こんにちわ!こんばんわ!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!今回は「夜泣き」についてです。

夜中にいきなり大きな声で泣き出す、何度も起きて泣く、その上なかなか泣き止まない…夜泣きが続くのは本当につらいですよね。発達障害だからこんなに泣くの?と途方にくれて泣きたくなる夜もあることでしょう。

でも、いつまでも続くその夜泣き、本当にただの夜泣きでしょうか。夜泣きについて一緒に学んでいきましょう。

夜泣きと発達障害の関係

発達障害を持つ子どもが、幼少時に夜泣きがひどかったという話を耳にしたことはあるのではないでしょうか。

また発達障害の子どもは 、脳の中にある体内時計の形成が未熟であったり 、長めだったりするために 、規則正しい睡眠のリズムを作るのが難しい傾向があります。

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発達障害を持つ子どもの多くに睡眠の問題があるといわれています。そのため、赤ちゃんの時にも夜泣きがひどい可能性は高いと考えらます。

しかし、よく夜泣きをする0歳~1歳代では発達障害の診断をすることはまずありません。乳児期の夜泣きが発達障害と直接関係があるとは、はっきり証明できない問題であるといえます。

もしも、ただでさえつらい夜泣きのさなかに「こんなに泣くのは発達障害ではないか」と悩んでいるのであれば、今はお考えにならないで、と声をおかけしたいです。

夜泣きとは

夜泣きに明確な定義はありません。赤ちゃんが夜中に起きだして泣くことを夜泣きと呼んでいる場合が多いのではないでしょうか。

育児の大変さの代表格である夜泣きですが、その大変さは体験した者しかわからないつらさがあります。親が眠れなくてつらいのはもちろん、夜の閉そく感、孤独、明日のことを考えて憂鬱になる、そもそも夜中に起こされること自体が精神的にきついと感じるのは自然なことです。

そんな時に、あまりにも寝てくれない、泣き続けるという状態が続くと子供に障害があるのではないかと疑ってしまいますよね。

夜泣きのパターン

一口に夜泣きといっても、その泣き方にはいろいろあります。

  • 明け方に泣く
  • 寝入りに泣く
  • 寝言泣き
  • 何時間も泣く
  • 何度も起きて泣く
  • ゆらゆらしないと泣く
  • 泣きながら暴れる
  • 突然叫ぶように泣く

こんなお子さんに当てはまるものはありましたか?この中の夜泣きの様子を重複してやってくれるお子さんもいることでしょう。

夜泣きのお世話、本当に皆さんお疲れ様です。

夜泣きはいつまで続くの?

そんなつらい夜泣きですが、いったいいつ頃終わってくれるのでしょうか。

赤ちゃんの夜泣きは、生後3カ月から生後1年半前後に起きやすいといわれています。とはいえ、夜泣きの時期や程度は赤ちゃんによってそれぞれ。2歳を過ぎても夜泣きしてしまう子もいれば、全く夜泣きがない子もいます。

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2歳以降には頻度が減ってくるとも言われています。

夜泣きのメカニズムを少しみてみましょう。

生後1か月~4か月の夜泣き

この時期の赤ちゃんは、まだ眠りのリズムができていません。体内時計もこれから発達します。眠りのサイクルで有名なレム睡眠とノンレム睡眠の時間も、大人より短かく何度も繰り返しています。

そのため、少しの刺激で起きやすいのです。

不快感

赤ちゃんが泣く理由として多いのが、おなかが空いた、おむつが汚れた、暑い寒い、痛いかゆいなど、不快感がもとになっていることが多いです。

感覚過敏のある子どもに乳児のときから過敏の兆候があるのかは不明ですが、もしかしたら関連があるかもしれません。

生後5か月~2歳位の夜泣き

この時期の赤ちゃんは、脳が急激に発達しています。昼間に受けた刺激が処理しきれず、体は寝ているけれど脳は起きているという状態になって泣いていると考えられます。

また、断乳のストレスでも泣くことが多いです。この場合はしばし我慢で頑張るのも手です。

ノンレム睡眠とレム睡眠

赤ちゃんはレム睡眠の間に、日中あったことを処理しています。そして、ノンレム睡眠の時は、かなりの刺激でも起きないくらい深く眠ります。レム睡眠とノンレム睡眠の割合は、大人と違い半々であることが分かっています。

