こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害反抗期」についてです。

発達障害の子供の反抗期は、対応が難しいです。大切な我が子には、すくすく育って幸せになってほしいですよね。

発達障害の子供の反抗期には特有の背景があります。その背景を理解して接することで、子供の心を少し落ち着けてあげることができます。その積み重ねの先に出口があるのです。

では、発達障害を持つ子供の反抗期の特徴と、その接し方を今から解説していきます。

【発達障害】反抗期の特徴と接し方

発達障害を持つ子供の反抗期は、発達障害の特性から難しい問題を抱えたものになりがちです。子供も親も苦しいですよね。

発達障害を持つ子供の反抗期の特徴と接し方を解説していきますので、反抗期の子育ての参考にしてください。

そもそも反抗期ってどんな時期?

・精神的にも身体的にも発達していく時期
・他人の意見や指示を聞き入れず、拒否や抵抗、そして反抗的な行動をとることが多い時期

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の偏りが原因で、できること・できないことの差が極端な状態のことです。

大きく3種類に分類され、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」があります。

発達障害の子供の反抗期の特徴

発達障害の子供の反抗期は、発達障害の特性と環境の変化が相まって、発達障害を持つ子供特有の反抗期となることがあります。

環境の変化とは主に、中学校に入って集団行動がより社会的になって高度化していくことです。

  • より高度なコミュニケーション
  • ルールに従う
  • 空気を読む

環境が大きく変わり、より本格的な集団生活に参加していきます。
学校の集団生活の中で発達障害の特性が顕著に出てしまい、上手くいかないことが多くなってしまいます。

こんな特徴がある

・集団行動や人間関係で周りと足並みが揃えられない、環境の変化についていけない
・本人の努力不足ではなく、発達障害の特性からみんなと同じやり方では勉強が上手くいかない など

→ その結果、大きな不安やストレス、自己肯定感の低下が起こりがちです。
周りに相談して解決することができず、反抗的な態度という形で表に出ることも。
※ 一人ひとり全く違う人間ですので、あくまで傾向です。

接し方

環境への適応に苦しむ子供の、最大の味方が親です。

焦る気持ち不安な気持ちは本当によくわかりますが、子供の人生を長い目で見てゆったりと構えましょう。子供が最も安心できる場所を確保してあげてください。

子供には子供なりの本気の気持ちや考えがあります。一人の人間として最大限尊重し、理解に努めながら対話しましょう。

社会で頑張る子供が、少しでも心身を整理したり、栄養を補給できるといいですね。

これはNG

否定的な態度を取らないようにしてください。
発達障害を持つ子供は、思春期に自己肯定感が下がりがちです。

▼ こちらは元中学校の先生が、親にできる対応について解説しています。

二次障害に注意

発達障害の子供の反抗期に際して、否定的に接するなど不理解が続くと、過度のストレスなどから二次障害につながることがあります。

具体的な症状は、頭痛などの身体症状、うつ病などの精神症状、不登校や自傷行為などです。

反抗期の様子を見て「うちの子、発達障害なのかな?」と気になりだした親御さんもいらっしゃいますよね。

中学校に入って発達障害の特性が目立ちだすことも多いです。こちらの記事で発達障害の特徴や相談先をご確認ください。

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京本
では今から、発達障害の種類別に反抗期の特徴と接し方を解説していきます!

自閉症スペクトラム障害の反抗期

自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群の総称です。「コミュニケーションの困難さ」と「強いこだわり」が特徴となります。

特徴

・社会的コミュニケーションや対人関係の困難さがある
・身振り手振りを交えてのコミュニケーションがとれない
・こだわりが強く、好きなことへの執着が凄い
・光や音などの感覚刺激に異様に過敏又は鈍感である

特徴と接し方

反抗期には、「対人関係やコミュニケーション」「こだわりの強さ」の問題が、集団行動の難しさとして表に出てくることが多くなります。

中学校での集団行動は、小学校以上にルールや空気を読むなど高度化。以下の特性が、集団行動の足並みになかなか合わないのです。

  • 言葉を額面通り受け取る
  • 空気が読めない
  • マイルールに固執する
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薄波
親のしつけができてないというのは誤りです。子供の努力不足でもありません。生まれ持った特性なのです。

大人でもそうですが、みんなと違って上手くできないという気持ちは、自己肯定感の低さにつながります。

発達障害を持つ子供は変化に敏感ですから、なおさら辛く感じているはず。そのような状況が反抗期の心の不安定さの背景にあります。

接し方

・ルールやマナーに対しては長い目で見てゆっくりと、混乱しないよう一貫性をもたせて伝える
・絶対にしてはいけないことや性の知識などは守れるよう、しっかり伝える
・本人ができることを焦らず一歩一歩増やし、自信を育む

