こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害目が泳ぐ」についてです。

発達障害をもつ子供は「目が泳ぐ」「目が合わない」という話を聞いたことはありませんか?赤ちゃんの頃に違和感に気づくこともあれば、保育園や幼稚園に通ってから気づくこともあります。

今回は【目が泳ぐ原因となる発達障害や病気】についてお話します。

原因がわかれば対応もわかります。「うちの子は周りの子供とどうして違うの?」「何か病気なの?!」と不安に思われているお母さん、お父さん。ぜひ参考になさってくださいね。

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京本
それでは解説していきますね!

目が泳ぐ原因となる発達障害は?

誰でも緊張や動揺で目が泳ぐことはあります。緊張や動揺による目の動きであればいいのですが、子供の場合は発達障害や病気と関係している可能性があります。

目が泳ぐ原因となる発達障害

・自閉症スペクトラム症(ASD)
・注意欠如・多動性障害(ADHD)

発達障害は大きく3つに分類されます。上記の2つと、学習障害(LD)です。それぞれの症状について詳しくお話していますので、こちらの記事もご覧ください。

「自閉症スペクトラム症」の目が泳ぐ症状

自閉症スペクトラム障害の症状の一つとして、「目が泳ぐ」があります。

軽度の自閉症スペクトラム障害の場合、ある程度は目が合う状態です。しかし、「目が泳ぐ」「目線が不自然」といった様子が見られます。対して、重度な場合は「目が合わない」状態となります。

自閉症スペクトラム症の目が泳ぐ原因

自閉症スペクトラム障害の特徴は、【コミュニケーションの障害】と【強いこだわりがある】の2つです。そして、この【コミュニケーションの障害】の特徴に、人と話すときに目が泳ぐ症状がよくみられます。

目が泳ぐのは、自閉症スペクトラム症の特徴的な症状で、次のような原因が考えられます。

  • 会話をすることに集中するあまり、視点が安定しない
  • 会話の内容以外に興味を惹くものがあり、そっちに視線が移る
  • 親しくない人との会話に恐怖や警戒を強くしている
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京本
自閉症スペクトラム症の子供は、相手と目を合わして話をすることの必要性を感じていない事が多く、それが、目が泳ぐ症状となって表れてきます。

目を合わす必要性を感じていない

私たちは人の目を見て話すことの必要性を理解しています。目を見ることで好感を持ってもらえて、人の話をしっかり聞いているという姿勢に繋がる事が分かっています。

しかし自閉症スペクトラム症の子供は、なぜ目を合わさないといけないのかを理解していないことが多く、必要性を感じていません。

視線が泳ぐ「注意欠如・多動性」発達障害

注意欠如・多動性障害の場合も、目が泳ぐように感じることがあります。いずれも、厳密には目が泳いでいるわけではありませんが、「注意欠如・多動性」の特性から、目が泳いでいるように感じてしまいます。

多動性によって目が泳ぐ症状

【多動性】には、興味を持ったものや目的物がどんどん他のものに変わっていくという特徴があります。この特徴により、次々と視線が移ってしまうため、目が泳いでいるように感じてしまいます。

注意欠如で目が泳ぐ症状

人と会話をしていても注意散漫になるのが「注意欠如」の特徴です。落ち着きがなくてじっとしていられない為、一つのことに集中するのが難しく、目をそらしたり視線が他のものへ移ったりします。

発達障害で目が泳ぐ子供の症状を治す練習

子供が「目を合わせること」ができないときに、無理なくできる練習法があります。おもちゃなどに興味を示した時にぜひ試してみてください。

  1. 子供がおもちゃへ手を伸ばそうとしたら、そのおもちゃを取って「これが欲しいの?」と親の顔の横で見せながら声をかける。
  2. その時に子供と視線が合うように意識をする。おもちゃを見ている時に「○○がほしいの?」と声をかけて、視線を顔の方に誘導する。
  3. 視線があったらすぐに子供におもちゃを渡してあげましょう。そのときに褒めてあげると良いでしょう。

この流れを繰り返していくことで、人と目を合わせる習慣ができてきます。目を合わせると、どういう良いことが起こるかを学び、目を見ることの必要性を理解していくのです。

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京本
これならすぐに試せるよね!

