こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「子育てと犬の飼育」についてです。

「犬を飼うことは子どもの成長に良さそう!」そう考えたことはありませんか?

犬が家族の一員になることは子どもの成長にとって様々な良い影響があります。

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薄波
でもただでさえ大変な子育ての飼育と両立できるのか不安です。

そのように悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では「犬が発達障害児の子育てに与える良い影響とは何か」や、「子育て中に犬の飼育をするとどんなことが大変か」など解説します。

犬が発達障害児の子育てに与える良い影響とは?

「ドッグセラピー」という心理的治療法があるように、犬との触れ合いには癒しの効果があると言えます。犬と触れ合ううちに不思議と心が安らいだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

人との関わりに困難さがあったり、特性の影響で生きづらさを抱える発達障害の子どもにとって、犬と暮らすことにはたくさんのメリットがあります。

幸せホルモンの分泌を促す

犬との触れ合いで幸せな気分になるホルモンのセロトニンやオキシトシンの分泌が促進されることがわかっています。

発達障害を持つ人は特性の影響で五感が敏感な場合が多く、苦手な音や匂いに晒されてストレスを感じやすい傾向があります。そのため神経がこわばったり体調が急変することが多いといいます。

セロトニンやオキシトシンといった癒し効果があるホルモンが分泌促進されることで、普段感じているストレスを緩和したり、こわばった神経をほぐしたりする効果を期待できるでしょう。

またセロトニンやオキシトシンは不安や恐れを和らげる効果もあるため、発達障害の中でも特に不安を感じやすい自閉スペクトラム症の子どもにとって、犬との触れ合いは安心感を得る大切な時間になるでしょう。

犬は人の悲しみに寄り添ってくれる

犬は人の感情に敏感な動物です。

子どもが悲しんでいるときはそっと寄り添ってくれる、友達のような存在になる可能性があります。

犬は人の感情の中でも特に悲しみに敏感であるため、泣いていると側に寄って来たり、涙をペロペロ舐めてきたり、まるでなぐさめてくれているかのような仕草をすることがあります。

これは悲しみに共感してくれているわけではないのですが、普段と違う飼い主の様子を感じ取っての反応だと言われています。

不注意さや集中力の偏りといった特性から、がんばっても周囲から叱責されることが多く、自尊心が傷付けられやすい注意欠陥多動性障害の子どもは特に悲しみを抱えやすいと考えられます。

そんなときいち早く子どもの感情に気付いてくれる犬の存在は親にとっても大きなものになるでしょう。

自閉症の症状を改善する効果がある

犬に限りませんが、ペットとの絆を深めることが自閉症の症状の改善に役立つという研究結果があります。

アメリカのミズーリ大学が自閉スペクトラム症の子どもがいる11世帯を対象に行った研究によると、ペットを家族の一員として迎え入れ、絆を深めた家庭では、子どもの共感力の向上や分離不安の軽減などが見られました。

また同研究では学校での問題行動やいじめなどが減ったというデータもあり、動物が子どもに良い影響を与えることが明らかになりました。

参考:日経BP総合研究所

注意欠陥多動性障害の症状を改善するという研究結果も

犬を飼うことで注意欠陥多動性障害の症状が改善したという研究結果があります。

カリフォルニア大学アーバイン校は、注意欠陥多動性障害と診断された7〜9歳の子どもを対象に動物介在療法を行いました。

結果、犬を飼うことは癒しになるだけではなく、注意欠陥多動性障害の特性による影響を軽減させることがわかりました。

参考:THE WEEK

犬の世話を通して責任感を育む

子どもが犬の世話に参加することで、自然に責任感が育まれます。

社会的コミュニケーションに困難が見られる自閉スペクトラム症の子は、対人関係を通してソーシャルスキルを習得するのは難しい場合が多いかもしれません。

そういった場合、犬の世話であればストレスを溜めずに役割分担に参加できる可能性があります。

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京本
餌やりや、散歩、シャンプーなど犬の飼育は簡単ではありません。
だからこそ家族で役割分担する意義があります。

自分に割り当てられた仕事を毎日行うことで責任感やソーシャルスキル、生き物に対する愛情が育まれるでしょう。

犬を飼うことと子育ての両立はここが大変!