発達障害をもつ子どもの場合、脳の発達のバランスの影響で、日中の情報処理にも得手不得手があると考えられます。レム睡眠の脳のストレスが大きいために、夜泣きをやすいのかもしれません。

体内時計

赤ちゃんもこの時期になると、体内時計が働き出します。そのためだんだん昼夜の区別がつくようになりますが、まだまだ大人のようには機能しません。体内時計の機能が十分に発達してくるまで、夜泣きはあると考えてよいでしょう。

発達障害を持つ子どもの体内時計の未熟さも指摘されています。夜泣きがなくなるのは、もしかしたらもう少し先かもしれません。

2歳以降の夜泣き

子どもによっては、毎晩ではないけれどたまに夜泣きをするということもあるでしょう。

しかし、生活のリズムも整ってきて、毎晩泣いていたころを脱したと思ったら、また泣き出すことがあります。泣き方も、突然泣き叫ぶような激しさで抑えられないほど暴れる、今までと違う夜泣きが始まったら、ただの夜泣きではないかもしれません。

このような夜泣きが続く場合、夜驚症(夜間時驚愕症)の可能性があります。夜驚症は3歳~7歳に多い症状で、男の子に多いといわれています。

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京本
3歳過ぎての激しい夜泣きは、親の体力は相当きついね
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薄波
夜驚症は、夜泣きと区別がつくのかしら…
avatar
京本
どんな夜泣きが夜驚症なのかくわしく確認してみよう

夜驚症とは

夜驚症は、睡眠時随伴症に分類されます。ノンレム睡眠から突然目覚めて泣き叫ぶ覚醒障害のひとつです。なぜ覚醒障害なのかというと、脳の機能の内、覚醒するときの働きが発達段階であることが原因で起きているためです。同様の原因でおきる睡眠時遊行症(夢遊病)を合併することが多いといわれています。


レム睡眠で起きだす通常の夜泣きとはちがい、大脳が休んでいる深い睡眠時に起きだすことが特徴です。大脳は眠っているので、起きているようで寝ている、半眠の状態でパニック症状を起こしています。

治療は必要?

発達障害の有無に関係なく、3歳~7歳の子どもによくみられます。徐々に症状は軽減していき、特別な治療はされないことが多いです。

しかし、子どもの日中の活動に影響するほど睡眠がとれない、泣き叫びながら暴れてケガの危険がある、7歳以降も頻繁に症状がでる場合は、かかりつけ医とよく相談されることおすすめします。 

主な症状

  • 突然泣きさけぶ
  • 恐怖おびえているみたい
  • ひどく寝汗をかいている
  • 呼吸が荒い
  • 10分程度でおさまる
  • 本人は覚えていない
  • 泣きながら歩いたりする子も
  • 眠ってから1~3時間にあらわれる
  • 目を大きく見開く
  • 呼びかけても反応がない

無理に起こそうとすると余計パニックがひどくなり、起こそうとした人に暴力を振るうこともあります。夜驚症の症状は激しいため親も驚いてしまいますが、子どもがけがをしないように見守りましょう。

昼間の出来事が引き金になることも

日中に受けた刺激を処理しきれずに起きる反応であるとも言われています。発達障害をもつ子どもが、夜驚症を発症するのは社会でストレスにさらされていることも要因のひとつかもしれません。

楽しいこと(遊園地に遊びに行った)、悲しいこと(学校でいじめられた)、怖いこと(怖いテレビを見た)、緊張した(発表会に出た)など、感情を動かすできことがきっかけとなってあらわれることがあります。

ムーちゃん通信#10「夜驚症ってなあに?」

発達障害との関係は

夜驚症自体は、発達障害の有無関係なく発症します。そして、睡眠の問題に付随することが多いということがわかっています。睡眠の問題とは、不眠、途中覚醒、日中の眠気といった日中の活動に影響がでる睡眠障害のことです。

発達障害を持つ子どもが睡眠障害を抱えていることが多いのは事実です。発達障害の原因が脳の発達の偏りであるならば、そのために睡眠に問題を抱える発達障害の子どもが、夜驚症を発症する可能性は高いといえます。

