こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害スクリーニング検査」についてです。

お子さんが生まれると色んな検査や健診が受けられます。何も問題がなければ良いのですが、

「発達障害の疑いがあります。」

なんて言われたら、とっても心配になりますよね。

この記事を見ていただいている方の中には、心配で色んな検査を調べられたりセルフチェックしてみられたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、心配するのは、病院に行って、お医者さんからキチンと診断を受けてからで問題ありません。

この「疑い」は病院に行くかどうかの判断基準として、非常に大事な過程なのです。

この記事を読んでわかること

発達障害のスクリーニング検査がわかる
検査で引っかかったらするべきこと、これからの流れがわかる
病院に行くのが抵抗ある人はどうしたらいいのかがわかる

スクリーニング検査って何?

簡単な検査や問診などで病気や障害の可能性があるという推測に使われるもので、これを一般的にスクリーニング検査といいます。

実は最近話題になったコロナウイルスの抗原検査もスクリーニング検査です。30分で結果が出せる一方で、陽性なのに陰性と出る割合が高いことで一時期ネガティブな話題になりましたね。しかし、検査をやることによって早めに対策できて、周りにも感染を拡げずに済みました。

簡便なのであまり精度が高くない代わりに、短時間で判断できるのがスクリーニング検査の強みになります。

病気や障害の可能性が少しでもあったら「スクリーニング検査陽性=疑いあり」となって病院で詳しく検査することを勧められますが、スクリーニング検査は完璧な診断ツールではないんです。

当然、病院で詳しく検査を受けた結果、正常範囲と判断される可能性も限りなく高くなります。

それなのになぜ必要かというと、障害や病気の可能性がある人を取りこぼしなく見つけるのがスクリーニング検査の役割なのでです。

それでは次に、発達スクリーニング検査の詳細をお伝えします。

発達スクリーニング検査って何?

実はスクリーニング検査はいっぱいあって、お子さんが小さかった頃に既に経験していると思います。出生前診断(NIPT)や新生児マス・スクリーニング、新生児聴覚検査という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?

それらは先天性代謝異常や内分泌異常などの病気を調べるスクリーニング検査ですが、発達障害にもいくつかスクリーニング検査が存在します。

発達スクリーニング検査は、潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を早期に発見することを目的とする検査です。母子保健法に基づき制度化されている乳児健診、1歳半健診、3歳児健診などの場でも活用されています。

それでは、どんなスクリーニング検査があるのか見ていきましょう!

発達全体のスクリーニング検査

発達障害を見つけるというよりも、その対象児の得意不得意を見つけるものです。

遠城寺式乳幼児分析的発達検査法(九大小児科改訂版)

『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法』は、九州大学附属病院の遠城寺先生を中心に1958年に作成され、現在使われているものは1977年に改訂されています。名称は発達検査ですがスクリーニング検査です。

≪特徴≫
発達の段階を様々な角度から分析し、その子の発達の個性を見つけます。
特に心身障害のお子さんの発達状況を比較的簡単に検査できて、分析した発達グラフから発達障害の部位を把握することが可能な検査です。
≪対象年齢≫
適用年齢は、0か月から4歳8か月までの間です。
発達段階を乳児期から1歳までは1か月ごとの12段階、1歳から1歳6か月までは2か月ごとの3段階、1歳6か月から3歳までは3か月ごとの6段階、3歳から4歳8か月までは4か月ごとの5段階に分けています。
0歳児から利用でき、早期の年齢区分をより細かくしていることが特徴です。
≪検査項目≫
『運動』、『社会性』、『言語』の3つの分野に分けられています。
さらに、『運動』から「移動運動」と「手の運動」、『社会性』から「基本的習慣」と「対人関係」、『言語』から「発語」と「言語理解」に分けて、6つの領域から構成されています。
子どもの発達を6つの領域から分析的に観察し、できることとできないことを把握することで、子どもにみられる全体的な発達の特徴を明らかにします。
≪所要時間≫
10分程度です。

参考:遠城寺式乳幼児分析的発達検査法(九大小児科改訂版)|千葉テストセンター

改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(DDST)

『日本版デンバー式発達スクリーニング検査』は、アメリカのお子さんの乳幼児期における発達の遅れや歪みのあるものをスクリーニングする目的で作成されました。日本では上田先生を中心に1967年に「改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査」へ改訂されています。

