こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の子どもに水泳が効果的な理由」についてです。

自分の子どもが発達障害と診断された時、親として、何とか力を伸ばしてあげたいと思っても、何をさせてあげるべきか、困っている方も多いのではないでしょうか?

実は、発達障害の支援は、訓練一択ではなく、「習い事」という手もあるんですよ!その中でも特に「水泳」がおすすめです!

「そうなの?意外!」と思われた親御さんは、この先を読み進めて損はないはずですよ。

発達障害の子どもへの水泳が良い理由や、その驚くべき効果について、紹介していきます。それでは一緒に見ていきましょう。

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薄波
誰でも知っているスポーツが療育になるの?
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京本
スイミングならではのメリットが沢山あるんですよ!

発達障害の子どもに水泳は良い?

発達障害の子どもの習い事で、水泳は良いのでしょうか?

結論からいうと、発達障害の子どもに水泳は「良い」ということになります。

習い事やスポーツをする上で、気をつけたいのが

  • 特性上苦手なことを強いるような競技を避けること
  • 楽しんで育てたい力を伸ばすことができること

の2点です。

発達障害の子どもは、複雑なルールや、友達との協力が苦手な子どもが多いですから、初めから自由度が高い、活発にパスが回るような球技は、混乱してしまったり、うまく立ち回れないことで自信を無くしてしまったりするなど、難易度が高いでしょう。

また、体幹など、バランスが苦手なお子さんも多いので、バランスを崩して大きなミスや怪我につながるような、難しい動きのスポーツも、初めは避けた方がいいでしょう。

向いているのは、自分のペースで、簡単なところから始められ、上達とともに少しずつ難易度を上げていけるようなスポーツや、することの「型」が決まっているようなスポーツになります。

その点で、水泳は、顔をつけるところから具体的な泳法まで、スモールステップで、自分のペースで進められて、臨機応変な立ち回りもいらないので、向いているスポーツと言えるのです。

こちらの動画でも、発達障害の方に向いているスポーツが解説されています。

発達障害の子どもの習い事に水泳がよい理由とは?

発達障害の子どもの習い事に水泳を選ぶメリットを紹介します。

1  ルールが明確

水泳は、とてもルールがわかりやすいスポーツです。球技などとは違い、相手やチームメイトの動きを見て状況を察したり、その後の動きを読んで動いたりといったことも必要なく、ただ真っ直ぐに一生懸命泳ぐというシンプルさがあります。

また、プールのコースは線で区切られています。ですから、一目で見て「この場所の端から端まで泳げばいいんだ」とわかります。

理解のしやすさから「分かった!できた!」といった自信が生まれやすくなります。療育で言う、視覚化、構造化がされているといえるでしょう。

2 水の抵抗で体を鍛えることができる

陸上で体を動かすよりも、水の中で体を動かす方が、抵抗力が大きく、大きな力が必要になります。また、動いたり、泳いだりすると波が生まれますから、それに流されてしまわないための体幹の力も必要です。

発達障害のお子さんは、椅子に良い姿勢で座り続けられないなど、姿勢の保持が苦手な子が多く、体幹の弱さに課題を持っている子もいます。そのため、水泳でその部分にアプローチしてあげることはとても効果的です。

3 体感覚を鍛えることで脳が発達する

子どもの療育で、最近はブレインジムやヨガ、感覚統合、運動療育などと言ったプログラムを行う事業所も増えてきているように、脳と体は密接につながっています。

体にアプローチすることで、認知機能が上がり、発達障害の特性に対する支援になることがわかっています。

発達障害、特に自閉症のお子さんの中には「発達性協調運動障害」という、たとえば目でみるものと手の動きをリンクさせたり、バランスをとって機敏に動いたりと言ったことが苦手な特性を併せ持っているお子さんもおられます。

その点、水泳はバランスを保ちながら水の中を動いたり、手と足で別々の動きをリズム良く合わせて泳ぐことが必要なスポーツであることから、苦手な部分を育てるアプローチとして適しています。

また、水泳は、水の冷間、圧迫感、さらに水で息を止めるなど、呼吸に意識を向けるなど、感覚を呼び覚ます経験になりますので、そう言った意味でも効果的です。

4 コミュニケーションの力が育つ

新しい泳ぎ方を覚えるとき、水に入るときの注意など、先生の言うことをしっかり聞く必要があります。危ないことをせずに、静かにする力、人の話を集中して聴く力が育ちます。

驚くべき水泳の効果とは?

