こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の子の習い事にパソコン教室がおすすめな理由」についてです。
発達障害を持つ子どもに習い事をさせたいけど、どんなものが良いだろうと?と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
発達障害特有の困り感が習い事で出て、他の生徒の迷惑にならないだろうか?
しっかりと習い事に取り組めるだろうか?
そんな風に悩んでいませんか?
今回は注意欠陥多動性障害と自閉症をメインに、発達障害の子にパソコン教室をおすすめする理由と、パソコン教室に実際通うとどんなことを学べるのかを解説していきます!
▼習い事の取り組み姿勢に関するお悩みはこちらをチェックしてみてください。パソコン教室以外のおすすめな習い事についても取り上げています。
目次
発達障害の子どもの習い事にパソコン教室がおすすめな理由
発達障害の子の習い事にパソコン教室やプログラミングスクールがおすすめです。パソコンの基本操作や、最近小学校で必修化された「プログラミング」は、障がいの特性を活かせる分野と言えるからです。
発達障害の特性やその気質の傾向と絡めて説明していきます。
発達障害の特性とパソコンの規則性は相性がいい?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)も自閉症スペクトラムも、共通して「曖昧な表現」を理解することに困難を感じる傾向があります。
その点、パソコンの世界には決まった規則性しかありません。予め組み込まれた規則の通りにキーボードをタッチすれば思い通りに文字や数字を表したり、HTMLやコードを用いた表現が可能です。
「決まった事をすれば、欲しい反応が即返って来る」という点において心地よさを感じる発達障害の子どもは多いようです。
パソコンを使って発達障害の強みを存分に活かす
発達障害にも様々な種類がありますが、ここでは注意欠陥多動性障害と自閉症をメインに考えて行きたいと思います。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特性と強み
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特性
①不注意
・なくし物、忘れ物が多い
・時間を守れない
・物事を順序立てて考える事が苦手
②多動性
・集中力が続かない
・そわそわ、きょろきょろと落ち着かない
・じっとしている事が苦手
③衝動性
・優先順位を無視して、思い付いた事を衝動的にしてしまう
・衝動買いが多い
・イライラ、カッカしやすい
一般的には上記のような特徴が目立ちますが、以下のような特性はパソコンのようなIT分野とマッチしていると言えそうです。
・発想力に富んでいて、アイディアが浮かぶ
・好奇心旺盛で新しい事にチャレンジできる
・興味のある分野には夢中で取り組める
【ADHD】発想力豊かで、アイディアが浮かぶ
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人々は優れた創造性を持ち、発想力が豊かである傾向があるという研究結果があります。その理由は以下の通りです。
▼【ADHD】創造性が高く、発想力が豊かであると言われる理由
・高い創造性に必要な「発散的思考」が得意。
・想像力の妨げになる「事前知識」に左右されにくい。
・「普通は○○だ」「常識的には○○だ」と、固定観念に捕らわれない。
パソコン教室ではただ文字や数字を打ち込むだけではなく、絵を描いたり作曲したりとクリエイティブなカリキュラムを用意しているスクールもあります。
絵や工作が好きな子は、パソコンを通したものづくりにも楽しく取り組めるかもしれません。
【ADHD】好奇心旺盛で、新しい事にチャレンジできる
興味が移ろいやすく、「思いついたら即行動」というADHDの特性は言い換えれば「好奇心旺盛」で行動力があるということ。
パソコンを使用した表現は無限であり、絵を描いたり、動画を編集したり、教室によっては作ったロボットをプログラミングによって動かすという授業があるところも。ADHDの子どもの好奇心にしっかり答えてくれます。
【ADHD】興味のある分野には夢中で取り組める
注意欠陥・多動性障害(ADHD)には「集中力が途切れがちである」という特性がありますが、興味関心に「ハマる」ことなら、むしろ定型発達児より高い集中力を維持できると言われています。
熱中しているものに対して過度に没頭してしまい衣食住を疎かにしてしまったり、周りがみえなかったり…。
