こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「カフェオレ斑と発達障害の関係」についてです。
自分の子の体に普段見慣れないカフェオレ斑があったら不安ですよね?
この記事で病気やカフェオレ斑と発達障害の関係について学んで行きましょう。
目次
カフェオレ斑とは?レックリングハウゼン病について解説
▼カフェオレ斑とは
カフェオレ斑とは飲み物のカフェオレに似た色の色素斑(シミ)です。
丸みのある形をしています。
生まれたときから持っている場合と、生後間もなくできて少しずつ広がる場合とあります。
茶色のシミは他の病気と関係しない扁平母斑などの可能性もありますが、直径1.5cm以上の茶色のシミが6個以上ある場合はレックリングハウゼン病という遺伝性疾患の可能性があります。
参考:株式会社メディカルノート
「レックリングハウゼン病」とはどのような病気なのか見て行きましょう。
レックリングハウゼン病とは
・遺伝子の突然変異により、皮膚や神経に腫瘍ができたり、皮膚にカフェオレ斑と言われる薄茶色の色素斑(シミ)が出来る病気。
・腫瘍の発生部分は様々で、脳、視神経、副腎にも腫瘍ができる場合がある。
・目や骨の病気を併発する場合がある。
・人口3000人~4000人あたり1人の割合で発症すると言われている。
レックリングハウゼン病を初めて知る方向けにわかりやすい動画をご紹介します。
▼生まれつきレックリングハウゼン病をお持ちのガラス作家、大河内愛美さんのお話を視聴できます。
▼大河内愛美さんはTwitterでも自身のレックリングハウゼン病についてたくさん情報発信されています。
レックリングハウゼン病の主な病態
この病気に最もよく見られる病態は薄茶色の色素斑(シミ)と神経線維種(柔らかい良性の腫瘍)です。
神経線維種は出生・生後間もなくから出来るものではない場合が多く、時間の経過によって病状が変わってくるものと言えます。
《カフェオレ斑》出生から幼少期に多い病態
出生時もしくは生後間もない頃は「カフェオレ斑」呼ばれる薄茶色のシミが生じる場合が多いと言われています。
色はその名の通り飲み物のカフェオレのような色で、丸みのある形をしています。
稀にできる広範囲にわたるカフェオレ斑は時間の経過と共にシミの部分が膨らんでくる傾向があります。
《神経線維腫》レックリングハウゼン病の思春期以降の変化
思春期頃からは神経線維種が少しずつ出現し、年齢を重ねるごとに数が増えます。腫瘍1つ1つの大きさも増幅する傾向があります。
神経線維腫はその大多数が「良性」です。触った感覚は柔らかく、ぷにぷにしていると感じる場合が多いようです。通常は指先程の大きさですが肥大して広がってしまうこともあります。
皮膚の深層や太い神経に神経線維腫が出来る場合もあり、この場合多くは痛みを伴います。
これは少しずつ大きくなって、垂れ下がってくるような形状のものです。
できる数や大きさにはかなり個人差があり、人によって症状の程度に違いが見られます。
神経線維腫は良性ですが、ごく稀に悪性化するケースがあります。(悪性末梢神経鞘腫瘍)
レックリングハウゼン病の合併症
レックリングハウゼン病は他の病気を併発しやすい傾向があります。
▼合併しやすい症状
※虹彩小結節…眼球に見られる小さなつぶ。視力に影響はない。
参照:“神経皮膚症候群に関する診療科横断的な診療体制の確立”研究班
悪性末梢神経鞘腫瘍
基本的にレックリングハウゼン病に見られる神経線維腫は良性です。
しかしごく稀に腫瘍が悪性化して悪性末梢神経鞘腫瘍を合併することがあります。
頻度としては2%で、可能性は低いですがレックリングハウゼン病の患者はこの病気を持たない人と比べて悪性腫瘍を発症する確率がやや高いと言われています。
レックリングハウゼン病発症の原因
この病気の原因は遺伝子にあります。
原因は病根である遺伝子が作るニューロフィブロミンという蛋白質の異常です。
この蛋白質は細胞が増殖するのをコントロールする働きがあります。
ニューロフィブロミンが正常に働かないため、細胞の生成が過剰になり皮膚や骨にシミや腫瘍ができると言われています。
しかし半数以上の患者が親の遺伝と無関係にこの病気を発症しています。
参考:株式会社メディカルノート
レックリングハウゼン病の診断基準
レックリングハウゼン病の診断は専用の臨床基準を用いて行います。
患者が低年齢の場合は項目に当てはまるものが少なく診断ができないこともありますが、カフェオレ斑6個以上でレックリングハウゼン病の疑いが出てきます。
その他にも家族の病歴を参考にして診断します。
2) 臨床的診断基準
1.6個以上のカフェ・オ・レ斑*1
2.2個以上の神経線維腫(皮膚の神経線維腫や神経の神経線維腫など)またはびまん性神経線維腫*2
3.腋窩あるいは鼠径部の雀卵斑様色素斑(freckling)
4.視神経膠腫(optic glioma)
5.2個以上の虹彩小結節(Lisch nodule)
6.特徴的な骨病変の存在(脊柱・胸郭の変形, 四肢骨の変形, 頭蓋骨・顔面骨の骨欠損)
7.家系内(第一度近親者)に同症
7項目中2項目以上で神経線維腫症1型と診断する。
引用:“神経皮膚症候群に関する診療科横断的な診療体制の確立”研究班
