こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の治し方」についてです。
「子どもの発達障害をなんとかしてあげたい。治すことはできないのかな?何か有効な方法があれば知りたい。」
上記のような悩みについてお答えします。
少しでもお役に立てると嬉しいです。ご参考として一読ください。
目次
発達障害の治し方【周囲のサポートが重要です】
【治し方】にだけ着目しますと、現代医療において、発達障害を根本的に完治させることは難しいとされています。
よって、ご家族や周囲の方々が協力しながら、当事者のサポートをし、本人が生活しやすくしていく、ということが重要と考えられています。
※参考記事:Doctors File(ドクターズファイル)
また、発達障害は、まだまだ解明されていないことも多く、明確な診断基準も確立されていません。そのため、以下の検査を通して、総合的に診断がされています。
現時点での診断基準・方法
- 面談・チェックリスト・脳波などの生理学的検査
- 認知・知能など心理検査
また、明確に確立はされていませんが、現在のところ、以下の診断基準が用いれられています。
- アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル「DSM-5」
- 世界保健機関(WHO)の「ICD-10」(『国際疾病分類』第10版)
※参考記事:Doctors File(ドクターズファイル)
発達障害は特性と考えられている
そもそもですが、現代医療では、発達障害は脳の特性(性質)と考えられています。
ですので、上記でもお伝えしましたが、「治す」のではなく、その特性に合わせて、当事者が生活しやすいようにしていくことが重要と考えられています。
※参考記事:あらたまこころのクリニック
補足:注意欠如・多動性・衝動性【ADHD】は治療薬あり
補足ですが、発達障害の特性のひとつとされる、注意欠如・多動性・衝動性(ADHD)は治療薬があります。
以下の3つです。
- メチルフェニデート(コンサータ)
- アトモキセチン(ストラテラ)
- グアンファシン(インチュニブ)
【ADHD】は、神経伝達物質(脳を動かす物質)の不足などによって現れるとされています。
- ドパミン
- ノルアドレナリン
です。
3つの治療薬は、上記の伝達物質の不足改善として使用されます。※ただし、副作用の可能性もあります。
【ADHD】治療薬の副作用
副作用としては以下のようなものです。
- 睡眠障害
- 食欲の減少
- けん怠感
- 不安感
- イライラ感
- 感情の起伏が激しくなる
このような症状がでた場合は、速やかに医師に相談し、指示を仰ぐことが大切です。
二次障害の場合は、精神科治療が対象
上記で発達障害は脳の特性とお伝えしました。繰り返しになりますが、周囲のサポートにより、当事者が生活しやすいようにしていくことが重要です。
しかし、生活していく中で、周囲の理解を得られず、ストレスを抱えることにより、抑うつなどの症状が現れる場合があります。この場合は、精神科での治療対象になります。
※生活に支障が出る場合は、その症状を抑える治療薬が使用されます。ただし発達障害の特性を根本的に治す、というものではありません。
発達障害の二次障害について、以下の記事も参考に一読ください。二次障害について、詳しく解説しています。
参考記事:発達障害児が二次障害を発症する原因
以下の動画も参考になります。精神科医の方による「発達障害は治らないのか?」についての解説です。
「発達障害は特性であり治す考えは止める」、「二次的な障害は治る可能性はある」という見解になります。参考としてご視聴ください。
参考動画:精神科医「発達障害は治る?」
以下では、発達障害障害の代表例5つ、各特性ごとに対処方法を解説していきます。
発達障害(代表例5つ)対処方法
発達障害には代表例として以下5つの特性があります。
【発達障害の代表例5つ】
- 自閉スペクトラム症
- 注意欠如・多動性・衝動性(ADHD)
- 学習障害(LD)
- チック症
- 吃音
※参考記事:厚生労働省【みんなのメンタルヘルス】
上記特性について、下記でそれぞれ対処方法を解説致します。
それぞれの前提知識情報についてお求めであれば、対処方法の前に、以下の記事もご参考に一読ください。※不要であれば、さらに下記で、各特性の対処法について解説しています。
参考記事:発達障害の疑い【代表例5つ】
参考記事:発達障害の疑い【代表例5つ】悩んだら専門機関で相談することも大切です
自閉スペクトラム症
結論からお伝えしますと、自閉スペクトラム症の子どもについては、周りの大人たちがその成長を見守り、本人の特性を理解してサポートしていくことが大切です。※現状、治癒する薬はありません。
- 親御様
- 支援の方々
- 各関係機関の方々
【補足:場合によっては薬物療法も】
- 睡眠や行動の問題
- てんかんや精神的な不調
以上が目立つ場合に、薬物療法を併用する場合もあります。
自閉スペクトラム症のさらに詳しい情報として、以下の参考記事もおすすめです。お役立てください。
参考記事:発達障害と自閉スペクトラム症の関係
注意欠如・多動性・衝動性(ADHD)
- 課題に集中しやすい環境を整える
- ほめ方を工夫する
上記工夫をし、子どもの行動を増やしてあげることが大切です。
対処具体例
- 勉強などに集中すべき時は、おもちゃなど片付け、テレビも消す
- 集中時間は短め
- 一度にこなす量も少なめに
- 休憩時間を予め決めておく
- やらなければいけないことはTODOリストに書く
- 子どもがわかりやすい言葉で簡潔に伝える
以上のような対処が重要です。
当事者の子ども達は、物事を切り替えるのが苦手。癇癪(かんしゃく)も起こします。そこで否定せずに、まず言い分を聞いてあげる(寄り添う)ことが、良い方向に導くために大切です。
そんな、発達障害をもつ子どもの保護者様向けに、【ペアレントトレーニング】という支援プログラムも存在します。【厚生労働省推奨】
※参考記事:厚生労働省【ペアレント・トレーニング実践ガイドブック】
【補足】ペアレントトレーニングとは?
