こんにちは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます。本日は「ヘルプマーク」についてです。

「うちの子、外見は普通に見えるけど「発達障害」があって、言葉でのやりとりが上手くできないのよね。一人で買い物することも困難な時があるの‥」なんていうお悩みを抱えていませんか? 

そんな時に「目には見えない障害を持っていること」を示す「ヘルプマーク」というものがある!と知ったら、ぜひ使ってみたいと思うもの。

しかし、実際にはどれくらいの効果があるのでしょうか? 今回は、そんな「ヘルプマーク」の現状を探っていきたいと思います。

ヘルプマークとは

東京都福祉保健局 /ヘルプマークについて

ヘルプマークとは、外見からはわかりにくいが、障害や疾患などがあるために援助や配慮を必要としている人が、そのことを周囲に知らせるためのマークです。

この取り組みは東京都から始まり、全国へと普及し、令和2年5月現在では1都1道2府40県が導入をしています。

対象

ヘルプマークの配布には特別な基準はないようですが、内部疾患や難病、精神疾患等、外側からは見えにくいが支援や配慮が必要な方が対象とされています。

入手方法

お住いの自治体の行政窓口にて受け取ることができます。↓のページに、各自治体の配布の有無や配布場所の一覧表が載っています。お住いの地域の状況を確認してみてください。

東京都福祉保健局 /ヘルプマークについて /全国の普及状況

また、配布場所まで行くことが難しい場合は、自作も可能です。↓のページからツールをダウンロードできます。

東京都福祉保健局 /ヘルプマークについて /ツールダウンロード

ヘルプマークの現状

入手方法や自作ができることはわかりましたが、それでも実際に使用するとなると「メリットはあるの?」「デメリットはないの?」と気になりますよね…。

実際にヘルプマークを用いることで、「持っているだけで安心できる」「公共交通機関などで周囲の人に配慮してもらえた」という例があるようです。

一方で、まだまだ認知や理解が広まっておらず、ヘルプマークをつけていても周囲の人に意味が伝わらなかったり、心無い言葉を投げられてしまったりといった出来事もあるようでした。

ヘルプマークは付け外しが可能です。「普段はカバンの中にしまっておいて、援助や理解が必要な時に出す」など、状況に合わせて使い分けるのも良いかもしれませんね。

実際例

では、実際の例を紹介していきます。

発達障害で自分から助けて下さいと言えず、ヘルプカードに自分の特性を記入して持っていたら安心できます。< 10歳/学生 >

引用:東京都福祉保健局 /ヘルプマークについて /ヘルプマーク・ヘルプカードエピソード集

上記のエピソードでは、ヘルプカードの良い面が紹介されています。いざという時には「ヘルプカードを相手に見せる」という手段が取れますね。援助を求める際のハードルが下がり、不安の軽減になるようです。

反面、認知度の低さにより、効果を実感できていない。という声もあるようです。

発達障害があり、配慮が必要なことを伝える「ヘルプマーク」をかばんに取り付けて出掛けています。以前に電車内で困った時、周囲の人に気を配ってもらえなかったことがあり、その要因はマークの認知度不足にあるのではと感じました。もっと周知できないものでしょうか。 < 岡山市 男性(41) >

引用:山陽新聞 digital

こちらのエピソードでは、ヘルプカードを持っていても周囲に伝わらなかったことが紹介されています。

もしかすると、周囲の人も「ヘルプマークには気付いているけど、どう援助すればいいのかわからない」のかもしれません。少しずつ認知や理解が広まっていくように働きかけると共に、「こんな時は、こうしてもらえると助かる」といったことを伝えていく方法を併せて考える必要もありそうです。

▼ ヘルプマークが「助け合い」のキッカケに。どんどん認知や理解が広まるといいですね!

課題

やはり、マタニティーマーク等に比べると、まだまだ認知度が低いのがヘルプマークの課題になっています。

「障がい者総合研究所」による調査レポート(2017年データ)では、認知度の低さが示されています。

ヘルプマークの認知について質問したところ、47%がヘルプマークを「知っている」と回答しました。

地域別で比較すると、首都圏では「知っている」と回答した割合が55%と半数を超えたのに対し、その他の地域では38%に留まりました。

引用:障がい者総合研究所 /ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査
引用:障がい者総合研究所 /ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査
引用:障がい者総合研究所 /ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査

他にも、「利用時の周囲の反応が気になるから」「認知不足により役立たないと思うから」との理由で、マークの利用を敬遠している人が3割いることもこちらの調査からわかっています。

また、「ヘルプマークが役立っていると思いますか」という質問には46%が「役立っている」と回答。続けて「どのような場面で役立っていると考えますか」という質問には94%が「公共交通機関の利用時などに周囲から配慮してもらう」と回答しています。

そして、同調査での「今後、ヘルプマークを利用したいと思いますか」という質問にも、「利用したい」は49% 約半数という結果でした。

まだまだ認知度の低い「ヘルプマーク」。中には、「つけていたことで、心無い言葉を投げかけられ、心がくじけそうになった。」といったエピソードを聞くこともあります。しかし、調査データが示すように、公共交通機関などで配慮を体感している、という人が半数近くいるということもまた事実です。

携帯する人の「想い」はさまざま

こんな例も紹介されていました。

ある高校生のお話。彼女は、壁とフックを固定していた留め具が壊れてしまったために、予めHPで「留め具のみの販売」がされていることを確認してからフックを購入したお店に出向いたそうです。

引用:LITALICO発達ナビ

しかし、購入できませんでした。そして、再度HPからプリントアウトした商品画像を持ってお店に行き聞いてみてもなお、購入ができなかったといいます。

そこで、お母さんが出動せざるを得ず、再度本人をお店に行かせ、それでも店員さんに上手く聞けなかったら電話をするよう伝え、結果的にはお母さんと店員さんとのやりとりで、そのフックに対応している最新モデルのものを購入することができたそうです。

その出来事以来、彼女は近所への外出の際もヘルプマークをつけるようになったといいます。

“へルプマークには
「助けて欲しい」という想いだけでなく
・分かって欲しい
・理解して欲しい
・認めて欲しい
・ほんの少しの配慮が欲しい
などさまざまな想いが込められていると思います。

娘がこのマークをいつも携帯するようになったのも「分かってほしい」という想いがあったからなのです。“

“これからは、「見えない障害」にはさまざまな種類があり、ヘルプマークを携帯する人にもさまざまな想いがあることを知ってもらえたら良いなと思っています。”

引用:LITALICO発達ナビ

こういう現実もあるのですね。


発達障害は外見からは「困りごと」がわからないことも多いです。「ヘルプマーク」なども活用しながら、本人も周囲も過ごしやすい環境を作っていきましょう。

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まとめ

「助ける」というのは、「相手の存在を理解し、認める」という前提の上で出てくる行動ですよね。

日本には昔から「助け合いの精神」がありますが、昨今の社会での忙しさや慌ただしさから、そういったものが忘れかけられているのかもしれませんね。そしてそういった精神を思い出すきっかけをヘルプマークは担っているのかもしれません。

まだまだ普及途上のマークですが、この現状を知った上で、あなたなりの活用方法や普及協力方法を見つけてみてはいかがでしょうか。