こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害とマイペース」についてです。
発達障害を持つお子さんの特徴の1つとして、「マイペース」が挙げられることがあります。
お子さんが集団生活の中で自分の好きに行動してしまうことで、「他の人に迷惑を掛けてしまうのでは……」「お友達ができるか心配……」と不安に思ってしまうお母さん・お父さんもおられるでしょう。
この記事では、
- 発達障害とマイペースな性格にはどのような繋がりがある?
- 発達障害でマイペースな様子が見られたら、どのような対応ができる?
- 困った時の相談先は?
などの情報についてお伝えしていきます。
目次
発達障害と「マイペース」の繋がり
発達障害で「マイペース」といわれやすいのが、下記の2つの特性のようです。
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
これらの特徴が「マイペースだ」と認識されやすいことで、「マイペース=発達障害」と感じてしまう人もいるかもしれませんね。
ですが、マイペースな性格だからといって、それだけでは「発達障害だ」とは断定できません。
それでは、ここから詳しく解説していきましょう。
生まれつき脳の構造に特徴があり、できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称です。特性に応じて「ADHD」「ASD」「LD」といった細かな分類があります。
① 自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴
発達障害の分類の1つ「自閉症スペクトラム障害(ASD)」では、下記のような特徴を持つ場合があります。
- コミュニケーションの苦手
- 想像するのが苦手
- 興味の偏り
- 強いこだわり
これらの特徴から、主に周囲や状況に合わせて行動することが苦手=マイペースだと映る、といえるでしょう。
コミュニケーションの苦手/想像するのが苦手
周囲とは異なる行動をとって「マイペースだね」と言われてしまうケースです。
ASDの特徴では、会話を通して相手の気持ちを汲み取ることや、周囲の様子から状況を読み取ることが苦手だともいわれています。「空気が読めない」と表されることもあります。
相手の考えていることや、周囲の状況がわからずに、自分の判断だけで行動してしまうことがあるのです。
興味の偏り
自分が興味あることばかりを優先してしまって周囲から浮いてしまう、といったケースです。
興味のない話題についていくのが難しい状態なのですが、傍から見ると「自分の好きなことばっかりやっている」「こちらの話題に合わせてくれない」と、本人の好き嫌い・我がままのように見えてしまうことがあります。
こだわり
生活ルールや作業手順など、自分が納得した物事に頑なにこだわってしまう状態が見られるケースです。時間を忘れて没頭することもあります。
ASDからのこだわりの強さは、他の人が「こうしてみたら?」とアドバイスしても受け入れることができなかったり、熱中するあまりつい約束の時間を過ぎてしまったりといった状態で、困りごとが表面化します。
② 注意欠如・多動症(ADHD)の特徴
発達障害の分類の1つ「注意欠如・多動症(ADHD)」では、下記のような特徴を持つ場合があります。
- 強い衝動性
- じっとしていることが苦手
- 物忘れをしやすい など
これらの特徴から、主に状況に合わせて自分をコントロールすることが苦手=気分屋、と映ることもあるでしょう。
強い衝動性
本人にもコントロールできないほどの衝動性が発揮されてしまうケースです。
思いついたことや、「やりたい!」と思ったことを即座に実行に移してしまうのです。
じっとしていることが苦手
じっと座っていられずウロウロと立ち歩いてしまったり、作業をしている最中に他のことを始めてしまったりと、集中がなかなかできない状態です。
周囲から見ると「やるべき事をやっていない」「さぼっている」といった風に捉えられてしまうでしょう。
物忘れをしやすい
物や、ちょっとした約束などを忘れてしまうケースです。
「持ってきて」と言われたものを持って行かなかった・約束を忘れてすっぽかしてしまったなどが繰り返され、場合によっては「大切にされていない……」「わざとなの?」と相手を怒らせてしまうこともあるようです。
「発達障害=マイペース」ではない
お子さんにマイペースな様子が見られると、「もしかして発達障害?」と不安になってしまうかもしれませんね。
ですが、人によっても性格を言い表す基準が様々あり、性格や生活環境も一人一人違いがあります。そんな中「マイペース」というのはだいぶん曖昧な表現だとは思いませんか?
