こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
本日は「発達障害とこだわり」についてです。
発達障害の特徴を調べると【こだわりの強さ】という言葉をよく目にしませんか?
こだわりの強さとは一体どういうことなのでしょうか?定型発達の子供には、こだわりの強さはみられないのでしょうか?
定型発達の人と発達障害を持つ人のこだわりは何が違うのでしょうか?
今回は「こだわりの強さ」「こだわりの自由」「正しい向き合い方」の3点に焦点を当てながら解説していきますね。
目次
発達障害をもつ子供のこだわりの強さとは?
はじめに発達障害による【こだわりの強さに】ついて説明していきます。
【自閉症スペクトラム障害(ASD)】のこだわり
発達障害のひとつである【自閉症スペクトラム障害(ASD)】の特徴に、こだわりの強さがあります。
特定のことに対しては、とても興味を示したり集中や執着をするのですが、興味がないことには無関心な傾向があります。
気に入ったおもちゃで遊び続ける、特定の洋服しか着ないといった行動を繰り返して、他のものを受け入れないことが【こだわりが強い】と思われる理由です。
発達障害の子供は変化を受け入れるのが苦手な場合が多いので、ルールやこだわりを決めていつも同じ状態でいられるようにするのです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)について詳しく説明している記事がありますので、ぜひ一度読んでみてください。
こだわるものは人によって違いがある
発達障害をもつ子供が、こだわりを持つ対象とはどういうものなのでしょうか?
例を挙げて説明していきます。
ルールや規則に強くこだわる
自分の中で決めたルールや規則もそうですが、学校などの決められたルールもきっちりと守る子供が多いです。
自分のタイムスケジュールを崩されたり予定が変更になったりすると、変化に対応できず不安になったりパニックを起こしたりします。
衣服にこだわる
自分の好む衣服を毎日着る、それ以外の衣服は着ないというこだわりがあります。
私たちも手触りや着心地の好みはありますが、他の子供よりもこだわりが強く、その衣服以外は拒否をしたりします。
食べ物にこだわる
私たちも好き嫌いはありますが、発達障害をもつ子供は偏食が強い傾向があります。
好んだ食べ物しか口にしない・毎食同じメニューしか食べないといった子供も多く、困っているお母さんも実は結構いますよ。
おもちゃや遊びにこだわる
乳幼児期によくみられるのですが、特定のおもちゃでしか遊ばなかったり、他のおもちゃには興味を示さなかったりします。
もともと乳幼児期の子供は、好きなものに集中してしまいがちですが、発達障害の場合は他のものを全く受けつけない子供も多くいます。
お気に入りのおもちゃに執着する子供の動画をご覧ください。
他のおもちゃでも遊びはするけれど、お気に入りのおもちゃが側にないと納得できない様子がうかがえます。
こだわりが強く現れる理由とは
こだわりの対象や種類は理解できても「どうしてそこまでこだわりが強く現れるのかな?」と思いますよね。
理由はひとつではなく、生活環境や本人の性格などが複雑に関係しています。
つまり「精神安定剤」の役割があるのです。
感覚過敏がある
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴に【感覚過敏】があります。
感覚過敏があるために衣服を着た時のチクチクとした肌触りが気になってしまい、身につけても違和感のない衣服だけを着たがるのです。
・感覚が人よりも鋭く、過剰に反応してしまう
・視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感のどれかだけが過敏に反応する場合や複数に現れる場合もある
ルールや規則を守ることで安心感を得られる
発達障害の子供は変化を嫌います。
例えば予定が変わる、いつものルールが守られないと、変化に臨機応変に対応できないために不安を感じます。
その結果、パニックになったり不機嫌になったりします。
私たちはスケジュールの変更があっても、頭の中で「じゃあこうしよう!」と考えることができますよね。
そのため、不安になったりパニックにはならないのです。
発達障害の子供は臨機応変に考え方を変えることが苦手なため、安心できるように「いつもと同じ」を好むというわけです。
気持ちのコントロールが苦手
発達障害をもつ子供は、感情を表に出すことや自己表現が苦手です。
普段の生活でも周りのことに過敏に反応してしまい、ストレスや不安と戦っている子供が実は多くいます。
そしてその感情を表に出せないため、自分の中へため込んでしまいます。
自分のこだわりを持つことで、自分自身を守ろうとしていたのですね。
以上のことから、こだわりを否定したり、やめさせようとすると不安が爆発するでしょう。
その結果、かんしゃくを起こす・泣いて暴れるといった行動につながります。
過去の失敗や劣等感からくるもの
勝負の勝ち負けに強いこだわりをみせる子供がいます。
もともと生まれもった性格もありますが、負けず嫌いの子供が多いのも発達障害の特徴の1つだと言われています。
