こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害とそろばん」についてです。
計算道具として昔から馴染みのある「そろばん」。電卓やスマホの計算アプリが主流になってからも、子供の習い事としてだけでなく大人の教養としても人気があります。
この記事では、発達障害とそろばんをテーマに、メリット・デメリット、そろばん教室を探す時に見ておきたい情報、長く続ける工夫についてもお伝えしようと思います。
目次
発達障害に「そろばん」は効果あり?【メリット・デメリット】
発達障害をかかえるお子さんの習い事を考える時には、どうしても「効果はあるの?」「デメリットは無いの?」と気になりますよね。
「そろばん」にも勿論、メリットとデメリットがあります。
いずれも発達障害の特性と、お子さん本人の好みによっても変わってきますので、まずはメリット・デメリットを見て検討していきましょう。
発達障害とは、できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称です。特性に応じて「ADHD」「ASD」「LD」といった細かい分類があります。
生まれつき脳の構造に特徴があることが原因といわれています。
発達障害の詳細については、こちらの記事で紹介しています。
そろばんの効果(メリット)
発達障害のお子さんが「そろばん」を習う場合、下記の5つのメリットが考えられます。
- 集中力・指先の運動になる
- 脳への刺激
- 成功体験の積み重ねができる
- 文字が苦手でも学習しやすい
- 「そろばん」という道具の楽しさ
メリット① 集中力・指先の運動になる
1問ずつ計算を解いていくので、自分のペースで短時間の集中を繰り返せます。
また、そろばんは指先で珠(たま)をはじくことで計算していく道具です。親指と人差し指はずっと動かし続けるので、利き手は特に運動量が多そうですね。
メリット② 脳への刺激が期待できる
目で数字を追い、手でそろばんと珠を動かし、耳で珠を弾く音を聴く……といった風に、複数の刺激が脳に送られるのがそろばんの特徴です。
一時的な記憶や情報の処理をになっている脳の働き「ワーキングメモリ」の活性も期待できるかもしれません。
▼ワーキングメモリについて、他の記事でもご紹介しています。興味がある方は是非併せてお読みください。
メリット③ 成功体験の積み重ねができる
そろばんは計算の難易度を自由に選ぶことも可能です。お子さんの無理のない範囲でチャレンジできるので、成功体験を重ねていけます。自己肯定感にも良い影響がありそうです。
メリット④ 文字が苦手でも学習しやすい
そろばんの授業の1つ「読み上げ算」では、数字を見ずに「××円なり、△△円なり……」と読み上げる声を聴きながら計算を行います。
発達障害のうち「学習障害(LD)」の特性で文字を認識することが苦手なお子さんも、取り組みやすいでしょう。
メリット⑤ 「そろばん」という道具の楽しさがある
そろばんの珠をはじく時の「パチパチ」という音や、御破算の合図で一斉に球を戻す「ジャッ」という音は、そろばんならではの楽しみかもしれません。珠の感触も、すべすべとする独特の心地良さがあります。
お子さんも興味を持ってくれそうですね!
そろばんのデメリット
メリットがある一方で、場合によってはデメリットも考えられます。お子さんにとって苦痛となってしまう可能性もあるのです。
- 音が苦痛になるおそれ(聴覚過敏)
- 人と接することが多い
- 勉強の側面がある
デメリット① 音が苦痛になるおそれ
そろばんは、珠を動かす音や読み上げの声がたえず聴こえる習い事です。音に苦手や苦痛を感じる「聴覚過敏」の症状を持っているお子さんには、ストレスに感じることがあります。
そろばんは音を無くして学ぶことが難しいので、聴覚過敏の傾向がある場合には他の習い事を検討してはいかがでしょうか?
▼以下の記事では発達障害のあるお子さんも参加しやすい習い事をご紹介しています。
デメリット② 人と接することが多い
そろばん教室では、小学校のように数人~数十人の生徒に対して1人2人の先生で対応するタイプ、いわゆる集団授業が多いです。
集団の中で過ごすことが苦手と感じるお子さんであれば、普段の学校に加えてそろばん教室も……となると負担が大きくなってしまう可能性もあります。
少人数制のそろばん教室も各地で開かれていますので、お住まいの地域にもないか調べてみると良いですよ。
また、オンライン教室であれば他の参加者を気にせず参加できるかもしれません。オンライン教室でも少人数制を採用している教室は多数あります。
デメリット③ 勉強の側面がある
「そろばん」はスポーツやダンス、楽器、美術などと異なり、勉強の一環と捉えられがちな習い事です。
発達障害のお子さんは「できないことを指摘される」経験が比較的多く、「勉強が嫌い・苦手」と思い込んでいる子もいます。
だから、勉強に苦手意識があるお子さんは、計算問題が延々と続くそろばんに苦手や難しさを感じてしまうことも考えられるでしょう。
学習環境が変われば、そんな思い込みを覆すことができるかもしれません。そろばんで計算が速くなると学校の勉強も今より少し楽になり、好循環も見込めます。
基礎学力を育てるためにも、「うちの子は勉強嫌いだから…」とご両親が決めてしまうのではなく、本人と相談し興味を示すならやってみるのも良いでしょう。
「そろばん教室」を探す時に見ておきたい情報
実際にそろばん教室に通う場合は、地域の中から教室を探すことになります。お子さん本人とも相談しながら決めていきましょう!
