こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害片付け」についてです。

「いつも部屋が散らかっている」「片付ける前に遊びに行ってしまった」など、いくら子どもに言い聞かせても片付けが進まないとお悩みではありませんか?

大人になってからも「片付けが苦手で……」という人もいらっしゃるでしょう。

生活を送る上で、片付けが上手にできるに越したことはないですよね。ところが、発達障害の特性から、どんなに頑張っても片付けが上手くできない場合があります。

この記事では、発達障害と片付けをテーマに、片付けが苦手な原因・片付けがしやすくなる対処法・周囲の関わり方などについてお伝えいたします。

ぜひ最後までお読みください!

発達障害と片付けの関係は?【原因】

発達障害の特性によっては、「片付けができない・できても苦手」という形で困難が表面化する場合があります。

ただし片付けられない理由・原因は人によって様々あります。

発達障害だけに限ったことではありませんので、「片付けられないから発達障害だ」ということにはなりません。

また、「発達障害を持つ人はみんな片付けが苦手」というわけでもないのです。

それでは、ここから詳しく解説していきますね!

発達障害とは

発達障害とは、できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称です。特性に応じて「ADHD」「ASD」「LD」と更に細かく分類があります。

生まれつき脳の構造に特徴があることが原因といわれています。

注意欠如・多動症障害(ADHD)の特性

発達障害の分類の1つ「注意欠如・多動症障害(ADHD)」では、下記のような症状が「片付けられない・片付けが苦手」に繋がるケースがあります。

  • 衝動的に行動してしまう
  • 忘れやすい
  • じっと集中していることが苦手
  • 物事を順序立てて行うことが苦手

これらの特性は、情報を整理したり一時的に記憶したりする脳の働きの1つ「ワーキングメモリ」の機能が弱いためと考えられています。

衝動的に行動してしまう

どんなに「片付けしよう!」と思っていても、他のことに気を取られてそちらを優先してしまいやすいのかもしれません。

ADHDの特性で強い衝動性を持っている場合、本人にも行動のコントロールが難しくなります。

忘れやすい

物忘れや、物を無くしやすいといった特性で「手に持っていたものを無意識に置いてきてしまい、手放した場所を思い出せない……」といった形で表面化します。

片付ける前にどこかに無くしてしまったり、片付けようと考えていたこと自体を忘れてしまっている可能性もあります。

じっと集中していることが苦手

特性から集中することが苦手である場合、「同じ部屋でずっと片付けに専念している」などの作業がしにくくなるでしょう。

途中で気が散ってしまい、最後まで片付けられないのかもしれません。

物事を順序立てて行うことが苦手

脳の処理機能の1つ「ワーキングメモリ」の働きが不十分だと、物事を順序立てて行いにくくなるそうです。

「片付けの際に手順がまとまらない」「捨てるべきか・残すべきかを判断することが苦手」などの形で表面化することもあります。

その他の特性

ADHDの特性以外にも、下記のような特性が片付けに結びついている可能性もあります。

  • 強いこだわりがある(ASD)
    マイルールや生活のルーティンが決まってしまっているなど、片付けを生活に取り入れにくい
     
  • 感覚過敏
    視覚過敏で光が苦手、聴覚過敏で音が苦手など、片付けを行う環境の方に苦手があり作業しづらい
     
  • 口頭での指示を理解することが苦手
    「○○を▲▲に片づけておいて」などの口頭でのやり取りが難しい
     
  • 文字を読むことが苦手
    「○○入れ」などの片付け用の指示が読みにくい

発達障害について詳しく紹介している記事がありますので、併せてご覧ください。

片付けられない=発達障害ではない

片付けができない理由は様々

発達障害の有無に関わらず、片付けができない理由を持つ人はたくさんいるでしょう。

たとえば、「仕事が忙しくて片付けに割く時間が無い」「出しっぱなしにしておかないと困る人がいる」などです。

育ってきた環境に片付けの習慣があるか無いかでも変わってきます。

発達障害の診断には、専門の医師による複数の検査が必要です。

片付けができないからといって、それだけで「発達障害だ」と断定することはできません

発達障害にも個人差がある

また、発達障害にも様々な特性があり、程度も個人によって差があります。

発達障害であっても、全員が全員「片付けが苦手」というわけでもありません。

中には片付けが得意な人もいるのです。

片付けがしやすくなる方法【対処法】

片付けが苦手でも、生活を送る上である程度の整理整頓ができなければ困ることも多くなってしまいます

散らかった物を踏んで転んでしまったり、大切な書類をどこかに無くしてしまったりするかもしれません。

トラブルにならないよう、片付けがしやすくなるように工夫していきましょう!

