こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害と診断されたらどうする?」についてです。
発達障害の診断は医師によって行われますが、もし発達障害と診断された後はどうすればいいのでしょうか?そこで今回は、発達障害と診断された後に受診する科や診断後について解説していきます。
目次
発達障害と診断されたら受診する科ってどこ?
発達障害は乳幼児期から学校に通っている間に発見されやすいのですが、最近は大人の発達障害も増えています。
発達障害は先天性な脳の機能障害といわれてます。よって大人であれば、初診は内科で受け相談するといいでしょう。専門の医師がいる病院を紹介してくれます。
子どもの場合は家庭医が専門機関と連携を取るので、最初は小児科などの主治医に相談すべきです。たとえば耳鼻科などの専門機関は、発達障害専門医との直接的な繋がりがない場合があります。
発達障害の検査を受けるメリットとデメリット
発達障害の検査(発達検査)を受けるメリットとデメリットは何でしょうか?比較していきましょう。
メリット
- 子どもが何に困っているのか見通しが立てやすくなる
- 早い段階から子どもに適した環境や支援を得られる
デメリット
- 発達障害だった場合、結果を受け入れるまでに時間を要する
軽度の発達障害は、発見が遅れがち
明らかな重度の発達障害と違い軽度だと気付きにくい事がよくあります。
発達障害の診断(発達検査)を受けることによって、「得意であるもの」「不得意であるもの」がよく見えてくるので、専門家の意見をもとに落ち着いて「見通しのつく状態」を手にしてください。
発達障害の診断が受けられる病院は?
初診は通院している主治医に相談するといいことが分かりました。
ところで発達障害の診断が受けられる科はどういった科なのでしょうか?一般的に目安となるのは紹介文などで以下の2点が掲載されているかどうかです。
- 診療領域に「発達障害(自閉症、学習障害など)」がある
- 小児神経疾患の専門医がいる
それでは具体的に以下見ていきましょう。
専門外来
児童思春期専門外来や発達障害専門外来で診療できます。
専門医というのは小児神経専門医か発達障害診療医師です。しかし、専門医は非常に数が少ない、常駐しているかは確認が必要、順番待ちなど問題は常にあると考えてください。
利用できる専門機関や福祉機関
都心部であるほどサービスや福祉機関は多いため、最初はサービスや福祉機関へ行き相談するといいでしょう。
お子さんの困っている点、ほしい支援などを役所の福祉課や子供課に相談すると、さまざまな案内を受けられ、知りたい内容にたどり着くのが早くなるかもしれません。
お子さんの年齢が小さすぎると、病院に行っても「おそらくこの範囲内の発達障害」と言い渡される可能性があるからです。
地域における支援専門部署
区や市町村で相談や支援専門の部署が存在します。
地域の医療関係の病院や専門機関の場所など、詳しい情報をリストアップしているため、頼りにしましょう。
ホームページ検索でも情報は得られる
ホームページを設けている医療機関では主に以下の情報を得られます。
- 発達障害に対しての対応が可能な場所
- 個別の心理相談や悩み相談
- 言語療法や作業療法を行っている
- 養育の仕方
無料で得られる情報を活用するのは構いませんが、詳しい内容は直接医師に聞いた方がいいのは言うまでもありません。
以下のリンクは全国の発達障害を診察する病院・クリニックの口コミ・評判一覧ページです。是非参考にしてください。
注意点
注意点は2つあります。
専門外来の項目でもお話ししましたが、病院や福祉機関は増えてきているのになかなか自分の順番が来なかったり、何か月も待たされる点に注意してください。
医師や専門家には限りがあり、一人ずつにきめ細かな診断するため実際の診療の場では個人に時間をかけて応対しているからです。
もう1点は専門外来などに初診で行かれる場合、外した方が良い時期があることを覚えておいてください。
外した方が良い時期とは発達障害の診断を定期的に受けなおす時期(数か月程度)のことで、病院が混雑するからです。
病院以外で養育相談や専門機関の紹介ができる支援機関や窓口を一覧にしました。相談する際の一つの目安にしてください。
機関名 | 障害に関する連携事項 |
---|---|
保健所・保健センター | 発達相談や療育相談、1歳6か月健診や3歳半健診 |
児童相談所 | 発達や療育に関する相談、療育手帳の交付に伴う障害の判定 |
市町村相談窓口 | 子供と家庭に関するあらゆる相談の窓口 |
児童家庭支援センター | 児童相談所を補完する機能を有する相談窓口 |
福祉事務所 | 障害児保育や特別児童扶養手当などの給付手続き |
民生委員・児童委員 | 厚生労働大臣の委嘱を受け、地域の福祉に関する相談に応ずる |
教育委員会・教育相談室 | 一般の教育相談に加え、障害児の就学に向けた相談や支援の応ずる |
学校 | スクールカウンセラーによる相談 |
医療機関 | 医師による障害の診断、必要に応じて治療投薬 |
児童発達支援センター 児童発達支援事業所 | 障がい児とその家族への相談支援機能 障害児保育のある保育所等への訪問支援機能 |
「医師とそりが合わない」ときは
病院や専門機関へ行くと「この先生は自分たちには合う、でもこの○○先生はどうしても好きになれない。」と悩んでしまう方はいらっしゃいます。
ですが心配しなくても大丈夫です。一か所の病院にこだわる必要は全くないため、他の病院や支援機関へ行ってください。
