こんにちは!こんばんは!今回もとっても役立つ発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
「音楽の持つ力は無限大」なんて言葉を聞いたことありませんか?
音楽は私たちの情動に働きかけ、感動・癒し・楽しさや明るい気持ちなどさまざまな前向きな感情を与えてくれます。
音楽は老若男女を問わず広く受け入れられていますが、こと音楽療法にいたっては、残念なことに日本ではまだそれほど広まっていません。
ですが、徐々に広がりを見せており各施設で工夫を凝らして取り入れられています。
心に働きかける音楽は発達障害の育成にどのように取り入れられ、どのような影響を与えているのかをお伝えします。
目次
発達障害児に音楽療法はどのように取り入れられているのか
発達障害の子は聴覚優位な傾向が多いため、音楽は頭に入ってきやすく相性は良いです。
そのためか、音楽に興味を持つ子も多いとされています。
音楽が大衆に大きな影響を与えていることを考えたとき、音楽療法は上手に活用されれば大きな効果を発揮する可能性を秘めているといっても過言ではないでしょう。
その音楽療法の可能性を最大限に活かすために各施設でいろいろな方法で取り入れられています。
楽しく学ぶが基本|音楽と一緒に体を動かし言語も学ぶ
東京都世田谷区にあるオフィスリブスタイルではいろいろな楽器や道具を使って、楽器を弾きことだけではなく、音楽そのものの楽しさを伝えながら子どもの能力を伸ばします。
音楽の理解には、カラフルな鉄琴を使用してコードの組み合わせを学び、タイコをたたいてリズム感を養ったりします。
これらの道具を音楽に合わせて鳴らすことは表現力の育成に役立ちます。
また、音の合図を聞き分け待つという工程は、集中力や忍耐力の育成にも役立ちます。
そして曲を通し演奏できたという喜びが達成感を育みます。
全てのベースにあるのは、子どもが楽しみながら学んでいくということ。
楽しみなが学び音楽に興味を持つことにより、もっと学びたいという気持ちが集中力や模倣力も養います。
ピアノを弾きながら微細運動や、音楽に合わせて体を動かすことで粗大運動もおこなえます。
また、言語も音楽と一緒に楽しく学びます。
下記の動画はオフィスリブスタイルでのダウン症の子のレッスン風景です。
・音楽への理解を育てる。(コードの学習、リズム感をつける)
・音楽に合わせて古楽器を鳴らし、表現力・集中力・忍耐力を養う
・楽しみながら学び達成感を育む
・微細運動・粗大運動
・音楽に合わせて言葉の習得をおこなう
臨床発達心理学を取り入れた音楽療法プログロム
調布発達支援教室では代表の長田先生の幅広い知識と経験にもとづき、臨床発達心理学や脳神経科学を取り入れた音楽療法を提供しています。
音楽療法を発達障害の支援の中心に置き、患者の足りないところに合わせて、また興味が持続するように、多方面からのアプローチを柔軟に取り入れます。
たとえば、必要に応じて視覚トレーニングやソーシャルスキル・トレーニングなど取り入れることもあります。
多感覚を用いて記憶の定着を促進する
多感覚を用いた学習方法は記憶に定着しやすいためさまざまな学習法で活用されています。
多くの国で採用され高い評価を得ている英語学習で有名な「ジョリー・フォニックス」も多感覚を用いた学習法です。
調布発達支援教室は音楽を活用し、多感覚を用いた学習法で子どもの成長を促進させます。
調布発達支援教室の支援の一例
一例としては下記のような学習法があります。
「に」という文字を覚えるために、にわとりの鳴き声(コケコッコー)をピアノで演奏しながら「に」の文字を見せ、次に「にわとり」の絵を見せます。
そして、歌うように「にわとり」を繰り返します。
これにより、聴覚と視覚から文字を覚えることができるため、文字を覚えやすくなります。
さらに、にわとりの動作を真似しながらいうと、動作も伴いさらに覚えやすくなります。
また「楽しい」という感情が脳内を活性化し、文字を覚えやすくする効果と継続性も期待できます。
また漢字の学習にも音楽を活用します。
「山」という漢字の書き順を歌にして、♪たて・よこ・たて、一書いて四角のまんなかに一書いて♪と、歌いながら覚えます。
想像力を養う
絵本をピアノの伴奏と共に読むことにより、状況を理解する力を養います。
キャラクターにより音の調子を変え、場面に合わせて効果音をつけることで、物語の状況を認識することができます。
これにより想像力を働かせながら物語を読むことができます。