睡眠に関する脳機能が十分に発達するのを、根気強く待つことが必要かもしれません。

夜泣きした時の対応

続くとつらい子どもの夜泣きですが、実際に夜泣きをしたり、なかなか眠らなかったときにどうすればいいのか困ってしまいますよね。

お役に立てるかもしれない、夜泣きの対応をご紹介します。

3歳以下の赤ちゃんの夜泣き

脳の成熟とともに体内時計が機能し、レム睡眠とノンレム睡眠の時間が長くなってきます。赤ちゃんのときから体内時計を整える工夫をすると、早寝早起きを習慣づけることができ、それによって夜は眠るというサイクルができます。

朝日を浴びて起き、日が暮れたら寝ることを積極的に行うのがおすすめです。また、発達障害を持つ子どもは体内時計の未熟さや抱える様々な個性のために睡眠がうまくとれないことが多いです。その子に合わせたやり方で、夜眠る習慣をつけられるとよいですね。

発達障害の子どもの睡眠についてはこちらにも記事がありますで、参考にしてくださいね。

発達障害のツラい睡眠不足を解消したい!自宅ですぐできる6つの方法とは

ゆったりとした音楽を流すのもおすすめです。

夜驚症の夜泣き

夜驚症の夜泣きは、少し勝手がちがいます

無理に起こさない

体は起きていますが、脳は寝ています。本人がつらそうにしていても、安全を確保して優しく声を掛ける程度にしてください。無理に起こそうとすると、本人に強い反応が起きて暴れることがあります。

朝には覚えていない

脳は寝ているので、本人が言ったことや行ったことは朝になると覚えていません。あんなに怖がっていたのにと、親の方が心配になってしまいますが、夜驚症のために本人がトラウマになったり、何かの後遺症が残ることはありませんので安心してください。

見えていない

夜驚症で子供が起きだしたときに、確かに動いたり助けを求められたのに、だっこしようとすると反り返って拒否する、いやいやとさらに激しく泣きます。これは、起きているようでいても脳が深く寝ているためです。

本人にこちらの声は聞こえていないと思った方が良いです。起きて動いているんだから見えているはずのものも、実は見えていないと思うとしっくりくるはずです。本人の中で何が見えているのかわかりませんが、普段の目覚めている状態で暴れているのとは違うことを覚えておいてください。

日中の出来事のケア

日中にいつもと違う刺激的な出来事があったときや、つらい思いをしたあとなどは、よく話を聞く、スキンシップを多く取る、一緒ベットに入って寝かしつけるのも効果的です。安心して眠ることがストレスを緩和してくれることでしょう。

日ごろの規則正しい生活

睡眠のリズムがとりにくい発達障害の子どもは、ささいなことで睡眠に支障が出てしまいます。日ごろから早起き早寝の習慣をつけて、寝る15分前は脳を刺激するスマホやテレビなどをやめることも効果的です。

どれくらいつらいか共有しよう

夜泣きはいつか終わるとわかっていても、毎晩泣く、1歳を過ぎても泣くというのは「一体いつ解放されるのか」とイライラが募ってしまいます。夜泣きに付き合う親の負担も、夜泣きの立派な弊害です。

夜泣きをあやしているときは両手をだっこに取られ、スマホを触ることもできませんが、SNSで辛さを発信して気持ちも発散するのはよい方法です。

頑張りすぎる前に

子どもが昼夜逆転している、十分な睡眠がとれず日中の活動に支障がでている、夜驚症だけでなくほかの困った症状が重なっているという場合は、家庭のちからだけでは対処できないかもしれません。夜泣きの世話をする親の体調不良も十分な困りごとです。迷わず主治医や関わりのある保健師などに相談しましょう

まとめ

発達障害の夜泣きと夜驚症についてをご説明しました。夜泣きはいつか終わります。具体的な見通しがつけば少しは親も気持ちが楽になるけれど、そうもいかないのが大変なところです。

いつか夜泣きから解放されるときまで、どうかご無理なさらずに育児ができることを祈っています。この記事が少しでもその手助けになりますように。