ADHDの方って「注意力散漫」なときと「没頭」しているときの差がすごいんです。
パソコン教室では絵や音楽を作ったり、動画や写真を編集したり、ゲーム感覚でタイピングを学べたりと子どもが興味を持てるようなカリキュラムがたくさん用意されています。
もしその子が楽しいと思えるものを発見できたら夢中で取り組めるかもしれません。
自閉症スペクトラム症(ASD)の特性と強み
次に自閉症スペクトラム症(ASD)の特性としては次のようなものが挙げられます。
自閉症スペクトラム症(ASD)の特性
①対人関係における困難
・その場の空気を読むのが困難。
・相手の気持ちを表情や言葉のニュアンスから読み取るのが苦手。
②特定の物事への強いこだわり
・特定の物事へ強い興味関心を持つ。
・反復的かつ機械的な動作。
・イレギュラーな事が起きたとき、気持ちの切り替えが困難。
・状況に応じた臨機応変な行動が困難。
・特定の物事へ強い執着とこだわりがある。
主に上記のような特徴がありますが、ASDの方には次のような強みもあり、IT分野とマッチする可能性があります。
・ルーティンワークが得意
・興味を持ったことに対しては探求心が強く、集中力が高い。
・視覚優位の場合は視覚的な情報に強い。
【ASD】ルーティンワークが得意
自閉症スペクトラム(ASD)の方の特徴の一つである「同一性へのこだわり」は、言い換えれば「ルーティーン化すれば誰よりもしっかりやり遂げる」ということです。
パソコンで出来る事は多岐にわたりますが、その操作方法は全て規則性があり、反復的なものです。他の子飽きてしまうような反復的動作も、ルーティン化すれば誰よりも高い意欲で取り組める可能性があります。
【ASD】興味を持ったことに対しては探求心が強く、集中力が高い
自閉症スペクトラム(ASD)の子どもたちは、興味関心を持つ物事ならむしろ定型発達の子どもより高い集中力を持続させることができると言います。
子ども向けのパソコン教室は絵や動画などを用いた、子どもが興味を持つようなカリキュラムを用意している場合が多いです。
体験入学をどんどん活用して、その子に「ハマる」かどうかチェックする価値があるでしょう。
個別指導だから周りの空気を読む必要がない
多くのパソコン教室は一人一台のパソコンを使用して個別に授業を行います。他の子ども達と足並みを揃えるのが苦手な発達障害の子ども達でも無理なく通えそうです。
以前、私の父がパソコン教室に通っていましたが、みんなどんどん講師に質問しているのでわからない所をわからないままにせず解決できるし、個別学習だから自分のペースで技術を習得できると話していました。
父は60代で機械音痴でしたが、パソコン教室に通ってマイクロソフトのワードとエクセルを使えるようになりました。
個別授業だと他の子どものペースを乱さないか心配する必要もないですし、気楽に始められそうです。
発達障害の子はゲームやインターネットが好きな子が多い
発達障害を持つ子どもはネットやゲームにのめり込みやすいという統計があります。
ネットやゲームに何時間も依存するくらいなら、ゲームや動画を作る側を体験してみるのはどうでしょうか。
なぜ発達障害の子どもはゲームやネットに依存しやすいかというと、その理由は以下の通りです。
▼発達障害児がゲームやインターネットに依存しやすい理由
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)は退屈が嫌いな傾向がある。絶えずプレイヤーを飽きさせないコンテンツを出し続けるゲームやインターネットは楽しい!
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)は「遅延報酬」を嫌う。欲しい反応は今すぐ欲しい。それが叶うゲームやインターネットは楽しい!
・自閉症スペクトラム(ASD)の場合、人とのコミュニケーションに困難があるため、一人でも楽しめるゲームやインターネットの世界に没頭する。
このように発達障害を持つ子どもはその特性故にゲームやインターネットに依存する傾向があります。
興味を持っている分野を否定しないで、ゲームやインターネットの仕組みを作ることにも楽しみを感じられたらそれは立派なスキルです。
「ゲーム好き」、「ネット好き」はITを得意分野にするきっかけになるかもしれません。
子ども向けパソコン教室で学べる事
最近では学校でもパソコンを使った授業が普及しています。2020年からはプログラミングが必修科目になり、パソコン教室は大人だけではなく子どもにも需要が広がっています。
実際にパソコン教室に通うとどんなことが学べるでしょうか?
