こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害をわかりやすく」についてです。
発達障害と言っても様々な種類や症状には個人差があります。これも個性の一つなのです。この記事では、発達障害の分類と特性・そこからわかる壁や困りごとの解決方法について紹介していきます。
子育て中で悩んでいる方も、発達障害について調べているけどあまり理解できないと思っている方にもわかりやすく解説していきます!
目次
発達障害の3つの特性
発達障害には3つの特性があります。特性によって症状は異なり、苦労する部分は変わってきます。
ここでは特性と判断基準、原因について解説します。
発達障害の診断は専門の医療機関で行うため、受診をしたい際はあらかじめ発達障害の診断は行っているか確認してから受診しましょう。
また、診断方法は受診する病院によって異なります。内容として、保護者から家庭や学校での様子をもとに問診し、心理検査を行います。
お子様の場合、母子手帳や保育園・幼稚園とのやりとりのわかる連絡帳や、学校からもらう通知表などをもとに問診へ進むとスムーズに行えます。
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASDは、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群などを含めた総称です。また、PDD(広凡性発達障害)とほぼ同じ意味です。
特性
- 周囲との距離感がわからず、良い関係の築き方がわからない
- 冗談を真に受けてしまったり、暗黙のルールが理解できない
- 報連相が苦手で、指示が通りにくい
- 自分の身だしなみに無頓着
- 物の配置や順番のこだわりが強い
- 興味関心に偏りが出る
- 手先が不器用であったり、感覚的な刺激に過敏か鈍感になる
判断基準
特性内容が半年以上継続しており、発達早期に見られるか、家庭のほか学校でもその様子があること、そういった行動により、日常生活に大きな影響が出ていることにより判断されます。
原因
ASDは脳の障害と言われています。親のしつけや育て方には関係なく、生まれつき脳機能に何らかの不具合があることで起こるものとされています。
完治のための治療ではなく、本人の症状に合わせた環境作りや教育によって症状の改善が期待されます。
ADHD(注意欠如・多動症)
ADHDは、不注意の面が出る方もいれば多動性の部分が出る方もいます。もちろんその両方が症状として出る場合もあります。
特性
- 人の話に集中できず、よそ見をしたり、聞き逃しが多くなる
- やらなければならないことの順序判断が難しく、ぎりぎりになるまで行動できない
- ケアレスミスや忘れ物、失くし物が多い
- 衝動的に発言してしまったり、行動に移してしまったりする
- 常に何かを触っていたくなったり、じっと座っていることができず足が動いてしまったりする
判断基準
特性内容が、12歳以前から見られたり、6個以上該当し、半年継続して見られることが判断基準になっています。
原因
ADHDは、生まれつき脳の一部に機能障害があり、特性であげたような行動が出る発達障害です。
特性に合わせた困りごとにより、生活のしにくさを感じるといわれています。その際にはそれぞれの特性に対し環境配慮や薬物療法により治療ができます。
LD(学習障害)
LDの中には、ほかの面では問題がなくても、聞く・話す・書く・読む・計算の能力のうち1つ以上に困難を示す発達障害のことです。
特性
- 読字障害(字がぼやけたり、重なったりして見え、文字の読み方形の認識が難しい状態)
- 書字障害(文字の形が認識しづらく、左右反対に見えたり、部首がばらばらに見え、字を書き写すことすら困難な状態)
- 算数障害(順番に数を数えられても計算ができなかったり、記号の認識が難しく、2つの数字のうちどちらが大きいのか判断するのが困難な状態)
判断基準
特性内容が、年齢に対してできることが少なく、日常生活に影響を与える状態が半年以上継続して見られることが判断基準になっています。
学習する小学校に入学後判明することが多く、文字を書いても鏡文字になってしまうなど、数は数えられても計算ができないといった症状から受診のきっかけになります。
原因
LDの原因は分かっておらず、様々な感覚器官を通し、入ってくる情報の整理や理解するための脳機能に何らかの機能障害があるとされています。
症状も一人ひとり異なるため、環境を整え、その子に合った学習環境を与えることが重要です。
発達障害で苦労すること
発達障害を含む精神疾患は周りに理解されないことが多いです。そんな時に周りとの違いや、自分のあり方について悩みも出てくることでしょう。
では、実際にどんな悩みや苦労があるのか紹介していきます。もちろん特性によって悩みは様々ですが、まとめてお伝えしていきます。
学生時代に多い悩み
まず、小学校から多いのが、遅刻や忘れ物です。準備の途中でほかのことをやってしまったり、思い出してしまうことで時間の感覚や、何をしようとしているのかわからなくなってしまいます。
そして次に多いとされているのは、周りとのコミュニケーションの壁です。同年代との付き合い方で悩むことが多く、同性に限らず異性との関わり方についても距離感がわからず困るケースです。
ほかにも、学習面での遅れや、計画性を持った行動をすることを苦手とし、集団行動に苦労します。
社会人になってからの悩み
社会人になってからは特に苦労することや、上司とのかかわり方や仕事の内容についても壁を感じやすく、長く続けることが困難に思う人も多いです。
その一方で、周囲のサポートのおかげで楽しく仕事ができている人も多くいます。その環境作りをするのも私たちの役目です。
・正しい身だしなみや、ビジネスマナーがわからない
・頼まれた作業を完ぺきにこなしたつもりでもできていないと言われる
・指示を聞いてもやるべきことがわからない
・マニュアルをもらっても理解できない
・報連相のタイミングがわからない
このように当たり前のようにしていることでもとても難しく感じてしまいます。しかしひとつ工夫をプラスした指示出しであっという間に仕事ができるようになります。
その工夫については次の項目で紹介していきます。ぜひ参考にして素敵なサポート体制を整えましょう!
