こんにちは!こんばんは!今回もとっても役立つ発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
今回は幼児期の会話力を最大限に伸ばす方法をお伝えします。
幼児期の会話力形成の過程を知り正しい対応をすることで子どもの可能性を最大限に伸ばすことができます。
会話力を伸ばすことは、子どもの健全な精神や体を育むことにもつながります。
また、発達障害が疑われる場合は早期に気づき会話力育成のため対応することができます。
今回はお子さんの可能性を最大限に伸ばす秘訣をお伝えします。
目次
発達障害を早期発見|会話力を最大限に伸ばそう
幼児期の言葉の成長は個人差が大きいため、標準と比べて会話の成長が遅かったとしても一概に発達障害とは言えません。
ですが、まわりの子と比べて発達が遅いと不安になってしまいますね。
基本的に会話の成長が遅くても親の指示をしっかり理解してコミュニケーションが取れているようならば大きな心配はいりません。
しかし、成長を手助けしてあげる必要があります。
それにより会話力だけでなく健全な精神や体を育むこともできます。
この記事では「会話力を育てるポイント」として、その方法をお伝えしていますのでぜひお役立てください。
発達障害が疑われるのはどんなとき?
人が会話を成立させるためには言葉だけでなく、さまざまなスキルが必要です。
相手の話を聞き、それに対して意見や質問をする能力。そして相手の言葉以外のメッセージを理解する能力等々。
例えば社交辞令などでは相手の裏の真意をくみ取ることが必要です。
このような能力は突然形成されるものではなく、幼児期の各過程を経て身についていきます。
発達障害が疑われるのは、この会話力形成のためのマイルストーン(指標)を示さない子です。
この記事では各年齢ごとのマイルストーンを「会話力に必要な過程」の見出しにしるし、その過程を示さない場合の対策も記しました。
海外では発達障害児の可能性を引き出すために、早期発見・早期支援が推奨されています。
発達障害が疑われる場合はお子さんの会話力を引き出す取り組みを日々の生活に取り入れていきましょう。
0歳から1歳までの標準的な会話の成長
はじめは泣くことによって気持ちを表現していた赤ちゃんは、1~2ヶ月くらいから「アー」や「ウー」などの1音節の声を出し始めます。
これはクーイングといい、喃語に移行するまでの間に聞かれる声です。
そして4ヶ月頃からはクーイングを卒業し喃語(なんご)を話し始めます。
喃語とは2音節以上から成る意味のない言葉をいいます。
最初は「アウ」「バブ」などの意味のない2音節の音から始まり、同じ音を繰り返し発音するなどして、次第に言葉を伝えようとしているかのような声をだすようになります。
会話力を育てるポイント|触れ合いながら歌を歌う
絵本の読み聞かせは赤ちゃんの会話力を育てるのに有効です。
また赤ちゃんは他人の声よりもお母さんの声を特に好み、歌声によく反応しますので、歌を歌ってあげるのもよいです。
歌は絵本の読み聞かせと同じく赤ちゃんの会話力の育成に役立ちます。
また一緒に楽しみながら歌ってあげることは赤ちゃんの脳を活性化させます。
そして触れ合いながら歌うことはさらに効果的です。
赤ちゃんは他の感覚がまだ発達していな分、皮膚(触覚)が非常に敏感で、皮膚からの刺激は脳へとダイレクトに届き、心や体を成長させることがわかっています。
実際に、早産で生まれた赤ちゃんにスキンシップを多くとることで、体重増加が早まり成長ホルモンの分泌量が増加するとのデータもあります。
そのため触れ合いながら楽しんで歌を歌うことは赤ちゃんの発達にとても効果的なのです。
「愛情ホルモン」オキシトシンの分泌量は幼児期に決まる
さらに触れあうことで「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」といわれるオキシトシンが赤ちゃんにもお母さんにも分泌されます。
(1)相手に愛情を感じる気持ち、やさしい気持ち、幸せな気持ちを促す
(2)不安感やストレスを抑える
(3)感情に敏感になる
(4)血圧を下げる、痛みを抑制する
(5)短期記憶をアップする
このオキシトシンの分泌量は最近の研究により1歳6ヶ月頃までに決まることがわかってきています。
この時期にスキンシップを多く持つとことにより、その後もオキシトシンが分泌されやすい体質になり常にオキシトシン量が高い状態でいられます。
