こんにちは! こんばんは! 今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます! 本日は「発達障害 手帳 メリット」についてです。
みなさん、障害者手帳はご存じですか?
心身に障害のある人が取得することができ、持っていると、様々な支援を受けることができる手帳です。
発達障害の人は、障害者手帳のうち、「療育手帳」もしくは「精神障害者保健福祉手帳」を取得することができます。
今回は、この二つの手帳について、特徴をご紹介するとともに、取得した際のメリットをお伝えしていきたいと思っています。
障害者手帳を持っていると、色々なサービスや手当を受けられるんですよ!
すでに障害者手帳を取得している方にも、これから取得することを考えている方にも、有益な情報をお届けできればと思います。
目次
発達障害で取得することができる手帳
障害者手帳には、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の三種類があります。
そのうち、発達障害で取得することができる手帳は、療育手帳と、精神障害者保健福祉手帳の二種類です。
現在のところ発達障害専用の手帳というものはありません。
おおむね、どちらかの一つを取得するケースが多いですが、中には両方を取得する方もいます。
どちらの手帳を取得できるかはIQの違いによって決まっています。
療育手帳
知的障害がある方が取得できる手帳です。自治体によっては愛の手帳、みどりの手帳など独自の名称を使用しています。
対象
主にIQ70~75以下の人が取得することができます。
川崎市や横浜市をはじめ神奈川県などの一部自治体では、発達障害に限って境界知能(IQ91以下)でも取得することが可能です。(発達障害特例)
しかし、たいていの自治体では、境界知能(IQ76~90程度)の場合は、認定、交付されない場合が多いようです。
その際には、後ほど紹介する精神障害者保健福祉手帳を申請すると良いでしょう。
療育手帳は取得に際して、各自治体の裁量が大きく影響してきます。
あらかじめ支援者に各自治体における交付条件の傾向などを確認することも大切です。
参考:kaien
区分
自治体によって異なりますが、主な例を二つ挙げます。
【2区分】
A(IQが概ね35以下の人)
B(IQが概ね35~50の人)
【4区分】
A1(最重度の知的障害: IQ19以下)
A2(重度の知的障害IQ20~34)
B1(中度の知的障害IQ35~49)
B2(軽度の知的障害IQ50~75)
申請方法
自治体の窓口で申請します。療育手帳は自治体によって申請方法が異なるので、申請に必要な書類や申請方法をあらかじめ確認しましょう。
申請に必要なもの
・申請書(自治体の窓口でもらうことができます)
・印鑑
・本人の写真(縦4cm×横3cmが多い)
・母子手帳や幼少期の様子が分かる資料
申請後
18歳未満は児童相談所で、18歳以上は知的障害者更生相談所で障害の程度等の判定を受けます。
この判定の結果によって、障害者手帳を取得できるか否かが決まります。
更新手続き
療育手帳には有効期限があります。有効期限が来た際には、18歳未満の方は児童相談センターで、18歳以上の方は知的障害者更生相談所で再判定を受け、更新手続きをしましょう。
参考:夢門塾
精神障害者保健福祉手帳
精神障害や発達障害があるために日常生活・社会生活への制約がある人が取得できる手帳です。
知的に遅れのない発達障害の方はこちらの手帳を取得できます。
区分
1級から3級まであります。
- 1級…自立した日常生活を送るのが非常に難しい
- 2級…働くことが難しく、日常生活に大きな支障がある
- 3級…日常生活や社会生活に支障がある
参考:encourage
交付条件
精神疾患の初診から6か月以上経過していること
(診断書が必要ですが、初診から6か月経過していないと作成することができません)
申請方法
各市町村の「障害福祉窓口」に申請します。
申請に必要なもの
- 精神疾患の診察をしている医師による診断書、または、障害年金証書
- マイナンバーが確認できるもの(個人番号カードか、通知カード+運転免許証やパスポートなどの身分証明書)
- 写真(縦4cm×横3cmが多い)
- 申請書(窓口でもらうことができます)
障害年金を受け取っている場合、障害年金証書が、手帳申請の診断書代わりになりますが、手帳を持っているからと言って、障害年金が受給できるわけではありません。
更新手続き
2年に1度です。
行政から更新申請の知らせは来ませんので、有効期限が切れないように気を付けましょう!
