癒しを得ることができるのです。
孤独感や寂しさの解消
抱きしめるという行動にも孤独感や寂しさを解消する効果が期待できます。
お気に入りのぬいぐるみを抱きしめている時は、なんだか「自分は一人じゃない」って思えてくるものですよね。
「寂しい、一人は嫌…」そんなことを感じたら、お気に入りのぬいぐるみを優しくそっと抱きしめてみましょう。ぬいぐるみを抱きしめて一緒に寝てみるのもオススメですよ。
溜め込んでいる感情を吐き出せる
ぬいぐるみに対して自分の溜め込んでいる感情を素直に吐き出せることができます。
人を目の前にすると素直に話せなくなってしまうことって誰しも経験のあることですよね。それが自分にとって嫌なことだったり、恥ずかしいような内容であれば尚更のこと。
人には言えないようなことでも、ぬいぐるみであれば気楽に話すことができます。私たちの言うことを肯定はしてくれませんが、否定することもありません。
「ぬいぐるみでもちょっと恥ずかしい…」といった場合は、まずはあいさつから始めてみましょう。
睡眠にも効果的
ぬいぐるみに触れることで、心がリラックスして気持ちよく眠りに入れるという効果もあります。
柔らかいものを抱きしめる、ふわふわなものに触れる、ということで、心がリラックスするからです。
ぬいぐるみを抱きしめて寝る場合には、不安やストレスを解消しながら、自然な姿勢で体を預ける事ができるため、精神的にも姿勢的にも理にかなった睡眠アイテムといえます。
発達障害の子供におススメのぬいぐるみ3選!
ぬいぐるみと触れ合うことによる効果が十分に分かったところで、ここからは発達障害の子供にオススメしたいぬいぐるみを3つ紹介します。
どれも可愛らしい動物のぬいぐるみなので、子供も気に入ること間違いなしですよ!
ミミクリーペットロップイヤー
・話しかけた言葉を録音・再生して“モノマネ”してくれる
・話しかけると体をピョコピョコと動かして答えてくれる
自分の発した声・言葉を受け止めて同じように返してくれることが、子供の成長過程にとても大切な事で、会話を通して愛情を育めます。
参考価格:¥2,680(税込)(別途送料¥590-) 楽天市場 2021年8月現在
クマのフカフカローズS
・フカフカで触り心地抜群のキュートなうさぎさん
・カラーはローズ、ブラウン、ブラック、クリームの4色と豊富
・サイズも同シリーズでS、M、Lと3サイズ展開
・海外製のものが多い中で、100%こだわりの日本製で安心です。
サイズも全長21㎝と小さめなのでお出かけ時にも連れていけるサイズです。
参考価格:¥2,794(税込)(別途送料¥370-) 楽天市場 2021年8月現在
ぬいぐるみ ひざかわうそ
・自然な重さがあるので抱くとしっくりと馴染み、本物のペット感を味わえる
・「ひざシリーズ」という名の通り、ひざの上にすっぽりと収まるサイズ感。
しっとりと艶のある毛並みがとても心地よく、リアルな抱き心地が癒しを与えてれます。動物の種類展開も多いので、好きな動物を選ぶことができます。
参考価格:¥2,310(税込)(送料無料) 楽天市場 2021年8月現在
このままで大丈夫?ぬいぐるみに関する疑問や注意点!
子供がぬいぐるみを大切に可愛がっている理由はお分かりいただけたと思います。
しかし、
「このままぬいぐるみを持たせたままでいいの?」
「今は良くてもいつかは卒業させないのいけないよね?」
「大きくなったら本当に手放してくれるのかな…」
といった心配や不安は少なからずあるでしょう。「大きくなってもずっとこのままなのかな」とか、「ぬいぐるみがないとダメな子になるのでは?」といった心配から子供へどう対応していいかわからなくなることも。
ここからはぬいぐるみを持つ子供に対する疑問や対応時の注意点について解説していきます。
このままぬいぐるみを持たせたままでいいの?
ぬいぐるみは子供にとって「精神安定剤」です。 大好きなママと離れ、さらに大切な友達を取り上げられたらパニックになっちゃいますよね。
いつかは子供が自らぬいぐるみを手放すことになります。今は焦らないで子供がぬいぐるみと向き合っている時間を大切にしてあげてください。
ぬいぐるみを手放すタイミングは?
一般的に移行対象を強く求めるのは3歳頃までといわれています。
しかし、子供の成長は十人十色。なかには5歳になっても小学生になってもぬいぐるみを手放せない子供もいます。
結論としては、何歳までに手放さないといけないという事はないのです。
年齢・成長と共にそれに合った付き合い方ができていれば安心してください。
今まではいつも一緒だったぬいぐるみを、幼稚園や小学校に行くときには家に置いていくことができるようになったなど、その状況に合わせてかかわり方が変わってきたのならば大丈夫です。
ぬいぐるみとの絆はしっかりと結ばれていて、大切なパートナーという事実は変わらずに、適度な距離が取れてきている証拠です。 依存と聞くと不安になる人も多いと思いますが、愛情深くぬいぐるみに接しているお子さんを理解して見守ってあげてください。
周りが気をつけることは?
私たちができることは、子供がぬいぐるみと関わりを持つ様子を優しく見守ってあげること。そんな中でもやはり注意しておきたいことはいつくかあります。
・ぬいぐるみが汚れたから。と勝手に洗わない
・ぬいぐるみが破れたから。と勝手に捨てない
・大きなサイズのぬいぐるみの場合でお出掛けに困る時は、取り上げるのではなく小さいマスコット人形などに興味を持つように慣らしていく
・「食事の後にだっこしようね」「寝るときに一緒に布団へ入ろうね」「お買い物に行く時はお留守番していてもらおうね」としっかりと話をしてルールを決める
特に子供の許可を得ずにぬいぐるみを洗ったり、捨てたりすることはNGです。勝手な行動は子供がショックを受けたり、パニックを起こすといった悪影響を与えてしまいかねません。
例えば、ぬいぐるみを洗濯する場合などは「ぬいぐるみも私たちと一緒でお風呂に入らないとダメなんだよ?」とぬいぐるみを人と見立てて子供を説得する必要があります。
子供と同じ目線でぬいぐるみの扱いをしてあげましょう。
まとめ
発達障害とぬいぐるみについてお伝えしてきました。
・発達障害の子供がぬいぐるみに依存するのはぬいぐるみが「移行対象」であり、安心できる存在のため!
・ぬいぐるみセラピーは自宅でも簡単に取り組め、落ち着きや癒しを得ることができる!
・子供と同じ目線でぬいぐるみを扱ってあげる!
・ぬいぐるみと関わる子供を優しく見守ってあげよう!
ぬいぐるみを可愛がり、大事にすることは決して悪いことではありません。ぬいぐるみは子供の気持ちを落ち着かせたり、不安を解消するために必要なものだったのです。
そして、日々子供はぬいぐるみと一緒に成長しているのです。
いきなりぬいぐるみと引き離したりはせずに、大切なお子さんの気持ちを理解して、これからも支えていってあげてくださいね。
これを読んで、貴方の心配や不安が少しでも解消されることを願っています。