カリキュラム、コースはどんなものがある?
パソコン教室はそのスクールによってカリキュラムやコースが違いますが、学べることの本筋は大体どこのスクールも同じ感じで大きく分けて以下の3つを習得できます。
カリキュラムやコースの傾向を見て行きましょう。
タイピング
パソコンの基礎の基礎です。正確なタイピングが出来ると作業効率がグンとアップするため、一見地味ですが重要です。
スピーディにタイピング出来るとかっこいいので、発達障害の子の自信と自己肯定感upに役立ちそうです。
オフィスソフト(ワード、エクセルなど)
ワードとエクセルは色々な場面で使うソフトですが、ちゃんと使いこなしている人は意外と少ないのかもしれません。
ワード、エクセルをある程度使えるようにしておくと将来就職に有利なのはもちろん、色々な場面でそのスキルを必要とされて、発達障害の子の自己肯定感もupします。
・ワード(Microsoft Word)
文章作成に使うソフトで、文字や罫線、図やグラフ、画像などを入力・ 挿入できます。習得すると見栄えのいい資料を作成できます。
・エクセル(Microsoft Excel)
表計算ソフト。
縦横に並んだセルに数字や文字、計算ルールなどを入力して使用します。
セルに計算ルールを入力しておくと計算を自動で行ったり、所定の位置に数字を代入したりしてくれます。
2つとも就職にも有利になる技術なので、習得出来たら大きな強みになりますね。
プログラミング
近年重要視され始めたプログラミングは、習得すると表現の幅がぐっと広がるため工作などものづくりが好きな子におすすめです。
奥が深い分野なので難しく感じる子もいるかもしれませんが、ゲーム感覚で取り組めるように色々なスクールで創意工夫されています。
発達障害の子どものためのプログラミングスクールもあるくらい今注目されています。
ここで人気のカリキュラムを紹介します。
ロボットを作ってプログラミングで操作する
発達障害の子どもにおすすめなのがロボットプログラミングのスクールです。
ロボットを組み立てながらパソコンを使ってプログラミングを行い、ロボットの動きをパターン化します。
ただキーボードを叩くだけでは得られない、ロボットと物理的なふれあいができるためたくさんの刺激を得られます。
ロボットの動きはプログラミングによってパターン化されているので、予測不能なコミュニケーションを苦手とする自閉症の子どもが安心して取り組めます。
マインクラフトを教材にしている教室もある
ゲームが好きな子におすすめなのがマインクラフトを教材に扱うスクールです。
マインクラフトとMicrosoft社が運営しているゲームです。マインクラフトには様々なモードがあり自由さが人気のゲームです。
・クリエイティブモード
ブロックを組み立てて建造物を作ることができる。
・サバイバルモード
マインクラフトの世界で様々な冒険を体験できる。
「クリエイティブモード」では、プログラミングを組んで家や家の周りの塀、その他の建造物を作ります。
マインクラフトを使用した課題でプログラミングを学ぶ小学校もあるそうです。
発達障害の子がのめり込みやすいという傾向のある「ゲーム」を教材にするので、興味が向きやすいかもしれません。
まとめ
発達障害を持つ子は発達が凸凹な分、「ハマる」ものと出会えたら、定型発達の子よりむしろ秀でた才能を発揮する可能性があります。
しかし、パソコン教室で意欲的な取り組みが出来るか否かは本人がIT分野に興味関心があるかどうかにかかっています。
好き嫌いがはっきりしている傾向がある発達障害の子は、「あまり好きじゃないけど、なんとなく続けて来た」という事が少ないのかな、と思います。
それは嫌いなものに未練がない分、言い換えれば「夢中になれるものを見つけやすい才能」なのかもしれません。
あなたのお子さんが夢中になれるものと出会えますように。この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。