こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の子は姿勢が崩れやすい?」についてです。
発達障害のあるお子さん、姿勢が崩れやすくはないですか?
「椅子に座るとすぐにだらっとしてしまって、やる気がないと思われそうで心配」「何度注意しても姿勢が良くならない。これって治るの?」
こんな心配を抱えている親御さんもいらっしゃるのでなないでしょうか?
姿勢が崩れてしまうのは、本人のやる気がない訳でも努力が足りない訳でもありません。ちゃんとした理由があるのです。
そこで、今回は発達障害の子の姿勢が崩れやすい3つの原因と、家庭でもできる改善策をお伝えしますので、一緒に見ていきましょう。
目次
発達障害の子の姿勢が崩れやすい3つの原因とは?
発達障害のお子さんに共通して見られるのが「姿勢の崩れやすさ」です。
発達障害とは生まれつきの脳機能障害のため、以下のような特性がある障害です。
- コミュニケーションが上手く取れない
- 特定の物事に強いこだわりがある
- 落ち着きがなくじっとしていられない
- 注意力が散漫で集中が続かない
- 特定分野の学業が極端に苦手である
発達障害には以下の3つの分類があります。
<臨機応変な対人関係が苦手>
・コミュニケーションが苦手で対人関係を築くのが困難
・相手の気持ちを考えることが苦手
<興味や活動が偏ってしまう>
・特定の物事に強いこだわりがある
・自分のペースややり方を最優先する
<不注意>
・集中力がない
・注意力が散漫
<多動性・衝動性>
・じっとしている事ができない
・衝動的な行動をとってしまう
・順番待ちができない
知的な遅れはないものの、特定の分野の学業(読む・書く・計算など)に極端な困難が見られる
発達障害の具体的な症状についてはこちらをどうぞ!
なぜ発達障害の子は姿勢が崩れやすいのでしょうか?
3つの原因を順番に見ていきましょう。
低緊張である
【低緊張とは】
自分の体を支える筋肉の「張り」や「収縮」が弱い状態のことを言います。専門的には「筋緊張低下症」と言います。
低緊張だと筋肉の張りが弱いため、姿勢が悪かったり、からだがふにゃふにゃしていたりと、思うように体をコントロールできません。
また一定の姿勢を保てないために、動き回ってしまいます。
脳は無意識のうちに筋肉に一定の張りを出す指令を出しています。ですが、「どのくらいの張り」を出すのかは脳の指令によって決められてしまいます。ですので、脳から平均より少ない「筋肉の張りの指令」が出てしまうと低緊張になってしまいます。
低緊張の症状とは
低緊張の症状は以下になります。
<低緊張の症状>
- 姿勢が良くない
- 体がふにゃふにゃしている
- 長時間立っていられない
- 体の動きがぎこちない
- 疲れやすい
- 転びやすい
低緊張の種類とは
低緊張(筋緊張低下症)には2種類あります。
生後間もなくは体がだらんとしていますが、こちらはもともとの筋力や筋緊張が低いためで、疾患が原因ではありません。時間の経過とともに症状は改善していきます。
疾患や障害があることによって、体がだらんとした状態になってしまいます。
原因になる疾患や障害は以下の3種類です。
<筋肉の疾患によるもの>
・先天性筋ジストロフィー 先天性ミオパチー 先天性筋強直性ジストロフィーなど
<染色体異常によるもの>
・ダウン症候群 プラダー・ウィリ症候群など
<中枢神経系の障害>
・脳性マヒ 自閉症スペクトラム障害など
姿勢が悪く体がふにゃふにゃしていると気づいたら、まずは疾患や障害がないか、専門家を受診することをおすすめします。
体幹が弱い
【体幹とは】
体の中心部分、いわゆる胴体部分です。
体幹が弱いと姿勢を保つための腹筋まわりの筋肉が弱く、姿勢を正しく保つ事ができません。体のバランスをうまくとることができないため、ふらふらとしてしまいます。
体幹はトレーニングで鍛えることが可能です。日常的な遊びやお手伝いなどに取り入れて、毎日少しずつ筋力をつけていきましょう。
発達性協調運動障害(DCD)の可能性がある
【発達性運動協調障害とは】
