今回のキーワードは「発達障害 優先順位」についてです。
毎日の生活の中には、やることが山積みです。例えば、家事だけでも、料理に掃除、洗濯と様々なことをバランスよくこなしていかなければなりません。
何故、優先順位を決めるのが苦手なのでしょうか。
そして、どうすれば優先順位を決めて物事を進められるようになるのでしょうか。
今回は、発達障害と優先順位に関してまとめてみました。
目次
発達障害を抱える子どもはなぜ優先順位をつけるのが苦手?
発達障害の中でも、特に自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)と注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の子どもに、優先順位をつけるのが苦手な子どもが多いといいます。
優先順位をつけるのが苦手な理由
何故、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもは優先順位をつけるのが苦手なのでしょうか。
それぞれの特性と合わせてみていきましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)の場合
まず、自閉スペクトラム症(ASD)の特徴を簡単に言うと、対人関係が苦手、こだわりが強い、の二つになります。
このうちの、こだわりが強い部分が、優先順位をつけるのが苦手な理由に関わってきます。
こだわりの強さによる症状として、「一つのことに集中しすぎてしまい、周りのことが見えなくなってしまう」というものがあります。
目の前のことに集中し、没頭してしすぎてしまうと、他のことが目に入らなくなってしまいます。
その結果、他のことのほうが優先順位が高い場合でも、後回しになってしまうのです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴を簡単に言うと、注意力が極端にない、じっとしていることができない、衝動的に動いてしまう、の三つになります。
このうちの、注意力のなさと衝動的に動いてしまう、という部分が、優先順位をつけるのが苦手な理由に関わってきます。
注意力がない場合、他の何かが目についたときに、そちらに気を取られてしまいます。
衝動的に動いてしまう場合は、目についたものから次々に手をつけてしまいます。
その結果、今やっていることをすっかり忘れてしまうのです。
お仕事やダイエットを例に、発達障害の方が優先順位をつけるのが苦手な理由と対処法を開設した動画がありました。
「セルフコントロール」という脳の機能に着目したものです。
よろしければご覧ください。
どんなことに気をつければいいの?
有効な方法として、ToDoリスト、というものがあります。
小さいうちからこの考え方を身に着けておくと、後々いろいろな場面で役に立つので、ぜひ取り入れてみてください。
そもそもToDoリストとはどんなもの?
その名の通り、「ToDo」、やるべきことをリスト化したものです。
これを作ることによって、やるべきことを忘れることがなくなります。
また、自分がどれだけのことをやらなければならないかが目に見えるようになります。
さらに、どれをいつまでにやらなければならないか、も併せて確認できるようになります。
これらをはっきりとさせることによって、優先順位をつけて時間配分をして、いつまでに何をやるかという計画を立てることが出来るようになります。
ToDoリストを作るときのポイント
ToDoリストを作るときのポイントは、
- やるべきことをできるだけ細分化すること
- ToDoリストを作るだけの時間を作ること
の二つです。
やるべきことをできるだけ細分化する
歯磨きを例にしてみましょう。
ただ「歯磨きをする」とリストに書くのではなく、作業の工程を細分化して、一つ一つ順番を決めてリスト化します。
そうすると、こんなふうになります。
1. 歯ブラシを持つ
2. 歯磨き粉をつける
3. 口にくわえる
4. 上の歯を磨く
5. 下の歯を磨く
6. 口を濯ぐ
7. 歯ブラシを洗う
8. 歯ブラシをもとの場所に戻す
ただ漠然とやるべきことをメモしておくよりも、何をどんな順番でどのようにすればいいかがわかりやすくなるため、取り掛かりやすくもなります。
また、どこまでやったかもチェックしやすくなるため、他のことに気を取られてしまったときでもどこから続きをやればいいのかわかるようになります。