これを証明するように最近の研究により、親とのスキンシップを多く持った赤ちゃんは、その後の免疫力増加や問題行動の減少が報告されています。
つまりこの年齢のころまでにいっぱいスキンシップを取るようにしてあげることは、健康な精神と体つくりに大切なのです。
現代は共働きの家庭も多く親が赤ちゃんと過ごせる時間が少なくなりがちです。
少ない時間を有効活用するために、下記の動画のようなふれあい遊びを、しっかりと目を見つめておこない、一緒に楽しみましょう。
参考資料:「1歳ごろまではたくさん抱っこを!赤ちゃんにスキンシップが大切な理由」 たまひよ
会話力形成に必要な過程|母親に関心を示す
ク―イングはまれに全く発さない子もいるので心配はいりません。
喃語を話し始める時期は個人差があり、3歳くらいでいきなり言葉を話し始める子もいますのでコミュニケーションがとれていれば問題はないです。
しかしもし、赤ちゃんが母親を見ることもなく、声にも関心を示さないようなら、将来の会話力形成のために必要な初期の過程を逸しています。
母親に関心を示し、声に反応してもらうために下記のようなことを試みましょう。
赤ちゃんに養育者としての思いを伝えるためにしっかりと目を見て正面から話すことを心がけましょう。
それにより赤ちゃんの関心を引くことができます。
赤ちゃんの興味を引きために、少々大げさ気味に抑揚をしっかりつけて話しかけましょう。
スキンシップは先に述べたように、脳の発達をうながし、オキシトシンの分泌もうながします。親子のきずなを深めることもできますのでぜひ積極的にスキンシップをとるようにしてください。
日本小児科学会は幼児へのテレビ視聴は、言語発達に悪影響を及ぼすことを指摘しています。
1日4時間以上テレビを見ている幼児は4時間以下の幼児に比べて言葉の発達が遅く、1日8時間以上テレビをつけている家庭の幼児でも同じ傾向が見られました。
そのため、幼児にテレビを見せるときは限られた時間内にし、視聴後は消すことが望ましいです。
また、テレビ視聴時は1人で見せることはせずに、必ず親も一緒に見て幼児と共感を分かち合いながら視聴することが必要です。
実際に言葉の遅れ・表情が乏しい・親と視線を合わせないなどの症状がテレビ視聴を制限することにより改善されるケースが報告されています。
幼児の言語・社会性の獲得はまわりの人たちとの双方向のやり取りの中で発達していくことを常に意識しましょう。
参考資料:
【医師監修】喃語(なんご)はいつから?出ないときの注意点 マイナビ子育て
乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です 日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会
1歳から2歳までの標準的な会話の成長
この時期の会話の成長には個人差があります。
標準として、待ちに待った「ママ」などの初めての言葉を話すのが1歳頃です。
そして、「ワンワン」「ブーブー」などの一語文(意味のある単語)を話すようになります。
会話力を育てるポイント|意思表示をしっかりと受け止める
1歳になっても言葉を発さない子どもでも、ジェスチャーでメッセージを送ってきます。
親の注意を引こうと物を渡そうとしたり、持ち上げたりといったことから始め、首を振って「嫌だ」とか手を振りながら「バイバイ」などを伝えるジェスチャーもするようになります。
1歳半頃には自分の欲しいものを指さすことを始めます。
また自分の興味を持ったものを伝えようと、親に見て欲しいものを指さすことを始めます。
このジェスチャーで自分の興味を伝えることが言葉で興味を伝えるための土台となります。
その子がその時に興味をもったものの名前を言いながら渡すことにより、その子の中でものの名前が定着しやすくなります。
子どもの意思表示を無視してしまうとその子は注意を引くために、泣くことや暴れることにより意思表示をしようとします。
正しい会話力や社会性を育成するために、ジェスチャーでの意思表示をしっかり受け止めることが大切です。
言葉を教えるのに重要な要素はタイミング
研究では赤ちゃんが言葉を学ぶために最も重要な要素はタイミングであるという結果が出ています。
例えば赤ちゃんがテーブルの上のジュースを飲みたくて見ているときに、「ジュース欲しい?」と言えば、この言葉はその子の頭の中に記憶されやすくなります。
そしてジュースを渡すときは、「はい、ジュースどうぞ」などと言いながら渡すようにします。