≪特徴≫
対象のお子さんが現時点において発達的な問題があるかないかを発見し、早い時期からの支援に結び付けたり対策を講じたりするための手掛かりが得られます。
周産期に問題のあったお子さんの発達の経過を見極めることにも有効です。
≪対象年齢≫
適用年齢は、生後16日から6歳までで、就学前の年齢範囲の全体を網羅しています。
≪検査項目≫
「個人 – 社会」、「微細運動 – 適応」、「言語」、「粗大運動」の4領域で合計125項目の発達項目があり、判定結果は「正常」「疑い」「判定不能」で示されます。
≪所要時間≫
20分程度

参考:改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査

行動特性のスクリーニング検査

周囲への関心や興味の示し方といった発達障害の行動特性は「問題行動」として捉えられやすいですが、その時の周囲の対応は成人後のメンタルヘルスを左右します。そのため精神的な健康をチェックすることが大事です。

子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)

子どものメンタルヘルス全般をカバーするスクリーニング尺度として英国で開発され信頼性がある検査です。世界各国で臨床評価、学校健診などのスクリーニング、そしてさまざまな研究の目的で広く用いられています。

日本の子どもを対象とした発達障害特性との関連、気質と発達障害特性との関連を調べたものがあり、発達障害の子どもはメンタルヘルスの問題をより持ちやすいことが示されています。

こちらは専門サイトがありますのでアンケートをご覧になりたい方は以下をご確認ください。無償配布されています。

≪特徴≫
子どもの情緒や行動についての25の質問項目を親または学校教師が回答する形式の短いアンケートです。
各世代に分けて親記入用、教師記入用、自己記入用と細かく設定されています。
≪対象年齢≫
日本版子どもの強さと困難さアンケートは、2〜4歳の親記入用から18歳以上の自己記入用まで、幅広い年齢範囲を網羅しています。
≪検査項目≫
困難さに関する項目は4つ、強みに関する項目は1つです。
それぞれ5項目、計25項目の質問から構成されています。
困難さ:情緒の問題、行為の問題、多動 / 不注意、仲間関係の問題、の4下位尺度20項目
強み :向社会的な行動、の1下位尺度5項目
≪所要時間≫
各アンケートで異なりますが10分程度です。

参考:SDQ|子どもの強さと困難さアンケート

自閉症のスクリーニング検査

自閉症は社会性の発達の遅れがありますので、早期に見つけ出して適切に支援することが必要です。

乳幼児期自閉症チェックリスト修正版(M-CHAT)

英国で開発された乳幼児期自閉症チェックリストに、米国が2歳前後の幼児を対象として修正を加え発展させたものです。日本の数多くの自治体で1歳半健診や2歳相談会等の場面に導入され、自閉症スペクトラムの子どもの超早期発見に役立てられています。

≪特徴≫
自閉症スペクトラムの早期診断に用いられます。子どもの日頃の様子を一番よく知っている親の記入式で全23項目に対して「はい・いいえ」で答える質問紙です。この検査を用いてのスクリーニング手続きは2段階あり、1段階目の質問紙で基準値を超えた陽性ケースに対しては、2段階目に個別面接を案内し、子どもの詳細な生育歴や行動観察を聴取して包括的に評価します。
≪対象年齢≫
2歳前後(16-30 か月の一般乳幼児)が対象です。
≪検査項目≫
2歳前後の子どもではあまりみられない社会的行動に関する16項目、自閉症スペクトラムに特徴的な知覚に対する反応や常同行動に関する4項目、言語理解に関する1項目、運動に関する2項目から構成されています。
≪所要時間≫
記銘式は10分程度で終了しますが、陽性であった場合に、”1ヶ月後”に個別面談が行われます。

参考:乳幼児期自閉症チェックリスト修正版(M-CHAT)

高機能自閉症スペクトラム・スクリーニング質問紙(ASSQ)

スウェーデンの通常学級に在籍する7〜16歳の生徒1519人を対象に行われた疫学的調査をもとに、アスペルガー症候群を含む高機能自閉症を見つけるために1993年に開発されました。日本では少数ですが現在も取り入れている自治体があります。