発達障害を持たない人にも、「マイペース」と言われる人はたくさんいるのです。マイペースだからといって、それだけでは「発達障害だ」とは断定できません。
また、発達障害の特徴や程度には個人差があるため、発達障害を持っているからといって必ずしも「マイペース」とも限らないのです。
お子さんの様子に不安があれば、他の発達具合も見ながら専門機関にも相談してみて下さいね。
周囲・本人にできること【4つの対応】
マイペースが原因で、集団生活でのトラブルが起こってしまうこともあるでしょう。下記の4つの対応も試してみて下さい。
- 発達障害の特性を理解する
- 特性に合わせた伝え方をしてみる
- 環境を整える
- 療育
① 周囲の理解
発達障害は生まれつきのもので、本人がどんなに努力してもなかなか結果に結びつかないこともあります。
努力しているのに上手くいかないことで、本人も悩みを抱えているかもしれません。周囲が発達障害の特性を理解していると接し方のヒントになるでしょう。
本人や養育環境のせいばかりではない
マイペースな行動がトラブルにつながると、「本人のわがままだ」「育て方のせいだ」と叱られてしまうケースも少なくありません。お子さん自身やお母さん・お父さんはつらいことと思います。
発達障害は脳の構造の特徴によるものといわれています。本人や養育環境のせいばかりではないのです。
マイペースも個性
マイペースは、生まれ持ったお子さんの個性のひとつかもしれません。他の人にはない自由な発想で大きな成功を収めることも有り得るでしょう。
ある程度は周囲や社会のルールに合わせなければならない場面もあるかと思いますが、大切なお子さんの個性も尊重して、マイペースの良い面を伸ばしていけるといいですね。
② 特性に合わせた伝え方をしてみる
お子さんは、周囲の状況やルールが上手く把握できていないのかもしれません。発達障害の特性によっては、他の子と同じ方法では上手く伝わらないことがあります。
特性に合わせた伝え方も試してみましょう。
・口頭での説明を理解するのが難しい
→イラストを使って説明する など
・周囲の状況を理解しにくい
→「○○の時は、△△しようね」と具体的に伝える など
③ 環境を整える
お子さんが同じ失敗を何度も繰り返すようなら、環境の方に改善すべきところがあるかもしれませんね。
お子さんが過ごしやすい環境を整えていきましょう。
・約束を忘れやすい
→リビングの目立つところにカレンダーを掛けて、予定を書き込む など
④ 療育
現在のところ発達障害は完治することはできませんが、人との接し方を学ぶなどの「療育」によって苦手の軽減・困りごとの改善をはかることは可能です。
療育とは、障害を持った児童をサポートする活動のことです。早期に開始するほど効果が期待できるといわれていますので、早めに専門機関などに相談してみて下さい。
療育は、「放課後等デイサービス」などで受けることもできます。
▼ 神奈川県横浜市の「ライズ児童デイサービス」では、複数の療育プログラムをご用意しています!
困った時の相談先
発達障害が関わっている場合、家庭内だけでは改善が難しいケースもあります。
「マイペースすぎる……」などお子さんの発達が気になる時・日常生活で困った時は、専門機関に相談してみましょう。
診断を受けたい時の相談先
発達障害の診断には、専門の医師による検査が必要です。発達外来のある医療機関を受診してみて下さい。
どの病院に行けばいいのかわからない時や、医療機関の受診に迷う時は、住んでいる地域の「発達障害者支援センター」「保健センター」などで相談することもできます。
日常の「困った」の相談先
発達障害の困りごとは、下記のような機関で相談することもできます。
- 発達障害者支援センター
- 住んでいる地域の子育て相談窓口 など
「マイペース」なんかで相談していいの? と相談をためらってしまう方もいらっしゃるでしょう。私も、実際に電話を掛けるまで散々ためらってしまった経験があります……。
第三者に相談することで、解決の糸口が見つかるかもしれません。窓口によっては電話やメールで相談できることもありますので、連絡してみて下さい。
まとめ
この記事では、発達障害とマイペースについてお伝えしました。
- 発達障害の特性から、周囲に「マイペース」と思われてしまうこともある
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 周囲・本人にできること
- 発達障害の特性を理解する
- 特性に合わせた伝え方をしてみる
- 環境を整える
- 療育
- 受診や困ったことがあれば、専門機関に相談しましょう!
- 発達障害者支援センター など
周囲や状況に合わせにくい「マイペース」は、集団生活でトラブルになってしまうこともあります。家庭や周囲だけで改善が難しい場合は、専門機関への相談もご検討下さいね。
マイペースはお子さんの大切な個性です。良い面を伸ばしながら、本人も周囲も過ごしやすい環境を整えていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。