こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
本日は「発達障害 テスト 大人」についてです。

発達障害児の子育ては日々トラブルがつきもので、悩みや不安が尽きませんよね…
お子さんの特性について理解を深めているうちに、

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薄波
もしかして私の仕事や日常生活での悩みって発達障害が原因なのかも…

と思っている方がいらっしゃるかもしれません。

今回は大人の発達障害について解説していきます!

大人の発達障害は珍しいものではない

大人の発達障害」という言葉は、近年耳にすることが多くなってきました。
しかし発達障害かもと悩んでいる方は、大人になってから気づくことに恥ずかしいと感じているかもしれません。

大人になってから診断される人は多い

平成28年に厚生労働省が行った「生活のしづらさなどに関する調査」のデータからも、子ども(0歳~19歳)より大人(20歳~)で診断を受けた人数が多くなっています。

年齢 人数
0歳~19歳 約22万5000人
20歳~ 約24万3000人

参考:平成28年 生活のしづらさなどに関する調査 -厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(平成30年4月9日)

つまり大人の発達障害は決して珍しいことではなく、これまで気づかなかったのも恥ずかしいことではないのです。

大人になるまで気づかない原因

なぜ現在、大人になってから発達障害と診断される方が増えているのでしょうか。
その原因を、3つに分けて解説していきます。

1.周囲の環境にカバーされていた

子どもだと学校から与えられた課題ができていれば、あまり問題が生じることはありません。
多少コミュニケーションに困難があったとしても、家族や先生、友達など限られた人間関係の中だと「個性的」と認められることもあります。

そのため当事者が子どもの頃は特に困らず、悩むことなく過ごせていた可能性が高いと言えます。

社会に出て初めて多くの壁にぶつかる

周囲に上手く受け入れてもらいながら活動していけることがベストですが、
子どもの頃と同じ環境のまま大人になっていくことはほぼ無いでしょう。

社会に出て仕事をするようになると、与えられた業務をこなすだけでOKとはいきません。
取引先や同僚、上司など多くの人たちと上手くやり取りしながら、仕事をしていく必要が出てきます。
仕事を円滑に進めるうえで必要なのは、高度なコミュニケーション社会性です。

そのため社会に出て、人間関係や業務でのミスなど多くの困難を抱えてしまうのです。

社会構造の変化も影響している

現代は多くの情報で溢れかえる情報化社会です。
農業や工業が社会を支えていた時代に比べ、仕事においても多くの情報をいかに処理できるかといったことが求められるようになりました。

現代社会はより高度なことを要求されるため、発達障害という特性が表出しやすい状況が生まれているとも言われています。

【診断名別】こんな場面で困ったことはないですか?

発達障害には大きく分けて3つの分類があります。

  1. ADHD(注意欠陥多動性障害)
  2. ASD(自閉症スペクトラム障害)
  3. LD(学習障害)

大人になって発達障害と診断される場合、ADHDまたはASDの方が大半です。
ここでは障害別に特徴的な症状、それに伴い日常生活で支障をきたしやすい場面を見ていきましょう。
ご自身のお悩みと当てはまる部分がないか参考にしてみてくださいね。

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHDには3つの特徴があります。

  1. 不注意
  2. 多動性
  3. 衝動性

また「不注意」「多動性」「衝動性」の特徴の出方によって、3つのタイプに分けられます。
タイプ別に日常生活で生じやすい困難も見ていきましょう。

1.不注意優勢型

不注意優勢型とはADHDの特徴のうち、「不注意」が特に強く出ている方を指します。
具体的な場面を挙げていきますので、当てはまる箇所がないかチェックしてみましょう。

集中力が途切れやすい
→作業が進まず、仕事に支障をきたしてしまう。
過集中(集中し過ぎてしまう)
→周りが見えづらくなり、話しかけられても気づけない。
忘れっぽい
→大事な予定や書類などを忘れてしまう。ケアレスミスが多い。
物事を順序だてて考えるのが苦手
→仕事の優先順位がつけられない。整理整頓が苦手。