・カフェオレ斑、神経線維腫の状態を確認する。
・骨に病変がないかレントゲン写真を撮る。
・脳、脊髄、中枢神経に腫瘍がないかMRIやCTを用いて検査する。
・低年齢の子がMRIを受ける際には眠くなるシロップを服用して行うことが多い。
レックリングハウゼン病と発達障害の関係
皮膚だけではなく、骨や目の病気を伴いやすいレックリングハウゼン病ですが、発達障害も合併しやすいと言われています。
参照:“神経皮膚症候群に関する診療科横断的な診療体制の確立”研究班
限局性学習障害(LD)
限局性学習障害(LD)は知的な発達に遅れがないにもかかわらず、読む、書く、計算する、推論する、など学習の限られた部分だけ極端に困難がある発達障害です。
▼極端に苦手とする分野によって呼称が異なります。
(困難が見られる分野)
・読むこと…ディスレクシア(読字障害)
・書くこと…ディスグラフィア(書字障害)
・計算すること…ディスカリキュリア(算数障害)
▼ディスレクシア(読字障害)に関してはこちらの記事に詳しい説明があります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)は発達障害の一つで、「不注意」と「多動性・衝動性」が主な特徴です。
▼注意欠陥多動性障害を持つ人に見られる困難さの傾向
【不注意】
・様々なことに注意をはらって行動するのが苦手な傾向がありミスや忘れ物、遅刻などしてしまいがち。
【多動性】
・授業中や会議中などじっとしていなければならない場面でそわそわと落ち着かない。
・学童期にある子どもの場合、集会や授業中座っていることが困難で出歩いてしまう事がある。
【衝動性】
・他に優先すべきことがあっても、思いついたら即行動に移してしまう。
・駆り立てられるように衝動的に行動してしまう。
▼注意欠陥多動性障害(ADHD)に関してはこちらの記事に詳しい説明があります。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)は対人コミュニケーションにおける困難さと強いこだわり等が主な特徴の発達障害です。
▼自閉スペクトラム症を持つ人に見られる困り感の傾向です。
【人と関わることが苦手】
人への関心が薄い傾向があります。
【コミュニケーションが苦手】
相手の立場を考えて行動したり発言することが苦手な傾向があり、人間関係にトラブルや困難が多い傾向があります。
【限局的な強いこだわり】
自分が気になることに関するこだわりが強い傾向があります。周囲の状況が視野に入らず「どうしてもこうしたい!」という意思を貫いてしまいがちです。
▼自閉スペクトラム症(ASD)に関してはこちらの記事に詳しい説明があります。
カフェオレ斑にはどんな治療が有効?
治療は出来たシミや腫瘍に対する「対症療法」が基本になります。
神経線維腫
皮膚に出来た神経線維種は基本的に良性で、ごく稀に悪性化する場合を除いては腫瘍が直接体に害を及ぼすことはないと考えられます。そのため必ずしも治療が必要なものではないのですが、見た目の問題として気になる場合は手術で切除します。
皮膚の色素斑(シミ)
皮膚の色素斑は神経線維腫ほど目立ちませんが、レーザーで治療することも出来ます。しかし治療を受けて一度はシミが薄くなっても、時間の経過と共にまた色が濃くなって来てしまう場合もあります。
またレーザーを施術したシミの部分だけ白く目立ってしまうこともあるようです。
レーザーの機種によっては保険が適応されることもあります。
カフェオレ斑のレーザー治療はどんな痛み?
▼この動画ではカフェオレ斑のレーザー治療について取り上げています。
▼この動画で言われている「レーザー治療の痛み」についてのまとめ
・静電気の痛みに似ている。
・想像していたよりは痛くなかった。
・タンスの角に小指をぶつける痛みの1/2くらい。
また同じ方の別の動画では、
・1回1回のレーザー照射はそんなに痛くはないが、同じ場所に何十回もレーザーを当てるとさすがに痛い。
・レーザーの出力によって痛みの度合いがかなり違う。
・施術中と施術後30分程は痛みがあった。その後は全く痛くない。
とのことでした。
でも病院によっては麻酔クリームや局所麻酔を実施する所もあるようです。
施術前にカウンセリングしてくれる病院もあるそうなので、一度相談してみるといいかもしれませんね。
ルビーレーザーはパルスレーザーといって一瞬だけ光を当てます。
ちょうど輪ゴムではじかれたような痛みです。 痛みが気になる場合は麻酔のテープやクリームを使用して治療したり、広範囲に及ぶあざの場合は局所麻酔をすることもあります。
全身麻酔による治療も可能です。
引用:多根総合病院
まとめ
・カフェオレ斑とは体にできる平らで薄茶色の色素斑(シミ)
・茶色いシミには病気と関係ないものもあるが、レックリングハウゼン病の可能性もある。
・レックリングハウゼン病は発達障害を合併する可能性がある。
理由のわからない茶色いシミがあったらとても心配になりますよね。
茶色いシミはレックリングハウゼン病が関係しないものの可能性も充分にあります。
またこの病気は症状の度合いが人によってかなり異なります。軽い症状で済む場合もあります。
この記事が少しでもあなたのお役に立てますように。