≪特徴≫
自閉症スペクトラムの早期発見に用いられます。
子どもをよく知る親や教師の記入式で、典型的な自閉症によく見られる社会性・言語・行動・興味の項目に当てはまるかを「はい・多少・いいえ」の3段階で答えます。
≪対象年齢≫
障害の可能性がある7〜16歳までのお子さんとされています。
≪検査項目≫
全部で27項目です。
11項目は社会的相互作用を考慮したトピックス、6項目はコミュニケーションの問題に関連する問題、5項目は限定された興味や行動あるいは繰り返しの行動の問題、残りの項目は運動面における不器用さと、他に関連する症状(チック症など)から構成されています。
≪所要時間≫
質問紙に記入するのみで10分間程度です。

ADHDのスクリーニング検査

ADHDはスクリーニング検査だけではなく、心理検査(例:ウェクスラー式知能検査など)や画像診断を実施する必要があります。

ADHD評価スケール(ADHD-RS)

診断のための補助検査として使われることや、ADHDの診断がついて治療開始した後の治療効果を判定するためにも使われています。

≪特徴≫
家庭版と学校版があり、家族と教師に評価してもらうことで、ADHDの診断基準に組み込まれている2つ以上の状況から子どもの行動を評価することが可能です。不注意と多動を分けて診ることもできますし、項目数が少ないので日常的に使われやすい検査です。
≪対象年齢≫
5〜18歳が対象です。
≪検査項目≫
全部で18項目あり、不注意と多動性が交互に構成されています。
各設問は4段階の尺度で評価し、内訳は「ない、もしくはほとんどない」=0、「ときどきある」=1、「しばしばある」=2、「非常にしばしばある」=3 となっています。
間近6ヶ月間の家庭での様子から評価する家庭版、同時期の学校での様子を評価する学校版の2種類あります。
≪所要時間≫
10分程度です。
価格3,300円
※一般人向けのガイドブック等ではありません。

CAARS日本語版

成人に見られるADHD関連の症状を評価する目的で作成された検査です。カウンセリングなどで課題を特定する際に使われることが多い検査になります。

≪特徴≫
66の質問項目が「自己記入式」と「観察者評価式」の2種類あります。
観察者とは、家族、友人、同僚など最近の本人をよく知る人を指し、複数の回答者からの情報をもとに包括的に評価する検査です。
質問の回答結果からADHDの不注意、多動性、衝動性など各症状の問題点が数値で検出できます。
≪対象年齢≫
18歳以上を対象とされています。
≪検査項目≫
不注意性や衝動性、多動性などを評価しますが、ADHDの人とそうでない人を判別するための項目(ADHD指標)や回答に一貫性があるか判別する指標(矛盾指標)が含まれているのが特徴です。
「まったく当てはまらない」~「非常に当てはまる」の4段階で回答できます。
≪所要時間≫
項目数が多いので、15〜30分程度と設定されています。

参考:CAARS日本語版|千葉テストセンター

発達性協調運動障害のスクリーニング検査

身体機能に問題がないにもかかわらず、とても手先が不器用で極端に運動が苦手なお子さんに対するスクリーニング検査もあります。

DCDQ 日本語版

国際発達性協調運動障害研究会によるガイドラインで発達性協調運動障害(DCD)をスクリーニングするには最も信頼性があるツールとして世界的に推奨されています。日本語版(DCDQ-J)は2011年に開発されました。

協調運動機能が低い児ほど行動及び情緒的問題における支援を必要としていることが報告されているため、5歳児健診で導入している自治体もあります。

≪特徴≫
具体的な行動を記しているため、保護者などの記入者がイメージしやすいことがDCDQの長所です。
≪対象年齢≫
日本版は5〜15歳の学童期向けに開発されました。また、海外ではLittle DCDQといって3歳から対象のものも開発されていますが、現在は日本語版では開発されていません。
≪検査項目≫
動作における身体統制(ボールを投げるなど)について6項目、微細運動や書字の正確さについて4項目、全般的協応性(片付けや靴ひもを結ぶ速さなど)について5項目の全15項目の質問から構成されています。
それぞれに、自分の子どもについて、「同年齢の子どもと比べて全くあてはまらない」1点から、「全くその通り」の5点まで5段階で評価されます。
≪所要時間≫
運動項目で分からなければ実際にお子さんにやってもらう必要がありますが、全て把握していれば3分程度です。

育児支援のためのスクリーニング検査

親子や家庭の問題を評価して育児状況を改善させる必要があります。

育児ストレスインデックスショートフォーム(PSI-SF)

