こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害クレーン現象」についてです。
「うちの子ども、いつも私達の腕を引っ張って何かを取らせようとするなあ。発達障害でクレーン現象とか聞いたことあるけど、どうなんだろう?」
今回は上記のような悩みについてお答えします。
少しでもお役に立てると嬉しいです。ご参考として一読ください。
目次
発達障害クレーン現象とは
子どもが親や周りの人の手を掴んで動かそうとする行為が、まるでクレーンを動かしているように見えることから【クレーン現象】と言われています。
クレーン現象について、以下の動画もおすすめです。心療内科看護師の経験・療育事業の事例をもとに、子育てのヒントを説明されている動画です。
参考動画:クレーン現象を言葉に
自閉症の子どもに多く見られる
クレーン現象とは子どもが親や他の大人の手を掴み、何か物をとって貰うなどの動作とお伝えしました。
自閉症の子どもは年齢相応の言葉を出すことが苦手であり、口で伝えるよりも人の手を引っ張って目的を達成しようする傾向があるためです。
また、自閉症の子どもは対象となるものに強く関心を持つため、人の気持ち関係なく自分の欲求を満たそうとするからと考えられています。
※参考記事:【肥後医育児振興会】
さらに自閉症の詳しい内容について、以下の記事も参考に一読ください。
参考記事:発達障害と自閉症の関係について
必ずしも発達障害とは言えない
クレーン現象は自閉症の子どもに多く見られるとお伝えしました。しかし、だからと言って、クレーン現象を行う子ども全員が自閉症とは言い切れません。
このクレーン現象は上手にしゃべることができない、乳幼児時期(1~2歳)の子どもであれば誰でも見られる行動であるためです。定型発達の子どもも行うことがあります。
子どもの表情・様子を見ることも大切
- ちゃんと親と表情のやり取りがある
- 周りの様子を気にしている
上記のように、ちゃんと親や周りの表情も意識しているなら、それは正常な発達過程の1つである可能性が高いと言えます。
※参考記事:【肥後医育児振興会】
他に見られる現象【逆さバイバイ・オウム返し】
クレーン現象と同じように、自閉症の子どもに見られる特徴として、以下2つがあります。
- 逆さバイバイ
- オウム返し
下記で詳しく解説していきます。
逆さバイバイ
通常相手に向け手を振る行為は、0歳後半~1歳くらいになると特に教えなくても自然と理解し、出来るようになってきます。
しかし、自閉症の子どもの場合、想像力・コミュニケーションの遅れなどから、このバイバイをなかなか理解することができません。
そのため、相手が手を振るのを見て、同じように真似し、自分に手のひらを向けて同じことをするといった特徴が見られます。
その他逆さバイバイに似た行動
- 写真を撮る時に、ピースサインを裏表反対に出す
- 絵本を逆さまにして読む
オウム返し
オウム返しとは、相手の言葉をそのまま真似することです。鳥のオウムが人の言葉をそのまま真似して「こんにちは」など発音するのと同じ行動です。
自閉症の子どもには、このオウム返しの特徴が見られます。理由は言語の発達の遅れによるためです。
参考記事:発達障害とオウム返しの関係
クレーンと同じく必ずしも発達障害とは言えない
記事冒頭でお伝えしましたクレーン現象と同じく、上記2つの動作を行うからといって、必ずしも自閉症とは言い切れません。
先ほどお伝えしましたとおり、乳幼児期には発達の過程でこういった動作をおこなう子どももいます。
再度繰り返しになりますが、次のように、子どもの表情・反応を見ることも大切でです。
- ちゃんと親と表情のやり取りがある
- 周りの様子を気にしている
接し方
子どもへの接し方として、指差し・会話で積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
- 絵本の読み聞かせ
- 遊びの幅を広げる
それぞれ詳しく説明していきます。
絵本の読み聞かせ
