こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「子育て中の腱鞘炎」についてです。
子育て中に発症しやすいとされる腱鞘炎。でも、なぜなんでしょう?
腱鞘炎はどんな人に多いのか?どんな症状なのか?発達障害児の親はなりやすい?などの疑問と、受診の目安やセルフケアについてもまとめてみました。どうぞ、ご覧ください。
目次
腱鞘炎になりやすいのは子育て中のお母さん
まずは、子育て中のお母さんが腱鞘炎になりやすい理由について解説していきます。
子どもを妊娠し、お母さんの体には大きな変化が起こり、大けが相当のダメージを受けると言われる出産を終えた後、元の体に戻ろうとホルモンバランスが急激に変化します。
そんな中でも、育児が始まり、家事量が増える上に同時進行。抱っこやおんぶ、おむつ替えなど、手を使う機会が出産前に比べて増えます。
急増した家事育児によるストレスや、睡眠不足に陥りやすく、ホルモンバランスも乱れやすくなります。
もちろん、家事育児以外でも、手は24時間働き続けている“手”を休めるのは、難しい事です。しかも、手首の筋肉は元々、少ないため、子育て中のお母さんは腱鞘炎になりやすいと言えます。
①抱っこやおんぶが多くなる
②女性ホルモンの影響
③手や手首の使い過ぎ
さて、ここからはこの3つのポイントにしぼって解説していきたいと思います。
①抱っこやおんぶが多くなる
当たり前のことですが、我が子におんぶや抱っこを要求されると、少々手が痛くても、親はその要求に答えてしまいます。泣いたりぐずったりしていると、なおさらです。
国立女性教育会館の「平成16年度・17年度家庭教育に関する国際比較調査」によると、日本のお母さんは調査対象の6か国のうち、平日子どもと過ごす時間が最も長く、逆に、お父さんは最も短くなっています。
子どもと過ごす時間が長くなると、どうしてもおんぶや抱っこをせざるを得ない状況になりやすく、その時間も長くなり、腱鞘炎の要因になると言えます。
参考:内閣府子どもと一緒にいる時間の拡大
②女性ホルモンの影響
まず、ホルモンとは、内分泌器官(脳下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣など)や組織(上皮組織、筋組織など)で作られる体の働きを整える物質で、からだの内側や、外側(環境変化)に変化が起きても、体の働きを常に同じに保てるように働く物質です。血液などを通って体内を循環し、目的の場所で力を発揮します。
女性ホルモンは、卵巣で作られているホルモンの事で、エストロゲンとプロゲステロンの2種類あり、妊娠・出産のための機能を持っています。月経も女性ホルモンの作用でコントロールされています。
妊娠することにより、女性らしさをつくるエストロゲン(卵胞(らんぽう)ホルモン)と妊娠を維持するプロゲステロン(黄体(おうたい)ホルモン)という2つのホルモンが増加しますが、出産後、胎盤がはがれると、増加していた女性ホルモンは、ほぼゼロになるという大きな動きが起こり、体の不調が起きやすくなります。
エストロゲンは、骨、関節、脳などを健康に保ち、組織をなめらかに保つ作用があるため、働きが悪くなると、なめらさが減り、腱や腱鞘に炎症を起こしやすい状態になります。
また、女性ホルモンはわずかな量で作用するので、ちょっとした乱れが様々な不調につながります。
③手や、手首の使い過ぎ
手は常に使っている場所です。前述のとおり、手を使う機会が出産前に比べて急増するうえ、おんぶや抱っこで、手首や指の特定の場所に負担がかかりやすくなります。しかも、手首は皮、骨、腱、脂肪で構成されており、鍛えることも難しい場所です。
しかも、育児以外にも、手は24時間働き続けています。そのため、使い過ぎによる腱鞘炎の発症リスクがあります。
ベネッセ教育サイトのアンケート結果によると、「お子さんが積極的に抱っこを求めてきたのは、何歳までですか?」という質問で、5歳,6歳という答えが多く全体の約35%という結果があります。
5歳の子どもの平均体重はだいたい18キロ。小さい頃のように常々抱っこが必要ではない子がほとんどですが、18キロになるまでに子どもを日常的におんぶや抱っこをしていたら、負担は蓄積され、腱鞘炎になる可能性は高くなると言えます。
3歳 | 6% |
4歳 | 10% |
5歳 | 20% |
6歳 | 15% |
7歳 | 9% |
それ以上 | 25% |
元々積極的に求めない | 15% |
腱鞘炎はこんな人もなりやすい
- ゲームやスマホを使う頻度が多い人
- スポーツ等で手首を使う人
- 一日中タイピングや文字や絵を描く人
- 料理人
- 糖尿病の人
- リウマチの人
- 人工透析を受けている人
などが思い当たる方はなりやすい傾向です。
以前は、職業病とされてきていましたが、現在は、パソコンやスマホを使う事が増え、誰でも起こりうる病気として、近年増加傾向にあります。
腱鞘炎とは?