2.多動性-衝動性優勢型

多動性-衝動性優勢型はADHDの特徴のうち、「衝動性」「多動性」が特に強く出ている方を指します。
具体的な特徴をみていきましょう。

じっとしていられない
→長時間座らなければならない場面でもぞもぞと動いてしまったり、
 貧乏ゆすりをしてしまったりする。
衝動的に行動してしまう
→衝動買いをしてしまう。順番を待てない。
感情のコントロールが苦手
→人の話を遮り、割り込んでしまう。

3.混合発現型

混合発現型は「不注意」「多動性」「衝動性」のどの特性も見られます
3つの特性が均等に出るのではなく、特性の出方には個人差があります。

「不注意優勢型」「多動性-衝動性優勢型」どちらの項目にも該当する場合は、
このタイプに当てはまるかもしれません。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASDは相手の感情をくみ取ったり、自分の気持ちを伝えたりすることが苦手な方が多く、
人とのコミュニケーションに課題を抱えやすい特性があります。
また強いこだわりや興味関心の偏り、感覚過敏や感覚の鈍さも見られます。

ASDは人との関わり方の特性から、4つのタイプに分類できます。
タイプ別の特性を詳しくみていきましょう。

1.孤立型

孤立型は他者を必要とせず、1人での行動を好むのが特徴です。
興味を持てる分野での仕事は1人で黙々と進められるため、高い成果を出しやすいのが長所です。

周囲への関心が薄い
自分からコミュニケーションを取ろうとしない
→無理に人との関わりを持たされると強い緊張や不快感を示してしまう。
感情や空気を読むのが苦手
→愛想の悪い人という印象を持たれることが多い。

2.受動型

受動型は、コミュニケーションにおいて受け身であるというのが特徴です。
相手からの誘いなどには素直に応じるため、コミュニケーションに問題があると認識されづらい傾向にあります。

自分からコミュニケーションを取ろうとしない(孤立型と共通)
→集団の中だとコミュニケーションが取れていることが多い。
流されやすい
→ストレスを感じていても、他人からの要求に何でも応じてしまう。
主体性をもてず、自分で意思決定ができない
→家族やパートナーに大切な判断を委ね、話し合いをしない。

3.積極奇異型

積極奇異型は他人との距離感を詰めすぎてしまうという特徴があります。
人と積極的に関われるため、初めはコミュニケーションが円滑に進められます。

人との距離感が掴めない
→初対面の人に対しても馴れ馴れしい。プライベートな話題に突っ込みすぎてしまう。
空気を読むのが苦手
→一方的に話過ぎる。同じ話を何度もする。
感情の変化が激しく、コントロールが苦手
→好きな人や恋人に対し、自分の気持ちのまま愛情表現し反応を求める。

4.尊大型

尊大型は他人に対して偉そうに接するのが特徴です。
このタイプに当てはまる方は論理的で学力が高い傾向にあるため、職場で上司から高い信頼を得ていることもあります。

相手に対し強圧的に接し、周囲を圧倒してしまう
→強圧的な態度を取る相手は、家庭内など近しい人だけの場合もある。
自分の主張を通すことにこだわる

ASDの4つのタイプは成長に伴って「孤立型→尊大型」など、移行する場合もあります。
タイプの移行には子どもの頃の経験など、環境も大きく影響しています。
セルフチェックをきっかけにご自身の過去も振り返ってみるといいかもしれませんね。

発達障害だと思ったら

セルフチェックはいかかでしたか?
実際にやってみると、

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薄波
やっぱり私って発達障害だったんだ…

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし注意すべきポイントがあります。

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京本
セルフチェックはあくまで目安です!
最終的な判断は「医師」が行うため、受診が必要です。

いざ受診するとなると、なかなか一歩を踏み出しづらいものです…
ここでは診断を受けるまでの流れを解説していきます!