体や心の感覚を鍛え、社会性やコミュニケーションに触れる機会になる水泳。

実際に、自閉症を持った子どもに対しての水泳指導での効果を調べた研究があります。

その研究では、水泳のプログラムを行なった結果、子どものなんと90%で、多動、衝動性が改善されたほか、

レッスンを通して人との関わりを覚え、ほかのお友達と手を繋げるようになった、相手と目を合わせることができるようになったという、コミュニケーション面の効果が見られたという結果もでています。

勿論、どのような療育プログラムも絶対ではありませんから、お子さんの特性によって向き・不向きはあるかと思います。その中で9割弱のお子さんに変化がみられる水泳、いかに大きな可能性を持っているかが分かりますね。

スイミングは安全に気を付けて、付き添いに先生や親が手厚く付いて行う必要があります。そのため、集団の中で保育を受けるよりも、丁寧で濃いコミュニケーションが取りやすくなります。これにより大きな効果を実現したと考えられます。

これは水泳を療育として取り入れることの大きなメリットといえるでしょう。

注意点

スイミングを検討するにあたって、少しだけ注意点があります。

まず第1に、発達障害のお子さんの受け入れに当たって、付き添いの大人が一緒にプールに入ることを求められる場合があることです。

通常習い事であれば、預けてしまえばあとはお迎えに行くだけですが、危険な状況の回避という点から、そういったことを求められることがあります。

親御さん自身が、毎回一緒に泳ぐ時間と労力をねん出できるか、それが不可能な場合にボランティアさんなどを探せるかはポイントです。

第2に、発達障害の特性ゆえに、水が好きすぎて指示を聞かずに飛び込んでしまう、または感覚が嫌で濡れるのを極端に嫌がるなど、子ども自身の特性によっては水泳を見合わせたほうがいいケースがあるということです。

自分の子どもを受け入れてもらえるどうか、まずは問い合わせて聞いてみてもいいかもしれません。いくつか見てみてお子さんと相性のよさそうなところや、条件が合うところを探してみましょう。

発達障害の子どもを対象にした水泳教室は、例えばこのようなところがあります。いくつかご紹介します。

神奈川県 発達障害を持つ児童から成人までのトレーニング・水泳教室 アダプテッドスポーツクラス

発達障害児・者とそのサポーターさんの水泳教室 エンゼルフィッシュの会

発達障害の子どもには積極的に習い事を!

そもそも発達障害とは、

生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態

発達障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

です。

詳しくはこちらの記事でも解説しています。

発達障害は、保健所、保健センターなどの乳幼児健診でその傾向を指摘されたり、保育園や幼稚園での友達関係や指示の通りにくさなどから、保育士さんから指摘されることもあります。

また、保護者さん自身の「育てにくさ」から明らかになることもあります。

初めの入り口は、検診などで「発達検査を受けてみませんか」と勧められたりすることだったりはしますが、最終的な診断自体は児童精神科や小児科の先生がつけてくださることになります。

発達障害は特性であり、病気ではありませんから、完全に治るというよりも、現れた特徴をうまく受け止め、環境や対応を整えていくことが第一になります。

しかし、本人の苦手な部分を伸ばし、発達のサポートをするための支援として、放課後等デイサービスや訓練機関で療育を受けたり、子ども本人のペースで習い事をはじめたりすることで、症状が緩和されたり、苦手な力が伸びていく可能性もあります。

そのため、診断を受けたらなるべく早く、そういった支援や教育につながりを持つことが大事です。

その選択肢の一つとして、ぜひ水泳を候補に入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

ここまで、「発達障害の療育としての水泳の効果」について、ご紹介してきました。

水泳のメリットをまとめると以下のようになります。

  • 水泳はルールが明確で、動きの型が決まっていてわかりやすいので、発達障害の子の習い事に向いている
  • 水泳は水の抵抗や浮揚感などにより、体幹や感覚を鍛える効果も期待できる
  • 他の子どもや先生と関わることでコミュニケーション力が育つ
  • 水泳を習った9割の子どもの多動が改善したという研究もある

また、注意点もまとめると以下の通りです。

  • 水に過敏、危険認知が苦手などのケースは導入に要注意
  • 保護者の付き添いを求められることもあるので始める前に確認すること

数々のメリットがある水泳。そんな水泳を、ぜひ発達障害のお子さんの療育の1つとして、候補に入れてみてはいかがでしょうか?

いろいろなことに挑戦させてあげて、のびのび、すくすくと育っていくお手伝いをしていきましょう。