ADHDの反抗期

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、他の子に比べて落ち着きのなさが目立ち、気が散ることが多く集中力が続かない傾向があります。

特徴

・じっとしていられず、動き回ることが多い
・思いつくとすぐに行動してしまうなどの衝動性がみられる
・必要な物をよく失う、忘れ物が多い

特徴と接し方

ADHDの子供の反抗期は、感情のコントロールが上手くいかず、特定の人に強く反抗する傾向があります。

【例】

父親には反抗しないのに、母親には反抗する。

学校生活では、不注意や多動性の特性がより表に出てきて、学校生活での困りごととなります。

  • じっと席に座っていられない
  • 物をなくす
  • 整理整頓ができない
  • 遅刻する など

このような困りごと、そして度々叱られることは、本人も大きなストレスです。

ADHDの子供の反抗期に不理解な対応を続けると、二次障害につながる場合もあります(反抗挑戦性障害といいます。後で詳しく解説します)。

接し方

・子供の思いや苦しみを理解し、配慮ある対応をする
・感情的な反抗に対して、可能な限り冷静に対応する

▼ ADHDの子供は複数の作業を同時に行うことも苦手です。その傾向が見られる場合は、こちらの記事を参考になさってください。

学習障害(LD)の反抗期

学習障害では、文字の読み書きや計算をする脳の部分が十分に発達しておらず、「読む」「書く」「計算する」といったことが不得意です。一方、知能の発達自体には遅れがありません。

小学校に入学して勉強をするようになると発達の遅れに気づくことが多いです。

特徴

・似ている文字の区別がつきにくく間違える(例:き・さ/れ・わ等)
・簡単な計算ができない
・漢字の、ある部分だけを間違える

特徴と接し方

小学校より勉強が難しくなる中学校では、勉強についていけないことがさらに目立つ傾向があります。

文字や計算ができない特性上、本人がいくら頑張っていても周りと同じやり方では上手くいかないのです。

その結果、ストレスや自己肯定感の低下に繋がりがちです。「学校に行きたくない」状態になってしまった場合、学習障害特有の背景があるかもしれません。

接し方

・学習障害の特性を学び、勉強についていける工夫をする
・小学校より勉強が難しくなる中学校では、塾や家庭教師、タブレット学習なども有効

▼ 学習障害の子供にオススメのタブレット学習も紹介しています。タブレット学習に興味がなくても、どんな勉強の仕方が適しているのか参考になるはずです。

ADHDの子供は抗挑戦性障害に注意

先ほどお話しした発達障害の3つのタイプの中でも注意欠如・多動性障害(ADHD)の子供は、我慢をすることが苦手で自分の感情のコントロールができないという事が多くみられます。

じっと順番を待つことができず、周囲の友達と喧嘩になってしまったり、イライラしやすく、カッとなって手が出たりすることもあります。

このADHDタイプの子供の反抗期を放置していると「反抗挑戦性障害」という二次障害を引き起こす可能性があります。

反抗挑戦性障害

反抗挑発症/反抗挑戦性障害は、9~10歳未満の子どもに見られることの多い障害です。症状は「怒りっぽく/易怒的な気分」(かんしゃくを起こしたり、イライラしやすい)、「口論好き/挑発的な行動」(権威ある人や大人と口論したり、規則を破る)、「執念深さ」の3カテゴリーに分けられます。

引用:ハートクリニック こころのはなし

反抗挑戦障害の症状は、多くが小学校に入る前から中学生までの時期にみられます。

原因として、育った環境が影響している場合もあります。
目上の人からの指示などに拒否や反抗することが主な症状ですが、一日でなるものではなく、日々の積み重ねの先にこの障害があります。

特徴

大人と対立した時に、子供を批判し、否定を重ねることで子供の反抗的感情や反抗的行動が起こるようになります。

ただ、この子供の元々の性格的気質や、遺伝的な要因も関係していることもあるので、原因を1つに絞ることは難しいのが現状です。

そして特に多い症状は

  • 成人と口論をする 
  • ルールや指示に逆らう
  • 自分のミスを認めない、人のせいにする
  • すぐにカッとなることが多い
  • 怒りっぽい、イライラすることが多い
  • 執念深い、いじわるをする

などが挙げられます。

「うつ」や「不安症」に似ている

うつや不安症の場合でも、上記と同じような症状がみられます。
見極めは容易ではありませんが、少なくとも6ヶ月以継続して症状があり、日常生活が困難な場合などの規定があります。