また、上記以外にも、保護者であるあなたにできることについて、次の記事もご覧ください。2つの特徴と合わせて説明しています。

  • 3歳で現れる発達障害の特徴
  • 小学校入学までわからない発達障害の特徴

発達障害以外で「目が泳ぐ」病気は?

目が泳ぐ症状は、発達障害以外にも目の病気によって発生することがあります。

目が泳ぐ原因となる病気

・眼球振盪(がんきゅうしんとう)
・斜視

眼球振盪(がんきゅうしんとう)

眼球振盪(がんきゅうしんとう)が原因で眼球が揺れ、目が泳いでいるように感じられることがあります。

眼球振盪は、本人の意思と関係なく、目の【眼球】と呼ばれる部分が細かく揺れている状態のことをいいます。痙攣のように小刻みに震える状態です。

眼球振盪は以下の2つに分けられます。

  • 病気などの原因によって起こる【病的眼振】
  • 病気ではなく単なる生理現象の【生理的眼振】

病的眼振は、集中して物を見ようと【注視】すると起こります。病的眼振には以下のものがあります。

  • 先天的眼振
  • 後天的眼振
  • 乳児眼振
  • 潜伏眼振

先天的眼振による症状

先天的という名前のとおり、生後まもなくして症状がでます。また、生まれつきの場合は遺伝の可能性も報告されています。理由は分かっていませんが男女の比率は2:1と男児に多くみられます。

眼振によって、見えるものが揺れたりめまいが起こったりすることはありません。その為、本人も自覚がない場合があります。完全に治すことは難しく、付き合っていく形になります。

後天的眼振による症状

生まれつきではなく、成長過程や大人になってから起こる眼振です。
脳の中枢神経系の障害や内耳障害によって起こり、その原因としては頭に衝撃を与える事故や病気によるものが多いです。後天的眼振は先天的眼振と違い、めまいを自覚している人が多いです。

目の揺れ方にも種類があります。一定の動きで規律よく振動するパターンや規律なく動くパターンもあります。

種類特徴
振子眼振・振動するときの早さが等しく、振り子の様に一定で動く。
・眼球運動をつかさどる神経系に異常があることが多い。
衝動性眼振・目の揺れ方が一定の早さではない。
・ゆっくりとずれて、素早く元の位置に戻る。
・視神経疾患や全色盲などの視覚系の障害があることが多い。

乳児眼振による症状

名前のとおり生まれてすぐ生後まもなくしてみられる眼振のことです。向き合っている時間が長いお母さんが、目の異常に気付くことが多いです。

目の揺れ方は先ほど書いた【振子眼振】と【衝動性眼振】の2種類です。
衝動性眼振はじっと物を見ようとするときに、ストレスを感じたりすると酷くなることがあります。目をつぶったり、瞬きを繰り返したり、寄り目をすると目の揺れが治まることがあります。

振子眼振の場合は、視力が弱いことが多く(弱視)、先天的な眼の異常が考えられます。

潜伏眼振による症状

普段、両目を開けて物を見ようとするときは眼振はみられませんが、片方の目を隠すと眼振が現れます。この時、隠していない方の目に向かって動きます。

この潜伏眼振がみられる場合は、視力障害や斜視の疑いがあります。

眼球振盪や斜視がある人が何に困るのか、そしてその対処法について説明している動画がありますのでご覧ください。

生理的眼振による症状

この生理的眼振は一般の人にも起こり得る眼振です。生理現象なので安心してくださいね。

動いている電車や車の中にいるときに、窓から外の景色を見たりしますよね。その時に、自分の目はどうなっているか分かりますか?

対象物を追いかけて目の黒目の部分が右から左に(もしくは左から右や上下へ)動きますね。そして次の対象物を見るために、また黒目の位置が元に戻ります。このように次から次へと目は動いていきます。

これが生理的眼振であり正常なことです。対象物を追いかける目の動きと、また次の対象物を捉えるために反対の位置に戻るこの動きの繰り返しのことですね。

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薄波
生理的眼振は、無意識に誰もが経験していることなのね!