生活しやすくなる工夫
ここまでの説明で、特性や、難しく感じている点をあげてきました。その特性に合わせた工夫をすることで生活のしやすさが変わります。
特性によっては合う合わないもありますので、特性に合っているか確認しながら実践してみてください。
ASD(自閉症スペクトラム症)への説明の仕方
最初に説明した通り、報連相や、曖昧な表現が苦手とされています。そんな時にはどんな指示を出すと理解して行動に移せるのかまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
言葉での説明
抽象的な言葉や、言い回しの理解はとても難しく感じてしまいます。そのため、複数のことが同時にできなかったり、注意への切り替えが困難だったり増します。
・短い言葉や単語で1つずつ指示を出す
「テーブルを拭くときは物をよけてから拭くんだよ。」と伝えると、物を片付ける動作と、拭く動作の2つのことをしなければなりません。そうすると言葉を聞き逃してしまったり、何をしたらよいかわからなくなってしまいます。
そのため指示を出すときは動作を分解して1つずつ伝えましょう。
・具体的に指示を出す
「もう宿題はやったの?」と聞かれても何の宿題に対して聞いているのかわからず、困ってしまいます。そんな時は、「音読の宿題やったの?」と具体的な内容を伝えるようにしましょう。
時間の約束
先ほどの具体的な指示を出すと同じように、見通しの見えない行動や見えない概念はとても不安になります。
何時から始まり何時に終わらせると良いのかを、時計のイラストをつけた予定表を作成することで、何時に何が終わり、次の予定は何時から始まると安心し、行動できます。
気持ちを伝えるときは、具体的に伝える
身振り手振りや、あいまいな表現、冗談が理解しにくいため、意図せず相手を傷つけてしまったり、間違った解釈で迷惑をかけてしまうことがあります。
そんな時は、表情だけではなく具体的な言葉や、動作、抽象的な表現は避けると良いでしょう。
感覚過敏による対策
感覚過敏の人は、周囲の音や光におい、痛みなど感覚刺激に過敏になります。そのため、パニック状態に陥ったり、かんしゃくを起こすこともあります。
そういった症状が出た際は、静かな環境に移動させたり、感覚刺激の原因となるものを少なくしたり、光を遮断させるアイマスクや、音を遮断する耳栓を使って対策しましょう。
ADHD(注意欠如・多動症)は褒める環境作りが大切
ADHDは、その特性から怒られたり、注意されることが多くあります。そうすることで、自分に自信を無くしてしまったり、失敗を恐れ行動できなくなってしまったりします。
そのため、基本的には褒めることや、成功体験を増やしてあげることが重要です。
それでは、褒めるための環境作りについて紹介していきます。
小さな目標からコツコツと
大きな目標を先に掲げてしまうとそれまでの道のりや、褒めるまでの時間が長くかかり、飽きてしまいます。
そこで、まずは小さな目標を設定し、そこができるたびに褒めてあげましょう。そうすることでやる気に繋がり、次の目標は少し大きくても達成できるようになります。
また、そこにご褒美があるとさらにやる気upに繋がります。何か表を作って一緒にご褒美を決め、なにか達成できたらシールを張ったり、印をつけてポイントカードのようにすると楽しく行動できます。
注意する回数は減らす
これは、最初に伝えた通り、特性として注意してしまう場面も多く出てくると思います。しかし、そこですべて注意してしまうと本当にやめてほしいときや、気を付けてほしいことが伝わりにくくなってしまいます。
そのため、小さな間違いは伝えず、危険な行動をとったときや、誰かに迷惑をかけてしまうことなど決めておくと良いですね。
ルールブックを作る
先ほどの注意の回数を減らすためにお子様も見てわかるルールブックを作っておくと良いでしょう。そうするとルールを守れたときに褒めることもできますよね。
家での過ごし方はもちろん、お出かけしたときのお店でのルールや、外を歩く時のルールなどその子の苦手に合わせたルールブックが良いですね。
メモ・To Doリストの作成
学校に通うようになってからは、自分で学校の準備や、やることリストを作って一緒に確認してあげましょう。