更新手続きは有効期限の切れる3か月前から可能です。
現在、発達障害で手帳取得の申請をしたのに、認定、交付されないということは、ほぼありません。
しかし、自治体によっては、発達障害での申請に慣れていないために、スムーズなやり取りができないところもあります。
こちらも療育手帳と同様に、あらかじめ、主治医やサポーターの方に手帳判定での傾向を確認しておきましょう。
参考:kaien
※出演されている方は、お子様が身体障害者手帳を取得している方ですが、障害者手帳全般の話や、メリットについてもお話しされているので、参考になると思います。
障害者手帳を持つメリット
では、ここから、障害者手帳を持つメリットについてお伝えしたいと思います。
障害者手帳を持つことで受けられるサービス
障害者手帳を持つことで受けられるサービスをいくつかお伝えしていきます。
医療費の助成(心身障害者医療費助成制度など)
保険診療の医療費が助成されます。
心身に重度の障害がある方が、保険診療分の医療費の助成を受けることができる制度です。
ただ、自治体によって対応が異なるため、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
大まかな傾向としては、療育手帳A1A2、精神障害者保健福祉手帳1級程度が対象になることが多いようです
公共料金等の割引
- 鉄道やバスなどの公共交通機関の料金割引
- NHK放送受信料の割引
- 上下水道料金の割引
- 携帯電話会社の料金割引サービス(例: NTTドコモのハーティ割引、auのスマイルハート割引、ソフトバンクのハートフレンド割引など)
- 美術館、博物館など公共施設の入場料割引
参考:LILALICO仕事ナビ
税金の優遇
所得税や相続税、贈与税などが優遇されます。これらは国税なので、全国一律で決まられています。(障害者控除)
障害者控除は、働いている本人、もしくは同じ家計で生活している配偶者や扶養親族に障害がある場合には受けることが着る税制上の制度です。
控除金額は以下の通りです。
- 障害者:【所得税】27万円 【住民税:26万円】
- 特別障害者:【所得税】40万円 【住民税】30万円
- 同居特別障害者【所得税75万円】 【住民税53万円】
※障害者とは精神保健福祉手帳か療育手帳(知的障害者と判定されている)を取得している人
特別障害者とは、精神保健福祉手帳1級の人か、療育手帳(知的障害者と判定されている)Aの記載がある人。
自動車税や、軽自動車税も割引になることがありますが、これらは地方税にあたるので、詳しくは自治体に問い合わせてみましょう。
参考:LITALICO仕事ナビ
療育手帳を持つことで受けられるサービス
ここからは療育手帳を持つことで受けられるサービスをご紹介していきたいと思います。
特別支援学校に入学できる
特別支援学校の入学については、障害者手帳が必須というわけではありません。
逆に手帳を持っていたら、必ず入学できるというわけでもありません。
ただ特別支援学校高等部などは、療育手帳の取得が条件になっている場合があります。詳しくは自治体の教育相談窓口に問い合わせてみましょう。
様々な手当てを受けることができる
- 特別児童扶養手当(1級月額51500円・2級月額34300円)
療育手帳がなくても申請できますが、その際は診断書が必要です。 - 障害児福祉手当(月額14600円)
療育手帳がなくても申請できますが、取得していたほうが、再認定時に手続きを簡略化できます。 - 特別障害者手当(月額26830円)
療育手帳がなくても申請できますが、取得していたほうが、再認定時に手続きを簡略化できます。 - 心身障害者福祉手当重度心身障害者手当(月額2000円~15000円)
自治体によって異なりますが、療育手帳は必要な自治体が多いようです。
※各種手当は、所得によっては受給できないことがあります。
参考:atGP
障害者手帳を就職に生かす
ここからは障害者手帳(療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)を利用した就活についてお伝えしていこうと思います。
就活、就職に関しても、障害者手帳を持つメリットは大きいですよ!
就労移行支援サービスが使える
就労移行支援とは、施設に通所しながら、就職に向けて、様々なスキルを身に着けたり、知識を得たりすることができるサービスのことです。
就活に際しては、面接に同行してくれることもあり、就職に向けてきめ細やかなサービスを受けることができます。
就職後も「就労定着支援」という形で、相談に乗ったり、企業とのやり取りをサポートしてくれたりします。
手帳がなくても利用はできますが、その場合医師による意見書、診断書が必要になります。
参考:kaien
障害者枠での応募が可能になる
手帳を持っていれば必ず採用されるとは限りません。
しかし、企業は障害者雇用率を上げるために、障害者枠採用は基本的に障害者手帳を取得している人を採用する傾向にあります。
障害者雇用促進法に基づき、45.5人以上の従業員数を雇っている一般事業主は、従業員数の2.2%以上、障害者の労働者を雇用しなければならなくなりました。達成できない企業には罰金が科されます。
雇用率算定には障害者手帳が必須です。ですから、障害者枠での採用を考える場合には、手帳は持っていたほうが有利になるでしょう。
参考:atGP
障害への配慮を求めることができる
一般の就職においては、自身のマイナス要素(苦手なこと)などは隠さなければいけない傾向にありますが、障害者雇用においては、自身の苦手なことを伝えることができるというメリットがあります。採用された場合にはその点についての配慮をしてもらえることが多いです。
だからと言って、苦手なことばかりをことさらに強調するのも印象が悪いですので、配慮が必要なことと、就職した際にはその会社にどういう貢献ができるか(長所)をバランスよく伝えることが大切になってきます。
障害者手帳を持っていても、一般枠での就職も可能
誤解されがちですが、障害者手帳を持っているからと言って、必ず障害者枠での応募をしなくてはいけないという決まりはありません。
一般枠での就活ももちろん行うことができます。
障害者手帳を持つデメリットについて
障害者手帳を持つことのデメリットはほぼありません。提示を強要されるというシーンもありません。
一つデメリットがあるとすれば、「自分(もしくは子ども)が障害者だということを突き付けられる」ということです。「障害の受容」の問題です。なかなかすぐに障害を受け入れることは難しいことだと思いますので、時間をかけて向き合っていただければと思います。
まとめ
今回は発達障害の方が取得できる障害者手帳とそのメリットについてお伝えしてきました。
「障害者手帳を持つデメリットについて」でも触れたように、障害者手帳を持っていると「障害者」であることをより意識してしまうということはあると思います。
しかし手帳を持っていることで広がる可能性も沢山あります!
障害を特性ととらえ、社会の中でより良い人生を送るために手帳を持つということを選択肢として検討してみてください。
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