相談先

気になる場合は早期に専門家に相談し、その子にあった治療を受けさせてあげてくださいね。

相談先

・市町村保健センター
・子育て支援センター
・児童相談所
・発達障害者支援センター

反抗挑戦性障害の種類

  • 過興奮型
  • すね型
  • マイペース型

反抗挑戦性障害:過興奮型

人に指示や命令されることを嫌がり反発してしまタイプ。
更に何度も言われると、興奮が抑えられなくなってイライラし、乱暴な言葉を発してしまいます。

「大人に負けたくない、指示を受け入れたら自分の負けだ」といった勝ち負けの気持ちの強い子が多いのが特徴です。

反抗挑戦性障害:すね型

人の言葉に敏感で、自分の失敗などが重なったりすると「自分にはどうせ出来ないよ…」と、自信が持てずに塞ぎ込んでしまうタイプ。

失敗が多い子供は衝動性が高く、じっくりと観察したり考えたりせずに行動を起こしてしまいます。その為、失敗を繰り返し、自信喪失に繋がってしまうのです。

対処法

対処法
「自分は出来るんだ!」と思うことが大事であり、上達していくのが実感できると自信に繋がります。

上手くいかない時も、「もう少しこうしたら上手くなるよ」と語りかけてあげて、「上手くなったね」と褒めてあげてください。それが自信に繋がっていくので塞ぎ込まずに挑戦できるようになります。

反抗挑戦性障害:マイペース型

多動な面もあるのですが、自分の好きな物・好きな事にはのめり込んでしまう集中タイプ。

マイペースが故に、集団行動や共同作業といったことが苦手な子供が多いです。小学校半ばになると他の子と自分のペースが合わないと気づくこともあります。人の気持ちが分かりにくい子もいます。

対処法

行動や思考の切り替えがゆっくりな子供もいますので、本人のペースを乱さない様に考慮して、周囲の友達との間をとってあげてください。

また、人の気持ちや感情も「どういう風に感じたかな?」と尋ねたりしながら、理解できるように手助けをしてあげてください。

おススメの書籍

ADHDでお悩みの方に愛読されている書籍をご案内します。

① うちの子はADHD

参考価格:¥1,540-(税込) Rakutenブックス 2021年2月現在

【内容】

発達障害の息子が、思春期に突入! 「不注意」「落ち着きのなさ」「衝動を止められない」……、典型的なADHDのリュウ太くんが反抗期を迎え、漫画家ママはいよいよ大変。“ADHDのことを、本人や周囲にどうわかってもらう?”、“クラスメートとうまくやっていける?”、“進路選択どーするのっ?”。問題だらけでも「かわいい我が子」に、親はどう向き合ってきたのか? 一気読み必至の傑作コミックエッセイです。

引用:講談社BOOK倶楽部

【レビュー】

(口コミ)

・漫画なので読みやすくとても参考になり良かったです。


・ただでさえ扱いにくい思春期、発達障害のある子どものやりとりは、笑ってしまうこともあり、その子に合わせた将来を考えながらもので、参考になりました。

・とても勉強になります、いろいろな方にお勧めしたいです。

引用:楽天ブックス

② ADHDの子の育て方のコツがわかる本

参考価格:¥1,540-(税込) Rakutenブックス 2021年2月現在

【内容】

ADHDの子の特徴を理解し、生活を工夫するためのヒントをまとめました。片付けや勉強など場面別のサポートも解説しています。ぜひ参考にしてください。

引用:楽天ブックス

【レビュー】

(良い口コミ)

・大きなイラストで、すぐ読めて、すぐ実践!

・文字だけで書かれている専門書より、大きなイラストとセリフで書かれたマンガのような感じで、視覚に訴える手法はわかりやすく素晴らしいと思いました。

(悪い口コミ)

・ADHDの知識がある人には意味がないかも

・プライドが高くて傷つきやすい・癇癪もちで気持ちの整理がつけられない気難しいタイプのADHDの子は、あまり参考にならないと思います。

引用:楽天ブックス

まとめ

反抗期の今、お子さんは成長している真っ最中です。

お子さんのタイプを注意深く観察して、しっかりとその子に合った対応をしてあげることで、親と子供の心の距離も縮まります。

POINT

・発達障害の特性と環境の変化が相まって、発達障害の子供特有の反抗期となる
・特徴は「集団行動が上手くいかない」「勉強についていけない」などからくる、不安やストレス、自己肯定感の低下を背景にした反抗
・接し方のポイントは「ゆったりと構える」「理解に努めながら対話する」「否定的な態度を取らない」など

お子さんの心の叫び・気持ちを理解して向き合ってあげてくださいね。

これを読んで、親子の絆が今よりもっと深まってくれることを願っています。