理由としては「他の人に劣っている」という気持ちが関係しています。
普段から周りと比べられて、上手くいかないことが多いので、本人の自尊心が低いのです。
その為「負けたくない!」という勝ちに対しての強いこだわりが現れてしまいます。
勝つことへのこだわりが強いと、自分が負けたときに結果を受け入れられずに、怒る・泣くといった行動を起こしてしまうのです。
子供のこだわりへの対応方法
こだわりが強い子供に対しては、その子に合った正しい対応をしてあげないと生活をしていく上で困難が生じます。
では、どのように対応してあげればいいのでしょうか?1つずつ解説していきますね。
安心感を与えてあげる
発達障害によるこだわりは、単なるワガマではありません。
不安やストレスを軽減させるために、自分のこだわりを決めているのです。
決して禁止はしないでくださいね。子供に安心感を与えるために重要なことは以下の3つです。
・不安を取り除いてあげる努力をする、不安なことを理解してあげる。
・命令形の声掛けはしない。(例:「~しなさい、~はしてはダメ!」→「~するといいよ」)
・予定の変更等がある場合は、前もって次の予定を伝えてあげる。
【食事の時間になっても遊び続ける場合の言い換え】
「遊ぶのをやめてご飯を食べなさい!」→「ご飯ができたから一緒に食べようね」「ご飯を食べたら、また遊ぼうね」
褒めてあげる・認めてあげる
発達障害の子供は、周りに比べて不得意なことが多く人とよく比べられます。
周囲と自分を比べ続けると、自分のことを「自分はどうせできない」と思うようになってしまうのも理解できますよね。その結果、自尊心が低下します。
つきましては保護者の方は、結果だけをみるのではなく頑張った過程をしっかりと褒めて、認めてあげることが子供の自尊心の向上につながるでしょう。
褒められる喜びも感じられますね。
【勝負で負けた時の伝え方】
「頑張ったね。こんなに上手にできるようになったんだね」
このように褒めることで子供は「勝つことにこだわらなくてもいいんだ、負けてもいいんだ」と気持ちが安定します。
勝負に負けても、不得意で出来ない事があってもかんしゃくを起こさなくなっていきます。
冷静になれる環境をつくってあげる
自分のこだわりを通すことで安心感を得ている子供は、こだわりが通らないと不安やパニックになってしまいます。
もしそのようなパニック状態になったときは、クールダウンできる環境を作ってみましょう。
まずストレスの原因である場所や環境から一度距離を置いてみてください。
その場を離れてゆっくりと同調しながら話を聞いてあげると、次第に心が落ち着いていきます。
子供は高ぶった気持ちを落ち着かせる術を知らないため、泣いたり怒ったりしてしまうのですね。
以下の動画ではASDをもつ女性が、自身のこだわりの強さを緩和するために実践してきた対処法について語っています。
発達障害のこだわりは強みに変えられる!
こだわりが強いと聞くと、良くないイメージを持つ人が多いですよね。
プラスに捉える人は、ほとんどいません。
しかし発達障害のこだわりという特性も【強みや長所】として伸ばしてあげられます。
ぜひ【こだわりの強さ】をポジティブに捉えてあげましょう。
自分のペースを乱さずに努力ができる
人の意見や周りの視線を気にして、自分のペースを乱される人は世の中に多くいらっしゃいます。
ペースを乱された結果、目標達成ができないということも多いのではないでしょうか?
しかし自閉症スペクトラム障害の子供は、興味があることに対しての集中力は凄まじいといえます。
何が何でもやり遂げるという姿勢は、伸ばしていきましょう。
関心のある事への知識量のすごさ
興味のないことには無関心ですが、ひとたび自分の関心があることへの探求心・追及心はずば抜けています。
そのため、興味のあることへの知識量は周りに負けないという子供は多くいます。
知識量の引き出しを趣味や仕事に活かせると、自分の強みになりますよね。
専門分野の知識を増やせるようにお手伝いをしてあげてください。
記憶力の高さ
【記憶力を問われる情報例】
- 円周率などの数字の並び
- カレンダーの日付や曜日
- 電車の時刻表
よくテレビなどでも取り上げられていますが、例にあるような情報に興味を示す子供が多くいます。
そして私たちには想像もつかない程の情報を記憶しています。
興味があることへの記憶力の高さは、私たちの予想をはるかに超えるでしょう。
小学校に入学して間もない子供が円周率を最後まで言えたり、10年前の○月○日は?と聞かれると、即座に曜日を答えたりする子もいるそうです。
その記憶力を伸ばすことで、子供の持つ能力を増やしてあげられますね。
まとめ
今回は、発達障害をもつ子供のこだわりについて解説しました。
「こだわりが強いから困った子」ということではありません。こだわりが強いことも、その子の一つの個性です。
自分のこだわりが通らずに不安でパニックになってしまうと、周りは困ってしまいますよね。
周囲の人と調和を取るためにも、子供の抱えている不安を取り除いて安心を与ええましょう。
周囲の人は、彼らがこだわりが強い理由を理解して受けとめてください。
そうすればこだわりの強さを前向きに変わるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。