こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
本日は「発達障害 きょうだい」についてです。

皆さん、「きょうだい児」という言葉はご存知ですか?

きょうだい児とは、「重い病気や障害をもった子どもの兄弟姉妹」のことを指します。

どうしても発達障害児に目が向きがちですが、きょうだい児に対するフォローやケアも大切です。
しかし親御さんの中には、

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薄波
きょうだい児にはどういったフォローやケアが必要なの?

と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事ではきょうだい児が抱えやすいストレスや不安、そして彼らとの向き合い方を解説していきます!

きょうだい児が抱えやすい不安やストレス

自己肯定感の低下

親御さんはどうしても発達障害児にかかりきりになってしまい、きょうだい児に対して「ちょっと待って」「あとでね」といった言葉をかけがちです。
しかし、こういった経験から子どもが「自分に価値がない」「構ってもらえない」という思いになり、自己肯定感の低下につながります。

自己抑制してしまう

親に負担をかけまいと、いい子でいなければと強く思ってしまったり、自分のやりたいことを我慢してしまったりしやすい傾向にあります。
また、自然に発達障害児のお世話を手伝うことも多くなり、周囲の大人に役割を求められてしまう状況に陥りやすいです。

好奇の目にさらされる

学校で発達障害児がいることをからかわれたり、嘲笑されたりすることもあります。
また出かけた際に障害児が癇癪を起こしたり、突飛な行動をすることで周囲の目がストレスに感じることもあるようです。
こういった経験からきょうだいがいることを隠そうとする方もいらっしゃいますが、罪悪感や自己嫌悪を抱えてしまうこともあります。

将来への不安や悩みも…

大人になると、新たな不安や悩みを抱えることもあります。

まずは、親の亡き後のことです。
発達障害のきょうだいの世話をずっと自分がしなければならないのでは、と不安になられる方もいらっしゃいます。
特に親御さんが発達障害児にかかりきりになっていた家庭ですと、この傾向が強まるかもしれません。

次に結婚に関してです。
結婚を考えるようになると、相手方の家族に発達障害のきょうだいがいることを受け入れてもらえるかと悩む方も多いです。
実際に相手方の家族に受け入れられず、婚約破棄となってしまった方がいるのも現実です。
そもそも発達障害のきょうだいがいるのに、「結婚してもいいのだろうか」とためらってしまう方もいらっしゃいます。

年齢が進むと、自分だけで意思決定することが難しく周囲のことを考えるようになります。
さらにきょうだい児は、発達障害のきょうだいがいること意識して物事を考えることになり、仕事選びや結婚の障壁に感じてしまう方も多いです。

子育てで大切にしたいポイント

愛情を感じてもらうこと

最も大切なのは、子どもに「愛している」「大切に思っている」ということを伝えることです。
そのためにはきょうだい児が親御さんを独占できる時間、1対1で向き合える時間をつくることが大切です。


しかし発達障害児にどうしても手がかかり、きょうだい児に割ける時間が少なくなってしまいやすいのが現状です…
きょうだい児とじっくり向き合う時間をすぐにつくることは難しいかもしれません。
「大好きだよ」「大切だよ」と言葉で伝える、ギュッとハグをするといった日頃のちょっとした向き合い方の工夫からはじめてみるのもいいかもしれません。

発達障害について話す

きょうだいが発達障害であることを伝えるタイミングは難しいですよね。
大人でさえ理解するのが難しい、発達障害をどう伝えていくかも悩みどころです。

きょうだい児は「なんで弟はずっと泣いているの?」「どうしてお姉ちゃんはお話できないの?」と疑問に思い、上手く向き合えないこともあるかと思います。
1度にすべてを伝えようとするのではなく、まずは発達障害児ができること・できないことを伝えてみるのはいかかでしょうか。
発達段階に合わせ、少しずつ伝えていくことで理解も深まりやすくなるはずです。

また、発達障害について描かれた絵本や動画もありますので活用していくとより良さそうですね。

きょうだい児同士が繋がれる機会つくる

子どもの狭いコミュニティの中で、きょうだい児は知らず知らずのうちにストレスや不安を抱えていることがあります。
自分と似たような境遇をもつ子どもと関わることで、そういった感情を発散できる場をつくることも大切です。

最近ではきょうだい児支援を行っている団体もあります。
きょうだい児支援を行う団体をまとめたサイトもありましたので、よろしければ参考にしてみてください。
お近くの団体や興味があるものにまずは問い合わせてみましょう。

きょうだい児支援団体まとめ
参考:https://www2.hp-ez.com/hp/sibshop/page25

褒める、感謝の言葉に要注意

どうしてもきょうだい児に頼ってしまったり、1人でやってもらったりすることも多いかと思います。
そんなとき「いつもお手伝いしてくれてありがとう」「1人でできてえらいね」といった言葉を自然とかけてしまいますよね。
しかしこういった言葉には注意が必要です。

役割をほめる、感謝することは時に子どもにプレッシャーを与えてしまうこともあります。
また、自分の役割が果たせないと必要以上に自分を責めてしまう可能性もあります。
難しいことですが、こういった可能性を頭の片隅に置きつつ声掛けをしていきたいですね。

きょうだい児と向き合う時間をつくるために

本人も無自覚のうちに自分の気持ちを押し込めてしまう傾向にあるきょうだい児。
話を聞いたり、遊んだり、じっくり向き合う時間をもつことが何よりも大切です。
しかし、目まぐるしい日々の中で時間を確保するのも難しいのが現実です…


時間にゆとりをもつために、外部のサービスを利用するのはいかかでしょうか。
今回は一例として放課後等デイサービスを紹介します。

放課後等デイサービス

原則6歳~18歳の発達障害や発達に課題を抱えた子どもが対象の福祉サービスです。
日常生活の能力を向上させるために、一人ひとりに合わせた支援が行われています。

このようなサービスを利用することで、きょうだい児との時間を確保できるだけでなく、親御さん自身がリフレッシュする時間にも充てられます。

当サイトでも放課後等デイサービスに関してまとめられた記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください!

発達障害のきょうだいがいるからこそ…

ここまで、きょうだい児が受けるストレスや不安などを取り上げてきましたが、特別な環境だからこそ育まれるものもあるのです。

  • 様々なバックグラウンドをもつ人がいることを理解できる。
  • 周囲に気を配れるようになる。
  • 弱い立場に置かれる人への思いやりの心が育つ。

長所と短所は表裏一体です。
思いやりや気配りが行き過ぎて、自分を苦しめてしまうのはもちろん良くないですが、その子の長所になるよう伸ばしていくこともできるのではないでしょうか。

発達障害児ときょうだい児を抱える目まぐるしい日々に嫌気がさすこともあるかもしれません。
悲観的になり過ぎず、少しでも前向きに捉えられるよう、発達障害児を含めた3人のお子さんを育てる方のInstagramをご紹介いたします。
ぜひチェックしてみてください。

参考:beth(ベス)書籍発売中(@3beth_gm) • Instagram写真と動画

まとめ

子育てはただでさえ目まぐるしい忙しさ。発達障害児ときょうだい児を抱えるとその忙しさはさらに増します。
ご自身で抱え込みすぎず、外部のサービスやコミュニティに頼ってみてくださいね。
時間に余裕を持てることで、お子さん一人ひとりに向き合う時間も大切にできるはずです。

まずはご自身を大切に。そして子どもたち一人ひとりにじっくり向き合い、声に耳を傾けてあげてくださいね。
家族全員が笑顔で過ごせる日々が増えますように。