こんにちは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます。本日は「発達障害の子どもへの接し方」についてです。
日々の子育ての中、子どもの困った行動に直面したらどう対応したらいいのか? 発達障害という特性にどう接していったらいいのか?と感じることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、発達障害をもつ子との接し方のポイントを紹介するので、お子さんとの生活に役立てていただけると幸いです。
目次
発達障害をもつ子どもへの接し方
発達障害のお子さんに対する接し方のポイントや心構えを4つにわけて解説していきます。
接し方のポイント①:子どもの気持ちに寄り添う
大人目線からの「困った行動」であっても、本人なりの意味があります。
「困った行動」に直面した時は一呼吸置きましょう。そして「なぜこういう行動をとるのだろう?」という視点でその状況を見返してみてはいかがでしょうか。
接し方のポイント②:「できない」より「できる」に着目する
発達障害のあるお子さんは、特性の影響により怒られる機会が多く、失敗を繰り返し自分に自信が持てなくなっている可能性が高いでしょう。
そして自信が持てないところから二次的な障害として精神疾患を発症するケースも少なくありません。 二次障害まで発展してしまうと解決が困難になります。
少しでも解決に導くには視点や捉え方を変えていくことが大切です。どうしても「できない」部分が目についてしまいますが、我が子の「できる」を探していってみましょう。
接し方のポイント③:できないに対して「叱る」ではなく「教える」
「なんでそんなことをするの!?」「あなたはいつも」といった言葉は、自分を否定されたという感覚しか残りません。怒られた側から見れば「何がいけなかったのか?」「どうしたらよかったのか? 」がわからないまま放置されてしまい、また同じことを繰り返してしまいます。
「こういう時は、大人に一声かけて出て行けばよかったのよ」など、その時に具体的にどうすればよかったのかを伝えていくようにするといいでしょう。
接し方のポイント④:症状が現れるときの状況を観察する
発達障害のお子さんにはある程度のパターンがあります。
観察眼を頼りに「いつも、こういう状況の時にこうなる」という部分をよく観察していきましょう。状況把握ができると対策を立てやすくなります。
自閉症スペクトラム(ASD)の子の特性と対処法
発達障害の中でも症状例の多い自閉症スペクトラム(ASD)のお子さんに関する特性と対処法について解説します。
相手の気持ちを想像することが苦手
「君、臭いね」など、思ったことをストレートに言ってしまいます。
「○○さんは、そんなふうに言われたら傷つくんじゃないかな」など、相手の気持ちを認識できるように促してあげることも有効です。
また、「○○さんに臭いとは言わないでね」など具体的に何をやめればいいのかを伝えていくようにするといいでしょう。
感覚過敏で特定の刺激に敏感
無理に慣らす必要はありません。過敏性を緩和できるグッズや対策をしていきましょう。
たとえば、聴覚過敏の場合はイヤフォンやイヤーマフを常備する、視覚過敏の場合は人が多いところは避ける。以下はイヤーマフの一例です。余計な雑音を防いでくれます。
抽象的な概念や言葉の理解が難しい
「お風呂を見てきて」とお願いしたら、ただお風呂を見て戻ってきた……などその言葉の裏側の意味を読み取ることができず、言葉のままの行動をとってしまいます。
「お風呂を見て、ちょうどいい水量だったら止めてきてね。」など具体的に声をかけていきましょう。
行動にパターンがあり、予定外のことへの対応が難しい
本人の行動パターンを見守りましょう。予定の変更があった場合は、できるだけ早めに伝えます。
またあらかじめ「予定が変更になることもある」ということを伝えておくことも有効です。自閉症スペクトラムについては別途記事がありますので、参考にしてください。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子の特性と対処法
発達障害の特性のうち、注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性と対処法について解説します。
不注意型
いわゆるうっかりミスが多いタイプです。整理整頓も苦手な傾向があります。
身の回りの整理を一緒に行っていくといいでしょう。
同時に単にやってあげるのではなく、置き場所をカテゴリーするなどの整理整頓のポイントを共有、そしてルール化します。
行動に対しても「やるべきことを一つ一つメモに書き貼っていく→終わったらメモを捨てる」、モレをなくすための対策を一緒に考えルール化してあげるといいでしょう。
多動、衝動型
じっとしていられなかったり、衝動的に動くため列の先頭に割り込んだりなどの行動が目立ちます。
多動性を押さえようとするのではなく、動ける時間と静かにする時間とを作り、本人にメリハリをつけさせていくといいでしょう。
「いっぱい遊んだから、○○分だけ頑張って待ってみようね」などのように状況の許す範囲で取り入れてみてください。
衝動性に関しては常識的な部分の理解が低い場合もあるので、具体的方法を促してあげてください。
例)列の先頭に割り込んでしまう→「こういう時は順番に並ぶんだよ。」と促していく。
まとめ
今日の記事をまとめると次のとおりです。
接し方のポイント①:子どもの気持ちに寄り添う
接し方のポイント②:「できない」より「できる」に着目する
接し方のポイント③:できないに対して「叱る」ではなく「教える」
接し方のポイント④:症状が現れるときの状況を観察する
ポイントは「その子目線」。どうしても「大人目線」になりがち。そして「なんでできないんだろう?」と感じてしまいがちです。
その子から見えている世界や、その子が困っている「できない」があるはずなので、そこに寄り添っていけるといいですよね。