こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害とピアノ」についてです。
子供が成長すると「習い事」をさせたいと思う親は多いですよね。それは発達障害をもつ子供の親も同じではないでしょうか。習い事が子供に良い影響を与えるのならば、尚更ですよね。
昔から子供の習い事として人気のある【ピアノ】ですが、これを読んでいる皆さんの中にも幼少期に習っていた人がいると思います。実は私も5歳から10年ほど習っていました。
今回はピアノを習うと
・どのような良い効果が期待できるのか
・音楽に触れることにどんなメリットがあるのか
以上を解説します。さらに、ピアノ教室を探すポイントも併せてご紹介します。
目次
発達障害の子供がピアノを習うことのメリットとは
今の時代、世間にはとても多くの習い事やお稽古が溢れています。定型発達の子供をもつ親も、子供にどんな習い事をさせようか悩みますよね。ですが発達障害の子供をもつ親は、さらに多くの心配があり悩みは尽きないでしょう。
指を動かすと脳に刺激が与えられ、脳が活性化する
発達障害をもつ子供の中には、指先を動かすことや細かい作業が苦手な子供がいます。
ピアノを弾く時に10本の指は、すべて違う動きをしますよね。この指先の複雑な動きによって神経が発達し、もっと細かい動きができるようになります。
そして指先の動きが脳に刺激を与えることで脳が活性化されるのです。脳が活性化すると以下のような力が養われます。
・考える力【思考力】
・言葉を理解して話す力【言語力】
・全身を動かす【運動能力】
少し先の楽譜を覚えて弾くことは、一時的に楽譜を覚えていますよね。人の脳は暗記したり記憶したりする時には「海馬」とよばれる部分が刺激を受けて活発に働くのです。この海馬は発達障害にも大きく関わりがあるといいます。刺激によって海馬が活性化することは脳の発育を促すことにもなるのです。
ただ、手先が極端に不器用である場合は【発達性協調運動障害】の可能性があります。ボタンを上手くとめられなかったり、ハサミが使えなかったりと、細かい作業がとても苦手です。
スムーズに複数の動きをを続けられず、困難が生じる障害です。発達性協調運動障害について詳しく説明をしている記事がありますので、こちらも併せてご覧ください。
海馬(かいば)は記憶を司る場所!
海馬(かいば)という名前は、イラストの様に形がタツノオトシゴに似ていることから名づけられました。
海馬は記憶の中核を担っています。体験したことや感じた情報を記憶する場所で、情報を思い出すときにも活発に動く場所です。
海馬に記憶された情報はその後、長期保存の情報として大脳皮質に記憶されます。海馬は新しい情報の一時保管所の役割をしているのです。海馬に刺激を与えると記憶力が良くなり、より多くの情報がインプットできるようになります。
注意欠如・多動性障害の特徴【落ち着きのなさ】を改善
注意欠如・多動性障害(ADHD)のある子供をもつ親は、子供に多動・衝動性の代表的な特徴である「落ち着きのなさ」が強く現れて困ることがあります。
じっとしていられない、イスに座っていられないと学校生活でも困りますよね。
ピアノのレッスンは30分単位からのところが多く、レッスンを繰り返していくうちに10分、20分とイスに座っていられるようになっていきます。
もちろん個人差はあるので、最初はできなかったり時間がかかる場合もあります。しかしピアノに興味を持ち、演奏に集中できるようになると、じっとすることが苦にはならなくなります。
自閉症スペクトラム症の特徴【対人関係の困難】を改善
自閉症スペクトラム症(ASD)の特徴のひとつに「対人関係・コミュニケーションの困難さ」があります。ピアノのレッスンをしていく上で、ピアノ教室の先生とコミュニケーションをとりながら人付き合いを学んでいき、信頼関係を築いていけるのです。
またピアノ演奏で表現力を学ぶと、ピアノ演奏以外の場面でも表現力アップに繋がって自分の感情を表に出せるようになるのです。
上達が自信につながる
ピアノは上達が分かりやすい習い事です。以前は動かなかった指が動き、楽譜を読めるようになると上達を実感することができます。そして何より、自分の演奏を耳で聞くことが一番大きく上達を感じられるポイントですね。
上達していると自分の成長を感じることで、自信を持つことができます。そして「もっとやってみよう!」と受け身ではなく積極的にチャレンジしようという気持ちになるのです。
おススメの書籍
◆発達障害でもピアノが弾けますか?
【内容情報】
「いつまでも楽譜が読めない」「注意するとパニックに」「集中力が続かない」……
あちこちの教室に断られ、“中嶋ピアノ教室”にやってきた生徒たち。実在のピアノ教室を舞台に、発達障害児と「えみこ先生」のピアノレッスンでの成長を描くノンフィクション・コミックエッセイ!
“中嶋ピアノ教室”に初めて発達障害の生徒おがやってきたのは10数年前……
試行錯誤のうちに編み出した独自のレッスン方法が評判を呼び、いつのまにか教室の半数以上が発達障害の生徒さんに!