ToDoリストを作るだけの時間を作ること
ToDoリストを作る以外の作業をしないで、リストを作ることに集中する時間を作ることも大切です。
これは、一見デメリットに感じるかもしれません。
ですが、実はとても大切なことなのです。
他に気を取られることなく集中してリストを作れば、やるべきことの書き出し漏れがなくなります。
また、やるべきことの細分化もしやすくなります。
そして何より、本当に優先順位が高いのはどれか、じっくりと考えることが出来ます。
何よりも、そうしてしっかりと作ったリストは、後から追加でやるべきことが出来たり、進めているうちに優先順位や時間配分を変更しなければならなくなったりしたときに、修正がしやすいからです。あ
ToDoリスト用のメモ帳も、市販のものがあります。
商品名 | メモ やることリスト トリ柄 |
価格 | 220円 |
メーカー | デザインフィル |
かわいい、文鳥やインコなどの小鳥のイラストつきのやることリストのメモ帳です。
使用したことがありますが、日付を入れる欄と終わったときにチェックを入れる欄、やることを書く欄があって使いやすかったです。
チェックを入れる欄に優先順位を入れてもいいかもしれませんね。
良い口コミとしては、
- 罫線と日付の記入欄があって実用性が高い
- やることを忘れないように毎日メモして持っていける
- 仕事上使いやすいメモ
というものがありました。
社会人の方が使うことが多いようですが、中にはお孫さんにプレゼントして喜ばれた方もいらっしゃるようです。
悪い口コミとしては、
- 絵柄はかわいいけれど飽きてくる
というものがありました。
評価が高かったのと、個人的に愛用しているのでお勧めします。
お仕事をする方向けではありますが、ToDoリストで失敗する理由や、失敗しないためにはどうすればいいかをまとめた動画があります。
考え方自体はお子さんにも応用できると思いますので、よろしければご覧ください。
その他に気をつけること
ToDoリストの他にも、以下のことにも気をつけると優先順位をつけるのが苦手な子どもにもよいでしょう。
一度にたくさんのことを言わない
優先順位をつけるのが苦手な子どもには、一つずつ指示を出すようにしましょう。
例えば、お手伝いのときに、「ごはんよそってドレッシング出して」などと言ってしまいがちです。
しかし、子どものほうは、「ごはんをよそうのが先?」「ドレッシングを出すのが先?」とわからなくなってしまうかもしれません。
何か指示を出すときは、一つずつ丁寧に言うようにしましょう。
自分で順位を考えさせる
そもそも、優先順位というものがあることがわからない場合もあるかと思います。
そういった場合には、まず、物事には大切さに順番があること、それを決めて行動するといろいろなことがうまくいくことを教えましょう。
それが理解出来たら、一緒に優先順位をつける練習をしましょう。
そうしたら、「どれを最初にやらないといけないか」を考えてもらい、「どれをその日にどれくらいやるか」「それぞれにどのくらいの時間をかけるか」を次に考えてもらいます。
もしかしたら、「計算ドリルを最初に全部やって、漢字ドリルが最後」というかもしれません。
そういった場合は、なぜそう思ったのかを聞いたうえで、
「でも、漢字ドリルのほうが、早く先生に出さないといけないね」
「計算ドリルはページ数が多いね、一日でできるかな」
などと問いかけて一緒に考えることで、どういったものを優先するのか、どう配分するのかを教えるといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まとめてみると、以下のようになります。
- 発達障害の子どもの中でも、特に自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもに優先順位をつけるのが苦手な子どもが多い
- ToDoリストを作ってやるべきことを書きだし、優先順位をつけるとよい
- やるべきことを書きだすときは、なるべく細分化する
- ToDoリストを作る専用の時間を作る
- 一緒に優先順位を考える練習をする
優先順位をつけて物事を進めるのは、大人にとっても難しいことです。
発達障害が原因でできないとなると、お子さんはとても苦しいでしょう。
一緒にToDoリストを作ったり、優先順位を考えて、少しずつできるように支えてあげましょう。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。