自閉症の子は想像する力が弱いため、場の雰囲気を理解することができません。
しかしこのようなセッションを通し、読みの練習と共に、コミュニケーションに大切な想像力も養うことを目指します。
・多感覚を用いた学習法で記憶の促進をはかる
・「楽しい」という感情で脳を活性化させる
・音楽を学びに興味を持たせるためのツールとして活用
・必要に応じて他の療法も柔軟に取り入れる
・読みの練習も効果音をつけておこなうことで、読む力と想像力を同時に養うことができる
医師の指導のもと音楽療法をおこなうクリニック
筑波こどものこころクリニックでは、小児科医師の指導のもと音楽療法がおこなわれています。
音楽療法士の音楽の知識だけでなく、医学の知識も活かされているので個々の症状により適した指導がおこなえます。
発達障害の症状は個々によりいろいろな症状があります。
自閉症、ADHD、学習障害、レット症候群、場面緘黙症、二次障害・・・。
さらに併発している症状も異なり千差万別です。
これらの症状を把握し改善に導くためには、やはり各症状に関する専門的な知識が必要となります。
また、医師が音楽療法を受けているときの子どもの状態を確認することで、子どもの抱えている問題点をより多く細微にわたり確認することができます。
本クリニックのおこなっている音楽と医学の知識を合わせて子どもを改善へと導く方法は今後多くの施設で取り入れていってほしい試みです。
・小児科医師の指導のもと音楽療法をおこなう
・音楽療法士と小児科医の知識を合わせた療法が可能
・音楽療法を受けているときの状態を医師が確認するためより細かな問題に気づける
参考資料:「療育にも活用される「音楽療法」の最前線! 子どもたちへの多彩なアプローチについて徹底取材!」 LITALICO 発達ナビ
小児科併設|ノードフ・ロビンス音楽療法士がいる療育施設
NPO法人Healthy Children, Healthy Lives では、トータルヘルスプロモーションを掲げ、子どもの全面的な健康促進を目指します。
キッチンワークショップでは、医師による健康な体を作るための食の指導、療育では作業療法士が感覚統合や運動療法をおこないます。
そして音楽療法では、ノードフ・ロビンス音楽療法士の資格等さまざまな資格を有する音楽療法士が音楽療法を提供します。
同じフロアに小児科クリニックが併設しており、はじめにクリニックで発達障害の診察をおこない、定期的に発達の評価もおこないます。
ノードフ・ロビンス音楽療法とは
ードフ・ロビンス音楽療法は、ポール・ノードフ博士とクライブ・ロビンス博士により開発された音楽療法です。
ノードフ・ロビンス音楽療法の主な特徴は、子ども状態に合わせて音楽を即興で演奏し、子どもの興味を引き、コミュニケーションの手段として音楽を活用することにあります。
例えば、母親が赤ちゃんの声を真似して赤ちゃんに話しかけるように、子どもの声と同じような音、抑揚とリズムで演奏することで、子どもが反応しやすいように働きかけます。
そして、子どもの興味を引き出し、その反応を受けとめ、子どもとの間にコミュニケーションと信頼関係を築き、表現力や社会性を育んでいきます。
子どもができないことに目を向けるのではなく、できることを大事に育て、「できた!」という思いを通し、自信につなげげていきます。
・併設の小児科で定期的に発達の評価をおこなう
・ノードフ・ロビンス音楽療法士が音楽療法をおこなう
・音楽療法だけでなく、食の指導や感覚統合を指導する施設が併設
リトミック
子どもの健全な発育を支援する目的でもっと手軽に音楽を取り入れたものとしてリトミックがあります。
リトミックでは、音楽に合わせて体を自由に動かすことで、豊かな個性を育みながら、集中力や社会性も養いバランスのとれた人格の形成を目的としています。
体を動かすことは身体機能や脳の活性化のためにもとてもよいです。
下記のような動画で楽しみながら体を動かしてリトミックの楽しさを体感してみるのもおススメです。
まとめ
今回はさまざまな施設で取り入れられている音楽療法に関してお伝えいたしました。
どの施設も子どもの成長をうながすために多くの工夫を凝らして、音楽の持つ可能性を最大限に活用されています。
音楽が人間の心に与える影響はとても大きいため、音楽療法が大きなポテンシャルを秘めていると考えるのは自然にように思います。
音楽が現代の人々を魅了し流行を形作り時代をふうびするように、音楽療法が治療を必要としている人たちに必要な形で届いていけば、同じように世代をふうびする音楽療法なるものが生まれるかもしれませんね。