こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害と人見知り」についてです。
お子さんやご自身が、「人と関わることが苦手」だと不安を感じてはいないでしょうか?
人と上手くコミュニケーションが取れない「人見知り」は、乳幼児期のお子さんにみられる自然な状態です。
たいていは成長とともに人見知りも薄れていくのですが、大人になってからもコミュニケーションが苦手で、上手く社会に馴染めないと悩む方もいます。
人見知りが改善しないのは、発達障害が原因なのでしょうか?
この記事では、発達障害と人見知りをテーマに、発達障害の特性との関係、対処法、発達障害ではないケースについてもお伝えしていきます。
目次
発達障害と人見知りの関係
初めて会う人や接する機会の少ない相手に対してコミュニケーションが取りにくくなる「人見知り」。
人見知り自体は、幼い子供の成長過程で発生する自然な反応です。多くは成長が進むにつれて改善されていきますが、中にはコミュニケーションの苦手がいつまで経っても改善されないケースもあります。
発達障害が原因になっていることもあるようです。
「人見知り」に繋がる発達障害の特性
人見知りに繋がりやすいのは、発達障害の分類の1つ「自閉症スペクトラム障害(ASD)」です。「アスペルガー症候群」という名でも知られています。
ASDの「コミュニケーションの苦手」
ASDでは下記のような症状を持っていることがあります。
- コミュニケーションの苦手
- 対面しての会話が苦手
- 人と目を合わせにくい
- 相手の感情を読み取るのが苦手
- 想像することが苦手
- 興味の偏り
これらの特性から、「他人との関わりがぎこちない」「会話に参加しようとしない」といった形で困難が表面化するのです。
人前で黙り込んでしまう様子が「人見知り」にも似ていますね。
ASDの特性を持っていても、「人見知り」ではないこともある
上項でASDの特性が人見知りに繋がりやすいとお伝えしましたが、ASDにも様々なケースがあります。個人によって特性や症状が異なり、程度にも個人差があるのです。
同じASDでも、他人との距離感がつかみにくく積極的にコミュニケーションを取ろうとするタイプの「コミュニケーションの難しさ」を持っている人もいます。
こちらのタイプでは、むしろ「人見知り」とは真逆のイメージを持たれるでしょう。「幼児期に人見知りしなかった(母親が離れても平気だった)」というパターンもあります。
ASDの兆候は1歳半ごろから見られる
自閉症スペクトラム障害(ASD)の兆候は、早くて1歳半ごろから気付かれやすくなってきます。
日頃の過ごし方や乳幼児健診のタイミングで、下記のような行動から気付かれることが多いそうです。
- 自分から指さしをしない
- 目が合いにくい
- 大人の指の動きを目で追わない
- 周囲の人に興味を示さない
- 大人の言葉を真似しようとしない
- 母親(主な養育者)を目で追わない など
ただし、発達障害の有無に関わらず、子供の成長にはある程度の個人差があります。
未熟児で生まれるなど成長がゆっくりな子もいるので、遅れがちでも次第に大人の真似などをするようになるかもしれません。保健士さんにも相談しながら、様子を見守りましょう。
ASDの3歳ごろの兆候
3歳頃のASDでは、下記のような特徴が見られるようになります。
- ごっこ遊び(大人の生活の真似など)をしない
- 同じ遊びばかりを繰り返す
- あまり言葉をしゃべらない
- 気に入らないことがあると手が出る(叩くなど)
- 新しい場所・初めて会う人をひどく嫌がる
など
これらの特徴のいくつかは、「人見知り」として捉えられることもあるでしょう。
そもそも、人見知りとは?