診断を受けるまでの流れ

1.問診

まず行うのは問診です。
聞かれる項目としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 生育歴
  • 家庭環境
  • 家族構成
  • 現在の困りごと など

問診の場になると話す内容を思い出せなかったり、うまく伝えられなかったりすることもあります。
事前に話すことをまとめたり、経過をメモしたりしておくのがおすすめです
また、学校の通知表や母子手帳がある場合は持参すると診断に役立ちます。

2.心理検査

問診の後は必要に応じ、心理検査を受けることがあります。
いくつかの種類があるので、紹介していきます!

  • 発達検査:発達の段階を調べる検査。(例)新版K式発達検査
  • 人格検査:人格を様々な方法で調べる検査。(例)MMPI、ロールシャッハテスト
  • 知能検査:知能の程度を測る検査。(例)ウェクスラー式成人知能検査、IQテスト

心理検査によって発達の状態や知能を数値化し、明確にすることで診断しやすくなります。

3.身体検査

さらに状態によっては身体の検査も行います。
脳波の測定やMRIなどの画像検査、運動機能を測定などが挙げられます。

また発達障害の特性による悩みにより、心身の不調が生じている方も少なくありません。
この場合は血液検査を受けることもあります。

当事者の状態によって検査項目に多少の違いは生じますが、以上が診断までの流れです。
セルフチェックの結果も診断するための情報のひとつになることもあるので、
医師に伝えておくといいかもしれません。

当事者の方が検査の経験談をつづったサイトもありますので、参考にしてみてくださいね。
参考:大人の発達障害の検査は何するの。方法一覧とセルフテストの紹介

大人の発達障害を診断できる病院は少ない

日本で大人の発達障害を診断できる精神科医がまだまだ少ないのが現状です。
受診を希望する際は、インターネットや電話で診察できるかどうか確認するのがおすすめです。

大人の発達障害を診られる病院を検索できるサイトもありますので、病院探しにお役立てくださいね。
参考:QLIFE 病院検索|大人の発達障害を相談できる病院

また「受診したけれど、医師と合わなかった…」という方もいらっしゃるかもしれません。
病院や医師が自分に合わないときは、無理に通院せず医療機関変えるのもひとつの選択です。

上手な向き合い方を知ろう

発達障害は病気ではなく、脳の特性であるため「治す」ことはできません。
しかし発達障害との向き合い方や対処方法を考えていくことで、今抱えている悩みを解決できるかもしれません。

ADHDやASDといっても個々人が抱える特性や悩みは異なるものです。
今回は向き合い方を考えていくうえで、基礎となる2つのポイントをお伝えしていきます。

自己理解を深める

もし発達障害と診断されたら、
「ADHDだから落ち着きがないんだ」
「ASDだからコミュニケーションに苦手なんだ」
と診断名に捉われてしまい、何だかとても不安になりますよね…

しかし落ち込む必要はありません!
自分の個性が明確になったということなんです
診断をきっかけに自分自身の理解を深め、これまでの悩みの原因は何か考えてみることが大切です。
原因追究できることで困難に直面したときに、対処方法を考えられます。

周囲の環境に働きかける

子どもの頃に発達障害と判明した場合、親や先生など自然に相談相手がつくりやすい状態になることが多いと考えられます。


しかし大人になって判明した場合は1人暮らしをしていたり、周囲に話すことに抵抗感を感じたりするなど相談相手がいない状態になる可能性が高くなります。
不安や悩みを1人で抱え込みすぎてしまうと、うつ病や不安障害などの二次障害にもつながりかねません。
まずは誰でもいいので相談相手をつくることがとても大切です。

また周囲に自身の特性について理解してもらい、環境を整えてもらうことで支障なく日常生活を送ることにもつながります。

当サイトでは職場で発達障害を伝えるポイントがまとめられた記事もありますので、参考にしてみてくださいね。

まとめ

「発達障害」という診断がつくと、とても不安になりますよね…
しかし診断がついたということは、悩みの原因がはっきりしたといえるかもしれません。


診断をきっかけに改善策を周囲の人と考え、ご自身が生きやすくなるための手段となる可能性もあります。
少しでも前向きに捉え、生きづらさを改善していきたいですね。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。