こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「起立性調節障害 発達障害」についてです。

発達障害のお子さんの中には、朝が弱くて生活リズムが崩れる傾向のある子がいます。朝、元気がなくてなかなか起きられず、不登校になりがちな子どももいます。

うちの子は朝なかなか起きられなくて怠け者だ…と悩んでいる方もいると思いますが、実はそれは起立性調節障害かもしれません!

今回は、そんな起立性調節障害についてご紹介します。

起立性調節障害って何?発達障害との関連は?

起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation = 通称:OD)とは、自律神経の乱れによって発症する病気です。朝なかなか起きられない・立ちくらみ・めまいなどの症状が表れます。午前中は元気がなく、学校を休んでしまうこともありますが、午後には元気になりサボっているのではと思われがちな病気です。夜も元気になるので寝付けなくなり、生活リズムが乱れていきます。

主に小学校高学年〜中学生頃の思春期頃に発症しやすいと言われています。周囲の環境の変化や精神的ストレスによっても発症することがあり、大人でも起こることがあります。

主な症状は?起立性調節障害チェックリスト

以下のチェックリストで3つ以上当てはまる場合は要注意です。

  1. 立ちくらみやめまいがある
  2. 立ち上がった時に気分が悪くなったり失神したりする
  3. 入浴時や嫌なことがあった場合に気分が悪くなる
  4. 動機や息切れがする
  5. 朝なかなか起きられずに午前中は調子が悪い
  6. 顔色が青白い
  7. 食欲不振
  8. 腹痛がある
  9. 倦怠感がある
  10. 頭痛がある
  11. 乗り物酔いがある

これらに当てはまる項目が多い場合は起立性調節障害を疑い、専門の起立試験を行って診断します。

avatar
京本
サボっていると思われがちな起立性調節障害ですが、立派な病気です!疑わしい場合は医師に相談しましょう。

起立性調節障害を発症する原因は?

起立性調節障害の原因は、自律神経の機能の低下にあります。水分の摂取不足・運動不足・精神的ストレスなどが自律神経の乱れに繋がり、発症の要因の一つとなっています。

小学校高学年〜中学生頃に発症することが多いのですが、この頃は成長期で体の機能が大人へと変化していく時期です。成長期の変化は自律神経系にも起こるので、循環器系の調節が上手くいかなくなり発症に繋がるのです。

また、発症者の約半数は遺伝傾向があることも分かっています。

発達障害との関連は?

起立性調節障害は発達障害ではありません。しかし、関連が無い訳ではありませんよ。

起立性調節障害の患者の約1割が発達障害の傾向にある

実は起立性調節障害の患者の約1割は発達障害を持っている、もしくはその傾向にあると言われています。

起立性調節障害は生活リズムを崩してしまいますが、自閉症でも睡眠障害を合併し、生活リズムが崩れてしまう子どもがいます。何が影響しているのか判断が難しいため、主治医の先生に一度相談しましょう。

こちらの記事では、発達障害と睡眠の特徴について紹介しています!

発達障害の薬で起立性調節障害の症状が出ることがある

発達障害の薬で、インチュニブ(グアンファシン)を飲んでいる場合、血圧低下や起立性低血圧といった副作用が出る場合があります。

これはこの薬が血管を広げる作用を持つために起こる副作用です。

また、ストラテラ(アトモキセチン)という薬では、脈が遅くなり、立ちくらみや失神を起こす可能性があります。

発達障害を持つお子さんで朝が弱いことに悩んでいる方は、もしかすると飲んでいる薬の作用で起立性調節障害の症状が出ているかもしれません。一度主治医の先生に相談し、副作用なのか、病気の影響なのか、判断を仰ぎましょう。

主な治療法

起立性調節障害は、サボり癖や怠けていると思われがちですが、実際は自分の意思ではどうにもならない自律神経の病気です。周りの大人が病気をしっかり理解し、サポートすることが不可欠となります。

非薬物療法

主に日常生活の改善で治療していくことが多いです。起立性調節障害がどういうメカニズムで発症するのか、詳しい症状についての説明を行い、日常生活での注意点や食生活の改善を指導していきます。

怠け癖ではなく体の病気であることへの周囲の理解が大切なので、家族はもちろん、学校などの理解が不可欠です。配慮や環境調整をしてもらう必要があります。ストレスが強い場合、心理療法やカウンセリングを行うこともあります。

薬物療法

血管の収縮を促す薬や、交感神経の作用を高める薬を用いることが多いです。主に以下の薬が使われています。

主な治療薬

ミドドリン塩酸塩(血管を収縮させて、血圧を上げる)
プロプラノロール(交感神経の作用を高めて、血圧を上げる)
アメジニウムメチル硫酸塩(アドレナリンの作用を弱め、血圧を上げる)

家庭でできる改善法

子どもが起立性調節障害に苦しんでいたら、まずは症状を理解し、家庭でできる改善法を取り入れてサポートしていきましょう!次のようなことを取り入れてみてください。

水分を一日2L、塩分は10gが目安!

起立性調節障害の子どもは、血液の量が少ないです。水分と塩分をしっかりと摂ることで、循環している血液の量を増やせます。

目安として、食事以外で2リットルの水分を摂ることと、食事を通して10グラムの塩分を摂ると良いでしょう。1日3食、美味しい食事をとれば7グラム程の塩分を摂れますが、朝が弱い子どもだと朝食を食べないことも多いです。そうすると、1日に必要な塩分は不足してしまうので、その分意識的に塩分を摂取することが大切です。

運動不足を改善する

筋力が低下すると血圧も低下しやすくなります。さらには、自律神経の乱れに繋がり、症状が悪化しやすくなります。
毎日の適度な運動を心がけ、周囲から促していきましょう。30分以上のウォーキングがオススメです。

親子で一緒にヨガ運動をしてみるのも良いかもしれませんね!

体を起こす時はゆっくりと!

起立性調節障害を持つ人は、寝ている状態や座った状態から急に立ち上がると、めまいや立ちくらみを起こしやすいです。ゆっくりと体を起こすことを心がけましょう。

特に朝は、脳の血流が低下している状態なので、頭を下げたままゆっくりと立つことが大事です。

整った生活リズムを心がける

起立性調節障害を持つと、朝は起きられずに起床が遅れ、夜もなかなか寝付けず遅くなりがちです。できるだけ早く寝付けるよう、夜は早めに消灯したり、朝はカーテンを開けて日光を浴びられるようにするなど、工夫をしてみましょう。

まとめ

いかがでしたか?
うちの子ってなんだか朝が弱くてサボり癖があって…と悩んでいたには起立性調節障害の存在を知っていただける内容となったのではないでしょうか。また、発達障害と起立性調節障害の症状を持つお子さんの親には、少しでも困りごとを改善できるきっかけとなったのではないでしょうか。

同じような症状で困っていれば、一度主治医の先生や近くの小児科を受診してみてください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!