「発達障害の特性に合わせて対策を立てる」「片付けやすい環境を整える」の2つを順番にお伝えします。

発達障害の特性に合わせて対策を立てる

発達障害の特性が「片付けられない」に結びついている場合は、特性に合わせて対策を立て改善していきます。

どの特性が原因かは個人によって違いますので、まずは日頃の様子を見て原因が何かをつかみましょう

たとえば、下記のような工夫ができます。

  • 気が散りやすい・集中できない
    → 片付けをする時はドアを閉める・テレビを消すなど
     
  • 片付けを忘れる
    → カレンダーに書き込む・家族が声掛けをするなど
     
  • 片付けの手順・判断が上手くいかない
    → あらかじめ計画表をつくり、その通りに進めるなど
     
  • 生活ルーティンに片付けを組み込めない
    → 本人が納得しやすい形で片付けの理由を説明する
    → 本人の生活ルールも尊重しながら少しずつ組み込んでいくなど
     
  • 片付けの指示が伝わりにくい
    → イラストを使って説明するなど
     
  • 光や音が苦手で集中できない
    → 照明を替える・イヤーマフをつけるなど

片付けやすい環境を整える

特性に合わせた対処と一緒に、片付けをしやすい環境を作っていくことも大切です。下記の工夫も試してみて下さい。

  • 物を減らす
  • 片付けやすい配置・レイアウトにする

物を減らす

物がたくさんあると、その分、片付けの手間がかかります。

1つの場所に置く物の数を減らしてみると、すっきりとして片付けやすくなるかもしれません。

片付けやすい配置・レイアウトにする

家具の配置や引き出しの仕切りを、片付けやすいように見直してみましょう。

色違いの収納グッズを使い分けるのもおすすめです。文具や衣類などの種類ごとに色を決めて、「○○系は黄色の箱に!」「▲▲系は青の箱に!」といった風に分けると、お子さんも片付けのルールを覚えやすいのではないでしょうか。

周囲にできること・相談先

発達障害が「片付けできない状態」に結びついてしまっていると、本人がどんなに努力していても結果が思うように伴わないこともあるでしょう。

最後に、周囲にできること・困った時の相談先をお伝えします。

周囲にできること

周囲にできることのポイントは下記の2つです。

  • 特性を理解して、過度に叱らない
  • 一緒に成功体験を積み重ねる

特性を理解して過度に叱らない

お母さん・お父さんもイライラを溜め込んでしまうと、つい「片付けしなさい!」と叱りつけてしまうこともあるでしょう。

努力してもできないことに、お子さん本人も悲しさを感じているかもしれません

何度も「努力が足りないからだ」「怠けている」と強く叱られてしまうことで、うつなどの二次障害に陥ってしまうリスクもあります。

もちろん、本当に怠けている時には叱らないといけない場合もあるでしょう。

お子さんの様子を見ながら、片付けが習慣化できるように導いてあげたいですね。

一緒に成功体験を積み重ねましょう

失敗することが多いと、片付けへの苦手意識も増してしまうでしょう。

1度に全部片付けるのが難しいようなら、少しずつ取り掛かるのも良いかもしれません。

「今日は机の周り」「今日はクローゼットの中」と小さめの目標を立てて、お子さんが達成できたら褒めていきましょう。

成功体験の積み重ねで自信がつき、片付けへの苦手意識も減っていくと思います。

相談先

発達障害による困り事は、下記のような機関に相談することができます。

家庭内・職場内などでの解決が難しい場合は、こうした機関も活用していきましょう。

発達障害者支援センターでは、本人だけでなく、家族や同僚など身近な人からの相談も受け付けてくれます。

誰かに心配を打ち明けるだけでも心が落ち着くかもしれません。

まとめ

この記事では、発達障害と片付けについてお伝えしました。

  • 発達障害の特性が、片付けられない原因になることもある
  • 特性に合わせて対策をとっていく
  • 片付けやすくなる環境も作る
  • 周囲にできることは、特性を理解して過度に叱らない・一緒に成功体験を重ねる
  • 困った時は支援機関も活用する

片付けが苦手でも、生活を送る上では、ある程度の整理整頓ができなければ困ることも多くなってしまうでしょう。

発達障害の特性が原因に結びついている場合、本人がどんなに努力していても結果が思うように伴わないこともあります。

特性を理解しながら、少しずつ工夫して片付けの習慣を身につけていきたいですね。

苦手が軽減できるように、焦らず取り組んでいきましょう!