身体的に問題がないのにも関わらず、日常生活において協調運動に困難がある障害。極端に不器用だったり運動が苦手で、姿勢も崩れやすい。
※協調運動とは
協調運動とは、手と足、目と手など別々に動く機能をまとめてひとつにして動かす運動のことを言い、縄跳びやスキップ、ボールを目で追いながら足で蹴るなどの運動は協調運動です。
浅草橋こども発達リハビリクリニック
発達性運動協調障害は自閉症スペクトラム障害やADHD、学習障害と併発することが非常に多いです。その割合はADHDの子どもの約30~50%、LDの子どもの約50%に見られ、自閉症スペクトラム障害とも併存することが多いです。
発達性運動協調障害があるとスムーズに体を動かすことができず、姿勢を保つことが難しいです。
発達性協調運動障害の症状とは
乳幼児期から下記のような兆候が現れます。
- ミルクがうまく飲めずにむせてしまう
- 首がすわりにくい
- 泣き声が弱い
- 寝返りがスムーズにできない
- ハイハイの動きがぎこちない
- ボタンが上手にとめれない
- ハサミが上手に使えない
- 階段の昇り降りがぎこちない
小学校低学年になると「できない事」が目立つようになってきます。
- 縄跳びが飛べない
- ボール遊びが苦手
- 文字をマス内に書けない
- 箸が上手に使えない
- ハサミや定規などの文房具が適切に使えない
お子さんの動きにぎこちなさや不器用さを感じたら、保健センターや子育て支援センターなどに相談に行きましょう。そこで医療機関や民間療育機関を紹介してもらえます。早期発見・早期治療が大切です。
発達性運動協調障害について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
姿勢の悪さを改善する方法とは?家庭でもできる事はある?
ここまで、発達障害の子の姿勢が崩れる3つの原因を見てきました。ここからは姿勢の悪さを原因別に改善する方法を見ていきましょう。
低緊張の改善方法
低緊張は前述のとおり筋肉の張りが弱い状態です。張りの強さは脳からの指令によってもともと強さが決まっています。なので、末端である筋肉を鍛えても劇的に改善するわけではありません。
それよりも姿勢が良くなるような環境を整えてあげるのが良いでしょう。また作業療法や理学療法を取り入れて、課題を明白にすることも大事です。
家庭でもできる姿勢が良くなる環境設定
- イスの高さを足が床につくように調節する。つかなければ足台を利用する。
- イスに骨盤をしっかりと安定させるクッションを敷く。
- バランスボールチェアを使い、遊びながらバランス運動をする。
座るだけで姿勢を正しくサポートしてくれるクッションです。
商品概要 | 子ども用 姿勢矯正用クッション |
価格 | ¥6,930 送料込み (楽天市場 2022年3月時点) |
特徴 | 傾きやすい骨盤を包む独自構造で姿勢をサポート |
こんな人におすすめ | 推奨身長:125~155cm |
<良い口コミ>
買ってよかった!あんなに姿勢の悪かった小1の息子が座っただけで、妙にしっくりくるようでとてもいいとのこと。当然姿勢もよくなって本当良かった。
家庭用だけじゃなくて、学校でも姿勢が悪くても困っていたのでもう一つ購入しようかなと思っています。
本当買ってよかった。
参照:楽天市場
▽こちらは推奨身長:100~130cm
商品概要 | 子ども用 姿勢矯正用クッション |
価格 | ¥6,380 送料込み (楽天市場 2022年3月時点) |
特徴 | 傾きやすい骨盤を包む独自構造で姿勢をサポート |
こんな人におすすめ | 推奨身長:100~130cm |
作業療法や理学療法を取り入れる
ひとくちに低緊張と言っても、どこの部分に課題があるのかは個人差があります。作業療法士や理学療法士に、その子のどこに課題があるのかを評価してもらうことで、一人一人の取り組み方を見つける事ができます。
低緊張の子はとても疲れやすいので、正しい姿勢を保とうとするだけでも疲れてしまいます。適度に休憩をしながら無理のないように続けてあげましょう。
こちらは作業療法についての詳しい記事です。
理学療養士の西村先生の具体的な改善方法はとても参考になりますよ!
