こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
本日は「発達障害の子が漢字が苦手な理由」と「記憶に残りやすい漢字の学習方法」についてです。
発達障害の子が「漢字をなかなか覚えられない…」「漢字の宿題が苦痛でいつも時間がかかる…」そんなお悩みはありませんか?
まずは「なぜ発達障害の子は漢字が苦手なのか?」その原因から探って行きましょう!
・発達障害の子が漢字を覚えづらい理由
・記憶に残りやすい漢字学習法、おうちでの支援方法
・漢字の学習におすすめな書籍
目次
発達障害の子が漢字を覚えられないのはなぜ?
小学校に入学すると、それまで過ごしてきた保育園や幼稚園での生活ががらりと変わる事に加えて悩まされるのはやはり「学習」ですよね。
特に漢字は覚える数も多く、難しく感じている発達障害のお子さんが多いようです。
視空間認知能力が弱い
発達障害の子が漢字を覚えられない理由は、視空間認知能力が弱いからだと言われています。
目で見た情報から、その物や空間の「一部」だけではなく、「全体」がどんな物なのか把握する能力のこと。
見た角度や方向に左右されず、正しく物や空間を認識する力。
発達障害の子どもは、視空間認知能力が弱い傾向があるため、目線を一歩引いて、その漢字全体がどんな文字なのか把握しづらく、漢字の一部しか把握出来ていない可能性があると言われています。
興味を持てない事に拒否感が強い
発達障害の子は「興味のないことに関して注意を向けづらい」という困難さを持っています。
学習に対して拒否感が強かったり、集中力を保つのが難しかったりすると毎日のように新しい漢字を覚えたり、反復的に漢字を書き取ったりする学習が困難になって来ます。
書字表出障害(ディスグラフィア)の可能性も
同年齢の子ども達に比べ、「字を書くこと」が物凄く苦手。
お手本を見ながら文字を書くことが難しく時間がかかる。
そういった場合、「書字表出障害(ディスグラフィア)」である可能性も考えられます。
書字表出障害(ディスグラフィア)であると、漢字を覚えることも書くこともとても困難です。
漢字全体がどんな形をしているか曖昧だったり、文字列が乱れて見えたり、揺れて見えたりします。
学ぶ環境を調整したり、タブレット端末を使用することで書字表出障害(ディスグラフィア)の困り感を軽減できる可能性があります。
症状に思い当たったら一度専門機関に相談してみましょう。
身に付きやすい漢字の覚え方、サポート方法は?
発達障害の特性により、漢字を覚えられない、正しく書けないという子にはどんな学習方法が効果的なのでしょうか。家庭での支援方法など確認していきましょう。
漢字をパーツごとに分解して見る
発達障害の子は「書く」という行動を苦痛に感じている可能性があります。
漢字が嫌いな発達障害の子には「書く」のではなくパーツごとに分けて「見る」という学習方法がおすすめです。
漢字をなかなか覚えられない子は、その漢字がどんな部首と辺で構成されているかを見れていない可能性があります。
漢字はよく見るとたくさんのパーツを組み合わせて成り立っています。
・「持」は「手へん」+「土」+「寸」
・「星」は「日」+「生」
・「明」は「日」+「月」
私自身の経験ですが、小学校2年生の頃、漢字の「聞」という字に苦手意識を持っていました。1年生で習った漢字より画数も増えて、「ごちゃごちゃしていて嫌だなぁ…」と思っていました。
そんなとき担任の先生が、「門」の中で「耳」を澄ませて「聞」いているよ。
と、「門構え」と「耳」に分けてストーリー仕立てで教えてくれました。
それ以来すぐに「聞」という字を書けるようになり、また、「漢字というものは簡単な漢字がいくつか集まって出来ているんだ!」と気付いて、漢字に対する苦手意識を克服できました。
漢字を分解してカタカナとして見る
先に、「漢字というものは簡単な漢字の寄せ集まり」というお話をしましたが、それと同じような考え方で、「分解するとカタカナに見える漢字」というものがあります。
漢字をカタカナ化して、語呂合わせで覚えると頭に入りやすくおすすめです。
「公」は「ハ」+「ム」
「化」は「イ」+「ヒ」
「勇」は「マ」+漢字の「男」
