こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「特異的言語発達障害」についてです。
「うちの子ども、なんだか周りの子と比べて発達が遅れている気がする。特異的言語発達障害っていうのもあると聞いたけど、もう少し詳しく知りたい」
今回は上記のような悩みについてお答えします。
少しでもお役に立てると嬉しいです。ご参考として一読ください。
目次
特異的言語発達障害とは
- 知的障害【言語の理解・語彙の発達の遅れ・象徴機能(認識)の発達の遅れ】
- 聴覚障害【言葉が歪んで聞こえたり、音が小さく聞こえたりする】
- 対人関係の問題【コミュニケーション能力の発達遅れ(代表例:自閉症)】
- 発声発語器官の機能障害【脳性麻痺や口蓋裂など、発声発語器官の麻痺や形態の異常により言語発達の遅れを伴う】
- 不適切な言語環境【虐待や2カ国語など養育環境の問題で言語発達の遅れ】
※参考記事:特異的言語発達障害のスクリーニング(北海道医療大学)
※参考記事:学校法人・川崎学園
言語の遅れと発達障害の関係について、以下の動画も参考になります。医師の方による解説動画です。
※特異的言語発達障害よりも広い意味での、【言語と発達障害】についての解説ですが、よければ参考にご視聴ください。
参考動画:言語の遅れと発達障害
幼児期に症状が目立ち始める
そして、学習面において、はっきりとした遅れが見られるようになってきます。遅れとは次のようなものです。
- 言葉の表現・理解
- 文字の読み書き
- 計算
これら内の1つ、または複数で遅れが見られます。
※参考記事:コトバンク:六訂版 家庭医学大全科
学習面の各症状の呼び名
- 発達性言語遅滞
- 発達性書字(しょじ)障害
- 発達性読字(どくじ)障害
- 発達性計算障害
読み・書き・計算に関する遅れについては、まとめて学習障害とも言われます。
学習障害については、以下の2記事もご参考に一読ください。詳しく解説しています。
参考記事:学習障害について
特異的言語発達障害の原因とは
- 言語発達に関する高次脳機能障害
- 遺伝的な要因
脳損傷に起因する認知障害全般を指します。言語・思考・記憶・行為・学習・注意など、知的な機能に障害が起こった状態です。
※参考記事:高次脳機能障害について – 東京都医師会
※参考記事:にこにこクリニック
発症を疑う条件
- 視覚・聴覚などの感覚器官に異常がない
- はっきりとした身体運動機能の障害はない
- 統合失調症・自閉症など精神障害がない
- 不適切な養育環境にいない、など
※参考記事:コトバンク:六訂版 家庭医学大全科より
症状の現れ方【乳児期から学童期】
- 乳児期
- 幼児期早期
- 幼児期後期
- 学童期
乳児期
生後半年ほどは、あきらかな異常は少ないです。母親の声にも反応し、普通に甘えます。
また、あまり人見知りもせず親以外にもなつきやすいです。しかし、簡単な身振り手振りの真似を促してもあまりのらなかったりします。
幼児期早期
言葉の発語に関して遅れることが多いです。そのため、聴覚障害が疑われることもあります。しかし、話し言葉以外の音は普通に反応するため、結局聴覚障害は否定されます。
相手の話す言葉は理解できますが、自分の発声がうまくいかなかったり、自分の意思を言葉で言い表わせなかったりします。
幼児期後期
落ち着きのなさがより強くなり、じっとしていられなくなります。そして、終始動き回ります。また、ちょっとした刺激に反応しやすいですが、その後の集中力がありません。そして、他のことに気をとられやすくなります。
他にも、団体行動・集団イベントなどが苦手で、1人の世界に入りやすくなります。また精神も不安定も見られ、かんしゃくを起こしやすくなったり、突発的な行動をしたりします。
学童期
少し落ち着きますが、今度は学習面での障害が目立つようになってきます。
- 本を読む
- 文字を書く
- 計算する
といったことに対して、習得が遅くなる傾向が出てきます。例えば、1つ1つの文字は読めますが内容の理解に苦しむなど。
他にも数字は読めるが、物の数が数えられなかったり、工作、体育などがうまくこなせなかったりします。
苦手意識が芽生えることによる問題の発生
そして、同年齢の子どもとの交流にも苦手意識が出てしまい、そのまま孤立してしまう場合も。さらに、孤立することで周りの子どもに対して、攻撃的になる傾向も出てきます。
※参考記事:コトバンク:六訂版 家庭医学大全科より
治療方法
- 身体運動訓練
- 言語訓練
- 学習訓練
これらを、その時の子どもの障害に合わせて組み合わせて行います。また、多動という特性が見られた場合、改善を目的に薬物療法【メチルフェニデート:コンサータ】を併用することもあります。
※参考記事:コトバンク:六訂版 家庭医学大全科より
ADHD(注意欠如・多動性・衝動性)の特徴の1つともされており、そわそわと手足を動かす・じっと椅子に座っていられない、といった傾向があります。
ADHDの詳しい内容として、下記の記事もおすすめです。よければご参考に一読ください。
大切なのは子どもの心の成長
発達障害は脳の特性とも言われており、そのものを治すというよりは、当事者の子どもが生活しやすいよう周りの助けが重要となるからです。
専門機関への相談も
- 医療機関
- 医療以外の相談機関
医療機関への相談
- 小児科
- 児童精神科
- 小児神経科
- 発達外来
- 大学病院
- 総合病院
※各都道府県のホームページに関係機関のリストが掲載されています。
医療機関以外の相談窓口
- 各区ごとの子供家庭相談
- 児童相談所
- 教育委員会・教育総合相談センター
- 特別教育総合センター
- 地域療育センター
- 学齢後期障害児支援事業
※参考記事:親子のこころのとまり木
※各都道府県のホームページに関係機関のリストが掲載されています。
さらに、下記では、神奈川県内の各関係機関についての情報になります。ご参考としてお役立てください。
神奈川県内の各関係機関情報
以下、神奈川県のホームページで紹介されている、発達障害の関係機関情報です。※数が多いため、各リンク先にて連絡先、住所が記載されています。
関係医療機関
発達障害に対応する医療機関は以下の検索サイトがおすすめです。※検索することで簡単に関係市区町村の医療機関データが表示されます。
【神奈川県医療機関】
検索サイト:【かながわ医療情報検索サービス】
※検索することで、関係市区町村の医療機関データが表示されます。
1.検索方法は、画面左側の「キーワード検索で探す」をクリック
2.検索語句に「発達障害」を入力
3.「さらに地域を絞り込む」で市町村を選択
4.検索開始
相談機関
神奈川県の発達障害に関する相談機関の情報は、以下のPDFデータから確認できます。
【神奈川県相談機関】
PDFデータ:【発達障害支援の機関リスト(PDF:177KB)】
まとめ
- 知能・聴覚。対人関係などのあきらかな障害が見られないのに、言語発達の遅れ・歪みが見られるのを特異的言語発達障害と言う
- 言葉の表現・理解・文字の読み書き・計算・運動などの学習面で遅れが目立つようになる
- 原因となる明確な根拠はない(言語発達に関する高次脳機能障害・遺伝的な要因が考えられてはいる)
- 治療方法としては、身体運動訓練・言語訓練・学習訓練、そして心のケア
ここまでお読みいただきありがとうございました。