体幹を鍛えるには
体幹筋を強くすることによって体幹は安定していきます。体幹筋は家庭でも強くすることができます。
筆者も体幹が弱く、姿勢が悪いのが長年の悩みなのですが、「姿勢を良くしよう!」と決めて頑張っても、気がつくと元の悪い姿勢に戻ってしまいます。
「トレーニングしなきゃ!」というよりも、日常生活の中で遊びやお手伝いなどに取り入れて、お子さん自身が楽しみながら続けていけるものを探してみましょう。
家庭でできる体幹を鍛える遊びは結構ありますので、ぜひ親子で一緒に楽しみがらやってみてください!
室内でできる体幹トレーニング
室内でできる体幹トレーニングには、トランポリンやバランスボール、歌を歌うなどがあります。
✓体幹だけでなく足の筋力や腹筋背筋を鍛える全身運動にもなる
✓脳に刺激を与え、ストレス発散もできる
✓ADHDの子のエネルギー発散になる。集中力の持続が良くなる
発達障害の子向けの習い事もあるようです。お住まいの地域で探してみてはいかがでしょうか?
✓運動が苦手で体力のない自閉症スペクトラム障害のお子さんにおすすめ
✓リビングに置いてテレビを見ながらできる
✓強制することなく取り入れることができる
✓ 大きな声で歌を歌うと、腹筋が活性化して体幹の安定につながる
✓手遊びを加えたり、体全体を思いっきり動かしながら歌うと、脳も活性 化しストレス発散にもなり、手足の動きの機能の向上にもなる
外でできる体幹トレーニング
外でできる体幹トレーニングには、公園の遊具や昔ながらの外遊びがあります。
【ブランコ】
座って乗ったり立って乗ったりの動作が、自然とバランス感覚を養い、腹筋や背筋だけでなく腕や足の筋肉まで刺激する
【アスレチックやジャングルジム】
上に登る動作に体幹筋を鍛える効果がある
【だるまさんがころんだ】
鬼が振り返ると、「体を不安定な姿勢でキープする」また「鬼に近づくために動く」という「動と静」の繰り返しで体幹が鍛えられる
【おしくらまんじゅう】
姿勢の安定に関係する腹斜筋と腹横筋常を使いながら、負けないように常に体幹筋を使うため強化される
【けんけんぱ】
左右のバランス感覚を養うのに有効
発達性運動協調障害の改善方法
発達性運動協調障害の子はただでさえ運動が苦手ですので、まず気をつけたいのは決して無理強いをしてはいけないということです。
運動の無理強いや間違った声かけをしない
体を滑らかに使うのが難しい障害ですので、本人の努力不足ややる気の問題ではありません。苦手意識がある上に「やればできる」「もっと頑張りなさい」などの声掛けをしてしまうと、ますます消極的になってしまうでしょう。
いきなりトレーニングや運動をさせるのではなく、公園の遊具や外遊びなどで、遊びながら体をうまくコントロールする練習をしていきましょう。
作業療法士や理学療法士に評価をしてもらう
発達性運動協調障害の場合はなぜその動作ができないのかを分析するのが大事です。
例えば縄跳びができない子がいたとして、「何が原因で縄跳びができないのか」を見極めることが必要です。動作を分析する理学療法士や作業療法士に評価してもらい、その子の課題を見つけてその部分をトレーニングしていきましょう。
子ども自身が楽しんでやるのが一番
低緊張の子、体幹の弱い子、発達性運動協調障害の子は運動が苦手な子が多いです。
お子さんのためを思うと、厳しくしてでもトレーニングをさせたいと思われるかもしれませんが、無理にやらせるのは逆効果です。叱ることもなんの意味もありません。
まとめ
- 発達障害の子の姿勢が崩れやすいのには3つの原因がある。
- 低緊張
- 体幹が弱い
- 発達性運動協調障害の可能性
- 姿勢を良くする方法
- 環境設定をする
- 作業療法や理学療法を取り入れる
- 遊びやお手伝いなどを通して、子ども自身が楽しんでやれる工夫をする
- 子どもが楽しんでやれるかどうかが大切で、疲れやすかったり、運動に苦手意識がある子に対して無理にやらせたり、間違った声かけをしてはいけない。
姿勢が良くないと悪い印象を与えてしまうこともあり、なんとか改善していきたいですよね。
この記事がお子さんの姿勢の改善に役立てば幸いです。ここまで読んで下さりありがとうございました。