前の章でも解説した通り、犬は癒しであり、子どもの情緒や心の成長にとっても良いものです。

しかし、やはり子育てと犬の飼育を並行して行うのは大変な労力が必要であり、簡単に出来る事ではありません。

この章では子育てと犬の飼育を並行して行う上で、大変さを感じやすいポイントを解説します。

しつけが大変

子どもに良いことと悪いことを教えたり、時期になればトイレトレーニングを始めたりするように、犬にもしつけが必要です。

▼基本的な犬のしつけは以下のようなものがあります。

【飼い主と目を合わせられるようにする】

犬のしつけの基本として、飼い主とアイコンタクトを取れるようにトレーニングする必要があります。

なぜなら、目と目を合わせることは飼い主に意識を向けさせることに繋がるからです。

犬が飼い主に注目することで初めて命令を聞ける状態になります。

【人に触れられることに慣れさせる】

人に触れられることに不慣れな犬は、散歩中突然撫でられたりすると吠えて威嚇したり、最悪の場合噛みついてケガをさせてしまう危険もあります。

新しい環境にすぐ適応できないのは人も犬も同じです。

ゆっくりと人との触れ合いに慣れさせていく必要があります。

【トイレの場所を覚えさせる】

人間の子どもがトイレトレーニングするように、犬にもトイレのしつけが必要です。

トイレトレーニングは出来るだけ早い段階から実施するのが理想です。

【餌を食べるのは飼い主の許可が出てから】

食事するときは飼い主の「まて」の掛け声で待機し、「よし」の許可が出てから開始するようにしつけます。自由に食べさせていると飼い主の食事を食べたがったり、道に落ちているものを食べてしまったりするためです。

【噛んではいけないものを覚えさせる】

子犬の甘噛みを放っておくと成犬になっても噛み癖が残り、人にケガを負わせてしまう危険性があるため、早めにしつけます。

噛まれたら「痛い!」と声に出して伝えるようにします。

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京本
上記は基本的なもので、しつけなければならないことはまだたくさんあります。
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薄波
こんなにたくさん!
子育てと並行してこれらを行うのは大変ですね。