簡便でささっと評価ができ、援助者が指針を速やかに見つけ出すために開発された育児ストレス測定ツールです。

PSI日本語版は既に存在していましたが1歳半健診などで評価できるツールとして短縮版開発されました。

≪特徴≫
親の育児ストレス、親子や家族の問題など、援助の必要なケースを早期に発見したり効果判定したりすることに役立ちますので、育児相談、スクリーニング、治療計画に使われています。
また、親にとっても、この検査の結果から自らの育児を再認識し、ストレスを緩和するきっかけになります。
≪対象年齢≫
育児中の親全般です。
≪評価項目≫
19項目の質問があり、子どもの特徴と親の特徴の2つの側面から構成されています。
各項目について、「まったく違う」~「まったくそのとおり」の5段階で答える形式になっています。
≪所要時間≫
検査時間は3分程度です。

参考:PSI育児ストレスインデックスショートフォーム|サクセス・ベル株式会社

スクリーニング検査で”陽性(疑い)”になったら…?

まず、大前提として、スクリーニング検査は診断ツールではありません。

健診での場合

健診でのスクリーニング検査をもとに、お子さんに発達障害の疑いがあった場合には「経過観察しましょう」とか、「医療機関で受診した方がいいでしょう」といった助言を受けることが多いと思います。その場合は、保健師さんから病院などを紹介されますので、指示に従いましょう。

適切な診断基準に沿って適切な診断を受けると、その診断内容によっては、専門的な治療や支援を受けられるようになります。

お子さんが困っている様子に気づいたらすぐに支援を得られる状況を作っておくことは大切です。

病院で検査しましょう。

発達障害の場合は、診断を受ける前に生育歴の調査やスクリーニング検査、聴力検査、発達検査、知能検査を受けて初めて診断が付きます。精密な検査を受けた結果正常範囲となることも十分にあり得るでしょう。

その際に、重要になってくるのが『生育歴』です。

生育歴をまとめておきましょう。

以下のようなものを生育歴といいます。病院に受診する前にまとめておくといいでしょう。

  • 妊娠時や出産時の状況や出産後のトラブル(新生児仮死や難産、吸引分娩など)
  • 出生児体重
  • 社会性や対人関係の問題、こだわり
  • 通園通学時の様子
  • その他、育児がものすごく大変だったケース

また、母子手帳を忘れず携帯しましょう。

DSM-5を知っておきましょう。

また、多種多様な特性を持つ発達障害を診るお医者さんは決して自分の経験で診断している訳ではありません。

生育歴や血液検査、画像診断をもとに『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)』を使って、統一された基準に基づいた診断や治療法が行われます。

価格4,950円
※一般人向けのガイドブック等ではありません。
価格22,000円
※一般人向けのガイドブック等ではありません。

病院に行くのは抵抗がある!とにかく心配!という人は…

なかには、急に病院受診と言われて、気持ちの整理がつかない人や不安な人もいるでしょう。

また、「経過観察」であるために、病院紹介されなかった親御さんもいらっしゃると思います。

そういった場合に、相談できる場所がありますので、以下にご紹介します。

保健センター

地域保健法に基づき、市区町村に設置されている施設です。高校生や成人に対する発達障害の相談も受け付けられています。必要に応じて医療機関へ紹介します。

子育て支援センター

厚生労働省の通達「特別保育事業の実施について」に基づく施設で、自治体が管理しています。(民間委託含む)
育児不安などについての相談指導も実施しており、どこでも電話相談が可能です。必要に応じて適切な機関へ紹介します。

発達障害者支援センター

発達障害者支援法に基づく施設で、都道府県・指定都市が管理しています。(民間委託含む)
発達障害児(者)とその家族、関係機関などからの相談を受付ており、家庭での療育についてのアドバイスや必要に応じて福祉制度や医療機関へ紹介します。

また、児童相談所や医療と連携を図り、発達障害に特化した支援をおこなっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

発達障害のスクリーニング検査はこの他にも膨大な数ありますが、今回は乳幼児健診で使われるものをご紹介し、その後の対応についてもお示しいたしました。

この記事でお伝えしたかったことは、スクリーニング検査を熟知し突破できる方法ではございません。スクリーニング検査結果を受け入れ、必要時には早期にお子さんの支援を始められる準備が必要ということです。日本はまだ、良くない診断結果を隠そうとする傾向があるように思いますが、あなたは独りではありません。病院や相談できる専門機関を使って上手く乗り切っていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!