具体的には絵本の読み聞かせがおすすめです。絵本を読みながら、子どもに言葉・指差しなどさせることで、本人の意思表示を育てるのに有効となります。
また、子どもの手を取りながら一緒に「これはゾウさん」、「これはカバさん」と教えてあげることで、言葉の意味の理解にもなります。
遊びの幅を広げる
子どもの遊びに対する幅を広げてあげることも大切です。子どもが今興味ある遊びだけでなく、未経験のことにも積極的にチャレンジさせてあげることも重要です。
- 例えば、ボール遊びをしたことがなければサッカー・野球
- 泳いだことがなければプールで泳ぐ、など
大人の真似をさせるのも効果的
- 大人がピーポーと言ったら、子供もピーポーと発音
- ニャンニャンと言ったら、ニャンニャン
- ブーブーと言ったら、ブーブー、など
一緒に楽しくコミュニケーションを取ることで、子どもも楽しく言葉を学べます。
見守ことが大切【不安なら相談も】
繰り返しになりますが、クレーン現象はまだ言葉を上手く話せない、小さな子どもが自分の意思を周囲に伝える動作です。
小さな子どもなりのコミュニケーション手段ですので、強制的にやめさせなくても大丈夫です。まずは、子どもの意思表示に応えてあげることが必要になります。
工夫することも大切
加えて、親御様は子どもが自分で指差しをしたり、言葉で何かを伝えたりできるような工夫をしてあげるのも大切です。
- 子どもが何かを物欲しそうに見ていたら、「これが欲しいの?」と指を差しながら取ってあげる
- 物を子どもに渡すときに「はい、ワンちゃんね」と言葉でも伝えてあげる
不安なら健診での相談も
クレーン現象があった場合、見守ってあげることも大切とお伝えしました。それでも不安があるようであれば、定期検診時や乳幼児健診の際に相談してみるのがおすすめです。
医療機関への相談
- 小児科
- 児童精神科
- 小児神経科
- 発達外来
- 大学病院
- 総合病院
※各都道府県のホームページに関係機関のリストが掲載されています。
医療機関以外の相談窓口
- 各区ごとの子供家庭相談
- 児童相談所
- 教育委員会・教育総合相談センター
- 特別教育総合センター
- 地域療育センター
- 学齢後期障害児支援事業
※参考記事:親子のこころのとまり木
※各都道府県のホームページに関係機関のリストが掲載されています。
さらに、下記では、神奈川県内の各関係機関についての情報になります。ご参考としてお役立てください。
神奈川県内の各関係機関情報
以下、神奈川県のホームページで紹介されている、発達障害の関係機関情報です。※数が多いため、各リンク先にて連絡先、住所が記載されています。
関係医療機関
発達障害に対応する医療機関は以下の検索サイトがおすすめです。※検索することで簡単に関係市区町村の医療機関データが表示されます。
【神奈川県医療機関】
検索サイト:【かながわ医療情報検索サービス】
※検索することで、関係市区町村の医療機関データが表示されます。
1.検索方法は、画面左側の「キーワード検索で探す」をクリック
2.検索語句に「発達障害」を入力
3.「さらに地域を絞り込む」で市町村を選択
4.検索開始
相談機関
神奈川県の発達障害に関する相談機関の情報は、以下のPDFデータから確認できます。
【神奈川県相談機関】
PDFデータ:【発達障害支援の機関リスト(PDF:177KB)】
まとめ
- クレーン現象とは子どもが親や他の大人の手を取って、物を指したり、取らせたりする動作のこと
- 多くの自閉症の子どもにはこのクレーン現象という動作が見られる
- クレーン現象を行う子ども全員が自閉症とは言い切れない
- 乳幼児時期(1~2歳)の子どもであれば誰でも見られる行動でもある
- 同じような特徴で、逆さバイバイ・オウム返しなどもある
- 指差し・会話で積極的にコミュニケーションを取ることが大切
- 見守ことが大切だが、どうしても不安があれば、医療・相談機関などで聞くこともおすすめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。少しでもお役に立てれば幸いです。