- そろばん教室の月謝
- 発達障害者を受け入れる環境
- 教室に通う生徒の年齢層
の順にポイントをご紹介します。
そろばん教室の月謝
そろばん教室の月謝は、4,000円から12,000円くらいが相場であるそうです。ピアノや学習塾に比べると、家計にも嬉しいお値段ではないでしょうか。
ただし、これはあくまでも目安です。
また、月謝の他に必要な費用として入会金や教材費などがあります。入会金はキャンペーンの実施で安くなっている場合もあります。
地域や通う日数によって月謝も違います。各教室へ問い合わせてみて、検討材料とされてください。
発達障害者を受け入れる環境
苦手な環境ではないか
無理なく長く続けられるように、お子さんの通いやすい環境かどうかチェックしてみましょう。発達障害の特性・お子さんの性格によっては、教室の環境に苦痛を感じてしまうことも考えられます。
たとえば、下記のようなケースがあります。
- 視覚過敏で光が苦手
- 聴覚過敏で音が苦手
- そろばんの手触りが苦手
- 周囲に人が多いと集中できない
- パニックになってもクールダウン用の部屋がない など
窓からの光や、道路を通る車の音など、時間帯による環境の変化がある可能性もあります。見学ができるのなら、実際に通うのと同じ時間帯に行くのがおすすめです。
先生の方には受け入れ態勢があるか
先生の方で発達障害の受け入れ態勢ができていることも重要なポイントです。どうしても、先生からのサポートが必要な場面は出てきますよね。
『お子さんは教室が気に入ったけれど、先生側の体制が整っておらず結局通えなかった・・・』ということになってしまうと、お子さんも親御さんもガッカリしてしまうと思います。具体的な検討に入る前に問い合わせてみて下さい。
問い合わせの際は、受け入れ態勢に加えて指導方針も聞いておけるといいですね。たとえばこちらのツイートの教室だと、次のような考えのもとに発達障害を抱える子供たちを指導しているようです。
▽ こちらのリンクから、全国のそろばん教室が検索できます
日本珠算連盟「そろばん教室・珠算塾検索」のページ
教室に通う生徒の年齢層
そろばん教室には、おおむね小学校~中学校のお子さんが通うケースが多いようです。早いと幼稚園・小学生低学年くらい、脳の発達が促される年頃からスタートする子もいます。
そう聞くと「高学年だけど、もう遅いのかな……?」など年齢が心配になるお母さん・お父さんもおられるでしょう。ですが、習い事を始めるのに「遅すぎる」なんてことは無いと思います。
「80の手習い」ということわざがあります。人間、いくつになっても習い事を始められる、という意味だそうですよ。
「ある程度は自宅学習できる!」のも、そろばんの魅力
そろばんの魅力は、ほとんど場所を問わずに使えることです。机があれば(人によっては立ったままでも)パチパチッと珠をはじいて計算ができます。基本的な使い方さえわかれば、ある程度は自宅でも学習できるのです。
環境がどうしても合わないけど、そろばんに興味はある!という場合は、ご自宅で勉強してみるのも良いかもしれませんね。
リラックスできる環境でお母さん・お父さんと一緒に、毎日時間を決めて始めてみるのもおすすめです。
▽ こちらは、そろばんの基本的な使い方が説明されている動画です。よければ合わせてご覧下さい!(※ 9分強の動画です)
▽ そろばんは手頃な価格帯からでも購入できます!
(※ そろばん教室や小学校によっては、指定のそろばんが決まっていることもあります。ご注意下さい)
【商品例:小学生のそろばんセット】
参考商品価格:1,760円
出版社,出版年:成美堂出版,2011
監修:高柳和之
ISBM:9784415311289
また、子ども版のそろばんとして、百玉そろばんというものもあります。知育用として人気です。
以下の動画でも、百玉そろばんについて解説しています。参考にご視聴ください。
そろばんを長く続ける工夫
成功体験を積み重ねる
そろばんに限らず、何事も長く続ける秘訣は成功体験の積み重ねです。上手くいくと嬉しくなって、「次も頑張ろう!」と意欲がわきますよね。
小さな目標を立てて、お子さんが達成したら褒めてあげましょう。自信がついて、もっとそろばんが好きになっていくのではないでしょうか。
スモールステップ
小さな目標を重ねていく「スモールステップ」がおすすめです。1度に大きな目標を立てるのではなく、小さく目標を分けて進めていくのです。
たとえば、「今日は指の動かし方を覚える」「今日は一桁の計算に挑戦してみる」といった具合ですね。お子さんのペースで少しずつチャレンジしていきましょう。
無理なく、お子さんが楽しんでそろばん学習を進めてくれるといいですね!
【生の声】こんな成長が!
「そろばんを通してどんな変化があったか」は、特に聞いておきたい部分だと思います。最後に、そろばんが合っていたお子さんの生の声をご紹介しますね!
こちらの動画では、発達障害のお子さんが実際にそろばんをしている様子や生の声を聞くことができます。
・そろばんが楽しい
・自信がついた
・授業中に歩き回ることがなくなった
・友だちが増えた
親御さんの生の声も、いくつか紹介しておきますね。
▼立派に育った!
▼そろばん教室では30分間集中!
▼公文はダメだったけど、そろばんはできた!
まとめ
この記事では、発達障害とそろばんについてお伝えしました。
- そろばんにはメリット・デメリットがある!
- メリット:集中力や指先の運動、脳への刺激 など
- デメリット:音が苦痛になることもある など
- そろばん教室を探す時は、苦手な環境ではないかなどもチェックしましょう!
- 長く続ける工夫は「成功体験」と「スモールステップ」!
お子さんの習い事・大人の教養としても、そろばんは多くの人に愛用されています。脳への刺激にもなるので、成長期のお子さんにはピッタリの習い事ではないでしょうか。
発達障害の特性やお子さん本人の好みに合わせて、教室を探してみて下さいね。
楽しくそろばん学習ができますように!