ペアレントトレーニングとは、1960年代にアメリカで開発された支援プログラムです。
- 知的障害
- 自閉症
などの特徴を持つお子様について、支援機関で取り組んでいる療育をご家庭でもおこなうことを目的に開発されました。
以下の記事もペアレントトレーニングについて詳しく解説しています。参考情報としてお役に立てれば嬉しく思います。
参考記事:子供が変わるペアレントトレーニング
以下、参考記事になります。ぜひ一読ください。
また、以下の記事も参考に一読ください。【ADHD】について、より詳しく解説しています。
参考記事:子供の多動性障害ADHDとは?
学習症(学習障害)(LD)
教育的な支援が必要となります。例えば読み書きに関する支援は以下の通りです。
【読むことが困難】
大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読む
分かち書き(英語のように文節の切れ目ごとに余白を設ける)にする
音声教材を活用する
【書く事が困難】
大きなマス目のノートを使う
ICT機器(PC、電子黒板、携帯電話など)を活用する
「計算が苦手」、に関しては以下の記事もご参考に一読ください、
参考記事:算数が苦手、【できるに変える対策方法】
学習症は、気づかれにくいと言われています。しっかりと子どもの苦手、困難な部分を理解し、支援方法について考えてあげることが大切です。
チック症
- まばたきをする・顔をしかめる(運動チック)
- 咳払い・舌打ち(音声チック)
一時的であれば問題ありませんが、もし、1年以上強く継続し、生活に支障が出るほどの場合は、注意が必要です。※長期継続する特性を、【トゥレット症】と呼びます。
参考記事:厚生労働省 【みんなのメンタルヘルス】
- 飛び上がる
- 自分の体をたたく
- しゃがむ
- おなかに力をいれる
- 単語を言う
などの特性もみられます。
チック症の対処
具体的な対処法は、以下の2つがあります。
- チックが起こりそうになったとき、拮抗するような動きをする(ハビットリバーサル)
- 薬物療法を実施※トゥレット症に有効と認められた薬はまだ日本にはないが、統合失調症の薬が有効とされている
トゥレット症(長期的継続するチック)は、短時間しか制御ができません。そのことをご家族・周囲の関係者が理解してあげることが大切です。
また、以下もチック症に関する詳しい参考記事になります。お役立てください。
参考記事:チック症【5人に1人】対処法も
吃音
吃音の治療としては、以下の2つがあります。
- 言語聴覚療法※生活の質を高めることを目的としたリハビリテーションの一領域
- 認知行動療法※認知に働きかけ、気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種
吃音のよくある誤解
吃音になる場合、よくある誤解として以下のようなものがあります。
- 厳しい子育てが原因
- 本人の精神的な弱さ
しかし、これらは誤解です。吃音は【体質的な要素が強い】とされているのです。
また、以下も吃音の詳しい参考情報になります。ぜひ一読ください。
参考記事:吃音とは?原因と改善方法
以上、ここまで、発達障害の代表例5つに関して対処法など解説してきました。
繰り返しになりますが、現状、発達障害を完治することは困難とされています。まだまだ解明されていないことが多く、確実な治療方法も確立されていないためです。
しかし、上記で解説してきましたように、各対処をおこない、少しでも子どもたちを良い方向に導いてあげられるよう、周囲の理解・サポートがとても重要です。
対人関係や集団関係を円滑にするための訓練方法です。
参考記事:ソーシャルスキルトレーニング(SST)
まとめ
ここまで、発達障害の治し方、代表例5つの対処方法、ソーシャルスキルトレーニング(SST)について解説してきました。
【発達障害の治し方】
- 発達障害は脳の特性であり、周囲のサポートにより、当事者が生活しやすいようにしていくことが大切
- 精神科医の方の見解「そもそも特性なので治すという考えは止める、二次的障害は治る可能性はある」
- 補足:【ADHD】注意欠如・多動性・衝動性は治療薬があるが、副作用の可能性もある
【発達障害の代表例5つ】
- 自閉スペクトラム症→周りの大人たちがその成長を見守り、本人の特性を理解してサポートしていくことが大切
- 注意欠如・多動性・衝動性(ADHD)→環境・ほめ方など工夫し、子どもの行動を増やしてあげる
- 学習障害(LD)→教育的な支援が必要
- チック症→一時的であれば問題ないが、1年以上強く継続し、生活に支障が出るほどの場合は注意が必要【トゥレット症】
- 吃音→吃音の治療は、言語聴覚療法・認知行動療法がある
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。