お金の管理や、時間の管理など項目別に作って、確認する癖をつけることにより自分でできることが増えていきます。
できたときは、褒めてあげることを忘れずにしましょう。
LD(学習障害)でも簡単に身につく勉強法
LDは、勉強する科目によっても症状に差が出ます。そんな時にはたった一つの工夫でスムーズに学習に取り組めます。
なにを苦手としていて、難しく感じているのかしっかり観察し、サポートしてあげましょう。
読字障害の場合
・文字のまとまりごとに印をつける
一文字ずつ読んでいる様子があれば、文節ごとに区切ったり、言葉のまとまりがわかるように区切る印をつけてあげると単語ごとに読め、理解もできるようになります。
・文章に定規を当てて読んでみる
これは飛ばし読みや、どこを読んでいるのかわからなくならない工夫です。ただし、定規を正しい位置に置くことを苦手とする人もいるため、その時は窓付きシートを手作りしてあげると効果的です。
そうすることで、該当する文章に集中でき、前後の文章に惑わされることなく読み進められます。
・絵本やイラストに合わせて読む
絵がつくことで文字と物の合致ができ、よりイメージしやすくなります。そのことで内容の理解もしやすくなるので絵本をたくさん音読しましょう。
書字障害の場合
・マス目の大きいノートを使う
部首や、文字が左右反対に見えてしまうため、マス目や補助緯線を使って正しい文字の形を覚えられるようにしましょう。
すぐに一文字書くことが難しいときは、まずはパーツ事練習したり、なぞり書きをすることで認識しやすくなります。
算数障害
・九九の表を自分で作る
九九は音で覚えるのではなく、1つの数として認識させる必要があります。
例えば、2×9=18(にくじゅうはち)と読むより、にきゅうじゅうはちと通常の読み方が良く覚えられます。
音読しながら自作の表にすることで頭にも入りやすく、本人にとっても見やすい表ができます。
・物の数え方を教える
問題文の理解ができなかったり、数字だけが見えているときには、物の数え方を教えることで日常生活との結びつきができます。
例えば、動物は何匹と数えることや、果物は何個、鉛筆は何本。といったようにイラストに合わせたり、実際に手に取って教えることで理解が深まります。
サポートブックの活用
サポートブックとは、本人の基本情報や、得意不得意をまとめたものです。ほかにも通院先や、なにかあったときの対応の仕方などを記入しておくと安心です。
活躍する場面は様々ですが、学校や職場への情報共有として・お子様の成長記録としてなど作成しておいて損はないかと思います。
自作も良いですし、自治体のテンプレートに沿って作成しても良いでしょう。
作り方や細かい説明については、下記の記事で詳しくまとめてあります。ぜひご覧ください。
発達障害の相談先と支援内容について
発達障害かどうかの診断がない人や、症状はあるけど該当するのかなと不安な方にも安心して相談できる窓口があります。
また、診断後の生活に不安を覚えている方にも頼れる制度をまとめているのでぜひご自身やお子様に合った相談先や制度を覚えておきましょう。
相談先
相談先には様々な種類や機関があります。ご自身に合った相談先が必ず見つかるはずです。それぞれの特徴をまとめてみましたのでご覧ください。
市区町村の保健センター
市区町村が運営している行政機関です。地域の母子保健や老人保健の業務を保健師や看護師が担当しているため安心です。
健康相談のほか、保健指導や予防接種も請け負ってり、いつの間にかお世話になっていることも多いところです。
児童相談所
ここは児童福祉法に基づいた行政機関です。18歳未満の子供に関する相談ならどなたでも利用できる機関です。
児童福祉士や、児童心理士、保健師、医師など専門スタッフがそろっているため相談する際も専門的な知識と共にサポートしてくれます。
子育て支援センター
保育所に入る前の乳幼児と親が楽しく交流できる機関です。育児相談や子育てに関する情報提供をしてくれます。
予約も不要なので気が向いたときに気軽に訪れることができます。時にはイベントも開いているので親子で参加してみるのも良いですね。
児童発達支援センター