なお診断や診察には「保険」が適応されます。普通の病院と全く変わらないので保険証と医療費助成受給者証などのほか、母子手帳なども持っていいでしょう。
発達障害と検査について
専門外来に受診した場合、どのような方法で発達障害の診断が行われるのかを解説します。
流れとしては以下のようになります。
保護者やお子さん自身へ「どのような場面で困っているか、どういうときにそうなりやすいか」を丁寧に聞き取ることから始まります。
専門の心理士などが行動を観察したり、関係者から聞き取りを開始します。
発達障害のリスクを検討します。
発達障害については別途解説している記事がありますので、参考にしてください。
発達検査について
乳幼児は知能の発達が進行している状態なので、知能として測定するのは難しいでしょう。
よって、保護者や関係者とともに聞き取りや面談メインで進行します。発達検査は主に3つあるので紹介します。
- 円城寺式・乳幼児分析的発達検査
- 乳幼児精神発達診断法(津守式)
- KIDS乳幼児発達スケール
円城寺式・乳幼児分析的発達検査
0~4歳8か月の子供に適応され、「運動(移動運動、手の運動)」「社会性(基本的生活習慣、対人関係)」「言語(発語、言語理解)」を元に診断します。
乳幼児精神発達診断法(津守式)
0~7歳に適用するもので、3種類の用紙があり「1~12か月」「1~3歳」「3~7歳」に分かれています。
「運動」「探索・操作」「社会」「食事・生活習慣」「言語」の5領域をもとに診断します。
KIDS乳幼児発達スケール
3つの検査の中では最新式で4種類のほか障がい児用もあり、知能指数ではなく発達指数(DQ)を診断するものです。0~7歳に適用し、内容は質問型になっています。
用紙はA(1~11か月)、B(1~2歳)、C(3~6歳)、T(発達遅滞児)に分かれ、「運動」「操作」「理解言語」「概念」「対子ども社会性」「対成人社会性」「しつけ」「食事」をもとに診断します。
発達指数とは
発達指数とは、子供の発達の基準を数字にしたものです。
子どもが成長していくにはそれぞれの発達段階にあった関わりや対応が必要です。よって、発達の状態を客観的に知る物差しの一つとして、発達指数が使われています。
注意したいのは、発達検査は診断名がつく確定検査ではありません。客観的なデータをもとに、保護者が自分の子供に対して見通しを得られるように作られています。
知能検査について
発達検査と並んで、ともに受けてもらうことがあるのが知能検査です。
知能検査とは
知能検査は集団式検査と個別式検査があります。
- 集団式知能検査:紙と鉛筆で答えるもの。個別式検査に比べて信頼性や妥当性が低い
- 個別式検査:検査する人と検査を受ける人が一対一で行う検査
知能検査では話を聞いていない子どもは結果が低くなります。認知発達の水準を評価してその人の得意な分野とそうでないものをわかりやすくしたものです。
発達支援や学習指導の方向性を考える際に使われます。
発達検査や知能テストが絶対ではない
知能指数は診断時の状態を測るための検査で絶対ではありませんし、子どもの未来を数値化するものではありません。障害者であるとわかったら、最初は戸惑いや怒りを抱かれるかもしれません。
ですが発達障害について理解を深めていき、見通しがつく状態になれば対処方法も習得できます。
発達診断の検査を受けた後
発達診断の検査は「次にどうすべきかの方向」を示してくれます。
お子さんの場合
数値とデータが表しているものは、保護者やお子さんがどのようなときにどこで困っているのかを示す具体例です。
診断結果のデータがあれば「わかりにくくなっていること」を、本人にとって「わかりやすい状態」にしてくれます。よって、保育園や幼稚園、小学校の担当に結果内容を伝えて、保育や学習に活用してもらうといいでしょう。
周囲への理解が得られると、お子さんを取り巻く環境が好転する可能性が高くなります。
社会人の場合
社会人が発達障害と診断されたら小さなお子さんと同じようにカミングアウトすればいいかについては、状況によりけりです。
差し迫って助けが必要な時以外、カミングアウトは控えた方が無難といえます。障害者を差別しない社会づくりを政府は提言しているため、表立って差別することは少ないでしょう。
しかし、カミングアウトした場合健常者と同等の結果を出せなければ、退職を促されたり重要なポストから席を外される可能性は少なくないからです。
たとえば、ADHDの場合、対処療法として薬物投与が可能です。症状を抑えながら業務に集中できれば、健常者と同等の結果を残せるかもしれません。
障害者手帳の取得
主治医や専門機関の相談員などから発達障害の診断を受けてみたらと薦められ、発達障害の診断を受けた場合は、役所への診断書提出などを経て障害者手帳を取得できます。
知的障害を併せ持つ発達障害の場合は療育手帳、発達障害のみの場合は精神障害者保健福祉手帳を取得することになります。
障害者を取得すると一部控除を受けたり、特別なサービスを受けられるので検討してみてはいかがでしょうか。
医療費助成受給者証の取得
地域によって差はありますが、医療費を一部負担してくれる制度です。
医師からの診断書をもとに役所が助成費を確定します。保険適用されたとしても、精神科通院費はかかるため、取得するといいでしょう。
まとめ
今回は「発達障害と診断されたら」について解説しました。
初診は『内科』へ
保護者だけではどうにもならない課題が出てきたら支援サービスの相談員と話してみたり、小児科で相談してみましょう。