乳幼児期の人見知りは、生後6ヵ月~2歳ごろまでに見られやすい、幼い子供の自然な成長過程です。
母親(主な養育者)と他人の顔の区別がつくようになり、また、好奇心や恐怖心といった複雑な心の動きができるようになったりして、「人見知り」の状態が起こるそうです。
多くは成長と共に改善していきます。
幼稚園に入園する3歳頃を過ぎても人見知りの状態が続くようであれば、発達障害や他の原因が改善のさまたげになっている可能性があるといえるでしょう。
発達障害からの人見知りはどうすればいい?【対処法】
発達障害の特性が原因で他人とのコミュニケーションが苦手だと、人と関わる経験が少なくなり、一層コミュニケーションが苦手になっていってしまうでしょう。人間関係がうまく築けずに困ることもあると思います。
状況が悪化してしまう前に、下記のような対処法があります。
- 療育を受ける
- 専門機関に相談する
- 少しずつコミュニケーションを取っていく
① 療育(りょういく)を受ける
発達障害の特性からの困難を軽減する方法の1つに「療育(りょういく)」があります。人との関わり方や社会性の訓練をすることで、集団生活を送りやすくする取り組みです。
療育でも発達障害そのものを完治することはできませんが、ある程度の改善は見込めると期待されています。
療育の相談先
療育を検討する際は、下記の場所に相談してみましょう。
- 住んでいる市区町村の保健センター
- 住んでいる市区町村の子育て相談窓口
- 発達障害者支援センター
- 地域の放課後等デイサービス施設
療育は早いうちから始めた方が効果的
療育は早いうちから、できれば3歳頃~小学校入学前から始めるのが良いといわれています。
▽ 神奈川県横浜市の「ライズ児童デイサービス」では、多数のプログラムをご用意しています!まずはご相談下さい。
② 専門機関に相談する
もう大人になってしまっている等、療育を受けられない・受けにくいという方もいらっしゃるでしょう。
発達障害の困りごとやトラブルは、次のような機関に相談することができます。
- 住んでいる市区町村の保健センター
- 発達障害者支援センター など
発達障害の特性や環境は人によって多岐に渡ります。専門機関にも相談しながら、ご自身に合った解決策を見つけていきましょう。
③ 少しずつコミュニケーションをとっていく
スモールステップで成功体験を重ねていく
本人に無理のない範囲から、少しずつ人との関わりを進めてみると良いでしょう。
たとえば、「まずは会話を傍で聞くところから」「手紙を書いてみよう」「手を振ってみよう」といった具合です。スモールステップで徐々に成功体験を重ねていくと、自信がついてくるのではないでしょうか。
少しずつ挑戦していきましょう
お母さん・お父さんもついお子さんの将来が心配になって、「友達を作ってきなさい!」「しっかり挨拶しなさい!」と厳しく送り出してしまいたくなることもあると思います。
一度に人見知りを改善しようと「無理に集団の場に連れて行く」などの荒療治では、かえってコミュニケーションに恐怖を感じてしまうおそれもあります。ますます人見知りが悪化してしまうかもしれません。
お子さんの様子を見ながら、小さな目標を立てて少しずつ挑戦していきましょう。上手くできたら褒めてあげて下さいね!
発達障害ではないケースもある!
ここまで、発達障害が人見知りの原因になっているケースを紹介してきましたが、発達障害以外の原因が潜んでいる可能性もあります。その1つが「緘黙(かんもく)」です。
発達障害に心当たりが無ければ、お子さん・ご自身の人見知りは、こちらのパターンかもしれません。
- 緘黙(かんもく)
緘黙は専門の医師に相談できます。家庭内だけでの改善が難しいケースもありますので、無理をせず、保健センターや精神科のあるクリニックへの相談も検討してみて下さいね。
緘黙(かんもく)
「場面緘黙」または「選択性緘黙(選択的緘黙)」と呼ばれる状態で、特定の状況下で話せなくなる障害です。家族などの身内・親しい友人と話す時には問題なく話せることが特徴です。
「本人がわざと黙っている」と思われて誤解されてしまうことも多いのですが、本人が話したいと思っていても緊張で声が出てこないのです。
相手の質問に頷いて答えることはできる~一切の身動きができなくなる、など程度には個人差があります。
● 学校や買い物時のレジなど、特定の環境で話せなくなる
● 親や兄弟、親しい友人などと話す時には問題なく話せる
▽ 緘黙について書かれている、おすすめの書籍です。お子さん本人や周囲のお友達にも読んでもらいやすいマンガ形式で書かれています。
親の育て方ばかりが原因ではない
お子さんの人見知りが激しいと、なかなか自分から挨拶したりハキハキと答えたりできないので、「親がしっかりしつけないからだ!」と言われてしまって悲しい経験をすることもあると思います。つらいですよね。
ですが、発達障害や緘黙が人見知りの原因になっていることもあります。お母さん・お父さんの育て方が悪いばかりではないのです。
お母さん・お父さんがリラックスしている方が、お子さんも話しやすいでしょう。周囲の評価に振り回されず、お子さんのペース・お母さんお父さんのペースで、少しずつコミュニケーションに挑戦していって下さいね。
まとめ
この記事では、発達障害と人見知りについてお伝えしました。
- 発達障害の特性から「人見知り」に繋がることもある
- 発達障害からの人見知りはある程度の改善が期待できる
- 療育を受ける
- 専門機関に相談する
- スモールステップで成功体験を重ねる など
- 発達障害以外の原因で人見知りが続くこともある
- 緘黙(かんもく) など
人と上手く話せない「人見知り」が続くと、社会生活を送る上で困ることもあります。親の育て方のせいだと責められてつらい思いをしてしまうお母さん・お父さんもいらっしゃるでしょう。
お子さんのペース、お母さん・お父さんのペースでいいんです。お子さんと一緒に少しずつ、小さな目標からスタートしてみて下さいね!