なぜなら、「ジュース欲しい?」と言ったときに、その子の中では、ジュースという単語が「ジュース」なのか「欲しい」なのかはわかりません。
そこで渡すときも、「はい、ジュースどうぞ」ということにより、何がジュースを指す単語なのかということを学んでいくことができます。
ジュースを飲んだら「ジュースおいしいね」等々、いろいろな言葉かけをしてあげることにより、動作と関連づけてさまざまな言葉を学んでいくことができます。
そして時期が来れば、指さしや音を立てるという意思表示に代わり、「ジュースちょうだい」と言うことができるようになります。
会話力形成に必要な過程|ジェスチャーで意思表示する
社会的な会話力を身つけるためにこの年齢の子に必要な過程はジェスチャーで意思表示することです。
子どもが指さしなどのジェスチャーで意思表示しない場合は、非言語メッセージの意思疎通に問題を抱える可能性があります。
子どもがジェスチャーを使うようになるために下記のようなことを試してみましょう。
子どもが開けることができない透明な容器の中に、子どもの好きなおやつやおもちゃを入れて手渡します。そして、子どもが容器を開けて欲しくて戻したら容器を開けて子どもに渡します。
この時、容器を指さして、「欲しい?」とか「開ける?」とか声かけすることもよい試みです。そして子どもがうなずいたり欲しそうな表情を見せたら開けてあげましょう。
これは意思表示をすれば自分の要求が相手に伝わるということを教えるために有効です。
親が気が利きすぎて意思表示する前に子どもの欲求を叶えてしまうと、子どもは意思表示しなくても欲しいものはもらえると思ってしまい意思表示しなくなります。
必ず「欲しい?」などの声かけをしてから与えるようにしましょう。
手足を動かすことで体の動かし方を学ぶことができ、成長もうながせます。 また手遊びなどで触れ合うことは先に述べたオキシトシンの分泌もうながし親子のきずなを深めることにも役立ちます。
下記のような手遊び動画で楽しみながら子どもの体を動かしましょう。
2歳から3歳までの標準的な会話の成長
2歳になるころには、次第に「まんまちょうだい」などの2語文(2つの単語の組み合わせ)を話すようになってきます。
そして次第に3語文(3つの単語の組み合わせ)を話すようになってきます。
この頃の語彙数は約200~300語で、これまでジェスチャーで表現していた自分の気持ちを言葉で表現できるようになってきます。
3歳から5歳までの標準的な会話の成長
幼稚園に通う3歳から5歳の間に、子どもの語彙数は約6000語になり3語文以上の長い会話ができるようになります。
現在の事柄だけでなく、過去や未来のことに関しても話せるようになってきます。
そして次第に自分で考えることもできるようになり、周りの状況を理解することもできるようになります。
会話では5歳くらいになるとその場の空気を読みながらコメントすることや質問することができるようになってきます。
会話力形成に必要な過程|相手の意図を理解して会話する
社会的な会話力を身つけるためにこの年齢の子に必要な過程は、相手の意図を理解して話すことができることです。
もし聞き手の意図を理解せず自分の興味のあることしか話さずに一方通行の会話をするようなら、その子は他の人の感情を理解することに問題があるといえます。
その場合は、一般的な会話力を身につけるために相手の気持ちを想像する力を養う取り組みが必要です。
下記のような相手の気持ちを想像する力を養う支援を用いて会話力を育成しましょう。
このような取り組みは他の人の気持ちを考えるのに有効です。
例えばコンビニのおにぎりを題材にして家族で好みの違いを話してみましょう。
その後、実際に家族の味の好みを考慮して子どもにコンビニでおにぎりを買ってくるようにお願いしましょう。
このような取り組みは人の考えや好みの違いを考えるのに有効です。
上記のような働きかけは、ABA療法でも取り入れられています。
ABA療法は発達障害の子を改善へと導くためにアメリカで広く用いられている方法です。
ABA療法に関しては下記の記事で詳しく解説していますのでぜひご参考ください。
まとめ
幼児の健全な成長に大切なことは、たっぷりの愛情を注いであげること、そしてスキンシップとコミュニケーションを多くとることです。
そして発達障害が疑われる場合は、早くに気づき対策を取りお子さんの可能性を引き出してあげましょう。
親の継続した働きかけがすべての違いを生み出すことを常に意識して導いてあげることが大切です。