目が泳いでいるように感じる「斜視」

斜視による眼球の位置によって、目が泳いでいるように感じている可能性があります。

通常であれば、人はものを見たときには眼球は同じ方向を向いています。しかし斜視があると、片方の目は対象物の方に向いているのに、もう片方は違う方向を向いています。

片方の目がどの方向を向いているかによって、以下のように分類されます。

引用:Santen 目の情報

斜視の症状

斜視があると、どのような症状がでるのかを説明していきます。

①複視

対象物が二重にダブって見えます。
生まれつきの【共同性斜視】の場合は二重に見えることは、ほとんどありません。しかし【麻痺性斜視】では、症状を引き起こす原因が脳や頭の病気によるのもが多いため、複視になりやすいのです。

また、本人も複視を認識しています。

②まぶしさ

人よりもまぶしさを感じやすい傾向があります。
そのため、野外などでまぶしい時には片目をつぶったり、瞬きが多くなります。

斜視の原因

①共同性斜視
生後まもなく~幼児期にみられる斜視です。その原因は詳しくは分かっていません。

近視や遠視、乱視などの視力の異常があると、ものを見るときにピントを一生懸命合わせようとします。近くを見たり遠くを見たりと、頑張りすぎることで斜視が起こるともいわれています。

②麻痺性斜視
頭を怪我したり、脳の病気になった後に起こる斜視です。

その為、乳幼児期にはなくても、成長していく途中や大人になってから現れる場合があります。また、目を動かす筋肉に異常があるときも斜視がみられることがあります。

子供が斜視になるのを防ぐ方法

スマホやタブレットの長時間の視聴によって、視力低下をはじめ斜視も増加しています。

ここ最近では、スマホやタブレットを長時間みる子供が増えています。家事をする間にスマホやタブレットで動画を見せている人、意外と多いですよね。子供がおとなしく待ってくれるからと、ついついやってしまいます。スマホやタブレットは、今では忙しいお母さんのお助けアイテムになりつつあります。

短時間見る程度ならいいのですが、長時間見続けてしまうと目に良くない影響が報告されています。使用時間などは親が気をつけてあげましょう。

相談先

子供の目を見たときに「目の動きがいつもと違う」「目が泳いでる」など普段と違うと感じたら、ためらわずに医療機関や子育て支援センターへ受診・相談をしてください。

動揺や緊張からのちょっとした目の動きならいいのですが、病的なことが隠れている場合もあります。そのサインを見逃してしまうと、早期に適切な治療が受けられません。それでは症状が悪化してしまう危険があります。

どうすればいいのか判断できない場合、次のような期間に相談してみることをおすすめします(リンク先は東京都の場合)。

子育て支援センター育児の相談も可能。
地域自治体が主導して実施
市町村保健センター健康相談、保健指導、健康診査などを行う。
厚生労働省が市町村に設置
児童相談所子供の健やかな成長のための相談機関。
厚生労働省が都道府県等に設置
発達障害者支援センター発達障害の早期発見・早期支援を目的とした専門機関。
都道府県が指定

必要なら適切な医療機関の案内などをしてもらえますので、まずは相談してみてくださいね。

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京本
子供は自分で症状を訴えることができないから、周りが気づいてあげないといけないね!

発達障害の検査はどのようなものかも気になるところだと思います。こちらの記事では発達障害の検査内容や、検査するメリット・デメリットについてお話していますので、参考になさってください。

まとめ

目が泳ぐ原因となる発達障害や病気についてお話してきました。

POINT

・目が泳ぐ原因となる発達障害としては【自閉症スペクトラム障害(ASD)】がある。
・【注意欠如・多動性障害(ADHD)】でも、目が泳ぐと感じられることがある。
・その他目が泳ぐと感じられる病気として【眼球振盪(がんきゅうしんとう)】や【斜視】がある。

早期発見・早期支援が大切です。気になったらまずは専門機関に相談してください。周りの大人が、大切なお子さんを守ってあげてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。