医療型と福祉型に分かれた施設です。児童指導員や保育士、臨床心理士、看護師などの専門職員がそろっています。医療型には医師もいるため安心です。
相談には費用が掛かりませんが実際に療育支援を受けたい際は費用が掛かります。しかし、通所のための受給者証を取得すると自己負担額は1割になるため相談してから利用を検討しても良いでしょう。
発達障害者支援センター
年齢関係なく、発達障害を持った方への支援をしています。そのため、日常に関することから就労や、学校生活での悩みを相談できます。
面談のために予約が必要な施設もあるため訪問先のHPなどを確認してから行きましょう。
電話での相談窓口
緊急で相談したいことや、お仕事をしていてなかなか時間の取れない方にも対応できる24時間相談窓口があります。
中には専門機関に相談する前に相談できるところがあったらいいなと思っている方もいると思います。そんな方にぴったりの相談先があるので気になった方は、下記の記事をご覧ください。
支援制度
先ほどの相談先でも記載したものもありますが、サポート内容について詳しく紹介します。実際に利用する際の参考にしてみてください。
児童相談所
- 助言指導(相談内容に合わせて助言や指示、ほかの専門機関が必要な際の情報提供)
- 継続的な援助(治療のためのプログラムやトレーニングを専門職員によって援助してもらえる)
- 療育手帳の交付(知的障害を持った子供に対し、医療費の一部助成や公共交通機関の割引、税金の減額や免除などの援助対策ができる)
- 施設への入所(事情により家庭で生活ができない場合、児童自立支援施設や知的障害児施設などの児童福祉施設で預かることも可能)
- メンタルフレンドの派遣(障害により、家にこもっている子供に対し、社会性や自律性を高めるお手伝い)
など様々な支援があります。必要に応じて検討することも良いでしょう。
児童発達支援センター
- 児童発達支援(未就学児に対し、細かい作業や全身の使い方を学ぶ時間のほかに、食事の指導、トイレトレーニングの補助)
- 相談支援(様々な支援を利用したい際の援助)
- 保育所などの訪問(療育以外の施設でほかの子供と集団行動に問題はないか、その施設のスタッフに対し支援方法の指導やお子様本人への訓練指導など)
注意点として、児童発達支援事業所とは異なり、細かな支援があるのが児童発達支援センターです。センター数がとても少なく、なかなか思うような支援が受けられなかったり、センターによってサポート内容が異なるため、しっかり調べてから行きましょう。
発達障害者支援センター
- 相談支援(様々な相談受付をしており、必要に応じてほかの福祉制度の利用方法や関係機関への紹介)
- 発達支援(家庭での療育方法の指導や、支援計画の作成・助言から様々な機関との連携)
- 就労支援(学校卒業後の就労に関する相談や、就労関係機関との連携をし、必要に応じて就労後のサポート)
- 研修や講演会の実施(発達障害を理解してもらうためにパンフレットの作成や公共機関、一般企業への配布、研修などの実施)
注意点として、利用のために精神障碍者保健福祉手帳や医師からの診断書などの証明書が必要です。また、センターによってのサポートも異なり、基本的にはお住いの都道府県内に設置してある施設の利用になるため詳しい内容については問い合わせてからにしましょう。
まとめ
発達障害についての理解は深まったでしょうか。今まで気がつかなかった情報と出会えていたのならうれしいです。
・発達障害には3つの特性(ASD・ADHD・LD)があり、それぞれ異なる症状があります。
・成長過程によって様々な悩みがあります。
・特性に合わせた工夫をしてあげることで生活のしやすさが変わります。
・発達障害専門の相談先から行政が管理している相談先が多くあります。
・実際に支援の利用を検討する際は、まずは問い合わせをしましょう。
症状が違う中で理解するのも難しいと思うことも多いかと思います。しかし、ひとつの個性だと思い接することで、本人も私たちも穏やかに過ごすことができます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。最後までお読みいただきありがとうございました!