公→「公」園で「ハム」食べよう
化→「イヒ」っと笑って「化」ける
勇→「マ」ーくんは「勇」気ある「男」の子
漢字カードを作って覚えるべき漢字の見通しを付ける
覚えるべき漢字を1つ1つ名刺サイズのカードにすることで、子どもはどれだけの漢字を勉強するのか見通しが付き、またこれまでいくつの漢字を覚える事が出来たのか一目でわかるので自信が付きます。
発達障害の子どもは見通しが付かない事に対して不安になるという特性があります。
先行きがわからないモヤモヤからパニックを起こしてしまうケースもあります。
多くの場合、漢字学習には教科書やドリルを使用すると思います。
しかし、発達障害の子にとって教科書やドリルだけでは「あとどれくらい覚えるべき漢字があるのか、今いくつの漢字を覚えたのか」わかりづらい所があります。
小学校で習う漢字は1026字です。
膨大な数に思えますが、教材をカード型にすることによって学習の見通しを付けやすくなります。
漢字学習アプリを活用する
学習障害(LD)により読み書きに困難がある子や、発達障害の特性で漢字を覚える事が困難な子どもに漢字学習アプリの活用がおすすめです。
近年、ITテクノロジーを教育現場に活用するICT教育が普及するようになり、発達障害により読み書きや計算にハンディキャップを持つ子どもをサポートする様々なツールが生み出されています。
タブレット端末を持参して登校する子も珍しくありません。
▼こちらのyoutube動画ではゲーム感覚で楽しく漢字を学習できるアプリを紹介しています。
▼この動画で紹介されているアプリの詳細
アプリ名 | 小学生手書き漢字ドリル1026 – はんぷく学習シリーズ |
アプリの価格 | 無料(広告あり) |
課金の有無 | 課金なし |
おすすめポイント |
出題はクイズ方式で、画面に指で直接漢字を書いて回答します。 小学校で習う1026文字の漢字全てを収録しています。 忍者風のポップなキャラクターが登場したり、全問正解すると「免許皆伝」と表示されたり、ゲームをやっているような感覚で楽しく漢字を学べます。 コースは学年ごとに分かれています。 |
発達障害の子におすすめ!取り組みやすい漢字学習の教材
出版社 | 明治図書出版 |
価格 | 1980円(税込)※楽天ブックス参照(2022年3月現在) |
おすすめポイント |
問題が様々な形式で出題されるなど、飽きさせない工夫がたくさんされたワークです。 クイズをやるような気持ちで取り組めるので飽きずに出来ると口コミの評価が高いです。 特に漢字をパーツごとに分解して考える「漢字足し算」は面白く、子どもの食いつきが良いという評価がたくさんありました。 漢字は辺や部首など様々なパーツを組み合わせて作られている、という事を遊びながら学べるので、漢字を漠然とした形でしか捉えられない子に有効です。 漢字と漢字を線で結んで熟語を作る問題も収録されています。 |
出版社 | かもがわ出版 |
価格 | 3080円(税込)※楽天ブックス参照(2022年3月現在) |
おすすめポイント |
読み書きに困難が見られる子にもおすすめな教材です。 イラストと漢字が対になっているので、漢字と意味合いを結び付けて覚えることが出来ると人気です。 イラストはシンプルではっきりとした色合いなので、頭に入りやすく記憶に残ります。 表面にはイラストと漢字が一文字。裏面には漢字の音読み、訓読み、画数と書き順が記載されておりとてもシンプルです。余計な情報がなく、スッキリとした表記なので見やすいです。 |
まとめ
・発達障害の子が漢字を覚えられないのは学習障害(LD)の可能性や、発達障害の特性が原因になっている可能性がある。
・発達障害の子は脳の働き方が定型発達の子と違うため、物の見え方や捉え方が他の子と違う。そのため漢字をなんとなくの形でしか捉えられていない可能性がある。
・正統的な方法に捉われず、その子にあった方法を選択することが大事。
漢字は学校の学習の要であり、苦手意識が強いと学校生活そのものがつらくなってしまいますよね。
お子さんに合った漢字の学習方法が見つかりますように。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。