子どもの犬に対する接し方に気を遣う

子どもと犬が良好な関係を築くためには、子どもが犬に対して適切な接し方をするように大人が導く必要があります。

なぜなら子どもが良かれと思ってやったことでも犬にとっては不快に感じることがたくさんあるからです。

たとえば犬の撫で方一つにしても、犬にとって気持ちいい撫で方と不快に感じる撫で方があります。

▼犬が不快に感じる撫で方

・毛の流れと逆方向に撫でる。

・つま先やしっぽなど敏感な部分を触る。

・食事中やお昼寝中に触る。

この記事を書いている私にも、「子どもに正しい犬の接し方を教えるのは難しいなぁ」と感じた出来事があります。

先日3歳の息子を連れてドッグカフェに行ったのですが、息子は何回教えても、犬を毛並みに逆らって撫でていました。

「わんちゃんの撫で方はこうだよ」とお手本を見せて、しばらくは正しい撫で方をしていたのですが、遊んでいるうちに忘れてまたすぐに毛並みに逆らって撫でてしまうのです。

犬が嫌がって吠えるのではと終始ハラハラし、子どもがいる家庭で犬を飼う大変さを垣間見ました。

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薄波
他にも犬が嫌がるNGな接し方があります。

▼犬が嫌がる接し方

・食事中の犬にちょっかいを出す。

・犬の近くで大きな声を出す。

・抱き上げる。

人間の感覚だと「だっこ」は心地よく感じますが、実はこれも犬にとってはNG行為です。

人間と犬の感覚には多くの違いがあり、犬は人間のように抱き上げられることを心地よく感じないと言われています。

怒鳴ったり大きな声を出すのも犬にとってはNG行為です。

なぜなら犬は人間の約4倍も聴覚が優れていると言われているからです。

人間と犬には感覚に大きな差があります。

その理屈を理解できない子どもは犬にNG行為をしてしまう場合があり、犬にとっても、指導する親にとってもストレスになる可能性があります。

お金がかかる

犬の飼育を始めたい場合、労力だけではなくコスト面もよく考えた方が良いでしょう。

なぜなら犬の飼育には様々な面でお金がかかるからです。

「犬の飼育にここまでお金がかかるとは思わなかった!!」とあとから悩まないためにも、どんなことにいくらくらい費用がかかるのか知っておいた方が良いでしょう。

▼犬の飼育でかかる主な費用

・飼い始めるときかかる費用(畜産登録料、予防接種代、ケージや首輪などグッズ費用)

・ペットフード代

・トリミング代

・医療費

飼い始めるときにかかる費用

犬を飼い始めるときかかる費用として畜産登録料3000円程度があります。

畜産登録とは動物を飼うことを市町村に登録する手続きのことです。飼い始めから30日以内に届ける必要があります。

飼い主の義務である狂犬病ワクチンは3500円程度です。

これは毎年一回継続して接種する決まりになっています。

ケージ、首輪、リードなど犬を飼う上で必要なグッズを揃えるためには3万円以上費用がかかることも知っておいた方が良いでしょう。

ペットフード代

ペットフード代は飼う犬によってかかる費用に差があるので一概に言えません。

なぜなら犬種や体の大きさによって必要なペットフードの種類や価格、量が異なるからです。

東晶貿易株式会社が運営するわんわんナビが、全国の犬の飼い主を対象に行った調査によると、毎月の餌代にかかる費用は「3000円~3999円」である人が一番多いという結果になりました。

▼「毎月、エサ(主食)代にいくらかかっていますか(いましたか)?」(総回答数610人)※本記事では上位3位までを紹介。

・3000円~3999円 142名

・2000円~2999円 129名

・2000円未満 127名

参照:東晶貿易株式会社「わんわんナビ」

トリミング代

トリミング代も犬によって様々なので一概には言えません。

なぜなら毛が長い犬種と短い犬種ではかかる費用に大きな差があるからです。

毛が短い犬種や、飼い主がセルフカットする場合は費用がかからない場合もあります。

株式会社PLAN-Bが運営するINUNAVI(いぬなび)が全国の犬の飼い主を対象に行った調査によると、トリミングサロンを利用する人の割合は62%(448名中278名が該当)と過半数以上でした。

一回のトリミングにかかる費用に関する調査では、「3001円~5000円」と答える人が最も多いという結果になりました。

▼「一度のカットでかかる費用は?」※本記事では上位3位までを紹介。

・3001円~5000円 110名

・5001円~70000円 104名

・7001円~9000円 25名

参照:株式会社PLAN-B「INUNAVI(いぬなび)」

医療費

犬の医療費は体が大きい犬ほど高くなる傾向があります。

なぜなら体が大きければ大きいほど使用する薬剤が多く必要になるからです。

日本獣医師会の調べによると、犬の大きさ別に見る1カ月にかかる犬の治療費平均額で、一番高額なのは大型犬で9281円でした。

▼犬の大きさ別に見る1カ月にかかる犬の治療費平均額

・大型犬 9281円

・中型犬 8183円

・小型犬 8217円

・超小型犬 7435円

参照:日本獣医師会

また犬の医療費は犬が高齢になるほど高くなる傾向があります。

▼犬の年齢別に見る一カ月にかかる犬の治療費平均額

・13歳以上 9801円

・7~12歳 7800円

・0~6歳 7136円

参照:日本獣医師会

まとめ

・犬を家庭で飼育することは子どもの成長にとって良いことがたくさんある。

・犬と子どもが絆を深めると、発達障害の症状を改善できる可能性がある。

・犬の飼育と子育てを同時にすると大変なことが多い。事前にどんなことに労力や金銭面での負担がかかるか知っておいた方がいい。

犬との出会いは子どもだけではなく大人にとっても良いものですよね。

この記事が少しでもあなたのお役に立ちますように。