では、腱鞘炎について簡単に解説します。
腱鞘炎とは、骨と筋肉をつないでいる腱(けん)と、腱を包んででいるトンネルのような腱鞘(けんしょう)が、分厚くなり炎症を起こしている状態です。
腱と腱鞘がこすれ合い、炎症が出て、腫れ、悪化すると、治療しても自力で曲げ伸ばしができなくなる場合もあります。
種類と原因
腱鞘炎の種類は主に手首を痛めてしまうドケルバン病と、指を痛めてしまうばね指の2種類に分かれます。
原因は、手や指を頻繁に使う事です。手や指の使い過ぎる人や、重い荷物を持つ仕事の人に起こりやすいですが、一方で、産前産後の女性や、更年期の女性もなりやすく、女性ホルモンも関係するので、手指をあまり使っていない人にも起こる病気です。
治療法は?
治療法は、手をなるべく使わないで安静にする事ですが、その他、投薬治療、手術です。
薬は、塗り薬、飲み薬、貼り薬です。
痛みが強い場合、腱鞘に直接ステロイド薬を注射します。注射後、2、3週間後に効果がみられ、3カ月から半年程度持続します。
それでも何度も繰り返す場合、手術が行われます。局所麻酔にて幹部を切開し、腱鞘を切り開きます。
手術自体は15分程度で、日帰りで終わります。
参考:NHK安静が大切!腱鞘炎の検査・治療法とは
ドケルバン病
ドケルバン病とは狭窄性腱鞘(きょうさくせいけんしょう)炎ともいいます。
手首の親指側にあるトンネル状の腱鞘を通る腱に炎症が起こった状態です。
腱鞘を通る腱の動きがスムーズでなくなり、手首の親指側の腫れ、痛みが出たりします。
何かを持った時や、動かした時に痛みが出ます。
参考:日本整形外科学会症状・病気を調べるドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ばね指
ばね指は、弾発指(だんぱつし)とも言います。指に起こる腱鞘炎の事です。
指は腱によって曲げ伸ばしが出来ます。
筋肉と骨を結びつけている組織(腱)が通るトンネルのような部分(腱鞘)に炎症が起き、手のひら側の指の付け根に力がかかり、炎症が出ます(腱鞘炎)。
そのままにしておくと、腫れて引っかかりが出てうまく動かなくなり、かくかくした動きになってしまいます(ばね指)。
参考:日本整形外科学会症状・病気を調べるばね指(弾発指)
発達障害の場合は?
発達障害の親は腱鞘炎になりやすのか、また発達障害当事者はどうなのか調べてまとめました。
発達障害児の親はなりやすい?
発達障害児の親は、一概には言えませんが、なりやすいと言えます。
理由としては以下があげられます。
- 乳幼児期の育てにくい特性を持つ子がいる
- 乳幼児期は抱っこ以外では寝ない、逆に抱っこを嫌がって反り返るなど
- 幼児期になって、歩く事が出来るようになっても、周りと比べて歩くのが苦手
- 体力がなかったり、気がそれるなど、発達障害のない子に比べて抱っこする状況が多くなる傾向
- 自分の思い通りに行かないと癇癪(かんしゃく)やパニックを起こす
- 親は予想もつかない子どもの行動に、毎日、ヒヤヒヤハラハラし、女性ホルモンは乱れやすい
など、一例ですが、このような事から見ても、発達障害の子どもを持つ親も腱鞘炎になりやすい傾向にあり、十分注意が必要です
発達障害について改めて気になった方はこちからどうぞ▼
発達障害当事者はなりやすい?
