こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害と味覚」についてです。
日々の食事の楽しみの1つが、味覚ではないでしょうか。おいしい味・好きな味付けの料理を口に運ぶのは幸せですよね。
しかし、発達障害から味覚に過敏性があり、食事を思うように楽しめないケースもあるのです。特定の味への苦手・苦痛から、偏食になってしまうことも……。
食事は健康な体作りにも欠かせない、大切な生活の一部です。成長期のお子さんであればなおさら心配になってしまいますね。偏食で栄養が偏ってしまうと大変です。
この記事では、発達障害と味覚をテーマに、どんな関係があるのか・味覚が過敏である時にできる工夫・困った時の相談先についてお伝えしていきます。
目次
発達障害と味覚にはどんな関係があるの?
発達障害の特性から、味覚に特徴が出ることもあります。
それが「味覚過敏」です。
味覚過敏とは
他の人には何でもない味が、本人には濃く/薄く感じたり、不快な味に感じてしまうなどの状態が「味覚過敏」です。
- 味付けが濃く感じる/薄く感じる
- 不快な味に感じる
- 少しの味にも敏感に反応する
- 何も口に入れていないのに味を感じる
- 何かを口に入れても味を感じない
など
どんな困り事がある?
味覚過敏を持っていると、下記のような困り事として表面化することがあります。
- 嫌な味に思えて食が進まない
- レシピ通りに作ってもおいしく感じない
- 自分の好みの味付けにすると、他の人が食べてくれない
- 味についての意見が大きく異なる
(同じ料理を食べても会話がはずまない・好みの違いがケンカになる) - 味を何とかしようと塩や砂糖をたくさん入れてしまい、過剰に摂取してしまう
- 少しの味でも気になってしまう
- 偏食になる
など
【おいしく感じない】
食事は毎日のことなので、おいしく感じないと食べる事そのものが苦痛になりかねません。食事量が減ってしまうと、生きるため・活動するために必要なカロリーや栄養素を十分に摂取できず、健康にも悪影響が出てしまいます。
【偏食になる】
不快に感じる味を避けようとして、食べやすいものばかりを選びがちになりかねません。同じものばかりを食べると栄養が偏ってしまいます。
本人・養育環境のせいばかりではない
味覚過敏は生まれつきの特性が原因で、本人にコントロールできるものではなく、そして養育環境によるものでもありません。
お子さんに偏食があると、「好き嫌いせずに食べなさい!」と本人が叱られたり、「しつけができてないからだ!」とお母さん・お父さんが責められてしまうこともあるでしょう。つらいですよね。
もちろん、我がままによる偏食・食べ残しなどには厳しくしなければならない場面もあるかもしれません。ですが、味覚過敏には周囲の理解も必要なのです。
そもそも味覚とは?
人間は舌にある「味蕾(みらい)」という部分で味を感知しています。この味蕾に感じた刺激が脳に伝わり、「甘い」「からい」「酸っぱい」といった情報に変換されるのです。
味を感じるのは味覚だけではない?