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・総ページ数: 176p
・ISBN: 9784636899351
・「発達障害でもピアノを弾くことができるんだ」と背中を押してくれる一冊
・個人差のある発達障害の色んな特徴を理解できる
・イラストがとっても可愛くてさらさらと読める
ピアノ教室の選び方
いざピアノを習おうと思っても、どこのピアノ教室に通ったらいいのか悩みますよね。ピアノ教室でのレッスンにもいくつかの種類があります。
それではそれぞれのメリット・デメリットを説明します。
大手ピアノ教室の特徴
大手のピアノ教室と聞くと、真っ先に浮かぶのは「YAMAHA」や「KAWAI」ではないでしょうか。
大手ということもあって、知名度は断トツですよね。幼少期に通っていた人もいるでしょう。
・全国各地に教室があり、選びやすい
・先生のレベルが高い(一定の指導研修などを受けている)
・グループレッスンや個人レッスンを選べる
・複数の先生が在籍しており、合わなくても代わりの先生がいる
・レッスンメニューや教材がマニュアル化されていて融通がききにくい
・レッスン費用がやや高め
・レッスン教室の楽器購入などの勧誘があったりする
・大きな発表会やテストがある
個人ピアノ教室
個人経営のピアノ教室は自宅で教えていることが多く、家のすぐ近くにあったります。私自身は幼少期に個人経営のピアノ教室に通っていました。家から5分程のところにあり、とても通いやすかったですよ。
・一人一人に合った指導をしてくれる
・教材の融通がききやすい
・レッスン日や時間帯の調整がしやすい
・家のすぐ近くにあると通いやすい
・先生のレベルがバラバラである
・レッスン費は大手よりは低めだが、個人経営の為に差がある
グループレッスンと個人レッスンの選び方
大手の教室か個人経営の教室を選んだ次は、個人レッスンかグループレッスンを選ぶ必要があります。定型発達児の場合は、そこまで悩むことはないのですが、発達障害をもつ子供はいくつか注意点があります。
・先生の話を静かに聞いていられるか
・自分の順番が来るまで待てるか
・静かにイスに座っていられるか
これらを守ることができるのか、注意してあげてください。
グループレッスンを受ける場合は、他の子供が指導を受けている間は静かに待機しなければなりません。ADHDがある子供は、順番が待てなかったり座っていられない傾向が強くみられます。グループレッスンでは他の子供や保護者との関係があるので、難しいようであれば個人レッスンがおすすめです。
その点が大丈夫そうであれば、お子さんと話し合ってグループレッスン・個人レッスンのどちらを選んでも大丈夫です。
発達障害に理解のある先生を選ぶ
発達障害は、現れる症状に個人差があります。その為、マニュアル通りの指導をしていると上手くいきません。その子に合った指導や対応をしてくれることが重要なのです。また発達障害の子供は「褒めること」がとても大事です。厳しく指導するよりも褒めて伸ばしてあげることが成長に繋がります。
先生のピアノの技術よりも子供に寄り添って指導をしてくれる方が大事なのです。先生が発達障害について知識や理解があると安心ですね。
大切なことは
上達を一番の目標にするのではく、音楽を楽しむこと!
この考えで向き合ってくれるかどうかも、重要な見極めポイントです。一般的にはピアノの教材で使われる本は「バイエル」や「ソナチネ」ですが、発達障害の子供には「好きな音楽」を自由に弾く方が向いていたりします。ぜひ子供の能力を伸ばしてあげてください。
障害のある子供にピアノを教えているこちらの武藤先生の動画をご覧ください。このように、色々と配慮をしながら教えてくれると安心ですね。
否定的な言葉には注意
先生の言葉はもちろんですが、親が子供にかける言葉も注意が必要です。
「そんなに難しいの?」「同じところばかりやってるね」「これは簡単でしょ」など、あまり意識せずに言ってしまいそうな言葉ですよね。
しかし子供にとっては、深く傷つく言葉なのです。上手くできないながらも、一生懸命ピアノに向き合っている子供の気持ちを大切にしてくださいね。
発達障害の子供も通えるピアノ教室案内
ピアノ教室を選ぶポイントはご理解いただけたと思います。では、家の近くのピアノ教室をどうやって探したらいいのでしょうか。最近ではインターネットでピアノ教室を探すことができます。
発達障害をもつ子供への指導経験があるピアノ教室は、やはり安心ですよね。しっかりとリサーチをして子供のためにも最適のピアノ教室を見つけてあげてくださいね。
体験レッスンを受けよう
ピアノ教室に入会する前に体験レッスンを受けられる場合は、ぜひ参加してみてください。子供がピアノに興味を持ち、今後続けていけそうかもチェックできますし、先生の対応や指導の仕方、教室の環境も見ることができます。
まとめ
ピアノを習って指先を動かしたり音楽を楽しむことは、脳にとってはとても良いことです。子供が興味を示すようであれば、ピアノを習うことをおすすめします。
ただ、強制的に習わせることはしないでください。嫌なことを強要されるのは、発達障害の子供には逆効果になりますからね。
ピアノに興味をもったら、その子に合ったピアノ教室を選んで子供の成長を手伝ってあげてください。そして家族みんなで音楽という楽しみを感じてもらえたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。