【ツイッター】
こんな発信をされている方がいます。
この方は、地道にコツコツ仕事をできる強みを持っておられて、一方で、様子を見て力を抜くなどの見えない加減が苦手なようですね。
その場の空気を読んだり、暗黙のルールが分かりにくい等の特性を持っている方は、日常的に頑張りすぎてしまい、結果、腱鞘炎になりやすい傾向にあるのではないでしょうか?
発達障害の適職について気になる方はこちからどうぞ▼
セルフケアの方法のご紹介
さて、ここからはセルフケアについてです。
- 安静
- マッサージ
- サポーター類で固定
などがあります。
どちらも共通して言えるのは、痛みや腫れがひどい場合は、マッサージは控えてください。
なかなか改善しない場合は自己判断せず、医療機関に受診してください。
痛みが2週間以上
痛みが広範囲に広がっている
腫れや触ると熱い
市販薬を5、6日使用しても改善しない…など
参照:第一三共ヘルスケア薬と健康の情報局腱鞘炎の対策
初期症状は冷やす?温める?
痛みや腫れが出て、ズキズキ痛むときは、痛みをしずめるために冷やします。それを過ぎると、血行を良くするために温めます。温めることによって血行が良くなり痛みが発症しにくくなります。
ドケルバン病のセルフケア
【関連動画】
腱鞘炎のチェック方法も含めて簡単なマッサージ方法を4つ紹介されています。
こちらは、抱っこの方法やテーピングの貼り方を含めて解説されています。
ドケルバン病おすすめサポーター
- 概要 動きやすいのに、ズレにくい、水にも強いサポーターです
- 価格 税込み1980円 送料無料 ※楽天市場202212月時点の価格
- 特徴 薄いけど、伸縮性が良く幅広ベルトでしっかり固定
口コミによる高評価です。
育児で腱鞘炎になって抱っこ以外にも物を持つのも痛くなったので購入しました。私は手首細めなのですがsサイズちょうどよかったです。手首をしっかりホールドしてくれるのでこれがあると抱っこが楽でありがたいです。
ただ、オムツ替えの時につけていると、縫い目のところにオムツのテープが当たって引っ付いてしまい、剥がすと縫い目の糸がモケモケしてしまうので、テープ類が当たらないようにしないといけないです。あと、素材的に少し手が蒸れやすいから長時間の着用はあんまりかもしれません。そこを注意すれば使いやすいかなと思います。
引用元:Rakutenみんなのレビュー
その他、薄くて使い勝手が良いという意見や、洗濯できるなどの意見がありました。
一方、低評価です。
男女兼用でサイズがS,MなのでM
を選びました。私は中肉中背の男性で、手首はごつい方ではないのですが、手首に回すとマジックテープがギリギリになります。少し力を入れると外れます。
引用元:Rakutenみんなのレビュー
その他、マジックテープが弱いという意見もありました。
ばね指のセルフケア
【関連動画】
こちらの動画では3段階でマッサージを分かりやすく紹介されています。
ばね指おすすめサポーター
- 概要 金属プレート入りで添え木のようなしっかり感
- 価格 税込み890円 送料無料 ※楽天市場202212月時点の価格
- 特徴 マジックテープで締め付け感を調節できる、全指対応
口コミによる高評価です。
思った通りの品で満足です。サポート力が強いながらも二箇所での固定で違和感なく、快適に装着できます。
引用元:Rakutenみんなのレビュー
など、固定がしっかりしている事に高評価している声が多くありました。
一方、低評価です。
親指にと思ったのですが、私の指が短いせいもあって使えませんでした。
引用元:Rakutenみんなのレビュー
などの評価や、全指対応と書いているが小指には大きく、外れてしまうというような意見もありました。
まとめ
こちらの記事では、子育て中の腱鞘炎についてまとめました。
腱鞘炎になりやすいのは、子育て中のお母さんに多い。発達障害当事者の方も特性により、なりやすい人もいる。
種類は、手首を痛めるドケルバン病と、指を痛めるばね指の2種類。おんぶや抱っこのし過ぎ、女性ホルモンの影響、手や手首の使いすぎが原因。
痛めた直後は冷やす。その後は、温めて、血流を良くする。
セルフケアは、マッサージ、サポーターがあるが、一番は安静。心配な時は病院へ受診を。
一番簡単なセルフケアは安静です。少しでも休められる時間が持てますように。
この記事が何かのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。