実は食材の味そのものだけではなく、「香り」「食感」「温度」「自分の体調」など様々な要素が絡み合って、「おいしい」「まずい」などが総合的に判断されているそうです。
いつもはおいしい味が、調子が悪い時に食べるとあまりおいしく感じない……という経験はないでしょうか? 嬉しい・悲しいといった感情も関係しているのかもしれませんね。
「触覚過敏」「聴覚過敏」が偏食につながることも
発達障害では味覚過敏だけではなく、特定の感触が苦手・苦痛になる「触覚過敏」、特定の音が苦手・苦痛になる「聴覚過敏」を合わせ持つこともあります。
食べ物を口に入れた時の感触や、「サクサク」「ザクザク」など食べ物を噛み砕く音に苦痛があり、それが「この食べ物は嫌だ。おいしくない」と感じる原因に繋がっていることも考えられるでしょう。
「味覚が異なる=発達障害」とは限らない
味への感覚が異なるからといって、それだけでは「発達障害だ」と判断することはできません。
味覚に異常が現れる原因は様々あります。発達障害だけではなく、先天性・後天性の病気、ストレス、事故による損傷などが味覚に影響してしまうケースもあるのです。
「ある日急に味覚が変わってしまった!」という場合は、病気が潜んでいるサインであることも考えられます。早期発見・早期治療に繋がるかもしれませんので、医療機関の受診も検討しましょう。
味覚の異常は「耳鼻咽喉科」で診てもらえるそうです。
味覚過敏からの偏食を改善したい!【できる工夫】
味覚過敏から偏食になってしまっていると、摂取できる栄養素に偏りができてしまいかねません。成長期のお子さんであればなおさら心配ですよね。
味覚過敏を持っている場合は、次の3つの工夫も試してみて下さい。
- 食感や香り付けを変えてみる
- 少しずつチャレンジする
- 楽しく食べられるようにする
無理に食べさせようとしても逆効果、かえってますます嫌いになってしまうでしょう。お子さんに無理のない範囲で、少しずつ「食べられる」を増やしていくようにしたいですね!
① 食感や香り付けを変えてみる
舌触りや香りが味覚に影響を与えていることも考えられます。やわらかく煮てみたり、香辛料を変えてみたりしてみましょう。
同じ食材でも「この料理なら食べられる」と突破口が見つかるかもしれません。
② 少しずつチャレンジする
嫌いな食べ物を一度にたくさん食べるのは、大人でも根気がいりますよね。少量ずつ、徐々に量を増やしていってみてはどうでしょうか。
好きな食べ物に少しだけ混ぜて様子を見てみるのも良さそうです。
「食べられた!」とスモールステップで成功体験を重ねることで、お子さんも自信がついてくると思います。頑張って食べられたら褒めてあげて下さいね!
③ 楽しく食べられるようにする
気持ちの面から取り組んでみましょう。まずは雰囲気から楽しむことで、意欲がわいてくるかもしれません。
- 一緒に料理をする
- 好きなキャラクターの食器を使う
- お子様ランチのような盛り付けにしてみる
- お子さんが嫌いなものを、お母さん・お父さんが楽しそうに食べる
など
可愛くお弁当を盛り付ける「キャラクター弁当」にして、みんなでピクニックに出かけるのもおすすめです。
▽ 発達障害による偏食を取り上げた書籍も販売されています!
困った時の相談先
お子さんの食事が思うように進まない状況が続くと、栄養の偏りなどが心配になりますね。発達障害の特性が偏食に繋がっている場合は、ご家庭だけでの改善が難しいこともあるでしょう。
そんな時は専門機関に相談してみることもできます。下記のような相談先があります。
- 住んでいる市区町村の保健センター
- 発達障害者支援センター
「偏食なんて相談していいの?」と遠慮してしまうお母さん・お父さんもおられるでしょう。
ですが、食事は健康な体を作るためにも欠かせない大切なものです。まずは電話やメールで相談するところから始めてみて下さい!
まとめ
この記事では、発達障害と味覚についてお伝えしました。
- 発達障害の特性の1つに「味覚過敏」がある
- 味覚過敏がある場合は食事を工夫してみましょう!
- 食感や香り付けを変えてみる
- 少しずつチャレンジする
- 楽しく食べられるようにする など
- 困った時は専門機関にも相談しましょう!
- 保健センター
- 発達障害者支援センター など
食事は毎日のことなので、おいしく感じられないとつらいですよね。食事の偏りはお子さんの成長・健康にも悪影響が出てしまいかねません。
調理方法を変えてみるなど、工夫を試しながら少しずつ「食べられる」を増やしていきましょう!
味覚の異常は病気のサインであることも考えられますので、発達障害に心当たりがなく「ある日急に味覚が変わってしまった」という時は、専門の医療機関の受診もご検討下さいね。